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【ドル預金の運用利回りは円預金を下回る!?】米シティバンク日本撤退が意味すること②

2014-08-27 00:02:13 | 日本

(前回からの続き)

 外資系銀行が日本人投資家向けの事業を拡充させるためには、「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」の市場環境のもと、「」よりも実質金利の低い「ドル」等の外貨を元手に「円」以上の運用利回りを上げなければならず、これら彼らにとって大きなハンディキャップとなっている、という見方を前回綴りました。

 それをもう少し細かく書くと―――「ドル預金」は彼ら外銀の主要商品ですが・・・一定期間の見た目の金利が円預金より高いドル預金でも、数年におよぶ金融緩和政策(Quantitative Easing:QE)の影響でアメリカは日本よりも物価上昇率が高い分だけドルは円に対して減価してしまうので(円高ドル安が進んでしまうので)、その満期時の円建ての受取金額は多くの場合、円預金よりも少なくなってしまう → したがって日本人の顧客はそんなドル預金に見切りをつけて邦銀等が扱う円預金のほうに戻ってしまう → 外銀は日本人相手のディールの材料となる通貨が円よりも弱いドル等であることにハンディを感じる―――といったところ。

 これに具体的な数字を入れてみましょう。たとえばある日本人投資家が1ドル100円のときに利回り3%の1年物ドル預金に100万円=1万ドルを投資したとします。1年後のドル建ての受取額は10300ドルです。一方でこの間、アメリカの実質金利が日本を下回ったので為替レートが円高ドル安になって同95円となりました。で、最終的な円建ての受取金額は、10300×95=978500円と元本割れに・・・(手数料等が控除されるので実際の受取額はもっと少なくなる)。ということで、ドル預金のパフォーマンスは邦銀の普通預金どころか「タンス預金」にすらおよばなかった、という惨めな結果に終わり、その投資家はドル預金をしたことを深く後悔するのでした・・・。

 もちろんこれは仮想の例にすぎませんが、これまでの長期的な円高ドル安のトレンドのなかではよくあるケースだと推察されます。ひどい場合はこちらの記事に書いたような財テク失敗倒産の原因となったものもあるでしょう。そんなこんなで日本では外銀やドル預金などの外貨建て商品は「危険だ・・・」と敬遠されることに・・・。

 とまあ、こうした日本の環境では外銀が苦戦するのも分かるというものです。上述のとおり、自分たちの運用元本となる通貨(ドル等)の実質的な利回りが円に負けているわけだから・・・。その「ハンディ」をはねのけて、為替差損を差し引いても最終的な円建て額を円預金以上のプラスにもっていくことはさすがのプロでも難しいわけで・・・。

 それでも彼ら日本法人には欧米の本部から「もっと利益を獲得しろ!」なんてシビアな指令やノルマが届くわけです。そんなことを言われても・・・主力のドル預金は円預金のパフォーマンスにかなわないからなかなか売れないし・・・で、困り果てた彼らは結局、円資産よりも高い利回りを得られる商品の販売等に活路を見出そうとします

(続く)

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