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【円安でエンゲル係数上昇?】個人消費は盛り上がらない②

2013-08-13 00:01:22 | 日本

(前回からの続き)

 足元の物価ですが、総務省が発表している消費者物価指数(CPI)の直近の「総合」値(今年6月)は前年同月比で0.2ポイントのプラスと、この1年では大きな動きは見られない感じです。

 一方、この総合値から食料とエネルギーを除いた値(「コアコア指数」と言ったりします)をみるとマイナス0.2ポイントになっています。ということは、他のモノやサービスと比べて、それだけ食料品およびエネルギーの価格が上がって、総合値をプラスに引き上げたということになります。現行のCPIの構成費目のうち、食料(お酒は除く)とエネルギー(電気・ガス・灯油・ガソリン代)の割合は約31.7%。この割合と上記の指数値をもとに食料およびエネルギーの価格変動率をはじくと、前年同月比で約1.1%の上昇となります(あくまでも机上での計算値ですが・・・)。

 いかがでしょう。たしかにトータルのCPI値をみる限り、物価の動きは微々たるものです(それでもこれまでの緩やかな下落傾向が止んでプラスに転じつつありますが・・・)。しかし、わたしたち消費者の日々の生活感覚としては、この「31.7%」の部分、つまり食料品や電気・ガス料金、ガソリン代といったエネルギー価格の対前年同月1%あまりの値上がりが、数字以上にキツく感じられるのではないでしょうか。

 毎日口にする食べ物や、本ブログで何度か取り上げている電気やガス、そして1リットル160円(!)前後にまで価格が跳ね上がったガソリンなどは日常生活の必需品。しかも東日本大震災以降、すでに多くの人たちはさまざまな「生活防衛策」(節約)を実行中のため、さらにこれらの購入量を減らすのは難しいでしょう。食料やエネルギーは、もはやCPI構成費目のその他のモノ(耐久消費財など)とかサービス(教養娯楽など)のように「買うのをやめよう」とか「値段が下がるまで買い控えよう」といったことをする余地が少なくなっている、ということです。そんなこともあり、何だかこの先、けっこうな数の日本人のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)が上がっていきそうな気配(?)を感じます(エンゲル係数は、低い人ほど豊かで、高い人ほど貧しい、といわれる)。

 では、どうして食べ物とかガソリンの値段が上がっているのでしょう。景気が良くなって需要が増えたから? 決してそうではなく、最大の理由は「円安が進んだから」でしょう。いうまでもありませんが・・・(そしてシツコク指摘しているように、その円安をもたらした最大の貢献者は「アベノミクス」の金融政策「異次元緩和」です)。こうしてみると円安には、わたしたちが絶対に欠かすことのできない食料品やエネルギーの価格を引き上げるとともに、それによってわたしたちに他の財やサービスを享受する「ゆとり」を失わせる効果をもたらす面があるといえそうです。

(続く)


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