邦画ブラボー

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「座頭市御用旅」

2006年12月02日 | ★ぐっとくる時代劇
23作目。
ともなるとタイトルをつけるのにも苦労の跡が見えるような。
今回は
ラストに「御用!」となるので「御用旅」。

悪どい親分鉄五郎(三國連太郎)にただひとり反抗するのは
昔かたぎで一本気なめあかし藤兵衛(森繁久彌)。
不肖の息子清次(酒井修)は藤兵衛の悩みの種だ。
借金を背負った薄幸の娘に大谷直子
と、こうくれば筋書きは大体読めたようなものだが、
そこはそれ!?
名優たちが揃っているのでどんな見せ場があるのかと
期待してしまう。
鉄五郎の手下には石橋蓮司!と蟹江敬三が控えているし森一生だし。

美味しいです。
ストーリーはシンプルだけど、演技派揃いの「芸比べ」が見られるであろう。
という
期待通り、蓮司&蟹江は
毒づきながらもまぬけな三下を楽しくこなしているし、
森繁は枯淡の味わい。

気に障ると頬をぴくぴくさせる
残虐な親分を演じた三國連太郎は
場面によっては
顔面蒼白メイクで凄みを出している。
森繁との絡みはとても珍しいショットで、
いいもの見させてもらいました。

とは言っても
主役はやっぱり勝新太郎!

居合い抜きの見せ方や
立ち回りも工夫に工夫を重ねて楽しませてくれる。

座頭市は不死身ということは誰でもわかっているので
首に縄をかけられようが、火あぶりになろうが
どうやって脱出するのか?と、
まるでカッパーフィールドの手品を見るようでもあった。
案の定体に火をつけたまま立ち向かってくる座頭市は
まるで地獄から蘇った怪物のごとし。
肩からほんとに煙もくすぶっていて・・無茶やるなあ・・・

浪曲をバックにして最後の最後まで見せ場を作り
お客さんを楽しませる、芸魂に打たれました。

1972年
監督   森一生
脚本   直居欽哉
原作 子母沢寛
撮影 森田富士郎
音楽   村井邦彦
美術   太田誠一

*映画の中のイイおんな*
しめぎしがこ:賭場でサイコロを振っている女として出てます。
時代劇なのにマスカラバリバリの目張り(!)ばっちりで、
必要以上に?アップになるわで何やらいわくありげ・・と調べてみたら
「秘録おんな牢」「いそぎんちゃく」などに
出ている色っぽい方面のおひとでした。
ちらっとしか出ませんが違和感・・ではなく存在感あり。

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2 コメント

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23作にもなるんですか! (こきら)
2006-12-04 09:36:32
さすがに23作目にもなると、見ているほうもなにがなんだか・・・でも森監督はじつに骨太!て感じで、座頭市シリーズにはピッタリですね。そうですか、出演陣はそんなメンバーなんですか!それは見てみたいなあ!勝新さんは、昔の映画の白塗りのころって、ほんとにムリがあると思いますね~やっぱりあれでは、売れてなかったとおもいますよ。イメチェンは正解ですよね!あ、それから私は、バリバリの大阪人で、小さいころは、いとちゃん(長女の愛称)なんていわれてました。もう完璧に映画やドラマのなかだけの死語ですね!
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骨太 (ブラボー)
2006-12-04 10:38:27
このシリーズは
やっぱりゲストに注目してしまいますよね。
ここでも豪華ゲストですが
そこはそれ!(笑)皆さん勝新をたてています。

白塗りの勝新は見ていて違和感アリアリですね。
クマちゃんみたいで可愛いけど(爆
路線変更って大切なんですね。

「いとちゃん」ってカッコイイ~可愛いですね。
「いとはん」をもじったんですね。
そういう文化って無くしたくないですね。
「ぼんち」を見たり
山崎豊子さんの「船場狂い」を読んで
船場ファンになったんですが
今は船場文化はどうなんでしょう?興味あります。
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