邦画ブラボー

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「新・忍びの者」

2006年07月26日 | ★ぐっとくる時代劇
二作までは山本薩夫。
シリーズ三作目であるこの作品は
大映の映えぬき、森一生が監督している。

物語は続いていて、
五右衛門の釜茹でから。
ここでは「釜煎り」と呼ばれていて、こっちのほうが怖そう。
まさに釜の前まで来たとき、服部半蔵によって救い出された五右衛門!
身代わりにたてられたものが
「釜煎り」に!
ぎょえ~~~!!ショッキングな場面であった!

最初から飛ばす飛ばす。
雷蔵の顔はこれまでとガラリと趣きが異なる。
女房、子供を惨殺され、神も仏も呪う五右衛門が
復讐鬼と化して豊臣秀吉を狙うストーリーだ。

政治的野心、溺愛、関白秀次への仕打ちなど、
秀吉の人となりも興味深く描かれている。
東野英治郎の秀吉はいかにも卑俗で、はまり役。
今まで見た秀吉の中で一番いい。

老獪な家康(三島雅夫)の思惑も描き
歴史ものとして見ても、すごく面白い。

忍者の技も数々披露される。
漆喰の闇での忍者同士の戦いは見ものだ。
すべて無言のうちに勝敗はつく。

甘さを一切廃した、「不知火検校」と並ぶ、ドライな時代劇だ。

秀吉の愛妾淀君(若尾文子)を「ほれ、わめけ!叫べ、うへへへ」と
拉致しようとする場面は
雷蔵らしくなく、大変下品だったがそれもまた良し(?)

細かい演出も冴えている。
正室ねねの複雑な心境は
細川ちか子でしか表せないものであったろう。

終盤に五右衛門が聚楽第に忍び込む
「梟の城」シーンが緊迫感ある
大きな見せ場になっている。

1、2と見てきたものにとっては
感無量!の秀吉との対峙だ。

ラスト、「誰が天下を取ろうが知ったことか!」
と言い放ち、何処へと消え去る五右衛門!!

激辛の雷蔵もカッコイイ

1963年
監督・森 一生
原作・村山知義 脚本・高岩 肇
撮影・今井ひろし 照明・伊藤貞一
美術・太田誠一 音楽・渡辺宙明

*映画の中のイイおんな*
細川ちか子:ステキざます!
長い睫毛に縁取られた切れ長の瞳。
公爵夫人のようにノーブルな美貌で
できた女を演じてますが、ただの糟糠の妻ではない。
滝沢修と双璧をなしたと言われる
文学座のクィーンはやはりすごかった!

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