邦画ブラボー

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「大殺陣」

2011年05月12日 | ★ぐっとくる時代劇

 十三人の刺客」、「十一人の侍」、「大殺陣」は

工藤栄一監督の集団抗争時代劇の三部作だ

どれも最後に大迫力の抗争場面が控えているが

この作品では

「川」に入っての斬り合いが爆発的にエネルギッシュ!

手回しカメラによるリアルな映像は

まるで自分も斬り合って!?いるような気持ちにさせてくれる。

そしてこの作品では「音」もすごい。

戦闘場面にかぶさるすさまじい怒号と叫び声が、より臨場感を増している。

他にも「音」が効果的に使われている場面があって特徴的だと思った。

四代将軍家綱の時代。

大老酒井(大友柳太郎)は甲府宰相・綱重を

 後継に立て、自分の天下にしようともくろんでいた。

それを阻む一派が綱重を狙う。

新婚ほやほやの里見浩太朗も思わぬことから企てに巻き込まれてしまう。

それにしてもこんなに激しく暗い里見様(現・水戸黄門様)、見たこと無い!

さらにクライマックスでの平幹二郎!の

大爆発で胸がす~~~~っとするサービス付。

これが無きゃ、あまりのことにやりきれませんわ。

 

白黒映画。他の二作同様、光と影のコントラストが最高に美しい。

全体的に話が暗くて娯楽作とは言えないが、

ハードボイルド時代劇の傑作として後世に残る作品だと思う。

脚本は「十三人の刺客」の池上金男。

これもまたおちゃらけ無しのマジ時代劇です。 

三部作全部に出ているのが若くてイケメンだった

里見浩太朗なんですね!時代劇好きイケメン好き必見。

 

★追記:深作欣治の傑作時代劇「柳生一族の陰謀」の印象的なラスト、

錦ちゃんの狂乱はこの大友柳太郎から着想したのではと思いました。

関連記事

十三人の刺客

十一人の侍

 

1964年 

 

監督 工藤栄一 

企画 松平乗道 

脚本 池上金男 

撮影 古谷伸 

美術 富田治郎 

照明 安田興一 

音楽 鈴木静一

 

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おじゃまします。 (イッシー)
2011-05-15 16:09:34
こんにちは。
11人の侍に続き、こちらも鑑賞しました。
カメラアングル、臨場感・迫力があってよかったです。 
おっしゃる通り、暗いムードで筋が進み、わかりやすさの点で「11人の侍」に劣るかな・・・と。
でも、この作品でも名優達が生き生きと輝きを放っていましたね。
個人的には、あの優しげな大坂志郎が一家を手にかけるという意外性に驚き!
それから、戦闘の最中、あの実直そうな稲葉義男が逃走してしまうという展開。
その他諸々の見せ場で満足感の高い作品でした。

ではまた。
イッシーさんへ (ブラボー)
2011-05-15 19:38:12
大坂志郎のエピソードは
確かにショックでした~~
子供たちの楽しそうな声が耳に残りました。
名優の意外な使い方も
特徴的ですね~~

ラスト、平幹の表情にぐっときました。
こちらも名作ですねっ!

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