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「新選組」(市川版)

2007年02月15日 | ★ぐっとくる時代劇
黒鉄ヒロシの同名漫画から
1200体もの人形を切り出して製作したという、びっくり映画

実写版に劣らぬ厚味のある作品で
市川崑監督ってほんとすごい。モチロン黒鉄ヒロシも。

最初は「漫画の新選組ねえ~~」などと
二の足を踏んでいたのですが、見出したら面白いのなんの。

これ、
アニメーションではなく、「切り絵劇」なんです。
人物対人物の場面が多く、
登場人物の表情の豊かさ・見せ方がとても楽しい。
光と影のバランスも絶妙で、
いまだかつて見たことが無い不思議な世界。
ラフなクロッキ~のような場面もある。

驚くほど臨場感があって
実写を見ているような感覚なんですね、これが。

斬り合いで体に刀が突き刺さる場面なども立体感が出ていて
モロ
痛そう。切腹も。う~ん・・いたたた


切り絵の魅力に見事ハマッた。うなった。

声の出演は
近藤勇 :   中村敦夫
土方歳三 :中井貴一
沖田総司 :原田龍二
山南敬助  : うじきつよし
芹沢鴨  :石倉三郎
清河八郎 :石橋蓮司
伊東甲子太郎 : 石坂浩二
お孝  :萬田久子
明里  :清水美砂
駒野 : 岸田今日子 ・・・など

一声聞いただけで顔が思い浮かぶこと必至の豪華キャスト。

伊東甲子太郎役の石坂浩二など
声に表情があるので、まるでそこにいるみたいなんですよ。

脚本も面白い。
伊東の出現により
土方が「おれの影が薄くなる・・」とひそかに思うくだり・・
思想の違いというより
最初から虫が好かない・・
歌舞伎役者のような伊東の容貌にもライバル意識を燃やしていたような
記述が興味深い。
ストーリーは
堅苦しくなく、すっ飛ばし(!)も多々ある。

圧巻はラストの
病床にある沖田総司が黒猫の幻に狂う、
スピード感たっぷりの場面展開。

「おのれ~~猫め~~~!!」

三条河原で打首になった近藤の亡霊か

化け猫か

幻か
闇か
鬼か
猫か
総司か猫か

亡者のような形相で
刀を振り回す沖田。

狂気を帯びていく形相は
怪談版での松橋登を思い起こさせたが
こちらも鬼気迫って(声は原田龍二)、よろしゅうおました。

市川監督はアニメーター出身だったそうだ。
美しい照明や大胆な構図、カット割りは
市川映画そのもので、
ファンなら誰でもうっしっし・・となることでしょう。

2000年 市川崑 監督作品
脚本  佐々木守 市川崑
原画・原作  黒鉄ヒロシ
撮影  五十畑幸勇  音楽 谷川賢作 美術  櫻木晶

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