読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「北海タイムス物語」

2024年02月29日 | 日記

増田俊也(新潮社)

今流の青春、お仕事ドラマでしょう。
今はなき?(多分)老舗の「北海タイムス」。こんな感じだったのか。

内容紹介は
『破格の低賃金、驚異の長時間労働、 そして、超個性的な同僚たち……
『七帝柔道記』の続編は、新人新聞記者の奮闘を描く 熱血お仕事小説! 「仕事っていうのはな、恋愛と同じなんだ。
お前が好きだって思えば向こうも好きだって言ってくれる」
平成2年(1990年)。全国紙の採用試験にすべて落ち、北海道の名門紙・北海タイムスに入社した野々村巡洋。縁もゆかりもない土地、地味な仕事、同業他社の6分の1の給料に4倍の就労時間という衝撃の労働環境に打ちのめされるが、そこにはかけがえのない出会いがあった――休刊した実在の新聞社を舞台に、新入社員の成長を描く感動作。 

著者について
増田俊也(ますだ・としなり) 1965年生まれ。北海道大学中退。愛知県立旭丘高校から七帝柔道に憧れ北大に入学。4年生の夏の七帝戦を最後に引退し大学を中退、北海タイムス社記者に。2年後に中日新聞社に移る。中日在職中の2006年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)で「このミステリーがすごい! 」大賞優秀賞を受賞しデビュー。2012年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で大宅賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。2013年、北大時代の青春を描いた自伝的私小説『七帝柔道記』(KADOKAWA)で山田風太郎賞最終候補。他著に『VTJ前夜の中井祐樹』(イースト・プレス)など多数。2016年春、50歳を機に四半世紀勤めた中日新聞社を早期退職し、本格的な作家生活に入った。       』

・・・表紙が漫画風だ。
・・・「七帝柔道記」の方が面白い。
・・・これはこれで、テレビドラマになりそうな青春物語でもある。彼女たちがどうなったのか少し気になる。😓 
・・・ネットの書評を引用
『・・・常識からは考えられないような激務薄給でありながら、会社を愛そうとする姿は、今の目からすればブラック企業に洗脳された社畜と紙一重だろう。・・・ここには十把一絡げのお仕事小説には見られない、狂気が垣間見られる。  』・・・著者の一種、特徴的な部分でしょうか。😮 
・・・道産子には懐かしいねぇ。

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「絶叫委員会」

2024年02月26日 | 日記

穂村弘(筑摩書房)

作者は詩人だそうだ。
言語感覚が面白いのだ。

内容紹介は
『町には、偶然生まれては消えてゆく無数の詩が溢れている。不合理でナンセンスで真剣だからこそ可笑しい、天使的な言葉たちへの考察。   』

・・・まずは読んでみなくては。。。
・・・ネットの感想を引用「穂村さんが集めた言葉は、世界に溢れている「偶然生まれては消えてゆく無数の詩」(p.192)。そこには、「天然の愛嬌やたくまざるユーモアや突き抜けた自由さ」(p.198)への憧れが通底している。 」

・・・個人的には「ネーミング」178ページの子どもの名前が面白い。双子の子どもにつけたのは「桜」ちゃんと「吹雪」ちゃん。(どういう親なんだ)
もう一つは「のぞみ」「かなえ」「たまえ」だった。(覚えやすくていいねぇ)
・・・面白買った。😋 

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「海の武士道」

2024年02月23日 | 日記

恵隆之介(潮書房光人新社 )

第二次世界大戦初期の「美談」です。
悪いことばかり記録、語られる戦争だけど、こんな心温まる海軍だったことは救われる一面だ。

内容紹介は
『漂流する英軍将兵422名を助けた戦場の奇蹟──「総員、敵溺者救助用意!」敵潜水艦攻撃の危険も顧みず、工藤俊作艦長陣頭指揮のもと漂流者の救助が開始された。それはまさに海の武士道が発揮された瞬間だった。 1942年3月2日、スラバヤ沖海戦のあと、海上には撃沈された多数の連合軍将兵が漂流していた。工藤艦長はただちに停船し、救助を開始する。自艦の乗員をはるかに上回る溺者を艦上に引き上げ、手厚く介護した。戦後、救助された元英海軍士官が来日し、艦長の墓前で感謝の祈りを捧げる。感動を呼ぶ奇跡の物語。 

著者について
惠隆之介(めぐみ・りゅうのすけ) 1954年2月、沖縄コザ市生まれ。1978年3月、防衛大学校卒業。1979年3月、海自幹部候補生学校卒業、遠洋実習航海(世界一周)。以後、艦隊勤務。1982年7月、退官(二等海尉)。1987年4月、琉球銀行入行。1997年5月、米国務省プログラムで米国の世界戦略を研修(ワシントン)。1999年4月、琉銀退職。以降、拓殖大学客員教授、沖縄国際大学講師を歴任。現在、シンクタンク「沖縄・尖閣を守る実行委員会」代表。https://okinawa-mirai.info 主な著書「天皇の艦長・漢那憲和の生涯」(昭和天皇天覧)、「誰も書かなかった沖縄」(PHP研究所)、「海の武士道DVDbook」(扶桑社)、「新沖縄ノート・沖縄よ甘えるな!」(ワック)、その他多数。      』

・・・少々記録的な書き方で、読む面白さには少々かける点が残念。
・・・知らなかったことを認識できるのはよかった。
・・・日本の海軍は英国式の教育が行き届いていたのでしょう。一読の価値あり。😆 
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「七帝柔道記」

2024年02月18日 | 日記

増田俊也(角川書店)

なんて魅力的な若者たちなのだ。
北のキャンパスに「高専柔道」をやるために集まった部員たち。
旧七帝大の大会に優勝をかけて一年間理不尽な練習に明け暮れる。
ところどころ、”カンノセイヨウ”なる笑いの物語をいれて飽きさせない。
傑作だなぁ。。。。

内容紹介は
『「このミステリーがすごい! 」大賞出身の小説家で、「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で人間の懊悩を書き2012年の大宅賞・新潮ドキュメント賞をダブル受賞した増田俊也が、圧倒的な筆力で描く自伝的青春群像小説。
主人公は、七帝柔道という寝技だけの特異な柔道が旧帝大にあることを知り、それに憧れて2浪して遠く北海道大学柔道部に入部する。そこにあったのは、15人の団体戦、一本勝ちのみ、場外なし、参ったなし、という壮絶な世界だった。
かつて超弩級をそろえ、圧倒的な力を誇った北大柔道部は連続最下位を続けるどん底の状態だった。そこから脱出し、なんとしても七帝柔道での優勝を目指し「練習量が必ず結果に出る。努力は必ず報われるはずだ」という言葉を信じて極限の練習量をこなす。
東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、ライバルの他の七帝柔道の6校も、それぞれ全国各地で厳しい練習をこなし七帝戦優勝を目指している。そこで北大は浮上することができるのか——。
偏差値だけで生きてきた頭でっかちの青年たちが、それが通じない世界に飛び込み今までのプライドをずたずたに破壊され、「強さ」「腕力」という新たなる世界で己の限界に挑んでいく。
個性あふれる先輩や同期たちに囲まれ、日本一広い北海道大学キャンパスで、吹雪の吹きすさぶなか、練習だけではなく、獣医学部に進むのか文学部に進むのかなどと悩みながら、大学祭や恋愛、部の伝統行事などで、悩み、苦しみ、笑い、悲しみ、また泣き、笑う。そしてラストは——。性別や年齢を超えてあらゆる人間が共有し共感できる青春そのものが、北の果て札幌を舞台に描かれる。 

作者
増田俊也(ますだとしなり)小説家。北海道大学中退。1965年生。2006年「シャトゥーン ヒグマの森」(宝島社)で第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞。2012年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(新潮社)で第43回大宅賞と第11回新潮ドキュメント賞受賞。2013年には北海道大学柔道部を舞台にした「七帝柔道記」(角川書店)で山田風太郎賞最終候補。2017年『北海タイムス物語』(新潮社)で第2回北海道ゆかりの本大賞受賞。他著に『猿と人間』(宝島社)『VTJ前夜の中井祐樹』(角川文庫)『本当の強さとは何か』(新潮社)など。   』

・・・厳寒の札幌、北18条から24条あたりまでの風景が描かれ、大学の授業にはろくに出なくてさらに2年留年して4年間の柔道生活を過ごそうなんて狂気の沙汰か。
・・・武道館から中央道路をクラ館まで歩く。生協で本を買い、同期や先輩と食べ飲み、ひたすら体重と筋肉を作る。
・・・こんな青春もあり何だなぁ。
・・・面白かったのは、同じ柔道部の仲間が全国から来ていて、それぞれのお国訛り(方言)が出てきてより個性が光っている。確かに北大は今や6割から7割近くが内地出身だ。個人的な体験だが、日本一周したときに友人の家に泊めてもらった。名古屋、山口、福岡、鹿児島と宿には困らなかったことを思い出す。
・・・ネットの書評で「愛知県立旭丘高校の出身 」(著者と同じ)の方が書いている。「恋や遊びに背を向けて、なんで武道に向かうのですか。武道に向かったのだろうか。そんな問いに答えてくれる作品だ。この作品読みながら、「そうなんだ、そうなんだ」とつぶやいて、何度も何度も涙ぐんだ。」とあって、確かに読んでいると字がかすむときもあった。
・・・ずいぶん前の本ですが、おすすめです。 😀 😂 

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「ひとっこひとり」

2024年02月11日 | 日記

東直子(双葉社)

メルヘン調の表紙だが、内容はちょっとドキッとするような話が展開する。短編集で通底しているのは、少し変わった登場人物たち。

内容紹介は
『私たちが日常で交わす何気ない言葉、「大丈夫」「ごめん」「もういいよ」「なんで?」「ありがとうね」などのひとことをテーマに綴った短編を収録。孤独や寂しさを抱える現代人の心を掬い取りながら、ラストにはほのかな希望をそっと提示してくれる物語。歌人としても活躍する著者の、言葉のセンスがきらめく12編。装画を手がけた人気イラストレーター、三好愛氏の挿絵が彩りを添える。   』

・・・著者は歌人とのこと。道理で小さな何気ない言葉に意味を持たせる姿勢がユニーク。
・・・私のベストは「ありがとう」のほっこり、ジーンとくるところが好き。
・・・簡単に読める。😌 
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