読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「疑心ー隠蔽捜査3」

2021年01月27日 | 日記
今野敏(新潮社)

シリーズの3は、主人公竜崎伸也の恋の話がからんで、趣向を変えたところ。部下に美人で優秀なやつがいたら迷うかもね。
お話は、米国大統領の来日の警備がらみの緊迫感のある展開と、個人としては恋愛と嫉妬に悩まされるのだが、その案配も結構悪くない。しかし、もっと硬派な話を期待する人もいるかもね。

内容紹介は
『アメリカ大統領の訪日が決定。大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に抜擢された。やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、その双肩にさらなる重責がのしかかる。米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ抱いてしまった狂おしい恋心。竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?―。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。

著者略歴
今野/敏
1955(昭和30)年北海道生れ。上智大学在学中の’78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006(平成18)年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、’08年、『果断―隠蔽捜査(2)』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞する。さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い  』

ネットの感想では、賛否が分かれるようだ。否の意見を引用します。
『1,2巻はかなり面白く、特に2巻は傑作だったと思うのですが、
しかし3巻は内容が驚くほどペラペラです。若い女性部下への恋愛感情に翻弄される中盤の展開と竜崎の行動は、魅力も面白さもほとんどありません。
終盤持ち直しますが、特にひねりもなく本当にすんなりと事件は解決してしまい、肩透かし感が半端ないです。
全体的に描写が薄く、作者がまったく入れ込んで書いてる感じがしませんし、
正直、今作はかなりの駄作だと思います。  』
・・・結構辛辣だね。それもあり。
・・・ 事件はありそうな展開で、解決も無難なもの。ちょっと息抜きだったかな?😰 

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「果断ー隠蔽捜査2」

2021年01月27日 | 日記
今野敏(新潮文庫)

途中から、昔読んだかも知れないと薄々おもいつつ最後まで読んだ。主人公の行動やどんでん返しの結末など何度読んでも面白い。

内容紹介は
『長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立する。異例ながら、彼は自ら指揮を執った。そして、この事案は解決したはずだったが――。警視庁第二方面大森署署長・竜崎の新たな闘いが始まる。山本周五郎賞・日本推理作家協会賞に輝く、本格警察小説。
  • 受賞第2回 吉川英治文庫賞
  • 受賞第61回 日本推理作家協会賞 長編および連作短編集部門
  • 受賞第21回 山本周五郎賞
  • テレビ化隠蔽捜査(2014年1月放映)  』
・・・ちょっと鼻につくのは、主人公の学歴のところ。なんせ「東大法学部卒」ですからね。霞が関のキャリアではかつては80から90%、今は多分半分くらいでしょうけど。
・・・共感するのは、その国家感でキャリアのあるべき意識。場合によっては家庭を顧みなくとも国家に奉仕しようという精神だ。嫌みに聞こえる向きもあろうかとおもうけど、その精神でみんな『ブラック企業』たる中央省庁で働いているのですよね。
・・・面白かったので、このシリーズを図書館で3冊借りてきた。問題は文庫版がなくて重いこと。😓 
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「邦人奪還」

2021年01月22日 | 日記
伊藤祐靖(新潮社)

 未来小説の形で、自衛隊の特殊部隊が北の国の拉致された日本人を救出するお話です。戦闘場面など、迫真だし、最終場面で最初の尖閣列島の情景とつながり、さらには陰謀というか謎解きが絡んで、よくできている。

内容紹介は
『北朝鮮でクーデター勃発。拉致被害者を救出せよ!
そのとき国はどう動く?
日本初、元自衛隊特殊部隊員が描く迫真ドキュメント・ノベル。
すでに、話題騒然!

石破茂
「日本人、そして政治家に突きつけられる現実を直視できるか」
佐藤優
「非常時には法ではなく現実が国家を支配する。」
成毛眞
「ページをめくる手が止まらない。そして、震えた。」

騒乱に乗じミサイル発射を企む北の軍部に対し、米国は自国防衛のためピンポイント爆撃へと動き出す。だがその標的近くには、日本人拉致被害者が──。
日本は、この事態に対峙できるのか?
政治家は、国民は、人質奪還の代償として生じる多大な犠牲を直視できるのか? そして実戦投入される最強部隊の知られざる内実とは? 特殊部隊である海上自衛隊特別警備隊の創設者が、首相官邸や霞が関など政府の動きから、作戦行動の詳細までを完全シミュレーションした、これぞ壮絶なリアル!

~目次~
海鳴り
第1章 尖閣占拠
第2章 騒乱
第3章 出撃
第4章 帰還
エピローグ

~著者紹介~
伊藤祐靖(いとう・すけやす)
1964年、東京都に生まれ、茨城県で育つ。日本体育大学から海上自衛隊へ入隊。防衛大学校指導教官、護衛艦「たちかぜ」砲術長を経て、「みょうこう」航海長在任中の1999年に能登半島沖不審船事案に遭遇した。これをきっかけに全自衛隊初の特殊部隊である海上自衛隊「特別警備隊」の創設に携わった。2007年、2等海佐の42歳のときに退官。後にフィリピンのミンダナオ島で自らの技術を磨き直し、現在は各国の警察、軍隊への指導で世界を巡る。国内では、警備会社等のアドバイザーを務めるかたわら私塾を開き、現役自衛官らに自らの知識、技術、経験を伝えている。著作に『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』『自衛隊失格 私が「特殊部隊」を去った理由』などがある。   』

・・・ちょっと端折っている部分もあるが、なかなか迫力のある場面を書いている。自衛隊のこのくらいの部隊があれば良いのにね、と思ってしまう。
・・・ミステリ風なところもあって、読み応えありますよ。😁❤
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「流人道中記」下

2021年01月22日 | 日記
浅田次郎(中央公論新社)





内容紹介は
『「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」流人・青山玄蕃と押送人・石川乙次郎は、奥州街道の終点、三厩を目指し歩みを進める。道中行き会うは、父の敵を探し旅する侍、無実の罪を被る少年、病を得て、故郷の水が飲みたいと願う女…。旅路の果てで明らかになる、玄蕃の抱えた罪の真実。武士の鑑である男がなぜ、恥を晒して生きる道を選んだのか。

著者について
浅田次郎
一九五一年東京都生まれ。九五年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、九七年『鉄道員』で直木賞、二〇〇〇年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、〇六年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞、〇八年『中原の虹』で吉川英治文学賞、一〇年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。他に『赤猫異聞』『一路』など著書多数。』

・・・上巻に続いて、だんだん佳境に入るが、南部から津軽はちょっとすっ飛ばし感があったけど、結末の余韻が良いですね。
・・・構成が良い。時には乙次郎の新妻に充てた手紙で、心中を語るなど上手いですよ。道中の事件も玄蕃の心根や機転が活かされ人物像も好ましくなってくるところが良いね。
・・・江戸が終わって明治になったらこの二人の行方がどうなって行くのか想像しながらちょっと感動のウルウルもありますね。傑作かも知れない。お勧めです。😗

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「一粒の柿の種」

2021年01月21日 | 日記
渡辺政隆(岩波書店)

たまに読む理系の世界は楽しいものだ。
寺田寅彦や中谷宇吉郎のような科学エッセイの楽しみです。

内容紹介は(出版社より)
『科学は文化? もちろん! ならば楽しまなきゃ。博物館の起源から、ファラデー、ダーウィン、寺田寅彦、中谷宇吉郎、グールド、福岡伸一などの科学エッセイ、村上春樹、「007」などの文学が素材。泡の秘密が隠された、シャンパングラス片手におしゃれな会話が楽しめる。科学教育のあり方や疑似科学も俎上に。 

目次
1 寅彦がまいた種
 漱石の素養にみる科学リテラシー/文人科学者のいた時代/エビを二つ食っちゃう/タクシー・トーク/侮るなかれタクシードライバー/エレベーター・トーク/科学の種をまく
2 科学の卵
 愛鳩家の科学/好きこそ物の/雪は天からの贈り物/立春の卵伝説
3 書の起源
 『種の起源』縁起/欠点が才能に転化?/サイエンティストの起源/サマヴィルにはじまる奇しき因縁/科学を語る人でもあったサイエンティスト
4 ポピュラーサイエンスの誕生
 科学の庶民化/活字メディアという強み/科学「遺伝子」の大爆発?/サイエンスライター宣言
5 自然の覗き窓
 ミューズの神殿/博物館の起源/科学の神殿の誕生/アリスの不思議な館/研究から学びの館へ
6 科学で遊ぶ
 聖女へのオマージュ/聖堂の遊びスペース/ミッキーマウスへのオマージュ/科学の味付け/ありえないけどありそうな話/ポケモンが「進化」したっていいじゃない
7 サイエンスコミュニケーションの潮流
 天衣無縫の文化/ユニバーサルランゲッジとしての科学/ローカルからグローバルへ/科学の井戸端会議/科学の饗宴
8 知識はシャンパンの泡のごとく
 茶碗から宇宙へ/教養としての科学/泡沫の意味を知る/無用の用
9 ライフコースをデザインする
 眠れる遺伝子を起こす/科学の誘引力/科学者のイメージ/メディア戦略/何のための科学か
10 ニセ科学への免疫力
 潜在する好奇心を目覚めさせる/プチ科学ブーム?/ニセ科学の言説/相関と因果
11 科学者の銅像と偶像
 アイドルとしての科学者/等身大の科学技術者/正直ジムの功罪/科学との出会い
12 科学への愛の言葉
 文章読本さん/科学の文体/科学のベストセラー/科学を耕す
13 二つの文化をつなぐ
 文化を耕す/自然の造形に魅せられて/目隠しの有効活用/始祖鳥異聞/応用問題

主な参考文献
テッポウエビの指パッチン異聞――あとがきにかえて
ゴジラの進化――現代文庫版のためのあとがき

解説 身の回りにこそ科学を楽しむ種がある……………最相葉月 

著者紹介
渡辺政隆(Masataka Watanabe)
1955年生まれ。サイエンスライター。東北大学特任教授。専門は科学史、進化生物学。著書に『ダーウィンの遺産』(岩波書店)、『ダーウィンの夢』(光文社新書)など、訳書にダーウィン『種の起源』(光文社古典新訳文庫)、グールド『ワンダフル・ライフ』(早川書房)など多数。   』

・・・自分と違う分野の本で支店を変えるのが良いです。
・・・各章ごとの扉のイラストが好きです。😊 

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