刀根館正明(KADOKAWA)
英語をめぐる議論をわかりやすく書いていて面白かった。
ずっと昔から言われてきた話なんだが、日本語で生活できる幸せの反面、海外に出たときに自分が「話せない」ということにぶち当たり、当然のことながら自分ではなく次世代に勉強を押しつけるという姿勢が問題なのですよ。
内容紹介は
『なんでこうなの!?ニッポンの英語――阿部公彦氏(英文学者)推薦!
なんでこうなの? ニッポンの英語。“英語忍者”の名物記者が禁断の問い投げかける。「だよね~」ポイントがたくさん。探偵に扮した英語忍者がしっかり「犯人」も見つけます。
もちろん、あのお騒がせ英語民間試験もたっぷり話題に……。著者ならではの「つっこみ」芸をご堪能ください!
――阿部公彦(英文学者)
巷にあふれるカタカナ英語、いまや自宅でも習える英会話講座、新刊が絶えない英語学習本、議論され続ける英語教育……
開国以後、もっとも身近な外国語となり、課題であり続けてきたにもかかわらず、いつまでたっても「出来る」ようにならない、英語に翻弄され続ける不思議さよ――。
自らも辛酸をなめてきた一記者が、学生や教師、国会議員や通訳・翻訳者、自動翻訳の研究者まで、様々な人々業界を30年近くにわたって取材。
そこから見えてきたこととは?「英語が出来ます」といえる日は来るのだろうか……?
渾身のルポ+オピニオン!
著者について
●刀祢館 正明:1957年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。朝日新聞記者。元編集委員。学芸部、オピニオン編集部などで20年以上にわたって文化、論壇、オピニオンを担当するとともに、2013年から2019年まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。ほかにロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師。記事が書籍になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』などがある。 』
・・・記者さんは色々な人とインタビューできて便利でいいですね。
・・・でもさぁ、刀祢館さんはかなり「出来る」人だと思うのです。中高6年間勉強しても「話せない」というおじさんたちの怨念を解き明かして根底にある問題を提示するのは秀逸。
・・・英語の読み書き話す聞くの四技能がオールラウンドにできるひとなどいないという指摘には納得。どこか得意不得意があるものだろう。
・・・共通テストをめぐる問題はおっしゃるとおり、後から後から問題点が見えてきて結局挫折したのは、入試の公正公平の観点から、正しい。でもね、当初の新聞の論調は「歓迎」だったのではないか? 後から水をかけるのはやってはいけないとは言わないが、先に賛意を表明したのなら、一度くらい「悪うござんした」くらい言ってもバチは当たるまい。朝日がそうだったかどうか分からない(購読していないから)けど・・・😋