読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「10万個の子宮」

2018年04月27日 | 日記
村中璃子(平凡社)

 大騒ぎした事件だが、結局現状はどうなっているのだろうか。
 ワクチンの副作用の心配は確かにあるのだろうが、一方でそれで救われる命や臓器も少なかろう。この問題に我々はどう考えていくといいのだろうか。

 内容紹介は
『日本人初の快挙、ジョン・マドックス賞受賞!
日本では2011年から公的補助が始まり、2013年4月には定期接種となった子宮頸がんワクチン。しかしそのわずか2ヵ月後、国は積極的な接種の推奨を一時見合わせた。ワクチンを打った少女の親たちから、けいれんや記憶力低下など、神経の異常を思わせる症状がわが子に始まったとの訴えが起こったためだ。その後、ワクチンが症状の原因という科学的根拠は見つからず、ワクチンの安全性と効果が国際的にも確立されたにもかかわらず、日本ではワクチン接種の見合わせは継続されたままだ。
 現役の医師でありジャーナリストでもある著者は、3年にわたり、被害を訴える少女や親、症状から回復した女性、複数の診療科の医療関係者、行政関係者などへ膨大な取材を行ってきた。少女たちの身体の症状が本当に訴えていたこととは──。サイエンスにもとづき、子宮頸がんワクチン問題の背景と日本社会の闇に切り込んだ、衝撃のノンフィクション   』

著者について
村中璃子(むらなか りこ)
医師、ジャーナリスト。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了後、北海道大学医学部卒業。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の新興・再興感染症チームなどを経て、現在、現役の医師として活躍するとともに、医療問題を中心に幅広く執筆中。京都大学大学院医学研究科講師として、サイエンスジャーナリズムの講義も担当している。2014年に流行したエボラ出血熱に関する記事は、読売新聞「回顧論壇2014」で政治学者・遠藤乾氏による論考三選の一本に選ばれた。

 以下は書評から
『子宮頸がんワクチン問題に挑む村中璃子氏 “ネット上の疑い"に答える
英サイエンス誌「ネイチャー」等が主催するジョン・マドックス賞を、昨冬日本人としてはじめて受賞した村中璃子さん。
「“敵意のなかで科学の普及に尽した人"を対象とする賞ですが、100人以上の候補のなかには、アフリカで黒魔術を否定して命を脅かされている人もいました。そうした候補者のなかで私が選ばれたのは、子宮頸がんワクチン問題が多くの人の命に関わるグローバルな問題であること、そして“子宮頸がんワクチンによる副反応"の動物実験について私が“捏造"を指摘したことに対し、名誉毀損裁判を起こされたことが大きかったと思います。訴訟で科学者や記者を黙らせる動きは、世界的にも大きな関心事になっています」
 これまでの取材をまとめた『10万個の子宮』を先月刊行した村中さんは、現役の医師でもある。子宮頸がんワクチンの問題に関心をもったきっかけは、テレビで見た激しい痙攣や身体の痛みなどの被害を訴える親子の姿だったという。
「世界中で使われているワクチンが、なぜ日本でだけ問題になっているのかと、周囲の小児科医に聞いてみたんです。すると、昔から思春期の少女には、このような症状の患者がいるが、それがワクチンと結び付けられている、と。苦しんでいる症状には別の原因があるかもしれないのに、ワクチンのせいだとして、認知症の薬の投与や時には外科手術などの危険な治療を受けている子供たちがいる。そしてワクチンを接種し、この先いつかは症状が現れ一生治らないという話に怯えている子供たちがいることを知り、ショックを受けました。私はこういった子供たちにも、数多く取材をしています。昨年7月のWHOの声明も伝えていますが、慢性の痛みや痙攣、妊娠・出産に関わるリスクなどワクチンのせいで起こると言われている症状は、大規模解析の結果すべて否定されています」
2015年秋に最初の記事を出してから、ワクチン製造企業などとの関係性を疑う書込みがネット上に溢れているが、それについて問うとこう答えてくれた。
「以前働いていたWHOやワクチン製造企業での仕事は、現場の医師は知らないワクチン学や公衆衛生について学ぶ良い機会になりました。しかし、記事を書いて私が得ているお金は、出版社からのわずかな原稿料だけです。この問題で講演に呼ばれても、ワクチン会社がスポンサーについているものは断っています」
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2018年3月29日号掲載) 』

・・・本当の科学的理解と一種のセンセーショナリズムのマスコミ、それを恐れる厚労省。ホントのところ解決したのか? 正義の味方の無責任さか?
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「海の見える理髪店」

2018年04月25日 | 日記
荻原浩(集英社)

 印象に残る短編集だ。しかし、現実離れした味わいがあって、それが良い意味でこれらの作品を特徴づけている。直木賞も当然と言う趣。

 内容紹介は
『第155回直木賞受賞作
主の腕に惚れた大物俳優や政財界の名士が通いつめた伝説の床屋。ある事情からその店に最初で最後の予約を入れた僕と店主との特別な時間が始まる「海の見える理髪店」。
意識を押しつける画家の母から必死に逃れて十六年。理由あって懐かしい町に帰った私と母との思いもよらない再会を描く「いつか来た道」。
仕事ばかりの夫と口うるさい義母に反発。子連れで実家に帰った祥子のもとに、その晩から不思議なメールが届き始める「遠くから来た手紙」。
 親の離婚で母の実家に連れられてきた茜は、家出をして海を目指す「空は今日もスカイ」。
父の形見を修理するために足を運んだ時計屋で、忘れていた父との思い出の断片が次々によみがえる「時のない時計」。
数年前に中学生の娘が急逝。悲嘆に暮れる日々を過ごしてきた夫婦が娘に代わり、成人式に替え玉出席しようと奮闘する「成人式」。
人生の可笑しさと切なさが沁みる、大人のための“泣ける"短編集。

著者略歴
荻原/浩
1956年埼玉県生まれ。コピーライターを経て、1997年『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で第18回山本周五郎賞、2014年『二千七百の夏と冬』で第5回山田風太郎賞を受賞   』

・・・確かにほろっとするところもあるね。個人的に好きなのは、最初の『海の見える理髪店』でその終わり方がいい。もう一つは『遠くから来た手紙』、若い夫婦のケンカを見事に描いて秀逸。心の動きがよくわかるのが良いね。図書館の順番待ちを待った待った・・・お勧めです。

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「投資なんか、おやめなさい」

2018年04月24日 | 日記
萩原博子(新潮新書)

 投資って向き不向きがあるよね。一種ギャンブルの才能がないとだめだろう。
 ということで、特に高齢者は騙されやすいし、今の金利で金融関係からうまい話に引っかからない心構えとしては傾聴に値するのだろう。
 投資派からの反対意見も強いけどね。

内容紹介は
『「老後のためには投資が必要」なんて大間違い。
「何に投資すれば?」と窓口で訊くなんて愚の骨頂。
銀行も、生命保険会社も証券会社も、いま生き残りを賭けて私たちのお金を狙っている。
個人年金、純金積み立て、マンション投資、分配型投資信託……
あらゆる投資商品でカモの争奪戦を繰り広げているのだ。
2018年、20年に高い可能性で到来する大不況にどう立ち向かえばいいか。
リスクと不安を抱えないための資産防衛術。

はじめに――それでも「投資」を選びますか?
第1章 あなたは、騙されていませんか?
第2章 日銀の「マイナス金利」が、家計の資産を破壊する
第3章 こんなクズ商品には手を出すな
第4章 なぜ「個人年金」はダメか
第5章 投資の「常識」を疑おう
最終結論――「投資をしなくては」という呪縛を解きなさい

著者について
おぎわら・ひろこ 1954(昭和29)年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を
経て独立。以降、経済ジャーナリストとして活動。家計経済のパイオニアとして、経済
の仕組みを生活に根ざして平易に解説する第一人者として活躍。著書に『10年後破綻す
る人、幸福な人』(新潮新書)、『生き返るマンション、死ぬマンション』『隠れ貧困』
など多数  』

・・・時々見かける、荻原さん、本もいっぱい書いているのですね。余裕資金があればお試し投資で世の中のお金の勉強ができるよね。色々な意味で参考になると思われる。投資をしてもしなくとも。極論だからはっきりしていて面白い。ななめ読みも可。
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「真実の10メートル手前」

2018年04月20日 | 日記
米澤保信(東京創元社)

 短編集です。それなりのミステリで意表をつく落ちがあるけど、あまり印象に残らなかった。急いで読んだせいかな。

 内容紹介は
『高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。

著者略歴
米澤/穂信
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は三つの年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の二年連続三冠を達成した 』

・・・「王とサーカス」が面白かったのでこちらの短篇も読んだのだが、主人公の大刀洗女史がちょっと特殊な推理力があって少々鼻につく印象がある。でもまあ、よくできている。表題作が面白かったけど、結末はちょっと?かな。
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「ドラゴンタトゥーの女」

2018年04月19日 | 日記
 DVDです。
 小説は全部読んだが、映画はどうかいな?と思って観た。エンターテインメントとしては展開も早いし楽しめるけど、いろいろ細かなところは小説にはかなわないなぁ・・・

 内容紹介はyahoo映画の解説から引用:
『この映画は文句なしに面白い。プロローグとなる事件の捜査途中で、その背後にある本当の事件の全貌が見えてくるというサスペンスの構造自体がゾクゾクするほどスリリングだ。上映時間が2時間半もあったのかと、見終わって気づいたほど引き込まれていた。探偵役のキャラクターも豊かだ。プロローグの事件、40年前に16歳の姪が失踪した事件の真相解明を大富豪に頼まれるのが、硬派のジャーナリスト・ミカエル。悪徳実業家を告発する記事が名誉毀損で有罪になり、金銭的にも仕事上でも追いつめられている。そしてミカエルの助手を務めることになるのが、ドラゴン・タトゥーの女リスベットだ。
 全身の刺青、革ジャンにジーンズ、鼻ピアスと限りなく不良に近い外見。寡黙で孤独で過去は謎、誰にも心を開かない野性の狼だが、ハッキングの天才で映像記憶能力に優れた凄腕調査員だ。事実、彼女が調査に加わってから事件がどんどん進展する。その頭の良さにも感服だが、心底惚れるのは強さ。邪(よこしま)でスケベな後見人にいたぶられた彼女が、自分の体を囮に彼を徹底的に叩きのめす辺りで、この人凄い!カッコいい!素敵!と、ハートを鷲づかみにされてしまった。自分から誘った男でも、コトが済んだらベッドから追い出すクールさにもしびれる。
 原作は出版直前に急逝したスティーグ・ラーソンのベストセラー。彼は、スウェーデン社会の背景に、政治の腐敗や経済の混迷などマイナス要因を意識的に散りばめているが、それはマイ・シューバルとペール・バールの「マルティン・ベック」シリーズにも共通する要素。社会批判の眼が優れたサスペンスを書かせると言えるかもしれない。(森山京子)   』

・・・でも小説を読んでもそうだったけれど、やたらセックス描写が「疲れる」のです。スエーデンは冬が長いから暇つぶしがそれかい?
・・・小説の方が面白かった。ひとによるかな?


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