読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「レンブラントの身震い」

2021年06月30日 | 日記
マーカス・デュ・ソートイ(新潮社)

「素数の音楽」が面白かったので本書にも挑戦。
しかし、挫折・・・読み切れない。文系頭では無理がある。タイトルは面白いし謎めいているので、興味を引くのだ。

内容紹介は
『人工知能は、アートや音楽、文学、そして数学などの分野で「創造性」を発揮しつつある。何世紀も前の巨匠たちの作品を学習したAIが「新作」をつくり、数学の証明を代行するようになったいま、機械は私たちを感動させることができるのか? 『素数の音楽』で知られる数学者による知的好奇心に満ちたサイエンス・エッセイ。

目次

第一章 ラブレイス・テスト
第二章 創造性を作り出す
第三章 位置についてレディー、用意ステディー、碁ゴー!
第四章 現代生活の秘密、それはアルゴリズム
第五章 トップダウンからボトムアップへ
第六章 アルゴリズムの進化
第七章 数で描く
第八章 巨匠に学ぶ
第九章 数学の技量アート
第十章 数学者の望遠鏡
第十一章 音楽は、数学を奏でる過程である
第十二章 曲作りの公式
第十三章 ディープ・マセマティクス
第十四章 言葉のゲーム
第十五章 AIにお話を語らせよう
第十六章 精神の邂逅、わたしたちはなぜ創造するのか
謝辞
訳者あとがき
図版について
さらに知りたい方のために
索引  』

・・・原題は日本語のタイトルと違うのですよ。😡 
・・・そのうちまた挑戦するかも?


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「霞が関のリアル」

2021年06月22日 | 日記
NHK取材班(岩波書店)

テレビの放映は見られなかった。ネットにあった記事で読んだが、概ね本と同じ。その意味であえて購入の必要性が疑われる。
放送番組を本にするのは難しいようだ。映像が多くを語ってしまうので、文章が軽すぎて読み応えがない。

内容紹介は
『NHK NEWS WEBの注目連載書籍化。激務で知られ、さらにコロナ対応で疲弊する霞が関官僚。不条理な働き方は、精神疾患、相次ぐ退職、なり手不足といった問題だけでなく、第一線で働く官僚の能力発揮を妨げ、国の政策を停滞させている。官僚本人、家族、政治家、関係者への緻密な取材から、その現状と構造に鋭く迫る。 

目次(これを読むだけで問題意識は分かる?)
まえがき
0 コロナで激務に――霞が関の官僚にいま何が
追い詰められる官僚/官僚の“長い1日”/“対面が基本”の国会対応/残る紙文化/仕事は大変……でも「国民のために」/国家公務員は労働基準法の適用外/7人に1人が「辞めたい」/官僚トップに聞いた/始まった働き方改革

■第1部 官僚だってつらい
1 眠らない官僚
つらい! 眠い! 官僚たちの本音/保険金上げた……/“国会対応”/残業は120時間の過労死ライン超え! でも、官僚は……/長時間労働の“つけ”は大きい/「昔から忙しかったけど……」/官僚の家族の叫び/残業代には「天井」が/本当に「高給取り」?/子どもが欲しいが……/専門家「政治主導の強まり」
2 官僚女子もつらい!
女子の悩みは官僚も一緒/制度あるのに、使えない!/子どもはいないのですが……言い出せない悩み/「女性活躍」掲げるけれど……/専門家はどう見る/代行不能な「仕事の属人化」
3 厚生労働省で妊婦が深夜3時まで残業!?
働き方改革の旗振り役なのに……/妊婦が午前3時まで!/職場で倒れた人も/時間外の在庁が100時間超 なんと374人!!/人事院に直撃!! 何で休めないの?/専門家「人員増やすのもタブー視するな」
4 この春、霞が関やめました
私もかつて官僚でした……/「憧れ」の仕事だったけど……/終わりなき長時間労働/相次ぐ不祥事対応/異動ばかりで専門性が高められない/1年間で何人辞めたのか?
5 心身病む官僚たち
同じ課で一度に4人が……/つらいと言えなかった/職場に戻ることなく……/自死から5年たっての申請/将来を嘱望されていた男性/民間と官僚“労災”めぐる違い/何が追い詰める? 専門家は
6 官僚の勤務データは“リアル”? 人事院に直撃
データと取材実感に違いが……/国と民間の調査結果……こんなに差が!?/専門家はどう見る?/人事院にも聞いてみた!
■第2部 霞が関と永田町
7 夏休みの宿題? これ、官僚の仕事?
文部科学省に、夏休みの宿題!?/秘書がやるべき業務じゃないの?/まだまだありました……/専門家はこう見る
8 どうして即日廃棄? 大臣の日程表
日程表とは? 秘書官経験者に聞いてみた/その保存状況は?/指針では1年未満保存と明記/相次ぐ問題で見直された指針。しかし……/三大都市(東京・大阪・愛知)の知事の日程表は?/さらに調べると……/重要かどうか検討せずの省も/ついに廃棄前の日程表が!/各省庁の日程表、違いは……/どうやってチェックすれば!/黒塗りの省庁も/「政務」は記述されず
9 霞が関の嫌われ者 “質問主意書”って何?
「質問主意書」で退職を覚悟!?/質問は国会議員の重要な仕事/過去に不正発覚につながったことも/総理大臣公邸に幽霊!?/修正でがっかりすることも/【官僚の負担1】1時間ルール/【官僚の負担2】7日以内の答弁作成/【官僚の負担3】書式も厳密で面倒……/なんと10倍近くに!/質問主意書、どの議員が多い?/ランキング1位の議員に聞いた
10 官僚が自転車で疾走――真夜中に届けるものは
届けよ! 答弁書/なぜ遅い?【理由1】 通告時間/なぜ遅い?【理由2】 壮絶な“フリモメ” /いったい誰のせいなのか?

■第3部 今どきの霞が関事情
11 なぜ? 東大生の“官僚離れ”
東大生の進路に異変?/トップ合格、親族も官僚。でも……/「沈む船に乗りたくない」/官僚主導から政治主導へ/「冬」の時代の官僚たち/若手官僚たちの模索
12 40歳以上が多すぎ?――官僚組織の「逆ピラミッド」
若手官僚たちの嘆き/意外な組織構造/人事担当も疑問を持ちながら……/長期的なキャリアビジョンを持てない
13 民間人がなぜこんなに!?
霞が関の民間出身者 その数はなんと……/どうしてこんなに増加?/どの企業がどんな省庁に……/なぜこんなに民間から……/民間人は霞が関をどう見た?/「紙文化」に違和感
14 霞が関文学って何?
霞が関文学とは/霞が関文学だけでなく、隠語も!!/霞が関の隠語、実は省庁別にたくさんあった!/隠語の起源は、昔から……/「霞が関文学」が政治にも/【クイズ官僚用語】解答
15 改革は“外目線”――霞が関を飛び出す若手官僚たち
「第3の居場所」を作る/厚生労働のすべてがここに!/コミュニケーション改革を!

■第4部 コロナと闘う官僚たち
16 失われた“特別な時間”
誰もいない学校/突然の表明、ざわめく省内/休校は本来誰が判断?/方針決定の経緯は?/対応に追われた現場は
17 今どき官僚もテレワークですが……
青空の下、大臣記者会見/庁舎の窓は全開/手ごわいのがテレワーク/こうした事態、想定していた?/【理由1】ぜい弱なオンライン環境/【理由2】国会議員への対応/霞が関だけの課題ではない
18 コロナと闘う公務員たち――厚労省“コロナ本部” 現場の保健所は
24時間態勢「コロナ本部」の官僚たち/メールの宛先は900人超え/厚労省では体調崩す妊娠中の職員も/現場の保健所は「悲鳴をあげています」/保健所の実情に詳しい専門家は
あとがき
記者紹介   』

・・・マンパワー不足は、定員削減の結果だ。(ほとんど同じ仕事をしている)非常勤職員を増やして手当せざるを得ない(彼らは「定員」に入らないからね)。必要なら定員増と給与(時間外勤務手当も)を増やすべきだろう。
見かけ上の定員削減の弊害だ。

・・・申し訳ないけど、”お手軽まとめ”ですね。
・・・書物にするならもっと掘り下げて書かなくては。。。センセーショナリズムは映像で終わっている。違います?
・・・中身は昔と対して変わりない。だからそれを経てきた「上司」たちは改革に向かわないのだろう。
・・・マスコミは(NHKさんを除く?)、官僚の不祥事やミスをあおって貶めたあげく今度は「このままでは公務員の質が落ちる」と騒ぐ。これは典型的な『マッチ/ポンプ』ですよ。NHKさんは別かな?😰 
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「半席」

2021年06月22日 | 日記
青山文平(新潮社)

江戸時代の武から文へ移るとき、武士のありようが変わってきたのだろう。幕府の階級を上がって行く最初の段階のひとつに「御徒目付」役があるようだ。そこにいる片岡が主人公。
柔らかな文章が読みやすい。

内容紹介は(出版社より)
『御家人から旗本に出世すべく、仕事に励む若き徒目付の片岡直人。だが上役から振られたのは、不可解な事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用だった。職務に精勤してきた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の侍が堪えきれなかった思いとは。人生を支えていた名前とは。意外な真相が浮上するとき、人知れずもがきながら生きる男たちの姿が照らし出される。珠玉の武家小説。

目次

半席
真桑瓜
六代目中村庄蔵
蓼を喰う
見抜く者
役替え     』

・・・短編集だから初出のときは必要だった「説明」が常に出てくるのが少々煩わしいのが玉に瑕。

池内先生の評を引用『江戸の事件にのぞく、平成ニッポン
池内紀
 直木賞受賞後第一作。あざやかな着想、あざやかな筆さばき。六十歳をこえてデビューした人が、ためこんだ元手で一挙に花を咲かせたぐあいだ。
 時は十九世紀はじめ、いみじくも「文化」を年号とした頃あい。世界有数の大都市江戸は人口百万をこえていたのではあるまいか。そこにあって、いるかいないかの下級武士が主人公だ。職のない小普請組がワンサといる。片岡直人がやっとありついたのが徒目付かちめつけ、職員の監察係。ただし家格は「半席」といって、父と同じく一代御目見おめみえ。このまま二つ以上の御役目につかず代替りすれば、もとの御家人にもどされる。父子二代がかりでも二度の御役目につけば、代々にわたるレッキとした旗本、永々えいえい御目見に出世できる。
「自分は無理でも、いずれは生まれてくるのであろう自分の子には、要らぬ雑事に煩わされることなく、御勤めだけに集中させてやりたい」
 愛すべき、優等生の青年である。となれば、ひたすら御勤めをきちんと果たすこと。それを心に決めているのに、肝心の上司がこっそりと「頼まれ御用」を言ってくる。へたに応じて表の御用に支障をきたすと、出世の糸口がフイになりかねない。にもかかわらず一度請けたのが二度となり、三度、四度ときて、全六話が裏の御用の顛末。
 どれもいたってヘンテコな事件なのだ。当年八十九歳という高齢ながら、カクシャクとして表台所頭を務めていた老人が、木場へたなご釣りに出かけ、何を思ったか、やにわに筏の上を走り出し、水にとび込んで水死した。
 お次の事件は、老人サロンの仲のいい両名、ともに八十七歳。会も押し詰まった頃、やにわに一方が脇差抜いて斬りかかった。
 三つめ。ほんの涙金で一季奉公を二十年以上もリチギに勤め上げた四十八歳の男が、不意に姿を消したとおもうと、フラリと主家にあらわれ、何でもないやりとりのくだりに主人の背中を突きとばした。踏み石に頭を打ちつけ、主人は絶命。主殺しには鋸挽のすさまじい刑罰が待っている。
 表だっては、すべて決着のついていることなのだ。証人もいれば当人の自白もあって、裁きのとおりに進行する。ところが粋狂な組頭がそっと御用を誘いかける。なぜ事件が起きたのだろう。どうして斬りかかったり、突きとばしたりしたのか、当人から訊き出してくれまいか。
 上司の組頭は、初出のときは内藤康平といった。このたび内藤雅之と改めてある。意味深い改名である。康平は「公平」を連想させる。たしかにそんなお役目をになっているが、もっと人間味あふれた大きな人物であって、いわば体制内の雅かな平常心の男。直人こと青っぽい直情型の青年を、よく見ている。加えてもうひとり狂言まわしがいて、こちらは沢田源内といったり、島崎貞之といったり、名前も商売もくるくるかわる。体制外の雅かな平常心の役まわり。
「劇」は不可解な事件の解明だが、これに寄りそい、さらにもう一つある。円熟した大江戸という歴史のドラマ。頼まれ御用の舞台となる神田多町の居酒屋七五屋からして、フクイクと文化が匂ってくる。主人喜助が釣り上げた魚。その料理法。「洗いってのが、ありがてえなあ。刺身は野締めでも喰えるが、洗いは活締めじゃなきゃあ喉を通るもんじゃねえ」
 そんなセリフに、青年は反発する。武士が喰い物を云々するのはいかがなものか。そんなときの雅之の返答。「けどな、旨いもんを喰やあ、人間知らずに笑顔になる」
 ミヤビ男は、武士は食わねど高楊子の貧国の哲学を歯牙にもかけない。自分の言葉どおり、旨いもんとなると、とてもいい笑顔になる。およそ徒目付らしくない。
 物語のドラマは、ささいなことなのだ。ほとんど誰の目にもとまらない。本人だけに見えていたこと、気にかけていたこと、ちょっとした思いこみ、こころはなれなかったこと。そんなさなかのほんの一瞬だ。その人の視点に世界がうつったとたんに事件が起きる。もはや元へはもどらない。
 語られているのは江戸・文化年間の町と人だが、そっくりそのまま平成ニッポンの町と人にあてはまる。そのあやうさと幸せ。新鮮で警抜で、意味深い。優れた時代小説の得意ワザであって、かくもあざやかに「現代」をとらえることができるのだ。
(いけうち・おさむ ドイツ文学者・エッセイスト)
波 2016年6月号より       』

・・・これを読んで思い出したが、おいしい江戸前の魚と酒があるのは良いなぁ。。。それも楽しみな文章である。時代小説好きにはお勧めです。すぐ読める。😅 




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「落日の轍」

2021年06月18日 | 日記
高杉良(文春文庫)

サブタイトルが「小説日産自動車」とある。小説ではなくノンフィクションでしょう。
ともあれ、社長と組合の委員長の確執がテーマ。ゴーン問題でもめた日産だが、その根源の企業の体質がここにあると言いたいようだ(どの企業にもある話だよね)。

内容紹介は
『2018年、会社を私物化した「カリスマ経営者」が逮捕された――。
大企業の〝病巣〟はすでに40年前にあった!
かつて日産自動車に君臨し〝天皇〟と畏怖された塩路一郎。組合員二十万人の労働組合の総帥として、社長人事に影響を及ぼし、経営を歪め、社内紛争を長引かせる一方、豪華クルーザーで遊び、愛人を囲い、私利私欲を極めた。なぜ彼は権勢をほしいままにできたのか。大企業の病巣に切り込む迫真の実録小説、緊急復刊!
(『労働貴族』を改題)

「救世主はいつから、なぜ、会社を食い物にするようになったのか」
「人の営みに寄り添い、心情をすくい上げた作品は滅びない」
――解説・加藤正文 

著者略歴
高杉/良
1939年東京生まれ。化学専門紙記者、編集長を経て、75年に「虚構の城」で作家デビュー。経済界全般にわたり、綿密な取材に基づき、話題作の数々を発表する。著書多数  』

・・・作者は企業小説の第一人者ですが、ゴーン氏の社長就任について、必ずしも好意的じゃあなかったようで、「コスト・カット」で社員を大量に解雇したらそりゃあ業績回復になると喝破していたそうだ。
・・・戦後の労働組合が左傾化し、過激化してきたときに第二組合を作って会社に協力、生産の安定に貢献すれば会社と仲良くなる。その委員長が何十年も権力の座にあれば、人事も壟断することになるという典型例だろう。同じことはどこの会社でも起こる。JR東の動労の松崎氏しかり、日教組と対立して管理職を含む第二組合を作れば、それはそれで争いを解消していくことができるが、新しい権力が生まれていくことになる。特に最初の企業トップとツーカーになると、その後任の社長などが頭が上がらない。組合側も人が変わる必要があるということだろう。
・・・それにしてもこの主人公塩路委員長がヨットを持ち、銀座の女性と仲良くなる。これを写真週刊誌が追いかける。これで潮目が変わるんだね。組合の車と運転手、私用のフェアレディと子会社提供のもう一台のフェアレディと、堕落は止まらない。人間は権力の場に長くいてはいけないのだね。
・・・これはこれで面白かった。人間が変わらないというのは普遍な原理か?😢 

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「クララとお日さま」

2021年06月14日 | 日記
カズオ・イシグロ(早川書房)

これは好みが分かれるかも知れないですね。最初の二、三部までがちょっと謎を秘めながら、進行するけど、理由が分かりにくい。後半から一気に展開。なぜこのような設定なのか、近未来の英国らしい世界がそのようになっているのか見えてくるのだが、それも漠然としていてわかりにくいところがある。
好みの問題でもあるね、やっぱり。

内容紹介は
『ノーベル文学賞 受賞第一作
カズオ・イシグロ最新作、
2021年3月2日(火)世界同時発売!
AIロボットと少女との友情を描く感動作。 

もう少し分かりやすい説明を拾ったら、以下のとおりの「設定」である
『・主人公クララ(語り手)はAFと呼ばれるロボット。
・AFは、子どもの一番の友人となり、子どもの健全な発達に寄与することが求められている。
・クララは「ジョジ―」という女の子に買われ、そこでジョジーの世話をすることになる。
・ジョジーは病弱。その理由は……
・ジョジ―は、幼馴染のリックと相思相愛だが……
・ジョジーの姉はすでに他界しており、ジョジ―の母親クリシーはそれがトラウマになっている。』


著者について
1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、海洋学者の父親の仕事でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育ち、その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イーストアングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞した。1989年発表の三作目『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いた。ほか長篇に『充たされざる者』(1995)、『わたしたちが孤児だったころ』(2000)、『わたしを離さないで』(2005)、『忘れられた巨人』(2015)、短篇集に『夜想曲集』(2009)がある。2017年にはノーベル文学賞を受賞。2018年に日本の旭日重光章を受章し、2019年には英王室よりナイトの爵位を授与された。  』

カバーの絵がまた良いのです。メルヘン調とでも言えそうです。

「イシグロ。AIロボット。少女。境界を越えた心の交流。読まずにいられるわけがない」 (映画監督・是枝裕和)

カンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した『万引き家族』などで知られる映画監督の是枝裕和さんから、
『クララとお日さま』に賛辞が寄せられました。
装幀を手掛けたのは坂川事務所の坂川朱音さん。
『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』などのイシグロ作品を手掛け、
残念ながら昨年急逝されたお父様の坂川栄治さんの衣鉢を継ぎ、素敵なデザインに仕上げてくださいました。

・・・まあ、読後感としては、徹底的に「優しい感情」にあふれた物語です。
・・・この作者野作品に通底する「静かさ」「優しさ」が『日の名残』とつながっている感じがするのです。これが好みが分かれるところかも知れません。
・・・なお「AF」とは人工の友人というような意味合いですか。未来にはありそうな設定だ。ちょっとお日さまとの関係が未来っぽくないような気もしますけど。評判だから読んでも良いのかな。😉 ☆3から3.5かな。

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