読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「プーチンの国家戦略」

2017年03月28日 | 日記
小泉 悠(東京堂出版)

 我々の見方というのは正しいかは、反対側から見てみるとよく分かるし、そこには相手の歴史観、思想がからむ。それも理解しないと一面的で本当のところを理解はできまい。その意味で本書は新たな視点を与えてくれている。
 クリミア問題や北方領土も上手に読み取らないと戦略を誤るだろう。ロシアと言う国の持つ世界観を理解する必要があり、本書は有効だ。

内容紹介は
『プーチン大統領が絶対的指導者として君臨するロシア。この大国は、どこに向おうとしているのか。
軍事、核、宗教、ウクライナ、NATO、旧ソ諸国、北方領土問題、宇宙開発など多岐にわたる切り口からロシアの戦略に迫る。「軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理」で話題となった、いま注目の若手ロシア研究者 小泉悠氏の最新作。

主要目次

序 章 プーチンの目から見た世界
第1章 プーチンの対NATO政策 ― ロシアの「非対称」戦略とは
第2章 ウクライナ紛争とロシア-「ハイブリッド戦争」の実際
第3章 「核大国」ロシア
第4章 旧ソ連諸国との容易ならざる関係
第5章 ロシアのアジア・太平洋戦略
第6章 ロシアの安全保障と宗教
第7章 軍事とクレムリン
第8章 岐路に立つ「宇宙大国」ロシア
結び
おわりに

著者について
1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員などを経て、現在は公益財団法人未来工学研究所で客員研究員を務める。ロシアの軍事・安全保障を専門としており、特にロシアの軍改革、ハイブリッド戦略、核戦略、宇宙戦略などに詳しい。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社、2016年)があるほか、『軍事研究』誌等でロシアの軍事・安全保障に関する分析記事を執筆している。テレビ、ラジオなどのメディア出演も多い』

面白そうなテーマだけ読んでもためになる。この問題に関心のある方にお勧めですよ。
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「ツバキ文具店」

2017年03月28日 | 日記
小川糸(幻冬舎)

 舞台は鎌倉。出てくるお店は実際にもあるのかな。お寺はありそうだ。
 おいしそうな食べ物はどうかな・・・
 鎌倉案内も楽しそう。「代書」業って今でもあるのか。あれば便利そうだ。本書にはこの代書業で仕事をする主人公が誰かの代わりに書く文章、そこに至る物語がある。心のひだを考え相手の気持ちや反応も前提に、紙や筆記具、文体の工夫、男女の書き方の違いなど駆使しながら書く。案外楽しそう・・・

内容紹介は
『言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。
家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、
離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。文字に関すること、なんでも承り〼。
ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した心温まる物語。

・・・ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします』

著者について
作家。著書に小説『食堂かたつむり』『喋々喃々』『つるかめ助産院』『あつあつを召し上がれ』『さようなら、私』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』、エッセイ『ペンギンと暮らす』、『こんな夜は』『たそがれビール』など多数。
デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。同書は、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞

・・・誰かに手紙を書きたくなった。紙やペン、筆など工夫しながら書けたらいいなぁ・・・今や手紙をやり取りする相手がほとんどいませんね。しっとり小説を楽しみたい方にお勧め。
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「片翼の折鶴」

2017年03月19日 | 日記
浅ノ宮 遼(東京創元社)

 ミステリを医学用語で舞台は病院やら医学部やらにして書いたらこうなるという本ですわ。
 専門用語がいっぱい出てくるので、読みにくいと思う人も少なくないと思われるが、まあ、面白かった。用語が鼻につくけど・・・

内容紹介は
『第11回ミステリーズ! 新人賞受賞作
 医科大学の脳外科臨床講義。第一回目だというのに、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由を考えてみろというのだ。学生たちは推論を重ねていくが一向に正解にたどり着けない。しかし、西丸という学生ただ一人が、その意外な真相を導き出す―。選考委員が絶賛した第十一回ミステリーズ!新人賞受賞作「消えた脳病変」ほか、臨床医師として活躍するその後の西丸の姿を描いた四編を収めた連作ミステリ集。現役医師が贈る、“臨床探偵”西丸豊の静かな推理』

著者略歴
浅ノ宮/遼
1978年生まれ。新潟大学医学部卒。2014年、「消えた脳病変」で第11回ミステリーズ!新人賞を受賞。現在も医師として活躍する傍ら、精力的に執筆を続けている。

・・・「消えた脳病変」が一番面白かったかな?医学用語に詳しくなるかも?


 
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「言ってはいけないー残酷すぎる真実ー」

2017年03月19日 | 日記
橘 玲(新潮新書)

 何となく日本ではタブーになっているのは「教育」の無限の可能性。努力すれば一番になれるよ・・・という励まし?激励?
 でも本当はどうやら違うところもあるよね。美人は得するし、神様は不公平だと大人は何となくわかっている。
 かくてかような本を出したらバッシングされるのか?それにしても遺伝子レベルの話になったら病気も遺伝するケースもあるしね。我が家は胃がんの系統だし・・・

内容紹介は
『ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない。
この社会にはきれいごとがあふれている。人間は誰しも平等で、努力すれば必ず報われ、〝見た目″はそれほど大した問題ではない――だが、それらは絵空事である。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外ではなく、美人とブスの「美貌格差」は生涯で約3600万円もある。また、子育ての苦労や英才教育の多くは徒労に終わる……。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が次々と明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、遺伝、見た目、教育、性に関する、口には出せない「不愉快な現実」を今こそ直視せよ!
(目次より)
Ⅰ 努力は遺伝に勝てないのか
1:遺伝にまつわる語られざるタブー
2:「頭がよくなる」とはどういうことか――知能のタブー
3:知識社会で勝ち抜く人、最貧困層に堕ちる人
4:進化がもたらす、残酷なレイプは防げるか
5:反社会的人間はどのように生まれるか
Ⅱ あまりに残酷な「美貌格差」
6:「見た目」で人生は決まる――容貌のタブー
7:あまりに残酷な「美貌格差」
8:男女平等が妨げる「女性の幸福」について
9:結婚相手選びとセックスにおける残酷な真実
10:女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?
Ⅲ 子育てや教育は子どもの成長に関係ない
11:わたしはどのように「わたし」になるのか
12:親子の語られざる真実
13:「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実

橘玲
作家。1959年(昭和34)年生まれ。小説『マネーロンダリング』(デビュー作)や『タッスクヘイブン』のほか、ノンフィクションや時評も手がけ、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』はベストセラーとなる。『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』『バカが多いのには理由がある』『「読まなくてもいい本」の読書案内』など、著作多数』

・・・目次見たらだいたいわかる。面白そうなところを読んだらいい。
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「キネマの神様」

2017年03月19日 | 日記
原田マハ(文春文庫)

 最後に泣かされる。だいたい予想通りの展開で、ありそうにないことが小説だから書けるのだね。その『うそ話』が実に心に残るお話になっている。ちゃんと乗せられるのが心地よい。うまいなぁ・・・

内容紹介は
『39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語』

著者略歴
原田/マハ
1962年、東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。商社勤務などを経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2006年、『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー

・・・「楽園のカンヴァス」依頼、この作家の本を読み続けているが、これもストーリーが流れて読みやすい。結末も予想通りだけど、素直に感動できるものになっている。小説の中の映画は見たのもあるけど見逃したものも少なくないが、結構一般的な映画でしょうね。マニア向けの難しい作品は出てこないから安心。読んだ後に、映画館へ行きたくなりますな。
一種、映画の物語であり、親子の物語と言える。お勧めです。
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