読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「江戸人の老い」

2019年04月24日 | 日記
 氏家 幹人PHP新書)

 タイトルにひかれて読んだ。江戸時代も結構長生きの人は少なくなかったようだ。要は、乳幼児の死亡率が高くて、全体の余命を引き下げていたみたいだ。それにしても本書で取り上げた3人は、それないrの長生き。最初の鈴木牧人の若い者に対する苦情など、老人としてはいかがなものかでしょうけど、我々もそうならないとは限らない。

 内容紹介は
『頑健・有能な大将軍・徳川吉宗にも「老い」は訪れた。半身麻痺と言語障害を抱え手厚い介護を受ける一方で、側近たちに対しては往年の為政者としての力を発揮しつづけたという。埋もれていた史料『吉宗公御一代記』を基に晩年の新たな吉宗像を提示。大河ドラマの名場面で見せる覇気も、全くの虚実であることが判明する。また、家族との確執に悩み、七万字もの遺書をしたためたある偉人。そして世の安直な風潮を醒めた目で観察し、十八年にもわたる散歩の記録を残した不良老人。こうした対照的な二人の姿を通して「老いの豊かさと孤独さ」に迫る。江戸の死体から性風俗・少年愛まで……。歴史で語られることの少ないディープな話題を掘り起こした過去の作品で、人気のある著者。今回も「老い」という江戸時代のマイナーなテーマに挑戦し、それを見事ユーモラスに描写している。
 それからの人生をどう生きるか? 時代を超えて変わらぬ人生最後の問いへの示唆。

 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
 氏家/幹人
 1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。専攻は日本近世史。著書に『江戸藩邸物語』『殿様と鼠小僧』(以上、中公新書)、『武士道とエロス』『江戸の性風俗』(以上、講談社現代新書)、『不義密通』(講談社選書メチエ)、『江戸の少年』(平凡社ライブラリー)、『大江戸死体考』(平凡社新書)など多数ある。  』

・・・中でも名言は、老人の心(気持ち)はなって見ないと分からない、というところ。嫌味な言動にはそれなりの理屈があろうけど、若い人には理解不能だ。 それでも『北越雪譜』を書いた新潟の偉人の鈴木さんは、偉いのかただの困った老人だったのか?
・・・面白い分析ですね。
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映画「オブリビオン」

2019年04月18日 | 日記
 DVDで映画
 結構評価が高いSFもの。なんせトム・クルーズが出てますからね。
 映像もきれいだし、最初はジャックとヴィカの二人しか出てこないので不思議な映画だねと思ったら、後半で種明かしがあって、それをくっつけるのに少々戸惑ったが、よくできています。

 内容紹介は(ウイキペディアによる。ネタバレあり)
『西暦2077年。60年前に起きた異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核兵器によって荒廃してしまった地球。人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住を余儀なくされていた。そんな中、元海兵隊司令官コードネーム「Tech49」ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)はヴィクトリア・オルセン(アンドレア・ライズボロー)と共にたった二人で地球に残され、スカヴの残党を始末するため、高度1,000mの上空から地上を監視する役目を担っていた。
 ある日、ジャックは地上パトロールの途中で墜落した宇宙船を発見。その残骸から謎の女性ジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)を助け出す。目覚めた彼女は何故か会った事も無いジャックの名前を口にする。ジャックも断片的な記憶の中に彼女を見るが、そんな中で彼は突然スカヴに捕えられ、連行された先でマルコム・ビーチと名乗る謎の男(モーガン・フリーマン)と出会う。彼にスカヴがエイリアンではなく人類の生き残りであること、タイタンに移民者などいないこと、移民前の一時的な避難先である宇宙ステーションと教えられていた「テット」という物体こそが人類の敵であることを告げられる。
 そして、マルコムに送り出されて「汚染地区」へと向かったジャックは、自分と全く同じ容姿の「Tech52」のジャックと遭遇する。そしてジャックは自分とヴィクトリアが量産されたクローンであり、テットの手先として人類を抹殺する任務をこなしていることを知る。その後、かつてジャックとジュリアが共に終の住処にしようと語った湖畔の家で二人は結ばれ、戦いが終わったらここに戻ると誓う。
 スカヴの基地へと戻ったジャックは、マルコム達の計画に従い、殺人マシンであるドローンを再プログラミングし、テットへ核爆弾として送り込む準備をする。しかし実行しようとした矢先にテット側のドローンの襲撃を受け、確保したドローンも再起不能になってしまう。そこでジャックとジュリアは、宇宙船の生存者を連行するよう求めていたテットの指示を利用し、自分たち自身でテット内部に特攻する計画を考えつく。
 テットへ進入する際、交信で「嘘をついている声」であることを解析されたジャックは「ジュリアを死なせず、人類を存続させたい」と"真実"を言ってテットの警戒を解き、おびただしい数のクローンが眠る中枢に乗り込む。ジャックがテットの前でコールドスリープ装置を開けると中にいたのはマルコム。テットはドローンを差し向けるが、ジャックとマルコムは爆弾のスイッチを押す。テットは爆発、崩壊し、地上のドローンは活動を停止。ジュリアはジャックとの約束の地で目覚め、空に輝くテットの爆発時の光を目にする。
 3年後、湖畔で娘と暮らすジュリアの元にスカヴ達とジャックが現れる。彼は汚染地区で出会ったTech52だったが、「"彼"は"自分"だからこの場所を探し出せた」とモノローグ調のナレーションが流れる。

 キャスト
ジャック・ハーパー - トム・クルーズ
 マルコム・ビーチ - モーガン・フリーマン
 ジュリア・ルサコーヴァ - オルガ・キュリレンコ
 ヴィクトリア“ヴィカ”・オルセン - アンドレア・ライズボロー   』

・・・良くできた映画のひとつでしょう。お暇なときにどうぞ。

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「秘密」

2019年04月15日 | 日記
 東野圭吾(文春文庫)

 うん、分かる。中年の夫と父親の心情が、娘と妻に対する愛情と健全な体との葛藤も。
 タイトルも全体を象徴して良いね。最近この作者にはまっている・・・
 
 内容紹介は
『運命は、愛する人を二度奪っていく。
自動車部品メーカーで働く39歳の杉田平介は妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美と暮らしていた。長野の実家に行く妻と娘を乗せたスキーバスが崖から転落してしまう。 妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。 その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密"の生活が始まった。 外見は小学生ながら今までどおり家事をこなす妻は、やがて藻奈美の代わりに 新しい人生を送りたいと決意し、私立中学を受験、その後は医学部を目指して共学の高校を受験する。年頃になった彼女の周囲には男性の影がちらつき、 平介は妻であって娘でもある彼女への関係に苦しむようになる。
98年度ベストミステリーとして話題をさらい、広末涼子主演で映画化、志田未来主演で連続ドラマ化もされた東野圭吾の出世作。累計200万部突破の伝説のベストセラー。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
東野/圭吾
1958年、大阪生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、1985年、『放課後』で第31回江戸川乱歩賞受賞。1999年、『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。著書に『同級生』『変身』『分身』『鳥人計画』『むかし僕が死んだ家』『パラレルワールド・ラブストーリー』『天空の蜂』『毒笑小説』『名探偵の掟』『悪意』『探偵ガリレオ』『白夜行』『予知夢』『片想い』等があり、幅広い作風で活躍している。    』

・・・主人公の平介が高専卒業の技術者というのが良いね。ちよっと「関係者」だから。
・・・最後が『感動』だというけれど、ちょっと分からない。結局どっちになった?これ以上はネタバレになるので止めるけど、読んだ人教えてください。

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「風よ僕らに海の歌を」

2019年04月10日 | 日記
 増山実(角川春樹事務所)
 
 実際にあった事件かどうか分からないけど、ありそうなのはイタリア人が戦時中日本の収容所にいたかもしれない。第一次世界大戦のときは、ドイツ人捕虜がいて、「第九」の演奏会があったとか言われていて、同じようなケースにも見える。
そこから本書を紐解いていくのは、導入としても面白い。結局親子の物語なんですがね。

内容紹介は
『第二次世界大戦時、日伊共同の任にあたっていたイタリア海軍の特務艦が神戸沖にいた。
その名は「リンドス号」。乗組員の料理を担当していた兵士にジルベルト・アリオッタという男がいた。
しかしイタリア政府の突然の降伏で彼は祖国へ帰る道を絶たれる。
戦後まもない宝塚でイタリア料理店を始めるジルベルトと家族たち。
見慣れぬ料理は宝塚の人々を魅了していく。
戦争に翻弄されながら、激動の昭和を生き抜いてきた親子二代の軌跡。彼らと交錯する、様々な人生。
史実をモチーフに異郷に生きる人々の絆を描く感動のストーリー。   』

・・・ちょっと心温まる父と息子の物語、ってところです。まあまあ。
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「鏡の背面」

2019年04月08日 | 日記
 篠田節子(集英社)

 ほとんど気持ち悪い話だが、つい続きを読まざるを得なくて、最後まで読んでしまう。
 オカルト的なところもあり、連続殺人でもあり、でも解釈は読み手にかかってくる。

 内容紹介(書評よりhttps://www.bookbang.jp/review/article/557967)は
『[レビュアー] 千街晶之(文芸評論家・ミステリ評論家)
◆「怪物」が「聖女」に?人生の真実
 イタリア・バロックの画家カラヴァッジョは素行不良で知られ、ついには人を殺した。その後は逃亡生活を送り、熱病で三十八歳の生涯を終えた。だが彼の描いた宗教画はドラマティックにして宗教的な感動に溢(あふ)れたものであり、特に晩年の作品は彼自身の罪の悔恨を感じさせる。さて、カラヴァッジョは最後に改心したのだろうか、それとも粗暴な性格のままだったのだろうか?
 そのカラヴァッジョの「ラザロの蘇生」を表紙にあしらった篠田節子の長篇『鏡の背面』は、ひとりの人間が悪人であると同時に聖人たり得るのかを考えさせる物語だ。
 薬物依存症患者やDV被害者らが身を寄せている女性専用シェルターで火災が発生し、皆から「先生」と呼ばれて慕われていた小野尚子(なおこ)が死亡した。裕福な家庭に生まれた尚子は、私財を投じてシェルターを作り、日本版マザー・テレサとも言うべき高潔な人生を送っていた。その最期も、入居者である薬物依存の親子を救って自らは命を落としたのだ。
 ところが、警察の調べで驚くべき事実が明らかとなる。焼死体のDNAは尚子本人のものではなかったのだ。何者かが入れ替わり、尚子として長年暮らしていたらしい。
 やがて判明した彼女の正体は、ある悪名高き女性だった。だが、連続殺人の嫌疑までかけられたその女性に、不幸な人々のために尽力する無私の人生が送れるものだろうか。ある登場人物は彼女を「怪物」と断じ、最後まで次の悪事の機会を狙っていたに違いないと考える。別の登場人物は、彼女の献身的な振る舞いが表向きだけの偽善のはずがないと考える。
 だが誰かの解釈に肩入れして読むと、必ず新たな事実によって覆されるだろう。物語自体も、ホラーめいた方向に進んだかと思えば合理的な解釈へと揺り戻されるなど、一筋縄では行かない構成だ。果たして「怪物」は「聖女」に生まれ変わったのか? 最後に明かされる真相は極めて戦慄(せんりつ)的だが、その解釈は読者それぞれが思惟(しい)すべき領域だ。』

・・・本書の巻末の参考文献をご覧ください。現実の木島香苗、福田和子事件などしばらく前の実際の事件を下敷きにしており、それが本書をよりリアリティあるものにしているのではないか。
・・・怖いもの見たさの人にお勧め。 
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