読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「宴の前」

2021年10月26日 | 日記
堂場舜一(集英社)

選挙戦まっただ中の2021年10月26日です。
本書は地方の知事選の話。モデルは新潟県でしょうね。「新町」が出てくるけど、これは「古町」でしょう。また日本海の夕日がきれいな西の海岸にある公園も出てくる。保守系が強い田舎?だし。

内容紹介は
『現職知事の後継者が、選挙告示前に急死。
後継候補を巡る争いに、突然名乗りを上げたオリンピックメダリスト、地元フィクサーや現職知事のスキャンダルを追う記者の思惑が交錯する。

これまで四期連続当選してきた現職県知事・安川(76歳)は、今期限りでの引退を決める。後任については副知事の白井に任せるということで内々に話がまとまっていた。しかし、選挙告示の2ヶ月前に白井が急死し、次期知事候補は白紙に戻る。一方その頃、地元出身でオリンピックメダリストの中司涼子(42歳)が、突如知事選への出馬を表明する。マニフェストに「冬季オリンピックの誘致」を打ち上げ、一気に有力候補に躍り出る。混沌した様相はさらに加速し――。
著者紹介
堂場 瞬一(どうば しゅんいち)
1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「刑事の挑戦・一之瀬拓真」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『時限捜査』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『焦土の刑事』など著書多数。   』

・・・結末は、私としては妥当な結論で、奇をてらわないところが良い。そうでなければ青春劇画の世界になってしまう。最終のところの場面がちょっと救いになっているのは、小説だからこれくらいは許容範囲でしょう。
・・・著者の警察物は面白かったけど、政治物も書けるのですな。若干の物足りなさを残してはいますが・・・
・・・主人公二人が交互に出てきて面白い構成。脇役の新聞記者が色物的な役割か? まあ、楽しめました。😜 
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「高瀬庄左衛門御留書」

2021年10月19日 | 日記
佐原浩太郎(講談社)

久しぶりの時代小説。しっとり感がいいです。

内容紹介は(出版社の”自画自賛”?)
『◎第165回直木賞候補作◎
◎「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位!!◎

美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。
藤沢周平、乙川優三郎、葉室麟ら偉大な先達に連なる新星、ここに誕生。

「こんな時代小説を待っていた」の声多数!
2021年6月5日(土)朝日新聞「売れてる本」に掲載!

神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。

「心が洗われる」というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。ーー作家・江上剛(朝日新聞6月5日)
この人がこれから作品をどんどん出していくのがドキドキするし嬉しい。すごい時代に立ち会っている気がする。次回作も必ず読みたい! ーー北上次郎(YouTube「北上ラジオ」)
誰でも歳を取れば、違う生き方もあってのではとの悔悟を抱くもの。その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。ーー記者・佐藤憲一(読売新聞1月19日)
私は、作者がこれからの時代小説界をリードしていく存在になることを信じて疑わない。
ーー縄田一男(産経新聞2/21)
美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。ーー大矢博子(「小説すばる」3月号)
生きることの喜び、悲しみ、諦め、希望をすべてのみ込んだ時代小説ーー内藤麻里子(毎日新聞2/7)
主人公もさることながら脇の人物たちもよく書き込まれ魅力がある。ーー川本三郎(毎日新聞2/20)
人はどう生き、どう老いていくべきかの指針となる。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん)
全日本人に読んでほしい。(旭屋書店池袋店 礒部ゆきえさん【ダ・ヴィンチニュース3月6日】)
心情が清らかに流れ続けながら、激動の大河浪漫があり、心奪われました。ずっと浸っていたいこの至福の感覚を、たくさんに人に味わってもらいたい。(うさぎや矢板店 山田恵理子さん)
様々な制限の中で生き、迷いながら歩み続け、心のわだかまりが少しずつ溶ける有り様に、自分の心にも穏やかな風が入り込んだ。時代小説のすばらしさを感じた。(正文館書店本店 鶴田真さん)
厳しい現実を突き付けながらも生きることの温かさと優しさを感じさせてくれる。(くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信さん)   

人生に沁みわたり、心に刻まれる、誰もが待ち望んだ時代小説の傑作。
武家もの時代小説の新潮流、砂原浩太朗「神山藩シリーズ」第1作。 

砂原 浩太朗
1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者となる。2016年「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞しデビュー。2018年『いのちがけ 加賀百万石の礎』を刊行。本作が2作目となる。  』

・・・ゆっくり静かな時間を楽しめる小説だが、まだまだ藤沢周平の枯れた筆致には到達していないかも。そのうち時間がたてば、良い味を出せるようになるのかな?期待したい。😊 



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オペラ・チェネレントラ

2021年10月15日 | 日記
10月9日新国立劇場

内容紹介は(劇場の案内から)
『今をときめくロッシーニ歌いたちが織りなすシンデレラストーリー。
シーズン開幕には、ベルカント・オペラの傑作『チェネレントラ』を新制作します。ヒット作を連発したロッシーニのオペラ・ブッファの頂点となる作品で、おなじみのシンデレラの物語が極上のオペラとなりました。愉快な重唱、華麗な装飾満載のアリア、アジリタで盛り上がるクライマックスと、ロッシーニの魅力あふれる傑作です。フィナーレのチェネレントラのアリア「苦しみと涙のうちに生まれ」は、メゾソプラノの絢爛たる名アリアとして独立して演奏されることも多い決定的名曲です。
演出には、イタリア・オペラの読み込みにかけては随一の演出家、粟國淳があたります。タイトルロールのアンジェリーナは、イタリアを拠点に年々成熟を見せる脇園彩。王子ラミーロには、2020年『セビリアの理髪師』で脇園との名コンビぶりを見せた破格のロッシーニ歌いルネ・バルベラが登場します。男爵ドン・マニフィコには名ブッフォのアレッサンドロ・コルベッリ、アリドーロにはベルカントの旗手として躍進中のガブリエーレ・サゴーナが登場。軽妙なアンサンブルに期待が募ります。年々勢いにのる新国立劇場のベルカント・オペラ、シーズン開幕を飾る『チェネレントラ』がオペラの楽しさを存分に伝えます。』
  • 【指 揮】城谷正博
  • 【演 出】粟國 淳
  • 【美術・衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
  • 【照 明】大島祐夫
  • 【振 付】上田 遙
  • 【舞台監督】髙橋尚史

  • キャスト
    • 【ドン・ラミーロ】ルネ・バルベラ
    • 【ダンディーニ】上江隼人
    • 【ドン・マニフィコ】アレッサンドロ・コルベッリ
    • 【アンジェリーナ】脇園 彩
    • 【アリドーロ】ガブリエーレ・サゴーナ
    • 【クロリンダ】高橋薫子
    • 【ティーズベ】齊藤純子
    • 【合唱指揮】三澤洋史
    • 【合 唱】新国立劇場合唱団
    • 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

・・・ドン・ラミーロ役が、背が低く太っちょさんで「王子」っぽくない。ただし声は良い。「セビリアの理髪師」の伯爵役だったけど、それは許せる。
・・・舞台は、1930年代っぽい。
・・・こんなに喜劇だったかと認識を新たにした。勉強不足だったかもしれない。ともかく楽しめました。😥 
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「羊は安らかに草を食み」

2021年10月15日 | 日記
宇佐美まこと(祥伝社)

これはミステリーであろうか。それとも老人問題を絡めた小説であろうか。
とても面白かったが、満州の話は辛すぎる。
個人的には、亡き母親が赤十字に勤めハルピンに行っておりその逃避行のような話をちらっと聞いていたので、かなり身近なところがあるせいです。

内容紹介は
『認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆" があった――
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実!
日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!
過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅" に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは? 旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。 

著者について
宇佐美まこと (うさみ・まこと)
1957年、愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で 第1回 『幽』 怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2017年 『愚者の毒』 (祥伝社文庫)で第70回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞する。19年 『展望塔のラプンツェル』 で 「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」 第1位に選出され、第33回山本周五郎賞候補。他の著書に 『入らずの森』 『死はすぐそこの影の中』 『黒鳥の湖』 など。  』

・・・続けてこの作家の小説を読みたいかどうか分からないが、非常に面白かった。
・・・最後のところは少々安易なハッピーエンドの趣だが、大部分の話が深刻で読んでいて辛かったので、このくらいのご都合主義と気楽な?落とし前?は許容の範疇だろう。そうでなければ心が折れる。お勧めです。😙 

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「小説家になって億稼ごう」

2021年10月08日 | 日記
松岡圭祐(新潮社)

このタイトル通りなら、何と素晴らしいことだ。読んでる読者には相当難しいが、書いた作者は「億」を稼いでるかもしれない。
その意味でちょっとむなしい読書だ。

内容紹介は
『いま稼げる仕事はユーチューバー? 投資家? いや 「小説家」をお忘れでは? ミリオンセラー・シリー ズを多数持つ「年収億超え」作家が、デビュー作の売 り込み方法から高額印税収入を得る秘訣まで奥の手を 本気で公開。私小説でもライトノベルでも、全ジャン ルに適用可能な、「富豪専業作家になれる方程式」と は? ここまで書いていいのか心配になるほどノウハ ウ満載、前代未聞、業界震撼、同業者驚愕の指南書! 「本当は小説家は儲かる」という事実について、実際に儲かっている当事者らは 沈黙を守りがちです。けれども「小説家は儲からない」という風説ばかりが広ま ると、せっかくの才能ある人々が小説家になるのを断念してしまいます。それは 文学全般をつまらなくし、出版不況に拍車をかけてしまいます。 他の小説の指南書とは、かなり内容が違っているかもしれません。本書でご紹 介するのは、小説家で「食べていく」のではなく「儲けて富を得る」方法です。 それ以外のことは何も載っていません。貴方の小説が大型書店の店頭を飾り、多 くの読者を幸せにし、貴方自身が豊かで優雅な暮らしを送る日々を、心から信じ ております。 はじめに――小説家が儲からないというのは嘘 第一章 売れるための大原則「現代小説とはなにか」 第二章 人々に愛される物語の『想造』とは 第三章 魅力的なあらすじ 第四章 おもてなしの精神に満ちた執筆方法 第五章 貴方の小説をリリースする方法 第六章 失敗しないゲラ校閲作業のコツ 第七章 プロが儲からない理由は出版契約書 第一章 デビューの直後にすべきこと 第二章 編集者との付き合い方 第三章 デビュー作がヒットした時、しなかった時 第四章 映画化やドラマ化への対応 第五章 ベストセラー作家になってから気をつけること 「売れる」ために読むべし! ――「最強の指南書」に寄せて 吉田大助  』

・・・とても役立ったこと。①「文章表現を改めるため」の推敲は、最終章から遡って読む ②「誤字脱字の発見」のためには各章の最後の行から前へと眼を移す。
・・・「執筆環境」に関して、机を買うのと、マッサージチェアを買うと言うのが面白かった。
・・・作家になって頑張りたい人にお勧めです。😰 


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