読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「安倍晋三実録」

2024年01月29日 | 日記

岩田明子(文芸春秋)

亡くなった元総理に密着したNHK記者で、長年、近くから安倍さんを見ていただろうからその人柄や言動を解釈できるのだろう。
しかし、あまり時間をおかずに書いた点で何となくその評価が、甘いような気がする。本来は「歴史」あるいは「後世の判断」というのがあって初めて客観的になるような気がして、それを踏まえると、本書はかなり生の情報だと思える。

内容紹介は
『安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!
「回顧録」で明かされなかった肉声をふんだんに収録。
暗殺前夜も電話で話した、20年間の取材の総決算!

【目次】
第1章 第三次政権への夢
第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権
第3章 慰安婦問題と靖国参拝
第4章 トランプと地球儀俯瞰外交
第5章 拉致問題解決への信念
第6章 習近平との対決
第7章 生前退位と未来の皇室像
第8章 スキャンダルと財務省
第9章 岸家と安倍家の葛藤          』

・・・人柄など安倍さんは良い人だったように見える。特に外交はうまく回っていたと思う。
・・・ネットの書評で、もう少し踏み込んでよかったとされるテーマがいくつか指摘されていたが、それはまた次の機会に色々事実関係が見えてきたときに分かるのだろう。😥 
・・・以下ネットの引用「・・・トランプやプーチン、習近平など、大国のトップといかに渡り合ってきたか、首脳会談のやり取りが詳細に描かれており、安倍外交の内幕が垣間見えた。
トランプとはゴルフ外交などで親密さをアピールしていた印象が強いが、日米貿易交渉では対日赤字を減らしたいトランプの強硬姿勢をどのように和らげて日本の国益を勝ち取ったか、その苦労談も詳しく書かれていた。
プーチンとも何度もテタテ(通訳のみを入れた一対一の会談)を行い、北方領土問題解決の糸口を探り、合意寸前まで行きかけていた。
習近平に対しても当初は胸襟を開かなかった習近平に対し、ジョークを交えながら会談の場を盛り上げ、少しずつ本音を引き出していく様子が興味深かった。  」
・・・内政は菅官房長官(当時)が仕切って、もっぱら外交で頑張っていた印象がある。内政で霞が関は苦労したでしょうけど。😵 


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「奇跡の画家」

2024年01月29日 | 日記

後藤正治(講談社)

NHKでも取り上げられたみたいです。映像作品にふさわしい作りになっていて、本のかたちではいまいちの印象。
それでも本書にあるように、この峩々の作品に何か癒されるものがあるというのが興味深い。

内容紹介は
『ノンフィクション作家・後藤正治が「小さな物語を書きたい」と感じた一枚の絵との出会い。その絵は、49歳まで完全に無名だった孤高の画家・石井一男によるものだった。
飲食店や新聞運びなどの仕事をして穏やかに生活をしていた石井が、突如喜びとともに絵を描くようになったのは46歳のとき。以降淡々と好きな絵を描き続けてきた。口下手で穏やかな石井と、神戸のギャラリー海文堂の島田との出会い。画家になりたいと思ったのではない、生きる証として素直に、無心に描き続けた絵。その無名の作家の作品に、多くの人々が救われていくさま。石井や周囲の人々を通し、多くの人の心をとらえて離さない作品と画家の魅力、そして「豊かさ」の本来の意味を教えてくれる、温かくも珠玉のノンフィクション。

「ノンフィクションとは、対象を解きほぐしたいという渇望に導かれてあるものであるが、本書の場合、そのベクトルは少し違っていた。解くのではなく、より深く感受したいといういという希求であったように思える」あとがきで著者自らが書いたように、多くの人に「感受してほしい」作品がここにある。

著者
後藤/正治
1946年京都市生まれ。ノンフィクション作家。『遠いリング』(岩波現代文庫)で講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で桑原武夫学芸賞を受賞   』

・・・地元、神戸の新聞でとりあげられて人々に知られていったところが、面白い。こうやって画家が紹介されるというのも良いもの。
・・・画風はなんとなくユトリロ風から出発して花や動物にも行きつくが、本書のメインは「女神」と題された一連の作品。じっと見ていて何か感じるものがあるようだ。😌 
・・・映像向きなテーマと思う。



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「兵士は起つ」

2024年01月28日 | 日記

杉山隆男(新潮社)

もう10年以上になるが、東日本を襲った地震と津波。これを震災後の救援に当たった自衛隊の側から見たノンフィクション。知らなかったことが多くて、各エピソードに間が潤む。
被災したにも関わらず、救援を優先する自衛隊員の姿勢には頭が下がる。
これを批判する似非文化人にはやるせなさを禁じ得ない。教条主義の左派の方々は、平和を叫ぶだけで、これで良いと思っているのだろうか。

内容紹介は
『津波に呑まれながらも濁流の中を自力で泳ぎ、人々を救助した隊員たちがいた! 自らの家族の安否も確認できないままでの救助活動、遺体と向き合う苛烈な日々……。そして非常事態に陥った福島第一原発では、世界が注視する中、全国からさまざまな部隊が召集されていた――。自衛隊を追い続けた著者二十年の歳月が生み出した緊迫と感動のノンフィクション。兵士シリーズの最高傑作。

目次
第一部 千年に一度の日
水の壁
別命なくば
救 出
最後の奉公
白いリボン
長く重たい一日
第二部 七十二時間
戦場
「ご遺体」
落涙
母である自衛官
第三部 原発対処部隊
正しくこわがった男たち
偵察用防護衣
海水投下
四千八百リットル
エピローグ 日記   』

・・・エピローグの最初の部分が冗長な感じがしたのがちょっと残念。
・・・図書館になくてネットで古書で入手。実に新刊同様のきれいさだった。
・・・自衛隊のセクハラが問題になったが、そういう輩もいるのが悲しい。
・・・自衛隊をみなおした方々も少なくなかった震災の記録だが、ぜひみんなが読んでほしい。😊 





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「ピカソは本当に偉いのか」

2024年01月23日 | 日記

西岡文彦(新潮社)

長年疑問だったこのテーマ。
あの不思議な現代絵画のベースに、デッサン力があるというのが面白い。
「アビニオンの娘たち」には驚くが、これが現代美術の出発点とされる理由も解き明かされる。
まさに「目からうろこ」の世界。

内容紹介は
『「なぜ『あんな絵』に高い値段がつくのか?」「これって本当に『美しい』のか?」。ピカソの絵を目にして、そんな疑問がノド元まで出かかった人も少なくないだろう。その疑問を呑み込んでしまう必要はない。ピカソをめぐる素朴な疑問に答えれば、素人を煙に巻く「現代美術」の摩訶不思議なからくりもすっきりと読み解けるのだから―。ピカソの人と作品に「常識」の側から切り込んだ、まったく新しい芸術論。

著者略歴 
西岡/文彦
1952(昭和27)年生まれ。版画家。多摩美術大学教授。日本版画協会、国展で新人賞を受賞の後、出版の分野でも活躍。著書『絵画の読み方』で、「名画の謎解き」ブームの端緒をひらく。美術関連番組の企画・出演多数   』

・・・あれが美しいか。美の基準が違うのだ。
・・・なぜ高い、は画商の作戦でそれにうまく乗ったピカソだというのも良い解釈というか事実なんでしょうね。
・・・人間的には「嫌な奴」なんでしょうね。付き合いたくない人物。でも絵は高価なのですね。
・・・勉強になったなぁ。おすすめ。😡 

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「勝負の店」

2024年01月17日 | 日記

久住昌之(光文社)

ちょっとはにかんだ性格かしら。ともかくもこうやって酒を飲む店を探す姿勢は、素人的で面白くも厄介な点もある。
「孤独のグルメ」の原作者だそうだから、行ってみたいお店も発見できて楽しめる。

内容紹介は
『大人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者によるエッセイ38篇。
旅先や散歩中に出会った気になる飲食店――ネットで検索はいっさいせず、入る前に店をよーく見て、想像力をたぎらせる。
決断が難しい店ほど、当たればワンアンドオンリーのおいしさと、ドラマがある。
これぞリアル『孤独のグルメ』!
挿絵は、「泉昌之」名義で著者と長年タッグを組む和泉晴紀氏が担当。  』

・・・当たりの店ばかりなので、外れた時の感想も聞いてみたい。
・・・いくつか行ってみたい店を発見。友人と出かけよう。😚 
・・・表紙の絵が「ヘタウマ」な感じで、ちょっと残念だけど、実はペーソスがあっていいのかも。

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