読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「燕は戻ってこない」

2023年06月26日 | 日記

桐野夏生(集英社)

久しぶりに本格小説を読んだ気がする。
少し重たい話で、読むのにほねが折れる。しかし、面白かった。
登場人物で主人公が北海道出身。バレエに関係する人物が出てきて、身近な感じがする。

内容紹介は
『【第57回 吉川英治文学賞受賞作】
【第64回 毎日芸術賞受賞作】

この身体こそ、文明の最後の利器。
29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。
子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。

北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。

『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。

頁の隙間から聞こえてくる、今の世界を保持するための骨組の軋み。
こういう小説と出会うことでしか、私達は私達の不都合な部分を見つめられない。
――朝井リョウ(作家)  

女であること、産む性であることは、なんて悲しいのだろう。
ラストを読み、思わず溢れた涙の理由を、私は今も考えつづけている。
――小島慶子(エッセイスト)

新技術と経済・ジェンダー格差が交差するとき、恩恵を受けるのは男性だ。
被害をこうむるマイノリティの苦しみを、マジョリティの私がどこまで想像できるかを突きつけられ、たじろいだ。
――斎藤幸平(経済思想家)

読んでいる間、ずっと殴られるような感覚に襲われていた。
それは自分を含む大勢の人が、今この瞬間も世界に殴られ続けているのだという、気付きであり目覚めでもある、大切な痛みだった。
――村田沙耶香(作家)   』

・・・前半は暗くて、確かにこの国は経済格差がこんなところにも反映しているかと思わされて気分がよくなかった。
・・・昔読んだ「OUT」は傑作と思ったが、これもまた、女性の目線(嫌な言葉だが定着している)が良い。
・・・だが、後半からは、ちょっと喜劇的な展開で、痛快なテンポで話が進む。そして、最後は落ち着くべきところに、ちゃんと着陸。このあたりの展開がうまい。納得の小説でした。(ネタバレになるので書けない。皆さん読んでね)😍 
 


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バレエ「スワン・レイク」

2023年06月14日 | 日記
白鳥の湖と言うほうが分かりやすいか・・・
本日(6月14日)、初台の新国立劇場で標題のバレエを観てきた。
ピーター・ライト版ということで久しぶりだった。結構劇的な作りであえて言えば「うつ病の王子がやせすぎの白鳥に恋してしまった最悪の結末」バレエなのだ。ちょっとブラックユーモアでした。すみません。
本日は代役の抜擢舞台でそれなりに頑張っていて好感が持てた。今後の成長に期待したい。
見どころは、①白鳥の群舞が素晴らしい(2幕と最後の4幕)。どうしてこんなにきれいに揃うの?
②舞台とその衣装が豪華絢爛、これも一見の価値あり。
みなさま、ぜひお出かけください。
本日は都内の中高生が700人も入っていた、一生に一度かもしれないが、いい経験だっと思う・・・
😄 
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「悪意」

2023年06月07日 | 日記

東野圭吾(講談社文庫)

ミステリーは内容を説明するのが難しい。
よく練ってある構成とプロット、いろいろな人物が周りで話すのだが、それを並べていって、最後に真実が見えてくるという手法が面白い。

内容紹介は
『人はなぜ人を殺すのか。
東野文学の最高峰。
人気作家が仕事場で殺された。第一発見者は、その妻と昔からの友人だった。
逮捕された犯人が決して語らない「動機」とはなんなのか。
超一級のホワイダニット。
加賀恭一郎シリーズ   』

・・・何やら少し違うよね、というもやもや感を引きずりながら、最後まで読み通すと判明するが、途中でちょっと飽きる。人によって違うのでしょうけど。
・・・最高傑作かというけど、そうでもない。?だね。😐 
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「バーディ」上下

2023年06月02日 | 日記

真山仁(講談社文庫)

「ハゲタカ」からスピンアウトしたもので、松平貴子を主人公にしている。それはそれなりに暇つぶし的読み方だったけど、結構面白かった。スケールがパリ、上海、日本など広がりを見せていて、若干広げすぎなのだろうけど、まあ、良いか?である。
出てくるホテルは日光金谷ホテルでしょう、となって親しみがわくけど、でもフィクションなんですよね。

内容紹介は
『世界的リゾートグループのパリ本社で激しい権力闘争に巻き込まれる松平貴子。中国の富豪・将陽明と娘の美麗はあらゆる手を尽くして事態を混乱に陥れる。冷酷な買収者・鷲津の影もちらつき、中国内部の暗闘も表面化、物語はさらなる局面へ。ミカドホテルの運命は? 「ハゲタカ」から生まれた国際サスペンス劇。 

著者紹介
『1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。  』

・・・中国の権力闘争まで出てくると、ちょっと引きますが、ないわけじゃあないでしょね。まあ、暇つぶしのおすすめです。😋 
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