引っ越しパーティ 111

2021-11-16 18:08:41 | 小説

南条君から、引っ越しパーティの予約が入った。

本来なら、南条君の部屋でというのが、筋なのだろうけど、

部屋が狭いし、コロナ禍ということもあって、マスターの店でと言う事になったらしい。

メンバーは、店の常連と、図書館の同僚が渚ちゃんの他に一人。

テーブルは、離して座るということで、準備を始めた。

渚ちゃんと久実さんが手伝いに来てくれた。

一人一人の皿にサンドイッチや唐揚げ、アスパラの肉巻きや、ポテサラ、串カツ、ミートボールが、

マスターの手に寄って素早く盛り付けられていく。

マスター、一人で作るの大変だったでしょう?

久実さんが、驚きの声を上げる。

まだ、散らし寿司や、おでんも有るよ。

皆が、きっと喜ぶよね。

渚ちゃんは、バイトの経験者だから、マスターの盛り付けた皿を、手際よくテーブルに並べて行く。

久実さんは、飲み物や、コップを並べる。

加藤のおじいちゃんが、ワインを持ってやって来た。

ちょっと早過ぎたかね?

皆さんも、そろそろ来るでしょうから、お座りになってて下さいよ。

加藤のおじいちゃんは、マスターに促されて、奥の席に座った。

次に来たのは、南条君だ。

ラフな感じの水色のセーターが、良く似合っている。

お世話になりますと、マスターに挨拶して、加藤のおじいちゃんや、渚ちゃん達にもお礼を言った。

大体、準備が整った頃、冬子さんと椿さん親子、図書館の同僚の伊達さんが、やって来た。

わあ、凄いご馳走ですね、この店に初めてやって来た伊達さんは、感嘆の声を上げた。

皆が、それぞれのテーブルに付いたのを見計らって、南条君が前に出て、簡単に挨拶した。

マスターのお蔭で、こんな美味しそうな料理を用意して頂いたので、皆さん楽しんでいただけたら、何よりです。

これからも、どうぞよろしくお願いします。

加藤のおじいちゃんが、乾杯の音頭を取って、皆がグラスを重ねた。

マスターもカウンターの中から、乾杯とグラスを掲げた。

マスターの横に並んだ渚ちゃんが、それにしても、父さんと、空君遅いよねと、心配してる。

ドアが、開いた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

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