いよいよ開店   245

2024-05-06 15:43:55 | 小説

久実さんの店の開店準備を手伝ってきた帰りだと言って、渚とリンちゃんが、店に寄った。

いよいよ今週だものね。

加藤のおじいちゃんが、二人に、ねぎらいの言葉を掛ける。

マスターが、アイスコーヒーを運んできながら「もう、だいたい、準備は、出来たの?」と、尋ねた。

アイスコーヒーのグラスを受け取りながら、渚が、「久実さんが、頑張ったから、もういつオープンしても良い位、出来ていた」と、報告した。

新しく雇ったバイトの人も手伝ってくれたから、早く準備が出来たみたいですよねと、リンちゃんも口を添えた。

11日のオープンには、店の常連で、お祝いの花を、贈ることにしていると、マスターが言った。

何時もの席の冬子さんも、「私も何かお手伝いしたいけど、お手伝いより売り上げに協力した方が、良いわね。」と言った。

アイスコーヒーを飲みながら、渚も、母の日のプレゼントを久実さんの店で、買うつもりだと言った。

その話を聞いて、加藤のおじいちゃんも、「じゃあ、私も娘に何かプレゼントでも買おうかね、」と、言った。

リンちゃんが、私達と一緒に買い物に行きましょうよと言ったものだから、加藤のおじいちゃんは、すっかり気をよくして、「私には、男の孫しかいなくて、張り合いなかったけど、嬉しいね」と言って喜んだ。

もちろん、アイスコーヒーは、加藤さんのおごりよねと、冬子さんにからかわれ、

もちろん、冬子さんの分も、私が払いますよと、答えた。

マスターが、大皿に、ミックスサンドを載せて真ん中のテーブルに、置くと、これは、私からの、おごりと言った。

窓から、5月の気持ち良い風が、通り抜けて行った。

 

 

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