久実さんの店の開店準備を手伝ってきた帰りだと言って、渚とリンちゃんが、店に寄った。
いよいよ今週だものね。
加藤のおじいちゃんが、二人に、ねぎらいの言葉を掛ける。
マスターが、アイスコーヒーを運んできながら「もう、だいたい、準備は、出来たの?」と、尋ねた。
アイスコーヒーのグラスを受け取りながら、渚が、「久実さんが、頑張ったから、もういつオープンしても良い位、出来ていた」と、報告した。
新しく雇ったバイトの人も手伝ってくれたから、早く準備が出来たみたいですよねと、リンちゃんも口を添えた。
11日のオープンには、店の常連で、お祝いの花を、贈ることにしていると、マスターが言った。
何時もの席の冬子さんも、「私も何かお手伝いしたいけど、お手伝いより売り上げに協力した方が、良いわね。」と言った。
アイスコーヒーを飲みながら、渚も、母の日のプレゼントを久実さんの店で、買うつもりだと言った。
その話を聞いて、加藤のおじいちゃんも、「じゃあ、私も娘に何かプレゼントでも買おうかね、」と、言った。
リンちゃんが、私達と一緒に買い物に行きましょうよと言ったものだから、加藤のおじいちゃんは、すっかり気をよくして、「私には、男の孫しかいなくて、張り合いなかったけど、嬉しいね」と言って喜んだ。
もちろん、アイスコーヒーは、加藤さんのおごりよねと、冬子さんにからかわれ、
もちろん、冬子さんの分も、私が払いますよと、答えた。
マスターが、大皿に、ミックスサンドを載せて真ん中のテーブルに、置くと、これは、私からの、おごりと言った。
窓から、5月の気持ち良い風が、通り抜けて行った。