七夕  211

2023-07-07 18:22:08 | 小説

れんげちゃんが、椿さんと一緒に店にやった来た。

七夕に行った帰りだと言う。

七夕と言っても、平塚の七夕ではなく、駅前商店街の七夕だ。

手作りの竹飾りが並ぶ通りに、綿アメや、金魚すくい、ヨーヨー釣りの特設コーナーが、設けられている。

大人には、ちょっと物足りないお祭りだけど、子供達には中々の人気らしい。

普段は、ゲームに夢中の子供達も、綿アメや焼き立てのトウモロコシを頬張りながら、金魚すくいを楽しんでいる。

冬子さんに着せてもらった浴衣姿のれんげちゃんは、いつもよりちょっとすましている。

マスターに出してもらったスイカをスプーンで、少しづつ口に運んでいる。

ヤマさんに、「もっと、大きな口開けて食べなきゃ美味しくないよ。」と、言われても、浴衣が汚れるのが、心配らしく、ちびちびと食べている。

ヤマさんは、そんなれんげちゃんを見て、「今が、一番いい時期だね。渚にもこんな時があったのかと思うと、懐かしいよ。」と、椿さんに話かけた。

 

 

 

 

 


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