観に行きました。
公開直後でしたが、観客は、20人ぐらいだったでしょうか。
暗い映画化もと思いながら、主演が、杉咲花さんだったので、それにひかれて観に行きました。
前情報は、ほとんどなし。
ネタバレを含む感想を書きます。
最初は、東京から大分にくる貴瑚。
そこで出会う親からの虐待をうける男の子を助け。
3年前に戻り、血がつながらない父親の介護をする貴瑚が、母親から虐待を受けるという場面に目を覆いたくなりました。
しかし、貴瑚を救ってくれる二人が現れます。
岡田安吾と牧原美晴です。
二人の存在は、貴瑚の人生を変えました。
悲しい境遇を経て、救われる瞬間です。
安吾には、大きな秘密があって。それは、トランスジェンダーであること。
てっきりゲイなのかと思っていましたが、本来の性が、女性でありながら、男性の心を持っている人でした。
虐待にしても、トランスジェンダーにしても、理解できないです。
虐待に関しては、我が子を虐待する人の気持ちが全くわかりません。
我が子は、可愛いと思うし、宝だと思うからです。
登場人物の中で、愛の母親は、ひどかったですね。
子供に対する愛情というのが、全くないなんて、あり得ないことだと思います。しかし、昨今、幼児虐待のニュースが、日常化しているなあとも感じていました。まだ、愛が、亡くなるほどの虐待を受けたわけではないので、ましなのかもしれません。それに、愛を可愛がってくれる伯母の存在があったようです。貴瑚との出会いも、愛の救いになりました。
トランスジェンダーに関しては、そういう人たちを受け入れられる社会であって欲しいと思いました。世間の目のために、自分を責め、安吾は自殺してしまったのではないかと思いました。
貴瑚にとって、愛する人が現れますが、その人は、自己中心的な人でした。まあ、こんな人が世間的には多いのではないでしょうか。
あくまでも、貴瑚の幸せを願う安吾とは、真逆です。
本当の愛とは、考えさせられました。男女の愛、親子の愛、友情とありますが、そういうこととは別次元の人を愛すると言うことを。
人の価値も考えさせられました。
映画の中で、崇高な愛を与えることができる安吾。素晴らしい人だと思いました。自殺してしまったのが、残念です。
貴瑚と美晴との友情も感動的でした。
美晴のような友達、素敵です。困ったときにはかけつけると言った美晴のことばに、ウルウル。
愛は、貴瑚が救ってくれたと同時に、貴瑚にとっても、救いになったと思います。愛が、貴瑚のことを「キナコ」と呼んだときにもウルウルしてしまいました。
映画の中で、「魂のツガイ」という言葉が出てきます。
貴瑚にとって、安吾にとって、二人は、「魂のツガイ」ですね。
「魂のツガイ」の二人が、結ばれることができなかったのは、悲しいことだと思います。しかし、今後、貴瑚は、「魂のツガイ」とまで言える人はいなくても、伴侶を得ることはできると思うのです。あの大工さんと幸せになって欲しいなと思ってしまいました。
杉咲さんの演技力にも感動でした。
泣きの演技が、特に凄かったです。
『おちょやん』で、杉咲さんを見直しましたが、改めて良い女優さんだと思いました。応援したいと思いました。
失礼かもしれませんが、杉咲さんは、不幸な女性が似合います。
不幸でも決してくじけない女性が、ピッタリ。
良い映画を観たなあと思いました。