さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

失策をもドラマに変える「巨星」の輝き 井上尚弥、ネリーを逆転KO

2024-05-07 15:55:58 | 井上尚弥



ということで帰って来ました。
いやはや、メインだけでも書きたいことがありすぎて、大変な試合でした。
とりあえずまとまらないので書き出していきます。



メインイベント、布袋寅泰のサプライズ登場は、東京ドームを大いに盛り上げました。盛り上げすぎたのかもしれません。
ギタープレイと爆発音が鳴り響き、現場に居ると音響が良いのかはともかく、迫力が凄い。
ボクシング会場で「ここまでやる」のを見たのは初めてだと思います。

否応なく大観衆のテンションが上昇するなか、気合い十分の表情で右拳を振る井上尚弥、その花道をゆく姿が、バックスクリーンのモニターに映っていました。
リングに上がり、国歌吹奏やコールが終わり、ルイス・ネリーと顔をつきあわせた時点で、顔がすでに紅潮しているようにも。
ちょっと入れ込みすぎかなあ、という不安も感じました。


ゴングが鳴り、井上が右ロングから。しかしネリーもロングのパンチを返してくる。
ネリーには、踏み込みというか飛び込みの深さ、パンチの伸びがあるのに対して、井上はどうも気持ちが前に出ていて、外す際にセーフティーな判断をしているように見えない。
その割りに、攻撃にスピードを乗せていないようにも。要は相手の手を引き出し、見て立つ感じ。
それは良いのですが、より実際の、最大限に近い力を見たいとでもいうのか、立ち位置がちょっと近く、しかも相手の左側に寄っているような印象でした。

対するネリーは、空振りしても軸がぶれず、バランス復元、構え直しが早い印象。井上に正対して、しっかり構えている。
言えばそう仕向けてやっているのだから当然ですが、仕上がり良さそう。

そんなことを思っていたとき、両者が接近、パンチが交錯したと思ったら、井上の身体が回転してキャンバスに落ちました。
サウスポー相手に、良くない身体の開き方をしたオーソドックスの選手が、打ち終わりを打たれて倒れる。
よく見るパターンというか、遠目にも井上が明らかにミスをしたとわかる、悪いお手本のようなダウンシーンででした。

安易に「接敵」してしまっていること自体悪いし、そこで左と右の合間に、左フックを差し込まれているのも、らしくないところ。
この間が空いたところを打たれるのは、井上尚弥レベルならミスと言われて仕方ない。打つならもっと間を詰めてパンチを繋ぐなり、そもそも右まで打たずに構えを締めて離れないといけない。
序盤、相手の力がある内に、読めない軌道で打たれた、仕方ない...とは言い切れない、と見ました。


場内騒然となる中、井上はすんなり立ったように見える。ネリーが襲いかかり、最初はクリンチで止めて、これが出来るなら...と思ったのも束の間、次の攻撃の際はクリンチせず、外しに行く。
その際、一瞬だが下を向いて、ネリーのパンチから井上の目線が外れる。
危ない!これ、効いてるときのやつや...と、また恐怖心で胸が満ちました。

ネリー、なおも打ってくる。お得意の、怒濤の連打を持ってくるかと思ったが、そこまでギアアップはしない。
むしろロープに詰めるために打っていく感じ。そしてその通りに、井上をコーナーに追っていく。
ここで井上、回り込まずに右アッパー好打。しかし直後、ネリーの右が当たる。その後向かい合って、井上が笑顔を見せる。
このあとはさすがにセーフティーに外してジャブ、そして初回が終わりました。


驚愕、そして不安、いや恐怖の三分間でした。
この相手にだけは負けて欲しくない、という相手に、この立ち上がりだけはあってほしくなかった、というダウンシーン。
そして、その要因となったものは、やはりルイス・ネリーへの感情的な何か、東京ドームという大舞台など、単に勝つことに専念するでは済まない期待を、井上尚弥が背負っているからだ、としか思えませんでした。
それは言えば、ネリーの実力がどうというより、この相手の悪名をも利用して、このような試合を企画した「邪」が、井上尚弥の身に、災厄として降りかかっているのではないか。
そしてそれを、なんだかんだと言いながら、観客として見ている自分もまた、その一部ではないのか...そんな思いが心中をぐるぐると回っていました。


そうこうするうちに2回スタート、正対して、互いに前の手で牽制。井上、初回とは違って、外す意識と打つ意識が、等分に戻っている印象。
ネリーはなだれ込むように攻める流れに乗れない。あ、試合前に思ってたのはこういう感じやな...と、ここで少し気分が変わりました。

井上ジャブが良い。ネリーは左フック返す。いつになく切れ味鋭い一打。ネリーの仕上がりの良さが見えるが、井上きわどく外す。
井上ジャブ、右ボディストレート。この組み合わせで徐々に削っていく。ネリーの左は怖いが、外せている。
「うまくいかなくなった」ネリーが、さらに左を振って出るがミス、前にのめる。これが本来の(笑)ネリーのよろしくないところ。
そこに井上が左フック合わせると、今度はネリーがダウン。ネリーすぐ跳ね起きる。
井上追撃焦らず、右のグローブを頬に食い込ませつつ、右を上下に散らす。良い回りが戻ってきた。

3回、井上は左のパーリング、圧していく。左足を、ネリーの右側へと出している。ネリー不利の位置取り。
井上の右から左。ひっかかって、ネリー簡単にスリップ。位置関係ゆえにこうなる。
ネリー連打するも、井上がダックして外す。井上左ジャブリード、右ストレートリード。
さらにワンツーが決まってネリーがのけぞる。
ネリーはくっつくときの、コンパクトな左が怖いが、井上が無理なく当てて、外す流れに乗れば、スピードの差は歴然。
それが実際に、試合展開の中で見え始める。

4回、少し井上が止まり加減に戻り、ロープを背にする。良いとは思わないが外せている。
攻めさせておいて、リング中央に戻り、左のレバーパンチ、右ストレートのダイレクト。
正対してリードジャブの応酬で、井上が勝っている。ネリー厳しい状況、に追い打ちをかける「マインドゲーム」か、井上が外して自分のアゴを指すパフォーマンス。
ネリー、これに対抗する反撃を具体的に繰り出せない。場内が沸き上がる、これもネリーにとってはプレッシャー。井上右ボディストレート、左フックも下へ。

5回、井上のジャブ、糸を引くような。右ストレート、左フックが続き、ネリー足元が乱れる。ワンツーが胸へ、ジャブで追い打ち。
ネリー左返すが、井上のワンツーがガードの真ん中へ。ネリーまた左空振り。

思うに任せないネリー、ここでアタマを持っていく。レフェリー目ざとく見て、軽く注意。ところが直後、構わず?アタマから行って、当てる。
レフェリーさらに注意、井上が場内を煽る。再開後、ネリー出るが、井上は外しながら、徐々にドローイング?ロープ際へ行って止まり加減。
ネリー、またパンチと共にアタマも、という間合いで来たが、井上左フック二発、二発目は「調整」してカウンターで決める。ネリー、二度目のダウン。
真下へ崩れ、今度は座り込んでカウントを聞く。効いている。立ったネリー、果敢に打っていくがミス。井上の右が数発ヒット。

6回、井上はもう余裕。ジャブで叩いてじっくり見る。ネリー打ってくるがガードで止めておいて、右ダイレクトで反撃。打った後左右に身を翻し、リターンを外す。
井上がワンツー、ネリーをロープ際へ。ここで左から、小さく前に伸ばす右アッパーが決まったのが見えた。
お、良いパンチ、と思った直後、ネリーの身体が違うベクトルで、ロープにバウンドして崩れる。
え、何?と驚いていると、ネリー立てず、井上はと見ると、コーナーに駆け上がってガッツポーズ。
スローで見ると、小さい右アッパーの直後に、ダブルコンビネーションではない、独立した打撃動作の、小さくも強い右ストレートが決まっていました。何と...。




終わって見れば、初回の3分を切り捨ててしまえば試合前の予想どおり、という内容ではありました。
井上とネリーのスピードの差、パンチの精度の差、攻防の選択の適切さの違い、それらがほぼ全て、試合内容に出ていた、と思います。

しかし、単に実力比較ではなく、それ以外の様々な「余計」が、井上尚弥の精神面に悪い作用をし、初回のダウンシーン、大ピンチを招いた。
言えば余計なことを考えていた。故に、やってはいけないことをいろいろやった。要らんリスクを背負うような闘い方をした。その上にミスをして打たれた。
その部分は、厳しく言えば、勝つことに集中、没頭出来ていなかった、と批判されて仕方ないでしょう。

今回同道した友人のひとりは、その部分に失望を隠せず「なんてつまらない試合をしたのか。途中で帰ろうかと思った」と不満げでした。
井上尚弥に何を期待するかは人それぞれでしょうが、言えば世の「俗」な部分をかき集めて成形したかのような対戦相手、ルイス・ネリー相手に、低い次元に自ら降りていって闘った、そんな井上尚弥を見たいわけではないのだ、ということなのでしょう。


しかし、私はそれも一面の事実として認めながら、その諸々から招いた大ピンチからもすんなり立て直し、徐々に本来の力関係が反映された試合展開を作り上げて、終わって見れば圧倒的な力の差を見せつけて勝つ、井上尚弥の輝きこそが、やはりこの試合で最初に見るべきものだ、と思います。
大橋秀行会長も試合後に言ったように、あの大舞台で様々な重圧を背負い、初回早々に倒れて、普通なら逆転で勝てても、僅差で振り切れたら御の字です。
それが、あっという間に心身をリセットし、攻防のバランスを整え、相手の攻防バランスの乱れをカウンターで捉え、パフォーマンスで場内を沸かせ、反則での打開を試みた相手の目論見をすぐに打ち砕き、最後は「こんなフィニッシュ、見たことない」というようなKOシーンを実現して、勝ってしまう。

その強さは、凄さは、東京ドームという巨大空間をも、完全に支配していました。
体重僅か122ポンドのボクサーとはとても思えない。その姿は余りにも輝かしく、巨大。まさしく「巨星」でした。



試合後のインタビューでは、ダウンシーンの質問について応えるところなど、本人、勝ったことや勝ち方は良いとしても、やっぱりプライドが傷付いているんだろうなあ、という印象でもありました。
もちろん、あまり言い過ぎる必要は無いでしょうし、そんなことを求めもしません。
そして傍目がとやかく言わずとも、ここまで彼を導いてきた周囲と共に、軌道修正すべきところをしっかりと省みることでしょう。



初めて行った東京ドームの二階席は、覚悟していたほどリングから遠い印象では無く、四方の柱が邪魔にならない角度だったこともあって、意外に見やすく、近く感じました。
まあ、新調した双眼鏡の性能も良くて、場内の大型モニタはほとんど見ず、席から見たもの、見えたものを中心に、観戦記を書くことが出来ました。


しかしながら、やはり場内や会場周辺の人の多さは圧倒的でした。
試合の前後、会場に入るとき、そして帰るとき、こんなにも大勢の人がボクシングを見に来たのかあ...と、何だか嬉しい気持ちにもなりました。
そして、これだけ多くの人々を引き付ける「巨星」の輝きを、これまで存分に見られたこと、この先もしばらくはそれが見られるであろうこと、それは何と有り難いことだろうか、と改めて思いました。
これまでも数多く、誰もが認める英雄から、極私的に思い入れたボクサーなど、自分の心中には「星」として輝く存在がいました。
しかし、今更何を言うとるのや、と突っ込まれそうですが、これほどの巨大な「星」は、今までいなかったし、この先もおそらく...いや、それは言い切らずにおくとしますか。


今回もまた、井上尚弥の輝きを、危うくもそれをドラマに変える偉大さを、しかと見ることが出来ました。
アメリカの一部の方々がとやかく言おうが何しようが、やっぱりこの輝きを、これからも直に見たいなあ、と、我が儘なことを思っている次第です。
まあ、アメリカはともかく、サウジアラビアの存在が怖いところですが...。



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8 コメント

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Unknown (海の猫)
2024-05-07 17:48:00
観戦お疲れ様でした。

「評」としては、ダウンしたマイナスよりも、その後のリカバリーの巧さと適応力のプラスの方がはるかに大きいと感じました。WBSS の決勝と同じで、評価は下がらずむしろ上がるでしょう。おそらく再び PFP トップを取れる。初回は気負い過ぎましたね。ダウンでいつもの井上になれた。それでもちょっとおかしなテンションでしたが。ドネアの左フックも今回も明らかな「ミス」なのでむしろホッとしてます。ミスってないのにもらう方が怖いですし、ミスなら修正できる。挽回出来ないような拮抗した相手と当たる前に、ああいう経験ができて良かったとも。

「感想」としては、ダウンとか心臓に悪いのでやめてください…。未だに気持ち的には受け止めきれてないです笑。「邪」が災厄として降りかかるというのは、試合前からちょっと思ってました。そういうのって本当にあるのですよね。もし井上本人がネリを利用して正義のヒーローになろうとしていたら、大惨事が起きていたかもしれません。井上自身は、試合に集中しようとし、ネリを悪役にしないよう気を遣っていたと思います。それでもやはり思うところあったのでしょうね。そりゃありますよね。皆あれは忘れられない。それプラス「東京ドーム」の重圧。井上はメンタル強いですが、かろうじて人間の域というか、ちゃんと心があるというか。

東京ドームは快適で驚きました。自分は内野席下段でしたが、リングが思ったよりずっと近く感じられ視界も良好。ただ試合はモニターでないとよく分からなかったので、あ、やっぱり広いんだと。食べ物買うところは多いし、飲み物の売り子さんもいるし、ゴミも回収してくれる。またいつかやって欲しいですが、その時は曇りなく楽しみに出来る試合でお願いしたいです。
Unknown (Neo)
2024-05-07 17:50:12
34年振りの東京ドーム、大橋ジム30周年が大きかったのかなと思いました。尚弥選手、現役後は大橋会長の後を継ぐことを考えている様で、選手目線よりもプロモーター目線で考える部分があり、それは対戦相手の面でもしかすると無理矢理モチベーションをあげるためかなと見える時があります。あの右ロング、そこらの選手がしたらアホやなーって感じでしたもの。しかも何回も。
ネリーは弱点も多いが、長所もいくつもある選手で、そこに自らハマりに行く様な、一言で言うと最低の立ち上がりでしたし、実際結構しっかり倒されてしまった。
しかしながら、まあもしかすると真の強敵に出会った時用に今日はある程度リスクを取りに行ったのかも知れません。このお方は、ことボクシングに関してはやはりモノの考え方がズバ抜けているところがありますので。確かにこの相手であれば、真剣に無敗で引退を考えているなら、リスクを取る方がよりメリットが大きい面もあるかも…いやはや、常人には理解不能ですが苦笑
Unknown (R45ファン)
2024-05-07 17:58:25
やはり尚弥様も人の子。さすがにあれだけの超大観衆、そして本人が意識しないようにしても周りが作り上げる悪の成敗の構図。さらに言えばジャブとワンツーと足でリスク負わずとも勝つ、は許されずに完全に叩きのめすことを皆が望む。これで平常心でやれと言うのが無理な話。初回は明らかに気負いありましたね。何も兄弟揃って初回ダウンせんでもと。
ただ2回以降が本来の尚弥様。結局こうなるんだと。あのフィニッシュは鮮烈でしたね。
これで次は落ち着いたボクシングしてくれますかね。
相手がグッドマン、しかも会場来ていたとは。
私アンテナ鈍くて全然知りませんでした。
フレッシュと言えばフレッシュ。見た感じそんな尚弥様驚かすようなものは無いと思いますが、どんなもんでしょうかね。
Unknown (モノクマ)
2024-05-07 19:10:25
大舞台への重圧なのか、1Rはめちゃくちゃ動きが固かったですね。それに加えて一夜明け会見で言っていた1Rに相手を萎縮させようという作戦、あわよくばこの大舞台で1Rで倒してしまおうというのが裏目に出たのか、雑な動きで見ていて不安でしたし、ダウンの場面はかなりショックでした
雑でもマクドネル戦などグロッキーな相手へ速攻するのは上手くいっていますが、ドネア1然り(これも大舞台&ドネアとネリともに相手の動きが想定内であまり強いと感じなかったと言っていましたね)まだ元気な相手への見切り発車での雑な動きは手痛い返しをもらっているので、いつも通り戦えば勝てるのだから、ロドリゲスなど強いと思った相手以外でも序盤は情報収集に重きを置いて欲しいです…

とは言っても、動きが戻った2R途中からは圧勝でしたし、得意の左フックや軌道が変わる右ダブルの二発目ショートでの見たこともない吹っ飛び方など、いつも通りやはり尋常ではない姿を見させてもらい楽しかったです。だからこそダウンのショックは中々抜けなさそうですが笑
Unknown (月庵)
2024-05-08 00:49:24
ご友人の気持ちがわかるかも知れません。リアルタイムで見ていた時はそれどころじゃなかったですが、冷静に試合を振り替えることが出来るようになると、2R以降の井上と1Rの井上は悪い意味で別人。確かに2R以降のリカバリー能力は称賛されうるものでしょうが、そもそもそんなもの証明しなくたっていい訳で。2R以降の、ネリーがどんどんただパンチあるだけの凡庸なボクサーに堕していくかのような『楽勝』ぶりを改めて見ると「初めからそれをやれよ!」と言いたくなる気持ちは正直あります。PFP上位クラスでも思わぬ被弾・ダウンを喫することは当然ありますが、これはいつも通りの立ち上がりであればまず貰わなかったいらない被弾、ダウンなので……。

ただ同時に、井上自身が手記という形式で語ったことですが、かつてスーパーフライ時代は有明コロシアムも満員にならず空席が目立つような状況(しかも一度は2日連続開催で余計人が集まらなかった)、その時代の悔しさの分東京ドーム43000人動員という立ち位置にまで来たことに高揚感を持つなというのは無理な話だとも思います。その結果として雑に強引になって自らピンチを招くのは論外ですが、試合中すぐ軌道修正してみせたことから、二度同じ過ちは繰り返さぬはずと信じたいですね。サウジ側の話に乗っかればウェンブリースタジアム9万観衆の前で戦う可能性もあるという話で、もしそれが本当に実現した暁には『激闘』などではなく職人的な仕事で集まった多士済々の観客達を感嘆させてほしいものです。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-05-08 20:46:23
>海の猫さん

お疲れさまでした。東京ドーム、同様の感想です。いろいろ「覚悟」して行ったせいで、逆に「良いなあ」という。また、歓声や悲鳴のボリュームが一段違って、迫力あるわーと。まあ、井上尚弥でないと担えない部分でもありましょうか。言っちゃなんですが(だったら言うな)このロケーションに合わんなー、という選手もいてましたでね...。
リカバリー能力は苦しい試合のときに光りますが、ドネア初戦の片目隠しみたいな離れ業をやっている人ですしね。あれに比べたら相手も違うし、今回は何ということもなかった、のでしょう。見てるこっちは、よりにもよってこの野郎(あ、書いてしもうた)に負けてしまうんやろうか、と不安で仕方なかったですが。そんなことになっていたら、もう世を儚むどころじゃ済まなかったでしょうね。本当に災厄というか、世の中間違っているぞー、の世界で。
評価は改めて上がるんじゃないでしょうかね。終わって見ればスペクタクルとしか言えませんものね。ただ、トピックスとしては倒すより倒される方に目が行き、SNSじゃそっちばっか、井上本人も不満そうでしたが。まあ、反省のため、良い薬にしてください、と僭越ながら(笑)。
まあ、モンスターと言いますが人の子、それもどこか稚気が抜けきらない。それも魅力だし、戦力でもあると思うのです。フルトン戦なんかそんな印象だったし、今回のアゴ指しパフォーマンスも、立派な戦略でした。しかし悪い作用も今回出ましたね。
ネリーに対する態度は、相手どうより自分のプライドなんでしょうね。悪役ってみんな言いますけど、役じゃなくて悪なんですよね、あいつは。「タイガー・ジェット・シンはサーベル持って暴れるが、剣先で人を突いたことは一度も無い」と言ったのはかの島田紳助ですが(笑)ネリーは先で人を突いたんですよね。二度も。だから今回、ネリーと握手したりしている人の姿を見て、信じられない思いでした。何もどついたれとか卵投げろとか思うわけじゃないですが、皆さん適当で、かつ甘いんやなーと。


>Neoさん

ジムの継承っていうのは驚きですが、本当なら良い話...かどうか、微妙な気もしますけども。良い実務家がついていれば、とは思いますが。スターボクサーが引退後も良い人生を送るというのは大事なことで、ある意味現役時代より困難な闘いでしょうね。リチャード・シェイファーが離れるまでのデラホーヤは理想的かと思っていましたが、今やあのザマです。井上があんな馬鹿だとは思いませんが、自分一人では難しいこともありましょうね。
プロモーターの立場も勘案して言っていることはありましょうね。あのくらいのレベルになるとなおのこと。
ネリーについては仰る通りですね。良いところは確かにある。そこに首突っ込んで行ったというか。試合の出方で見るこちらを驚かせる選手ではありますが、裏目に出ることもありますね。ドネア初戦、2回のガード締めて止まる、という選択もそうでした。今回のが先を見据えてどうというのは、ちょっと難しいですが...。


>R45ファンさん

私はスタートからジャブ突いて、アウトボクシングしながら徐々に叩いて、とやってほしかったですね。辛い評をした友人ほどではないですが、そうしなかった選択が本人の意志、言えば独走なのか、井上真吾トレーナーとの合意の上なのか、よくわかりませんが、いずれにせよ失策だったことは事実です。試合に対する考え方が甘くなっている、とまでは思いませんが、サム・グッドマン相手にまたその手の間違いを犯したら、ある意味ネリー以上に難しくなるかもしれません。陣営は一度、その辺の方針をしっかり見直した方が良いと思います。ただ、そういう動きの多さを求める闘い方が、Sバンタムの井上尚弥にはもう出来なくなっている可能性も、なくはないでしょうが。
確かに、兄弟揃って東京ドームで世界戦やって、揃って初回に倒れて、揃って挽回して勝つんですから、えらい兄弟もあったものですわ(笑)。


>モノクマさん

重圧、色々と応えねばならないものが多すぎて重すぎて、だったのかもしれません。普通、そこで普段より慎重になるのでしょうが、より大胆に、相手に打たせて、見ようとするのですから、ある意味井上ならではなんでしょうが。
ダウンの際は、これはもうこの世の終わりではないか、とさえ。実際、これで負けたら、無明の闇やろうなあと。終わって「ホンマ、頼んまっせ...」と笑って言えましたが。
まあ、レベルの高い相手と戦い続けて、立ち方を一切ミスしない、というのも無理なんでしょう。しかし成否以前にやることが大胆なんですよね。今のところ、ドネア初戦の2回と、今回以外、目に見えて変な事はしていない、とは思うんですが。
2回以降は圧倒してましたね。ダウンされたあとからあれが出来るんなら、その前からやったらええのに、と(笑)。


>月庵さん

本当に、初回はどうしちゃったんだろうと。終わってみて、笑って言えますが、その時は本当に冗談じゃ無いぞと。
レベルの高さ故に落ちる陥穽というのは、確かにあるのだと思います。まあ、2回以降との落差も含めて、いろいろ見せてくれたんやなあ、と思えば良いのですが、それもやっぱり、終わってみて言えることで...。
しかし本人も、会見なんかでどう言うかは別に、試合後の表情見ると、いたくプライドが傷つけられたんではないかと見えました。誰よりも本人にとり、痛恨なのかもしれません。昔のレナードじゃないですが、傷つけられ得るプライドの高さが、井上尚弥にもあるのだと思います。
確かにスーパーフライ級時代は不遇としか言えませんでしたね。プロモーションの拙さもあったでしょうが(ロマゴン戦を逃したり)。まあ、基本はWBSSという「他力」でここまで来たんですが、その後の大橋ジムの努力は「井上陣営」にとっても、評価に値するものではありましょうし、その労苦に応えたいという思いでもあったのでしょう。
そのウェンブリーとかエスコンフィールドとか、どこから出た話かわかりませんが、本当なら、どちらも遠くて大変です(笑)ウェンブリーはさすがにあり得ないと思いますが。ナジーム・ハメドが今、現役でいてくれたら良かったんですが(笑)。
Unknown (NB)
2024-05-10 10:57:16
もう始めから最後まで井上モンスター劇場。憎っくき野獣相手に大ピンチを迎え、そこから覚醒、そして片付けた。
こんなんヒーローモノのストーリーの展開ですから、こんなん大舞台でやるとは(笑)
そう考えて観ればスペシャル満点の満足でした…が。
しかしながらこの相手にはパーフェクトな勝ちが是が非もの期待でしたので、出来るはずだしホント残念な気持ち。

まずは入場、布袋さん素晴らしすぎました…そこから尚弥の表情に注目、気合いみなぎる、ヨシっと思ったところですが何か変…何かに取りつかれた感!?そしてカメラ目線で右腕ブンブン。
オイオイ、ちょっとカカりすぎじゃ?音響のせいか、どんどんバトルオブモンスター化しているのかw。
まさに競馬でいう発送前のオルフェーブルに抱いた不安と同じ感覚でw、そこからは尚弥を見れなくなる始末でした笑
もっと言えば70、80年代不良(以降は知らない)が河川敷に決闘に向かう様…おいおいw

まぁこれで、ネリ相手に冷静沈着に戦えたら尋常じゃないわ、と私はこの時点で腹くくりましたから笑
パーフェクト勝ちは、ほぼ諦めましたので、1Rもさほど驚きはありませんでした。来たか、とうとう…。ネリ相手に、ってのが本当残念。

ですがスーパーバンタムでも井上が今までのように普通に勝ってくれるのでトンでしまいがちですが、スーパーバンタム以降、体格的にも不利な事圧力の強さ、届かなかったものが届いてしまうのですから、これだけ倒す事に妥協しない井上ですから、打たれる、倒される姿は常々覚悟してます。

でも、そこからがまた井上モンスターを表す、尋常ではない底力を引き出してくれるはず、という信頼も強く持っています。彼の準備万端とはボクシングをゲーム感覚で言ってましたが、心技体のアイテムをしっかり補充して望んでるのでしょう。
そしてその通りにやってのける井上尚弥。でも切り抜き貼られるの本当イヤなら倒されないようお願いします。笑

しかしそこからの井上尚弥メドレー総決算言いますか、今まで魅せたモノとネリが引き出してしまった、覚醒パフォーマンス!そして尚弥から見える数々の名ボクサーの影…。
あのコーナーでの動き、右アッパーなんてメイウェザーか?笑。顎はココ、挑発辰吉ジョーさん、そこからのあっち向いてフェイント攻撃、輪島、内藤。
打ち終わりの華麗なカウンター対応ヘッドスリップ、長谷川穂積などなど…。
全て痺れました、こんな楽しいモノ見て良いものなんでしょうか今後w。ボクシング見続けてきた事への、プレゼントを頂いた気持ちでした。

井上に対して最近思う、相手の良さを消す事が難しい中、相手の土俵であろうと、その上を行っての勝ち方。
ネリもそこは、しっかり応えました。井上の気持ちに。
本当、以前のあんな事さえ無かったら…勿体ない、です。

試合後、この大成功の興行をどう表すのか、が注目するところでしたが井上一色になりますわな、当たり前ですが。
井上が労いの思いと思いますけど、会長に贈呈したベルト。ここを称える事の大事さ。今から更にボクシング界、健全なるものを目指して突き進まない限り、今後また理不尽な事も出てくる不安も大いに残りました…。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-05-11 23:29:02
>NBさん

そういう期待諸々に、なまじ応える力があるだけに、今回は難しいところに首を突っ込んでしまった、という感じですかね。今回は本当に「完勝」が欲しかったですが、それもまあ、勝手な期待のうち、或いはもっとも重く困難なもの、だと言えばそうですが。
布袋寅泰は本当に良かったですね。あの場にぴったりでした。競馬の話は私にはさっぱりわかりませんが...よう、反対向いて走っていかんこっちゃ、とか思うくらいで(笑)。井上尚弥、そんな雰囲気ちょっとありますかね。昔の漫画ですかなー。
Sバンタムにおける三試合において、以前よりパワフルになった感じもすれば、鋭さや柔軟性が若干(あくまで、若干ですが)が落ちたか、という印象もありはしますね。「燃費」も少し悪くなっている?言うたって5階級目ですからね。当然なんですが。
しかしトータルバランスでは上手く作り上げている、とも思います。今回、精神面で少し崩れましたが。
ダウンシーンの貼り付けは凄いですね。私のような者の目にも数々飛び込んで来ますから、それはもう...スーパースターの宿命ですけど、今頃さぞやご立腹なのではないかなあと(笑)。
あの、コーナー背負うのは、私は反対なんです(笑)。いや、大丈夫だとわかってはいますが、いずれそうでなくなるときあるよ、と。まあしかし、色々見せてくれましたね。その挙げ句、最後は見たこと無いようなKO、フィニッシュでしたし。やっぱりえらいお方です、ハイ。
あのベルトは、前に少し触れましたが、言えば「お付き合い」ですよね。WBCって、代替わりしてもやることなすこと、そっくりそのままですね。難儀なことで...。

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