さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

とりとめもなく感動の名古屋より

2010-11-27 00:42:57 | 長谷川穂積
今日は本当に慌しい一日となりました。
なんとか用事を済ませて、名古屋の日本ガイシホールにかけつけて、席に着くとほぼ同時に、
セミファイナルの世界戦セレモニーが始まりました。
ご心配いただいたNBさんに感謝です。何とか間に合いました(^^)

しかし、無理して駆けつけた甲斐のある、見ごたえ十分な二試合でした。
まずは全力を尽くして闘った4人のボクサーに感謝、そして拍手です。


まずビタリ・タイベルトですが、とにかく出てきて最初に思ったのが「うわ、小さい」。
しかしその分、がっちりとしてて、揺ぎ無い感じ。ウラディミール・シドレンコの印象に似てました。
対する粟生隆寛はというと、噂通りに上半身が大きくなっていて、さらにパワーアップした感じでした。

この両者、立ち上がりほんの少し探りあいをやっただけで、早速互いの力と技を出し合います。
リードで探りあって、ワンツーの応酬、タイベルト右、粟生のボディ、カウンター合戦。
そして3回にタイベルトが頻発した左フックより先に、粟生の左カウンターが見事に決まり、タイベルトがダウンしました。

この一発、見るからに効いていて、まずよくぞ立ったなと場内は驚愕していました。
その後、ダメージが尾を引いたタイベルトを、粟生がフィニッシュするかと思いきや、中盤は攻めあぐみ。
6回、7回などはタイベルトが必死の巻き返しで、粟生が失点したと見えました。

この辺が今後の課題となるのでしょうが、粟生は単発のカウンター、守から攻への緩急は鋭いのですが、
攻勢時の詰めに、まったく緩急がありません。従ってこの日のタイベルトがそうだったように、粘られて反撃を許してしまいます。

それでも要所でボディを打っていた効果で、タイベルトの生き返りを封じた粟生、
終盤は左カウンターを毎回決めて、勝利を決定つけました。
さうぽん採点はやや甘いかもですが116-111、明白に粟生の勝利でした。


強豪と目された元五輪メダリストの世界王者に明白に勝ち、二階級制覇しながら、まだ見る者に不足を感じさせる。
粟生隆寛は、我々が思う以上に、ものすごい逸材なのかも知れません。
一撃で試合の趨勢を決めた3回のカウンターなどは、まさにワールドクラスの証明でした。

だからこそ、敢えて言えばその後の「不手際」が、余計に気になってしまうのかもしれません。
クラスを挙げた効果か、体力面で自信を持ったようで、手を出し惜しむようなことはなかったのですが、
やはり追撃が単調で、相手に耐える余地を与えてしまう甘さを改善できれば、粟生は一流の王者となるでしょう。
今後のさらなる成長を楽しみに見ていきたいですね。

あと、まあ、人によっては「かわいい」的な評価もあろう、試合後の号泣ですが(^^)
勝って泣くな、とは、やはり思うところですね。今日は泣き出した瞬間に、タイベルトが苦笑いしてるのが見えました。
こっちが泣きたいわい、と思っていたわけでもないでしょうが(^^;)
なんで勝った方が泣いて、負けた方が笑ってんだろうか、と...粟生のこういうキャラ、私は実のところ嫌いではないんですけど(^^)


さて、長谷川穂積ですが、入場してきた時点で、ちょっと冷静に見ることが出来ない気持ちでした。

4月の敗戦、初のノックアウト負け、しかもあごの骨折から7ヶ月で、再起緒戦が二階級上の世界1位との対戦。
いくらなんでも過酷な条件である上に、ひと月前のご母堂の逝去。
ボクサーとして、人間として、普通なら背負いきれない試練のはずでした。
いつもなら聞き流せる悲しげな入場曲も、今日ばかりは何か、違った重さをもって響いていました。

対する若き世界1位ファン・カルロス・ブルゴスは、思ったより線が細く見え、ぱっと見はちょっと安心しました。
これなら、長谷川が良いパンチ決めれば、倒しきれずともダウンのひとつくらいありそうやな、なんて。


甘かったです。


ひとことで言って、今日の試合は長谷川にとり「フェザー級」を身をもって知る、そのための試練でした。
まず今までと距離が違う。普段の感覚で打つワンツーが届かない。相手が踏み込まないで打つストレートが外せない。
それを修正して踏み込み、ワンツーを決めても、相手が倒れない、止まらない。

それでも左を捨てて相手を誘い、距離を近くして、返しの右フックを再三決め、左アッパーでボディを打つ。
直後に組み合わせを変えたコンビネーションで左ストレートを決めるなど、その都度、修正を加えて、
体格、リーチの差を埋めて闘う序盤の長谷川には、改めてさすがとうならされました。

しかし中盤から、長谷川はロープ際に下がらされて、ブルゴスの連打を受ける場面が増え始めました。
長谷川は、ロープを背負ったときに、普通のサウスポーみたいに右フック引っ掛けて回ることをしない選手です。
左を決めて脱出しますが、長谷川の数少ない欠点というか「足りない部品」があるところが露呈しました。
この辺から、足を止めて打ち合いに応じ、時には敢えて相打ち覚悟という場面も増え始めます。
7回のロングの左アッパーを食った場面のように、ブルゴスのリーチと圧力はかなりのもので、
足を使ってさばけるほど甘くはなかったでしょうが、見ていてハラハラしました。

懸命に攻め、目で外し打ち込みたい長谷川。ボディを攻め、打ち下ろしの右を狙うブルゴス。終盤はまさに死闘でした。
ときに好打を許しながら、それ以上の反撃を重ねて、ポイントをリードした長谷川は、普段はほとんどしない
自分からのクリンチ(本意ではないのでしょうか、かなり控えめであっさりしたクリンチでしたが)を見せる場面もありました。
見ていて思わず「それでええ、もっとおおっぴらにやってもええで」と声に出してしまいましたが(^^;)

さうぽん採点はかなり甘くて118-109で長谷川でした。
冷静に見ることが出来ず、自分の心中で「心配」が完全勝利を収めた状態での観戦であることは明らかであります(^^;)


しかし、とにかく勝ちました。
距離が違い、パワーが違い、耐久力が違う、今までの相手とは何もかもが違う、バンタム級時代なら3、4回分の防衛に
匹敵しそうな数のクリーンヒットを重ねながら、それでも倒れてくれない相手と、上記したような試練を背負って闘い、勝ちました。

ボクサーの人生について、あまり安易にあれこれは書けないですけど、長谷川はリングの内外で
一挙に降りかかってきた試練と、それにまつわる相当な重圧との闘いに勝利したわけです。
まずは勝ってくれて良かった。長年彼のファンをやってきましたが、内容知らん、とにかく結果、という気持ちで彼の試合を見たのは、
懐かしのジェス・マーカ戦、そして世界初挑戦のウィラポン第一戦以来だと思います。


この勝利により、長谷川はさらに、より困難な闘いに足を踏み入れることになるでしょう。
先日のファンマ・ロペスの試合や、ユリオルキス・ガンボアを例に引く以前に、WBCは二試合の指名試合を義務付ける、という話もあるようです。
ジョニー・ゴンサレス、チョラターン・ピリャピニョといった上位に長い強豪たちは、長谷川にとりさらなる試練となりましょう。

しかし、今日の試合を経て、きっと長谷川ならフェザー級に、心身共に対応し、より冷静に、より勇敢に闘えるようになると信じます。
今日も12回を通じて、思うように行かないことをいくつも抱えながら、すぐに対応し、出来る限りの闘いを見せた長谷川穂積だからこそ、
さらなる試練を乗り越えていくのだろうと。


今まで、色んな試合を見てきましたけど、正直、今日の試合ほど、冷静に見られなかったものは数少ないです。
才能に恵まれ、驕ることなく闘い続け、なお降りかかった試練にも真っ向から立ち向かう。本当に素晴らしいボクサーです。
長谷川穂積のようなボクサーと巡り合えた喜びを、改めて感じています。
コメント (7)
この記事をはてなブックマークに追加

いよいよ決戦!

2010-11-25 22:15:22 | 長谷川穂積
ということでいよいよ明日、決戦です。
試合終わって何か書ければいいのですが、どのみち夜遅くか翌日以降になると思いますので
とりあえずこの記事に皆様のコメントいただければ嬉しいです。

良い内容であれば幸いですが、そうでなくてもまずは良い結果を。
今はそんな心境にあります。


私は明日、仕事以外の所用があり、生観戦出来るかどうかわかりません。
最低限、メインに間に合わせるには、最寄り駅を夕方5時くらいには発たないといけないのですが、
それが出来るかどうか、今のところ見えてきません。
最悪TV観戦になる可能性もありますが、何とか頑張ってみます。
それでは明日!
コメント (3)
この記事をはてなブックマークに追加

良き一冊

2010-11-22 00:01:31 | 読書
林壮一さんの新刊「神様のリング」を読了しました。


人は何故ボクシングを闘うのか。何故我々はそれを見るのか。
何故、何の恨みも無い者同士が殴りあわねばならないのか。
ボクシングとは単なる殴り合いを越えた何事かなのか。
ならばその意味は、我々が生きる世界に、時代に必要なものなのか。


ボクシングについて書かれた優れた書物とは、これらの問いのすべてとはいかずとも、
そのうちのいくつかについて、明瞭に答えを提示してくれるものである、と思っています。
そしてこの一冊もまた、その中のひとつであることに間違いはありません。

未読の方には、是非ご一読をお勧めします。


コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

決戦一週間前

2010-11-21 00:07:21 | 長谷川穂積
長谷川穂積が「せやねん」の取材を受けた模様です。
トミーズ雅さんのインタビュー、練習の様子など(その1その2)。

お昼過ぎにアップしてから名古屋に出かけたのですが、もうかなり閲覧されています。
やはりボクシングファンの注目度が高いのですね。

とにかく頑張れ長谷川~。

あと、こんなイベントもあるそうで。
いわゆるアメリカの「クローズド・サーキット」風ですね。
しかし3Dかぁ。えらい時代になったものですねー。



コメント (11)
この記事をはてなブックマークに追加

大場、乱戦にも揺るがず

2010-11-20 22:29:21 | 大場浩平
今、私は、名古屋から帰りの近鉄特急アーバンライナー車中にてこれを書いている(ジョー小泉風に)。
ということで、今日は名古屋に行ってきました。来週のダブル世界戦の前哨戦的な意味合いもあり(笑)
中部のリングで、デビュー年もわずかの違いである、天才と呼ばれたボクサーふたりの激突。
しかし、大場浩平と中岸風太の対戦は、私の愚かしいまでに過大な期待を、その通りに満たしてはくれませんでした。


ジムの移籍、長期ブランク、親族の死を乗り越え、人生の伴侶も得たという中岸風太の人生は、
私が知らない間に、激動の季節を迎えていたようです。
わずかな間に、対処のしようもない数々の重大な出来事を経ての再起二戦目。
リングに上がった中岸風太は、闘志を抑えきれないかのように、赤コーナーに自らの身体をぶつけていきました。
そして花道に目をやり、まだ姿を現していなかった大場浩平の姿を、探しているようでした。

大場浩平は対照的に、静かにリングに上がりました。
しかしその顔つき、目つきには強い決意が見て取れます。
記録上は初の黒星となったマルコム・ツニャカオ戦以来の、思いのほか早かった再起戦にかける意気込みなのでしょう。
青コーナーに挨拶したのち、初めて中岸と目線を合わせ、軽くグローブタッチをしました。

この時点で、中岸の様子が異常に入れ込みすぎ、と見え、悪い予感がしていたのは確かです。
しかし実際の試合は、その悪い予感を上回るものでした。


初回早々、グローブタッチに応じると見えた中岸が、飛びかかるように右フックを振っていきます。
体格で劣る大場はこれに押され、頻繁にスイッチしてロングフックを振っては、頭からぶつかってくる中岸を持て余します。
そして揉み合いの中、中岸が大場の左腕をホールドしたまま左フックを連打。これが何発かヒットし、大場スリップダウン。
このあと中岸が攻めるのですが、普通にリードパンチを出してからフックにつなげればいいものを、身体ごとぶつかっていき
揉み合いになってまたホールドして左フック連発。レフェリーが初回早々中岸に減点1を宣告しました。


大場を体格で上回り、個々のパンチのスピードで言えば互角で、ボディショットの力強さにも目を引くものがあり、
なのにジャブは後続のパンチとの連携がない単発で終わり、リードパンチとして機能せず。
コンビネーションもほとんどなく、単発のロングを振ると同時に身体ごと飛び込んでは相手ともつれ、揉み合い、
頭を下げて相手をのけぞらしてからまた打つ。
そして好打されたら激しく逆襲、といえば聞こえはいいですが、頭を下げて突進し、大場をロープの間から外へ
押し出しそうになる場面が何度も繰り返される。その状態からさらに大場を打つこともあり、6Rには二度目の減点。
にもかかわらず終盤、再三再四同じことを繰り返していました。

長期ブランクで再起二戦目にしては手ごわすぎる相手、大場浩平相手とはいえ、あまりに冷静さを欠いた試合振りが
本当に残念でした。以前、当ブログにコメントをくれたことのある中岸選手には、きつい表現になるかも知れませんが、
彼の才能からすれば、今日の試合について、私はあらゆる意味で不満足です。真の捲土重来を期待します。



対する大場浩平は、自分より大柄な中岸のラフファイトに序盤は完全に巻き込まれ、ほとんどまともに反撃ができませんでした。
しかし3Rあたりから徐々にジャブや小さい連打が決まりだし、展開が変わり始めます。
4Rワンツー、右ボディアッパー。6Rにも右ボディ、完全に効いて中岸が身体を曲げます。
7Rも懸命に上体を振っては突っ込んでくる中岸を、見事な当て勘で捉えること再三。
終盤はボディが効いて動きが落ちた中岸をほぼワンサイドに打ちまくって勝利を決定付けました。
何より、乱戦のさなかにあっても、可能な限り冷静さを保ち、要所で的確な好打を重ねた
中盤から終盤の戦いぶりは、さすが大場といえるものであり、彼の確かさ、揺るぎなさが試合そのものも救った、という感じでした。
判定は大差の3-0。大場、初黒星からの再起戦を勝利で飾りました。


ということで、中部の天才対決は、私の過大な期待を満たすものではありませんでした。
まあ、いくらなんでもレナード、ハーンズ戦は無茶を承知の冗談でしたけど(^^;)
もうちょっとお互いの良さが、見目鮮やかな形で表現される一戦になってほしかったというのが正直なところです。



と、試合後、少々ささくれ立った気持ちで会場を去ろうとしていたら、大場浩平のインタビューが始まりました。

試合後、中岸選手と何を話していたんですか?という問いに

「...実は以前、中岸選手とは電話番号を交換したことがありまして」
「もちろん、試合が決まってからは電話などはしていないんですが」
「また電話するね、と言われました」

「(中岸は)何が何でも勝ちたいという気持ちだったのでしょうし...別に、こなくそーと熱くなったわけでもないのですが、
(逆に)自分はまだまだ、闘う気持ちが足りないところがあるのでしょう」

「世界チャンピオンになる、という決意でカムバックしてきました。でも年内はゆっくり休みたいです」

最後はいつもどおり軽く外して、笑いを誘ういつもの大場浩平でありました(^^)


初黒星からわずかの期間で思いのほか早く再起を決意し、神戸の真正ジム、あのツニャカオがいるジムで出稽古するなど、
彼の再起への意欲はいよいよ本物のようですね。
乱戦の中でも己を見失わず、冷静に闘い抜いた姿にも、彼の決意が見て取れたように思います。
山中慎介、岩佐亮祐といった新鋭が台頭してきたバンタム級、
もう一度日本タイトルとの絡みも見たいところですし、再度、その実力を証明して、初の世界戦へと進んでもらいたいです。

コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

試練でもあり、好機でもあり

2010-11-19 09:53:42 | 関東ボクシング
やっと、なのか、ついに、なのかは置いておくとしまして、
内山高志と暫定王者ホルヘ・ソリスとの王座統一戦が決まりました。

人によると前王者ファン・カルロス・サルガドをも含め、内山が勝った世界戦三試合は
いずれも世界レベルにはないという見方もあるそうで、私はサルガド戦の完勝については
もう少し高く評価すべきかと思っていますが、ご多分に漏れず、防衛戦二試合の相手に関しては、
どうも力量不足があからさまに見えてしまう、と感じたのも事実です。

良い表現か悪い表現か自分でもわからないのですが、内山高志にとって、
「世界戦」という大きな舞台で闘うことを、あの程度の相手に二試合も経験できたのは、
彼にとっては非常に大きな経験であり、幸運だったと思います。
この幸運を、真の強敵ホルヘ・ソリスとの対戦に、是非生かしてほしいですし、
彼のような逸材だからこそそれが出来るだろうとも。

って、けっこ辛口になってしまいましたね...(^^;)
もちろん、誰あろう内山なんだからもっと出来る!という期待感が基本にあってのものなので、
どうか誤解無きようにお願いしたいのですが。


さて対戦相手のホルヘ・ソリスですが、米大陸のリングでもその技巧が高く評価される実力者です。
スーパーフェザー級時代のマニー・パッキャオと対戦し8回、TKO負けを喫した一戦では
メキシコの名匠ヘスス・リベロ仕込みの防御技術で善戦し、敗れてなお強い印象を残し、
その後IBFフェザー級王座奪取に失敗したのち、WBAでスーパーフェザー級暫定王者となり二度防衛。
このあたりの試合はWOWOWでも放送されているので、我々にもおなじみの選手ですね。

とにかく巧い、間違いのないボクサー、という印象です。
立ち位置が良く、相手を良く見て防御し、空いたとこ空いたとこを狙って打てる。
技巧派のメキシカン、というイメージそのままのボクシングですね。

リナレスやバレロのような、見た目に鋭く斬りつける強打というイメージではないんですが、
タイミング合わせが巧いし、連打の中で何発目のどのパンチに力点を置くか、の切り替えも巧いので、
一瞬の隙が致命傷になる、という点では共通します。


言うまでもなく内山にとって過去最強の相手となるでしょう。
内山の世界的評価がこの試合でほとんど固まると見て間違いのない一戦です。
今までのどの試合よりも、ベストの状態で仕上げ、集中を切らさず、厳しく丁寧に対応する、
内山らしいボクシングの集大成を見せて、是非この強敵を退けてもらいたいです。

先の西岡の試合もそうでしたが、これぞ世界戦、と誰もが認める強敵との闘いは
選手にとって厳しいものでしょうが、そういう試合を堂々と闘い抜くボクサーの姿こそ、
勝ち負け以前に、ファンによる真の尊敬を集めることでしょう。
内山高志にもとうとうそういう試合がやってきました。しかと見届けたいと思います。



で、ダブル世界戦のもう一試合は李冽理の初防衛戦で、なんと相手は下田昭文なんですね。
なんと、と書くのもおかしな話で、言われてみれば実現して不思議のないカードなんですけど、
なんか12月に試合あるとかいう話だったもので。そりゃ、世界出来るならキャンセルくらい当たり前なんですが。

あの驚きのプーンサワット戦を経て、李はずいぶん自信つけたことでしょうし、
下田も昔の子供っぽい感じが消えてきて、しっかりした印象に変わってきました。
日本人同士の世界戦というと、見る前から食傷気味、って感じもありましたけど、
このカードに関しては、かなり楽しみにしています。
どっちもキャリアの中でかなり良い時期だろうと思える選手同士ですし、きっと中身のある、
切れ味鋭い攻防を見せてくれるんじゃないでしょうか。


新春早々、楽しみな興行が組まれましたね。
TV東京系列恒例の新春興行、今年も大いに楽しませてくれそうです。
でもうちの地域だとTV放送がどうか...BSジャパンさんだけが頼りです。
出来れば生中継プリーズです。ホントによろしくお願いします(^^;)


コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

最後にオレは勝つ

2010-11-18 09:12:52 | 名城信男
名城信男、思いの外早く世界戦が決まりました。
今回は自身初のWBC世界戦。河野公平戦も記憶に新しいトマス・ロハス戦となります。

正直、もうちょっと時間がかかるかも、あと数試合はノンタイトル戦をすることになるのかなと
勝手に思いこんでいたんですが、六島ジム藤原トレーナーのブログなどを見ると、
会長さんがWBC総会でかなり頑張って交渉されたのが奏功した、ということみたいですね。
詳しいことはわかりませんが。

そもそも、メキシコ方面では、マルティン・カスティーヨやウーゴ・カサレスとの試合によって
名城の知名度は高かったことでしょうし、それを元にした名城への評価もあっての挑戦決定なのかも知れません。
来年2月5日、府立体育館、これは久々に名城の試合を見に行かねば、というところです。


相手のトマス・ロハスは、初来日の河野戦で、まあ何というか、何もかもを我々の前にさらけ出して行きました。
群を抜く長身とリーチを持つサウスポー。速く巧く、しかし意外に攻撃的で、でも肝心なところで穴を開けることもあり、と。
あの試合は、次に対戦しようと考えるボクサーと陣営にとって、これ以上ない研究材料でした。

今まで名城が苦戦してきたタイプは、皆名城より大柄で、速いというより強く重いパンチで、名城を突き放しうる選手でした。
アレクサンドル・ムニョスしかり、ウーゴ・カサレスしかり。それと比べてロハスは、パンチの重さというよりは速さ、
そしてフットワークに依存して距離を取ろうとする感じで、その辺がどう出るか、という点に興味があります。
ただ最近の名城は、ややもすると動きに乏しく、単調になる傾向がありますので、その辺も気になります。

あと、名城のサウスポーへの相性ですが、故・田中聖二戦を見る限り、そんなに悪くはない、むしろ良い方かなと見ます。
何より相手のレバーが近いわけで、あの重い左ボディブローの脇腹打ちを決められるのではないか、という期待があります。
そうそう簡単に打たせてくれるかどうかはわかりませんが、最近、西岡対ムンローや、パッキャオ対マルガリートなど、
大きな試合でレバー・ブローが試合の流れを大きく左右する場面を続けて見ているだけに、この試合でも...と思いますね。


さて、とにかく世界挑戦が決まってめでたい、のですが、昨日行われたという記者会見の各紙報道には、
ちょっと本気で笑ってしまいました(報知スポニチ)。
これは記事読むだけなら笑って済みますが、例えば試合中継の際の紹介VTRや、スポーツニュースなんかで
もし映像で流れたりしたら、なかなかに辛いというか、いたたまれない気持ちになりそうですね(^^;)
出来る限り見ないようにしたいと思いますが...しかし名城って、本当に天性のおもしろチャンプですね。
かつてココリコ遠藤章造さんが「この人、絶対売れる」と評した通り、何やってもなんか面白いんですなー。

とにかく、ボクサーとしても、天然キャラとしても、もっとお茶の間(←古い)に愛されうる、名城信男の王座復帰を、
大いに期待したいと思います。と、強引に締めくくり。
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

何を書いても陳腐に思えますが

2010-11-14 23:41:55 | マニー・パッキャオ
過去に類例を見出すのが難しい、歴史的、伝説的ボクサーとなって久しいマニー・パッキャオ、
本日もまた、脅威の栄光の歴史を刻みました。

もう、正直何か書けと言われても難しいです。彼の偉大さを言葉にしようにも、
実際に彼がやっていることの凄さの前に、何もかもが陳腐に思えて仕方がないです。
とはいえ、何も書かないでは済まないので、頑張って書いてみますが...(^^;)


初回3分間、ほとんどサイドステップなしの速い連打だけで先制。
2回からは打っては回り、カウンターを決め、スピードで圧倒。
4回、左のレバーブローでダメージを与え、5回にはストップ勝ちを本気で期待させる優勢を確定させる。
6回、逆にボディを打たれ腰を落とすも乗り切り、その後はわざと相手の手数を引き出すかのような動きさえ見せ、
その都度、強烈な反撃を加えて終始試合を支配。終盤にはレフェリーにストップしないのかと目線を送る場面もあり、
そして試合終了。終わってみれば大差の3-0判定勝利。ジャッジの中にはフルマーク採点もありました。

ティファナの竜巻、アントニオ・マルガリートは強打を決めるタイミングをことごとく外され、
速い連打でガードの中央に切り込まれ、アウトサイドからはレバーブローを決められ、
ボディブローの好打も追撃かなわず、たまに、意図的に棒立ちになるパッキャオの誘いどおりに攻めては
リズムが落ちたところを反撃され...本当に、見ていて気の毒になるほど、厳しい試合内容の果てに敗れました。
パッキャオの速さ、強さ、巧さ、冷静さが完璧な戦術によって御されたボクシングにより、
パッキャオは自らの伝説に、新たな1ページを書き加えることとなりました。


...実際、ロベルト・デュランでさえ、あれだけの体格差のある試合で、相手を圧倒して
勝つことなど出来なかったでしょう。ヘンリー・アームストロングしかり。
シュガー・レイ・ロビンソンがライトヘビー級に挑んだ一戦は、王者ジョーイ・マキシムを
体格で劣るロビンソンが圧倒したことが驚異的に語られますが、結果は不運もあるとはいえ敗北です。

我々は今、あまたの伝説的に語られるリング・グレートと並ぶ、或いは上回る「生ける伝説」を
彼が闘う度に見ているわけです。
こういう選手の試合をライブでつぶさに見られる、良い時代になったものですね(^^)


しかし、キャッチウェイトの件は賛成できないにしても、ウェルター級リミットを大幅に下回る体重で、
あの大柄なマルガリートに完勝してしまうパッキャオは、今後、一体誰と闘えば良いんでしょうかね。
フロイド・メイウェザーは、おそらく誰かとの試合でパッキャオが明白な弱みを見せたり、
深いダメージを負ったりしない限り、なんやかや言うて対戦には応じまい、という見方があるそうで、
私も内心、多分そうやろなー、と思っています。また、それを責めるのもちょっと酷かいな、とさえ...。

とはいえ、なまじパワーや体格で上、というのはかえって不利なんやないのか、とさえ思える
パッキャオの機動力に優れたボクシングと渡り合うには、やはり体格面であまり差がなく、
その上でボクシング自体のグレードでパッキャオと伍するボクサーでないといけない、と考えるに、
やはり今のところ、それはライト級以下におけるファン・マヌエル・マルケスか、
ウェルターならフロイド・メイウェザーくらいしか思い当たる選手がいません。
さらに上を見て、スーパーシックスの連中や、クリチコ兄弟とやらすわけにもいかんでしょうし...(^^;)





コメント (5)
この記事をはてなブックマークに追加

大変なひと月は大変な試合で幕開け

2010-11-08 22:35:59 | 海外ボクシング
己の顔を省みず、他人様の顔をとやかく言うのは、一般ピープルの勝手な性というものですが、
今日の試合は結果内容どうこうというより、試合始まる前の両者の顔見てるだけも面白かったです。

この世に、怖いもんなんか何もない、という風情の、絶頂にある若き王者ファン・マヌエル・ロペス。
己の強さも、敵の強さも、全てを解っていて、なおかつ凛々しい歴戦の勇者、ラファエル・マルケス。
どちらの顔も本当に魅力的で、チャーミングで、カッコええ~、とTVの前でミーハー全開な私でした。

さて、試合はというと、情報シャットアウトを敢行して見た甲斐のある、すごい闘いでした。
体格とパワーに勝るファンマ・ロペスが、マルケスの左ジャブを外す、小さい右へのステップの速いこと。
それと同時に放たれる鋭い右フックが何度もマルケスを捉え、これワンサイドになるのかなという序盤。

しかし4R、ジャブの打ち終わりを狙われていたマルケスが、右からリードする頻度を増やし、
打ち合いの中で返しの左フックを決めると、ファンマぐらぐら、追撃の右を受け大ピンチ。
5R以降はまさに壮絶としか言いようのない打ち合いで、好打の応酬。
総じて体格で押すファンマ、要所でカウンターを決めるマルケスという展開ながら、
攻めるファンマも、受けるマルケスも精一杯、何が起こっても不思議ではない死闘でした。

しかし7、8R、要所で好打されながらもノン・ストップで打ちまくったファンマの攻勢にさらされ、
劣勢となったマルケスが右肩を痛めたことを理由に棄権、8回終了TKOでファンマ勝利。
死闘が終わったと知り、キャンバスに膝をつき、そのまま両手を掲げて後ろに倒れ込んだファンマが
試合前の可愛い傲慢さとはまた違った、良い表情で、これまた好感を持ちました。
試合後、しきりに健闘を称え合う両者の姿がまた清々しく、どっちも偉い、どっちも勝ちー!(^^)
ってな感じで、何から何まで素晴らしい、というのが本日の結論です。


メキシコvsプエルト・リコの伝統の一戦の歴史に、新たに刻まれる名勝負でした。
こういう試合を結果知らず、しかもHD画質で見られる、ボクシングファンとして本当に幸福な時間です。

来週はパッキャオvsマルガリートの一戦を生中継で見られるし、日本でも長谷川、粟生の他、
大場浩平vs中岸風太という、私的にはレナードvsハーンズ並の(←無茶言いないな、というツッコミが聞こえてきますが)、
心に染みるビッグカードもありまして、他にもあれやこれやあれやこれや、この11月はまあ大変なことになっております。
私も頑張って、更新頻度を上げて行こうと思っております。皆さん宜しくお願いします。


コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加