さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

関西リングに貴重な新鋭登場 西田凌佑、沖縄で比嘉大吾に快勝

2021-04-30 17:37:32 | 関西ボクシング




ということで、関東在住の友人の厚意により、先週土曜日、沖縄での比嘉大吾vs西田凌佑戦を見ることが出来ました。

このカードが決まったとき、他にやるべき相手がおるやろう、というのが第一印象でした。
前戦で大森将平をクリアに破っているとはいえ、4戦目の西田凌佑を選ぶとは、という。
ただ、WBOアジアパシフィック王座を獲得したとはいえ、相性の良いストロング小林佑樹を倒しただけで、比嘉大吾復調、とは到底思えなかったですし、その辺を陣営も冷静に考えているのかな、とは思いました。
小林と西田が所属する六島ジムに、タイトルにまつわるオプションがあったのかもしれない、というところまでは、頭が回っていませんでした。


とはいえ、この記事のコメント欄にもご指摘あったとおり、番狂わせの可能性がゼロではない、若くて上昇期、上の階級、サウスポーとくれば「間違い」が起こることもあるかも、というカードでもありました。
24日、府立からの帰り道で結果を知らされ、もちろん驚いたのですが、こういうこともあるか、とも思っていました。


しかし、実際試合の映像を見ると、思った以上の比嘉完敗、西田快勝でした。
比嘉が不調だとか、精神的にどうとかいう印象はさほどなく、大柄な西田が打つべきパンチをしっかり打ち、果敢に攻めてくる比嘉に打ち勝った、という試合で、要するに「単に、西田の方が強かった」と見えた試合でした。

初回、3回に左アッパーを決める前後にも、右リードから果敢に入ってくる比嘉に対し、左から右の返しなどを再三、しっかり決める。
4回は左ボディで止めて、すかさず上に左から連打。6回は強引にボディ連打の比嘉に対し、それ以上のボディ攻撃から連打をヒット。
7回はボディから攻めた西田の追撃で、比嘉がロープへ後退。10回、比嘉がラフな打ち合いを仕掛けるが、西田は少しだけ付き合うも、また左ヒット。
最終回、意地を見せたいはずの比嘉が疲れていて、西田の連打が試合を締めくくる。

競った試合とか、比嘉の方が不調でどうとかいう感じではなかったことが驚きでした。
比嘉も右で入ったり、ボディ攻撃を果敢に仕掛けたり、相当頑張っていましたが、これまでの試合でなら、決まれば局面を変えられるヒットがあっても、西田がフォームを崩さず、カウンターを狙い、ボディから連打を返してくるので、徐々に八方ふさがりになっていった、という風に見えました。
比嘉は劣勢にあって、アタマも構わず強引に、ラフに出たりしたところがありましたが、悪いと見えたのはそのあたりだけでした。

こういう試合になったのは、もちろん前日計量は118ポンドで揃っているとはいえ、リングの上で実際に闘う際には、かなり差があったと見える体格差が一番の原因でしょう。
若く、キャリアも浅いが元々上の階級の西田が、かなりリカバリーし、なおかつ体調も良かったことが、比嘉を終始苦しめました。

しかし「それだけ」では、比嘉を相手にクリアに勝つことは出来なかったでしょう。
どの局面においても、攻防共に適切な選択をし、終始冷静に動いて外し、踏み留まるべきときは留まって返し、上下、下上の組み合わせに留意したコンビを、的確に決め続けた西田凌佑の実力は、大森将平戦の印象もさらに上回るものに見えました。
率直に言って、これほどとは、という思いです。これでプロ4戦目とは、脱帽するしかありません。


今後、バンタム級にとどまれるものかどうかは不明ですが、それこそ大森将平を引き合いに出すなら、益田健太郎を豪快に倒した時の大森に比べても、派手さや爆発力は劣るにしても、長い試合でも自分の力をコンスタントに発揮出来る安定感は、西田の方があるのではないか、と思います。
もちろん、元世界王者とはいえ、体格で劣る復帰途上の比嘉大吾に勝ったのみで、時にヒットを喫してしまっていた試合内容を、即世界云々の、水漏れ無しの完璧なものとして、見上げることは出来ませんが、国内のバンタムないしはSバンタムに、楽しみな若手が登場した、とは充分に言えるでしょう。今後の試合ぶりが楽しみですね。



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5月は海外ビッグマッチのライブ配信、放送が続々 国内は音無し?

2021-04-29 11:42:30 | 海外ボクシング




ということで国内の碌でもない話からはいったん目を背け(笑)来月以降、海外のビッグマッチが立て続けに見られます、という話を。
例の件については新たな話も特になく、一部には妙な話のすり替えを試みている書き手もいたりで、何かと気持ちが悪いことばかりですし。



そんなことで海外ボクシングの素材そのまま、良いカードもそうでないものもお構いなくばんばんライブ配信しちゃうぞー、というノリのDAZNですが(笑)、9日午前9時から、カネロ・アルバレスvsビリージョー・サンダース戦です。
これはDAZNボクシングの目玉選手であるカネロと、対立王者サンダースの試合ということで、それなりのカードではありますね。けっしてスーパーファイトとかいうレベルではないにせよ。
アンダーにはエルウィン・ソトvs高山勝成も入るはずで、個人的には、気合い入れて見るのはこっちの方です。


で、23日には午前11時頃から、WOWOWオンデマンドで世界スーパーライト級完全統一戦、ジョシュ・テイラーvsホセ・カルロス・ラミレス戦。
これはDAZNになるのかも、と思っていたんですが、WOWOWになりました。
テレンス・クロフォードが去って数年、中量級のボリュームゾーンである階級で、またも完全統一王者が決まる試合が実現したのは、まさしく慶事であります(^^)
これはしっかり見とかんと損です。ライブ配信も嬉しい限り。


で、先日WOWOWエキサイトマッチを見ていましたら、29日(日本時間30日)のノルディ・ウーバーリvsノニト・ドネア戦も、WOWOWプライムにて生中継あり、とのこと。
このカードで生中継というのは、以前なら微妙だったかも、と思いますが、やはりDAZNの「侵攻」に遭っているが故に、というところでしょうか。
何にせよ有り難い限りです。

そしてこの同日、確かデビン・ヘイニーにホルヘ・リナレスが挑む試合もあるはずで、こちらはDAZNが配信するのでしょう。
さらにいうと、海外記事で中谷潤人とアンヘル・アコスタ戦がこの日に、東京で、なんて記事もあったりなんかしたんですが...はてさて?

さらに6月以降も、中谷正義、ロマチェンコ戦があり、その前の週には井上、ダスマリナス戦となれば、これまたWOWOWが二週連続生中継、ないしは配信をすることになるんでしょうね。



それに引き換え国内は、というと、中谷潤人のみならず、なかなか試合の話が出ませんな、と見えるタイトルホルダーが他にもいて、どうなっとるんだろうと心配になりますね。
まあ、興行のことを思うと、改めて客入れも難しくなってしまったし、色々と見通しが立たないのでしょう。
その商品価値?故にか、身軽に動けない現実も含め、本当に苦しいところなんだと思います。
どうにか事態が好転してくれれば...と思い続けて、もうこんな調子で一年以上経つんですからね...なんともかとも。



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突然、明白に答えが出た JBCはやはりボクシングを護れない

2021-04-26 22:23:41 | その他



大晦日の試合から丸4ヶ月が経とうという今日になって、ドえらいお話が飛び出しました...といっても、100%の驚きをもって、というわけでもありません。
昨今、様々に荒廃の一途を辿り(またそれが昔日よりも詳らかになる機会が多いだけに過ぎない、とも捉えるべきでしょうが)、あれやこれやと碌でもない話が目につき耳につき、という世界のボクシングを見ていて、日本のボクシング界とて、大なり小なり、そういう話と全く無縁なわけもなかろう、と、心の片隅では思っていたりもするわけです。

従って、スーパーフライ級に転じて、海外のトレーニングで肉体改造に重点を置く練習の模様が時折報じられ、映像でも目にする機会があった井岡一翔が、複数の媒体で大麻だ違法薬物だ、ドーピングだという疑惑を報じられ、それを見て驚きもした反面、ああ、そういう悪い面も含めての取り組みでもあった、ということか...とも、同時に思ったのでした。


かつては協栄ジム、先代の金平会長の「オレンジ事件」に代表されるように、対戦相手のコンディションをいかに崩すか、というやり口が蔓延っていた時代を経て、一連のカメダ神輿時代にように、判定や裁定やマッチメイクで優位性を確保する、という方向に進み、そして今は、自身の戦力を向上させるために、違法薬物を摂取する。
世界からは周回遅れなのかもしれませんが(金平会長は、海老原博幸タイ遠征の際に、敵地で酷い目に遭った経験があるそうです)、日本も程度の差こそあれ、そうした悪徳に手を染める者が、皆無なわけもありません。
実際、実例というか、抜き打ち検査で引っかかって、タイトル獲得歴を抹消された選手もいるわけですし。


しかし、そういう現実を完全に封じ込めるにも限界があるとはいえ、コミッションが検査をし、その結果、問題があったのなら、然るべき手順でその先へ進むべき、と単純に思うのですが、こちらの記事によると、どうもおかしな方向に話が進んだ、とのことです。
東京ドームの経営体制が変わる時期であったことが影響しての隠蔽が企図され、検体採取から時間が経っている、という以前に、そもそも警察がその採取に立ち合ってもいない以上、法的には隠蔽?が成功してしまっている、と素人目には見えます。

そして今日の「報道」が、それに反撥する?(純粋な動機かどうか、測りかねますが)JBC内部の人員によるリークによって発生したのだろう、とは、容易に想像がつきます。
それによってJBCは、外部有識者によって構成される「倫理委員会」を設置する、と発表するに至った、という流れです。


一時、何かにつけて「第三者委員会を...」という事例が頻発し、それこそ漫才や落語のネタにもなった時期がありましたが、ようもまあこないにええ加減な、と、乾いた笑いが漏れるような話です。
もし今日の「報道」がなかったら、こんなものを設置することなどなく、そのまんまでほっぽらかしだったんでしょうからね。
真面目に言って、いい笑い者です。
世間はまたもや、ボクシングというものを一段低く見てくださるようになることでしょう。


かつて、JBCについて「ボクシングを護れるのか」と、期待と疑念をもってあれこれ書いたことがありましたが、少なくとも人員の大半が、そのような期待に応えてはくれない者で構成されている、と見るしかないようです。
逆に言えば、今回名の上がった上層部や、先頃協会の人間を処分して引っ込めた一件に関わった人員など、傍目には「碌でもない」と見える人々が排除されれば...とも言えるのかもしれませんが。

とはいえ、今回、著名選手の尿検体から、一度は違法薬物が検出された、という事態にあって、コミッションが正常に機能せず、このような事態を招いた結果は、ただただ重大だと言うしかありません。
現状、JBCは、ボクシングというスポーツを護れる組織ではない。
今日、突然にその事実が、わかりやすく明白になりました。



それにしても...勝者と敗者を一度の闘いで明白に分かつ、その酷薄無情の宿命あらばこそ、過酷な闘いの末、時に涼やかな風が吹く、ボクシングというスポーツの周辺に、こんな、すでに行き詰まり、明白に証されることもなさそうな話が存在すること自体が、腹立たしいやら悲しいやら、です。
世にはそのような話がいくらでも転がっていて、でも人は、その現実をひとときなりとも忘れさせてくれる何ごとかを求めて、ボクシングを見るのでしょうに...こういうの、本当に勘弁してもらいたい、ですね。




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信用を失っても、男は戦う 長谷川穂積、痛恨の敗北

2021-04-25 17:58:56 | 長谷川穂積



ということで、毎度お馴染み、MBS毎日放送「せやねん」長谷川穂積挑戦シリーズ。
止めときゃええのに(笑)また卓球です。とりあえずご紹介。





もう、ホンマに、どこから突っ込んでええのか迷いますが、とりあえず「キター」の絵文字が空しいですね。


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単なる勝利以上のものを求めて、心が揺らぐ 寺地拳四朗、8度目防衛

2021-04-24 21:25:11 | 関西ボクシング




ということで府立体育館から帰ってきました。
試合はカンテレドーガのライブ配信で、多くのボクシングファンに、視聴されたことかと思います。
あくまで、会場の二階席から見た印象ですが、簡単に見た経過と感想を。



初回は両者、見て立ったか。久田哲也は早々に仕掛けたのですが、すぐに見合う。
寺地拳四朗は探る程度のジャブと足捌き中心。イーブンにしたいが、左ジャブ取って、拳四朗に振る。

2回、久田が攻めて出る。拳四朗、足で捌いて左。右フックと右アッパーを、相手の左ガードの外、内へと滑り込ませるコンビネーション。
続いてワンツー、右ヒットで久田がダウン。ジャブから右をボディへ送る攻撃も。拳四朗10-8。
3回も拳四朗が間を詰めたワンツー、スリーの左も伸ばす。ボディも伺う。久田ミスブロー目立つが、ラスト10秒は連打で攻める。拳四朗。
4回、久田奮起、右フック、連打。拳四朗はストレートパンチ返す。数はともかく、精度にかなりの差があり。拳四朗。

途中採点の数字に少々驚く。ダウン以外全部久田?さすがにそれは、と。

5回、久田が左右上下構わず連打。打てる手は全て打つ、という風。場内、歓声が上がる。
しかしヒットしたと見えても、拳四朗のガードに阻まれ、ヒットも首と肩をすくめて殺されている。
拳四朗が返す右、左ボディ(ローブローも一発あったが)、右ヒットで久田、ダメージあり。拳四朗。

6回、この頃から拳四朗、少し足が止まり、やや間が詰まってきた感あり。
足で捌いていたものが、ロープ際に詰まる場面も。それでも上手いコンビを当ててはいる。
久田、下がる拳四朗を追う右ストレート。場内沸くが、ダメージは浅い。やや拳四朗。

7回、拳四朗の左、数は戻ってきたか。右ボディストレート、左ボディアッパーと、後続打が出る。拳四朗。
8回、久田が猛反撃、ラッシュという感じの攻勢を見せる。拳四朗、無理に強打で応じず、軽い左を中心にヒット。迷うが久田に。

9回も久田がボディ攻撃、拳四朗ロープ際に下がる。しかし右ストレートのヒットを重ね、打ち勝つ。拳四朗。
10回、久田、左の数が増え、右クロスも浅いが入る。拳四朗、左よく当たる。少し疲れ?拳四朗に。

11回、拳四朗の右ボディが続けて決まり、フェイントかけての右フックが切るように入る。
久田、ダメージありか、自らロープ際へじりじり後退。拳四朗。
12回、久田が半ば捨て身の攻撃に出る。拳四朗、打ち勝ちたいという気も見えるが、判定へ。やや拳四朗。
終わってみれば公式採点も大差になっていました。



試合前から、というよりも数年前から、本当なら日本タイトルマッチで実現していたカードが...という「因縁」エピソードについてはよく知られたところです。
何しろ私も、友人数人と、チケット買ってこの興行を見に行ったくらいですから「当事者」だったりするんですが。
(あのときは、セミからメインに昇格した川口勝太の試合が、敗れたとはいえ非常に良かったので、まあ今日はOK、と思って帰ってきました)

しかしこのカード、それに収まらず、コロナ渦...ではなく、拳四朗の不祥事という、誰も想像しなかった形でさらに延期され、さらに緊急事態宣言発出ぎりぎり、という、何とも言いがたい状況の中、かろうじて客数制限つきの有観客試合として、挙行されました。

その試合以外のあれやこれやに、あまり影響されているとは見えなかった(あくまで素人の、傍目には、ということです)のが、久田哲也の闘いぶりでした。
もちろん、彼から見て正しく「因縁」のある敵だった、寺地拳四朗への敵愾心は心中に燃え盛っていたのでしょう。
しかし、技巧の王者が繰り出す正確なパンチを浴びて、ダメージがあっても堪え、隠し、ポイント計算とは別のところで王者を脅かし続けた、その果敢な闘いを貫いた姿は、そういう話とは関わりなく、これぞ久田哲也だと言うしかないものでした。


それに対して、遠目にも心の揺らぎが見えたのが、寺地拳四朗の方だったように思います。
序盤はまあいつもどおりでした。慌てず騒がず、左で探り、足で捌いて、位置取りを探り、逃げる先を確保し、徐々に好打し、内外、上下とパンチを繋げていく。
そういう流れと見ていたので、2回のダウンシーンは「え、もう?」と思ったりもしました。

しかし、3、4回と優勢が続くなか、違和感というでもないですが...ああ、やっぱり「良い勝ち方」をしたいという思いなのだろうな、という風に、印象が変わってきました。
体勢を崩した久田に対し、振りの小さい右を打ち下ろしに行ってミスしたり、中盤以降、左の数の増減があり、足捌きに「徹した」感が失せ、ロープ際に追われたり...まずはセーフティ、好打は欲しいが「打倒」を狙いはせず、自然な形で倒す、というのが、これまで見てきたベストの拳四朗だとしたら、きつい言葉ですが「雑念」が見えた、とでも言いましょうか。
もちろん、心身ともに脅威のタフネスを見せ、簡単には倒れてくれない久田の粘りに遭って、多少の動揺、乱れがあって不思議はないですが、そういうところから誰よりも遠くに立っているのが、拳四朗というボクサーのはず、でした。

この稀代の「技で倒す」技巧派、というのみならず、その飄々とした風情から、アタマに「異形の」とつけたくなるチャンピオンとて、やはり心の揺らぎを抱え、それを隠し通すことはならず、闘っている。
この試合はあらゆる面において「そういう試合」だったのでした。

ひとつの試合に、膨大な労苦を費やして鍛練を重ね、たった一日、一度の機会に全てを問われ、晒される。
ボクサーがすべからく負う、その過酷な宿命に思いを馳せ、そして、これほど凄い技巧派と闘士でさえ、それとは無縁ではいられない。

改めて、何か厳粛な気持ちになりつつ、試合を見、終了のゴングを聞きました。



試合後、沖縄の試合で比嘉大吾が西田凌佑に敗れただの、来月ホールの帝拳興行が延期になったと、矢継ぎ早にあれこれと知らされました。
このご時世ならではのあれやこれやに世の中は揺れていて、ボクシング界とて当然、それと無縁で居られようはずもありません。

結果として、その間隙を縫うように?闘われた試合で、内容的には、脅威の闘志を見せて闘い抜いた久田哲也に、しっかりと技術で差を付けて見せた寺地拳四朗は、にもかかわらず、試合後のインタビューの段になって、突然、嗚咽を漏らし、落涙しました。
それは「唐突」なものではありませんでした。そう見えました。


この世情に加え、自らの不始末がそこに加わって、いつも通り、涼しい顔をしてもいられなかった?彼が、心の揺らぎを抱えつつ闘い抜いたこの一戦を、こんな時だからこそ、しっかりと見られて良かった。
会場からの帰り道、そんな風に思っていました。





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明日は有観客で開催へ 拳四朗、久田計量パス

2021-04-23 14:33:52 | 関西ボクシング



緊急事態宣言発出により、プロ野球やJリーグが開催都市によっては無観客試合を余儀なくされると言われ、議論を呼んでいますが、明日の寺地拳四朗、久田哲也戦は、有観客試合で行われる模様
発出が25日からになる見込みで、明日はその範囲に入らないということでしょう。

この辺については、明日になってみないと、万が一なんてこともないとは言えないのかも、ですが。
しかし、観客の有無以前に、とりあえず、試合が行われること自体は間違いないようです。
両者とも計量パスして、PCR検査も陰性とのこと。あとは思う存分...というのみですね。


あと、試合自体は「カンテレドーガ」の配信のみですが、30日深夜に関西ローカルのみでドキュメンタリー番組が放送されるとのこと。
これも「カンテレドーガ」で見られるようにしてもらえたら、地域を問わず見られるわけですが、はてさて、ですね。


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拳四朗vs久田戦、ネット視聴詳細出ました

2021-04-22 11:31:25 | 関西ボクシング




ということで、「カンテレドーガ」のネット視聴、詳細が出ました。
情報ページが更新されていまして、月額会員になれば視聴出来る、とのこと。
330円の月額会員登録が必要です。

あと、AmazonPrimeに加入している方は、PrimeVideoチャンネル一覧に「カンテレドーガ」がありまして、そちらでも視聴出来るかもしれません。
私はこちらで試してみようと思います。これまで視聴したことがない場合、14日間の無料視聴が出来るそうですので(笑)。


しかし、視聴についてはこれで安心ですが、肝心の興行は、目前に迫ってまたもや、緊急事態宣言発出かという状況で、どうにもこうにもです。
基本、万全の対策をした上で、一人で行って、見終えたらどこにも寄らずにさっと帰ってくるつもりですが、選手や関係者諸氏の心労たるや、と思うと...。

それでもなお、このような状況下であっても、紆余曲折を経たこの一戦に、人生を賭す寺地拳四朗、久田哲也の姿を、しかと見ておきたい、と思います。
それが会場でかなえば幸い、最悪そうでなくなっても、と。



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詳細はもうすぐ出るそうです 拳四朗vs久田、ライブ配信予定

2021-04-20 11:29:23 | 関西ボクシング



ということで、もう今週末土曜日に迫った寺地拳四朗vs久田哲也戦ですが、緊急事態宣言の要請、その判断が近づいているさなかに行われることになります。
開催自体はともかくも、本当にいろいろいろいろあるカードですね。
もう、とにかく何でも良いから試合が始まって、普通に終わってほしい、というところです。


そして、どうやら本当にTV放送はなさそうです。
フジ系列の関西ローカル地上波、関西テレビは、以前は久保隼の世界戦放送をした局ですが、その時は行われた関西ローカル夕方の生中継はもとより、民放BSのディレイ放送もなし。
後日CSの放送も、フジ系列ですので、たぶん音無しでしょう。
セミセミまでは、YouTubeチャンネル“BOXING REAL”で配信があるそうですが。

唯一可能性があるなら、と思っていた関西テレビの動画配信は「カンテレドーガ」というものだそうで、今回初めて知ったんですが、HPのトップの上に、試合のバナーがあります。
クリックすると、試合情報ページに飛びました。
そちらには、当日15時頃よりライブ配信予定、との記載あり。


しかし、それ以外の情報がまったく見当たりません。
無料で見られる動画に該当するのか、それとも見るのに月額登録が必要なのか、その辺がまったくわかりません。
まあ無料で見られはしないでしょうが、では料金がいくらかかるのか、とこちらのページを見ると「月額コース」とあり、330円コースから1650円コースまで、4つの料金があります。

どれを選べばいいのか、何処見ても情報がないので、直接電話して聞いてみたところ「近々、試合情報ページに、視聴するための情報が追加記載されるので、それをお待ちください」という返事で、現時点では詳細がわからない、とのこと。
「近々」と言われても、もうこの土曜日ですで、と喉まで出かかりましたが抑えました(笑)。


まあ、今のところ、詳細を待つしかない、ということです。
もし簡単に見られるようにしてくれれば幸いですが、なんか色々複雑ぽいですね。
以前、京口紘人vs久田戦のときは、MBS毎日放送が、YouTubeも使って簡単に見られるようにしてくれてたんですが(しかも無料)、今回はそういうわけにはいかないのかもしれません。

とりあえず試合情報をチェックして、詳細がはっきりしたら追記しようと思っています。
私は一応、チケット持っているんですが、やはり観戦後、映像の確認もしたいですしね...。



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この話を受けるのも「世界基準」の証 高山勝成、来月9日にWBO挑戦へ

2021-04-17 15:50:23 | 高山勝成




高山勝成にWBO王者エルウィン・ソトから対戦オファーが来て、受諾の方向という記事
ちょっとびっくりしましたが、まあ、日本のランカーの中で、この話を受ける人は、高山以外いないだろうなあ、と思います。

海外じゃ、2~3週間くらいなら受けて当然、その準備が出来ずにオファー蹴るようではやっていけない、という話を聞いたことがあります。
競争のレベルが違うし、プロモートとマネジメントの権益がはっきり区別されているからこそ、でもあるのでしょう。
少なくとも「乳母日傘」とは程遠いキャリアの高山ならではの判断でしょうね。いわばこれが世界の基準でもあるのだろうと。


強敵小西伶弥相手とはいえ、再起して6回戦一試合で世界戦、というのは無理を感じるところです。
小西戦で見せた目覚ましい復調ぶり、というか「蘇生」とでも言いたくなるような姿には目を奪われたものの、小西をさらに一段、全てにおいて上回りそうなWBO王者ソト相手に、次でいきなり12回戦ですから、当然不利でもありましょう。

しかし、カネロvsサンダースのアンダーという舞台でもあり、高山勝成やその陣営は、こういう場を逃さず勝負、という構えで、常日頃から活動しているのでしょう。
それはプロモート権益が「柵」でしかない、他のボクサーたちには成しえない決断力の所以です。


来月のDAZNライブ配信(されるはずです)、ますます楽しみになりました。
敵地のロケーションでこそ光る、高山勝成の果敢な闘いぶりを、しかと見たいものですね。




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井上尚弥のクライマックスが見えてきた? リゴンドーvsカシメロ激突!

2021-04-16 12:45:27 | 井上尚弥




8月14日、かねてから話があったバンタム級の王者対決、ギジェルモ・リゴンドーとジュンリエル・カシメロ戦が決定
PBCとショータイムのスケジュールが数ヶ月分、まとめて発表されていて、5月29日にはノルディ・ウーバーリvsノニト・ドネア戦も決まった、とのことです。
しかし、決定の報を知って、衝撃的に感じたのは、リゴンドー、カシメロ戦の方でした。


まず、カシメロ陣営が本当に、リゴンドーとの対戦を受けるのかなあ、と疑わしく思っていました。
「会社」も違うし、というところはクリア出来たとして、強い割りに不人気という、二重の意味でリスクの高い相手。
フリオ・セハ戦でえらく打たれたときは「遂に...」と思いましたが、その後のリボリオ・ソリス戦では、以前の通りセーフティーで、なおかつしっかり強い、という勝ち方をしています。

この辺は、結局本人の気持ち、というより「気分」の問題だったのでしょうか。だとしたら呆れるしかないですが。
少なくとも、40歳という年齢からは考えられないくらい「落ちてない」と言える選手です。まあ、一種の怪物、バケモノのレベルですね。

リゴンドーがコロナ渦のブランクを経て、以前と変わっていないなら、カシメロといえど相当な困難に直面するだろう、と思います。
対するカシメロがダイナミックに動いて外し、強打を決めて、リゴンドーを倒せずとも打ち込めれば、という絵もあり得る...でしょうか。
ラフファイトに持ち込めればカシメロでしょうが、リゴンドーの左ボディブローで止められるのでは、というのが、今の時点でのありきたりな想像ですけど。


しかし、それ以前の話として、井上尚弥戦が実現せぬならリゴンドーと、という選択を本当にしたカシメロに対し、私はこの一事をもって、畏敬の念を抱きます。
強者と闘いたい、そして勝ちたい。自身が最強であることを示したい。
井上尚弥への度重なる挑発コメントで、敵意を向けられる対象にもなっているカシメロですが、反面、こうした姿は、単純に格好良い、と思います。
ある意味、本当に中身のある「ヒール」的存在、と言えるのではないでしょうか。我々井上ファンにとっても、「敵ながら」と思える存在、というか。



バンタム級最強の座にある井上尚弥に、誰が「最強挑戦者」として挑むのか、という観点で見られる試合...といつもなら書くところなんですが、一階級上で、最強(かつ不人気)の王者だったリゴンドーと、歴戦の荒武者カシメロが闘い、その勝者が決まれば、井上尚弥にとりそれは「対立王者」と認めざるを得ない存在となるでしょう。
もちろんウーバーリ、ドネア戦の勝者とて同様ですが、カードとしてはそれ以上の価値がある、と言えるでしょう。

トップランクとリゴンドーの関係がどうとか、結果次第でややこしくなる予感もありますが、そういう細かいことを置いて、井上尚弥の前にいよいよ、真の強敵が続けて現れることになりそうです。
コロナ渦もワクチン接種が進み、沈静化する(であろう)この先一年から二年の間に、井上尚弥自身が言う「折り返し」のキャリアにおいてのクライマックスがやってきそうな気がします。
そして、それがどのような形になるのか、徐々に見えてきたようにも。




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