さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

久々の立ち見サンボーホール

2012-07-23 20:29:04 | 関西ボクシング
昨日はひさびさに神戸サンボーホールにて観戦してきました。
しかし朝からあれこれ用事があって、その上、立ち見の観戦で、非常に疲れました。

日本スーパーフライ級王者、千里馬神戸ジム初の日本チャンピオンである帝里木下(ている きのした)が
初防衛戦で日本2位、金沢ジムの角谷敦志を迎えた一戦がメインでした。

試合展開ですが、お互い長い距離での探り合いから始まり、初回は両者あまり手を出さず。
2回から帝里が左ストレート、右フックをヒット。角谷は右を返すが、リーチに阻まれ空振りも目につく。
中盤までは帝里がやや優勢。7回も打ち勝つが、徐々に打ち合いの展開になり、
この回以降、距離をとって外していた角谷の右を食い出した帝里が失速。
最終回もまた打ち合いとなり、微妙な感じで試合終了。
判定は2-1で帝里。さうぽん採点は95-94、帝里となっていました。


両者懸命に闘ったことはわかりますが、試合内容としては、タイトルマッチとして見るなら
これはどうかいな、というのが正直な感想です。

帝里は一応右ジャブは出しましたが、後続に繋がらないことが多く、
長い左ストレートの後に返す右フックはえらくワイルドで、フックというよりスイング。
これを相手から目線を切った状態で振り回す。前半はけっこう当たっていましたが、
後半は距離が合わずにミスが目立ち、オープンブローやラリアットまがいの「殴打」になってしまいました。

とにかくバランスを保とうとして打つと軽打で、力込めて打つと前にのめる、という感じで、
見ていてどうも据わりの悪い、落ち着いて見てられない選手でした。
長身でリーチがあるサウスポーなので、その懐の深さを生かして相手のパンチを外していましたが、
後半は角谷が踏み込んできたので打たれる場面も増えていました。

上記したとおり、長身でリーチがある大柄なサウスポーで、体自体にパワーがありますから、
もっと丁寧に構えて、右リードや左ストレートで相手を突き放すボクシングが出来たら良いんですが。
あと、相手と正対して打ったあとに、ダックして頭をサイドに出さずに、真っ直ぐ上げて上体を戻すので、
当然バッティングが頻発します。悪い癖がついてしもうとるな、と思いました。


国内だけでも多士済々な115ポンドクラスにおいて、今後タイトルを守り続けるのは、
この日の試合振りを見る限り、なかなか大変そうです。
試合前に中広大悟から挑戦状が出ていると発表されましたが、
もし中広に往年の鋭さが生きていれば、好カード実現と言えますね。



セミファイナルは玉越強平がタイのペットファヤ・クルタンプジムと対戦。
がっちりした身体つきのタイ人でしたが、見た目のハッタリと違ってパンチは手打ち。
最初、ちょっと警戒してた?玉越ですが、2回に相手の右の空振りを一度見たあと、
コレは何もないと踏んでか、右クロスを打ち込む。これが決まって、哀れタイ人大の字、でした。

なんかひさびさにこの手のタイ人選手を見たような気がします。
最近、見に行った興行で、こういうのがほとんど無かったですね。

玉越はWBAでは6位にランクされていますが、Cが何故か14位となっています。
この辺はよく分かりません。しかしこのまま行けば、来年のカーニバルでは、
日本王座に挑戦出来るので、当面それを目指すことになるんでしょうかね。
いずれにせよ、上を目指すような試合の話が聞きたいところですね。




この興行、後日スカイAで放送があるようで、放送席には先頃引退した丸元大成の姿も。
場内はやはり日本タイトルということもあり、立ち見を中心に、この会場の興行としてはかなりの入り。
以前、OPBF王者時代の長谷川穂積の試合に近い感じがありました。

座席はかなり少なくて、5列くらいしか椅子は並べてなくて、それ以外のスペースが全部立ち見。
試合の合間に歌謡ショーや弾き語り等のイベントが挟まるので、進行が遅く、
立ち見の客にはちょっとしんどいプログラムになっておりました。

セミ前には、演歌の歌手の方が登場、たっぷり二曲歌い、メインでは君が代斉唱もするという大活躍でしたが(^^;)
この歌手の方が、なんでも30数年前、西日本新人王決勝戦で千里馬啓徳会長と対戦して判定負けした
元ミドル級ボクサーだった、とのことでした。ちょっと驚きでした。
まさか会長得意のジャンピング右ストレートを食らったりしたんでしょうか...。


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最後の挑戦/最初から無い話/世界か?というと/1位を倒しても

2012-07-18 22:59:31 | 話題あれこれ
名城信男、最後の挑戦決定

住吉開催、と見て、あの小さい会場で世界戦やるの?と思ったら、
住吉区民センターじゃなくて「住吉スポーツセンター」なんですね。
中規模の体育館のようです。かつてマルティン・カスティーヨを破ったときの
東大阪の体育館と似た感じなんでしょうか。

相手はWBA王者テーパリット。若くて体力があり、連打が速く正確ですが、
相性的には名城から見て悪くはなさそう。
夏場の暑さがどうでるかですが、地元開催でもあり、本人が語るように
「最後の挑戦」という決意で臨む試合となりましょう。
これで負けたらもう言い訳のしようがない、というか。

ここ最近の無冠戦は見ていませんが、昨年のWBO8位レイ・ペレス戦と
その後のスリヤン戦、この二試合において名城が見せたボクシングの内容は、
今回の挑戦についての期待を維持させるものだったと思っています。
相手の若さと馬力に対して、名城がどんな対応が出来るかが注目でしょうが、
馬力とともに、これまでの経験を生かした名城の集大成を、この試合で見せて欲しいものです。

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決まる試合があれば、消える試合もあり

まあ、最初から無い話だとは思っていましたが...。
今度四国でやるという興行の宣伝に人の名前を使った、ただそれだけの話だったのでしょうね。
佐藤がガタガタに弱るような年齢やキャリアであれば、また違ったのでしょうが。

それにしても佐藤のプライベートはホントにこんな感じなんでしょうか。
ある意味、凄いなぁと感心します。
距離の長短や、パンチの緩急の切り替えを楽しんでいるかのような試合振りも、
こういう感性に裏打ちされたものなんでしょうかね。なかなか興味深いですね。

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先のダブル世界戦は視聴率8.9%とのことでした。
こんなこといっちゃなんですが、TV東京系としては結構高いのかな?と。
やはり内山が倒し続けていることが大きいのかもしれませんね。
放送自体は五十嵐の試合がほとんどだったんですけど。

五十嵐への評価は厳しいものが多いですね。
私は率直に言って、事前の期待値がかなり低かったせいか、案外良かったと見たクチなんですが。
もっとも、あれが世界かと言われればごにょごにょ、って感じになってしまいますけど...。

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先の小國vs芹江で、さらに盛り上がる関西ボクシングですが、
21日は久高寛之vs久田哲也、22日は帝里木下vs角谷淳志があります。

久高は日本タイトルに挑戦するという路線は無いんでしょうかね。
せっかくタイトルが関西にあるのだから、そういう方向の試合がひとつくらいあってほしいですが。

22日のセミには、昨年、敵地メキシコで時のWBC1位ダンテ・ハルドンをKOした
玉越強平が出ますが、この選手のその後もどうなっているんでしょうかね。
即、ハルドンに成り代わって1位とはいかずとも、例えば挑戦者決定戦かそれに相当する試合が
セットされるとかオファーがあるとかいう話は、全然聞こえてきません。
世界ランキングなんてそういうもの、と擦れた見方をしてしまえばそれで終わりですが、
敵地に乗り込んで勝ち取った勝利すら、そんなものでしかないのかという現実は、
どう考えてみても残念ですし、良い気持ちがしない話ですね。
今後、何か新たな展望が開けるようなマッチメイクがあってほしいと期待します。

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単独でなくて幸いでした/小國vs芹江戦ニュース

2012-07-16 22:46:31 | 関東ボクシング
ありがたいことに地元UHF局の放送がありまして、中継を見ることが出来ました。


ソニーボーイ・ハロvs五十嵐俊幸は、私個人の予想というか想像以上の、好ファイトでした。

五十嵐は非力で線が細いイメージがありましたが、やはり世界戦となると普通とは違う意気込みが伝わってきました。
初回からさばくというよりは、しっかり踏み込んで左を打ち抜く感じで立ち上がり、でも逆にハロに打たれてしまったのですが
2回以降も自分から仕掛けて叩く、という感じをあまり崩しませんでした。
こんなことして大丈夫かなと思って見ていましたが、しっかり踏み込んでボディを攻めた甲斐があって、
中盤はほぼ優勢。途中採点が割れていましたが、これなら勝てるだろうと思って迎えた終盤、
カットして右を打たれて大ピンチ、11回を落として、私はこの時点で最終回勝負と見ました。
そのラストがどちらにつけるか迷う内容で、これはドロー防衛になってもうたかなー、と思いましたが、
結果はスプリットで五十嵐勝利。4点差の判定には、勝ちも負けもどっちも無いでしょ、という感じで、
もっと競っていた印象でした。私はいちおう、114-114になっておりました。

敗れた前王者ハロは、ポンサクレック戦の印象が強烈でしたが、今日見た限りでは、あれはフロックとは言わないまでも、
何もかもが彼に幸いしたという類の試合だったのだな、という印象でした。
自分から仕掛けて崩す組み立てを持たず、五十嵐への「対応」がすべてで、その対応というのが、
要は三種類の右のどれかを強打する、という一点狙いのみ。
やや右ガードが下がり加減で、ダッキングも丁寧には出来ないまま右回りをする五十嵐に、
いつ右を捨ててコンパクトに左フックを狙ってくるかな、と冷や冷やしながら見ていましたが、
結局最後までそういう狙いは無かったようで、ちょっと拍子抜けではありました。

五十嵐は思った以上に力強い試合振りで、強打のハロを振り切りました。
スピードを生かしたアウトボクシングに徹するのかと思っていましたが、
そういう闘いをしていたら、もっと攻め込まれていただろうな、という印象でもありました。
今後はもっと強く、多彩な攻撃が出来る挑戦者との闘いが待っているでしょうから、
そのときにどのスタイルを選択して闘うか、という点が今後の課題になりそうですね。
しかしタフな試合を勝ち抜いての王座奪取、立派だったと思います。


内山高志の防衛戦は、何とも残念な結果でした。
これ、内山単独メインの興行だったら、えらいことでしたね。
結果としてハロvs五十嵐戦があって良かったです。救われましたね。

マイケル・ファレナスは、世界戦では久々に見た「アタマさん」で、
それに加えてフェザー級くらいの体格でスピード豊かに飛び込んで来るもんだから、
こんなん大丈夫かと思ったら、2回に小さいカットがあり、案の定な感じ。
そして3回、見事なアタマが決まって一発で内山大出血の負傷ドローでした。

ホントに、結果もそうですがそれまでの仮定で、ボクシングの試合らしい光景が
ほとんど見られないまま終わってしまった感がありますね。
カール&ジェリー・ペニャロサ親子が教えてるんだそうですが、名選手だった親子が
雁首そろえて一体何を教えてきたんやら、という感じでした。
再戦などまったく必要ないですね。二度と来るな、の一語です。


試合後、粟生隆寛とのやりとりがありましたが、あれがせめてもの救いでしたかね。
しかし内山が大層に切ってしまって、暫定王者(何人目や、しかし)との試合も目処が立たず、
粟生は粟生で、1位マグダレノとやるのやらんのという話もあり、
すぐに実現とはいかなさそうですね。
両者がさまざまな障害を乗り越えて相まみえる日が来ると信じたいところですが。


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土曜日の小國、芹江戦を取り上げたニュース番組を紹介しておきます。
開設数年の新しいジムにおける、伸び盛りの若き逸材と、意欲に満ちた指導者の
愛と信頼に満ちた姿が見られます(笑)


ところでこの中で、小國の次は決まっている、という旨のコメントが高嶋会長から出ています。
誰なんでしょうねー。どなたがご存じの方おられたら教えてください。タレコミ大歓迎です(^^)


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みたび成長を見た 小國以載、完勝

2012-07-14 23:13:26 | 小國以載
ただいま播州赤穂からの帰途、これを書いております。
注目の小國以載vs芹江匡晋戦は、小國の見事な勝利となりました。

はるばる訪れた播州赤穂のハーモニーホール、長袖着てくりゃ良かったな、というくらい
冷房が良く効いた会場でしたが、メインは序盤から火が付きました。燃えました(^^)


日本王座を返上して、敵地赤穂に乗り込んできた芹江匡晋は、ゴングが鳴ると同時に飛び込んで左。
左を下げて右は高く掲げる独特の構えで、小國以載を威圧しにかかります。
初回は芹江の右クロスがクリーンヒット。小國は手数少なく、様子見でした。

今思うに、この初回を自分のペースで終えたことが、芹江の隙を生んだのでしょうか。
2回、ボディを攻める芹江に対し、小國の右がクリーンヒット、芹江がロープ際に倒れます。
ガスカ、大橋に続き、またもタイトルマッチで王者クラスから奪った見事なノックダウン。
場内の小國、芹江両者の応援団が、突然訪れた衝撃のシーンに騒然となるなか、
立ち上がった芹江ですが、見るからにダメージ甚大。小國の追撃はやや正確さに欠けるも、ストップ寸前。

ところが芹江、ここで驚異的な粘り。攻めてくる小國に対し逃げずに踏み込み、右をヒット。
小國が一瞬止まり、また場内騒然、芹江の右がまた決まり、逆転のダウンか!とさらに騒然。
しかし小國、ここで左のアッパーをボディに突き刺し、ピンチ脱出。ゴングが鳴り、この回終了。

ポイントを小國の10-8にするか、10-9にするかはともかくとして、
両者の状態はイーブン、試合がどちらに傾くかはわからないと見えましたが、
ここで小國が踏ん張りました。


3回は芹江がやや押しましたが、4回から目に見えて、小國の左ジャブ上下が頻繁に決まり、
フットワークも冴えるようになります(途中採点は39-36、39-37、40-36)。
芹江は身体ごと飛び込んでラフなパンチを狙いますが大半をガードされ、外され、
5回は小國をロープに押し込んで攻め込んだものの、打ち終わりに左フックを合わされ、
試合の趨勢をほぼ決める二度目のダウンを喫します。

中盤は小國の左アッパーが芹江のボディを完全に捉え、8回終了時点での途中採点は
79-72×2、78-72の3-0で小國大差のリード。


ここから小國の課題である終盤に突入。9回やや小國疲れたか?と見える。
10回芹江が押し込んで揉み合いに持ち込むも、小國押し負けずに左ボディを連発。
芹江は逆に打ち負け、押し負け、離れたあと小國の構えに威圧されたように後退するような場面も。
私はここで完全に「逆転は無い」と確信しました。

ラスト二つは場内の大歓声に乗って両者打ち合い。しかし芹江は単発のヒットを取っても
小國のジャブ、左ボディ、ショートアッパーを浴びて失点を重ね、試合終了。
終わってみれば、小國の完勝でした。

判定は117-110、118-110、118-109の3-0。
ついでに私の採点は117-109でした。


思えば昨年、ロリ・ガスカに勝つまでの小國以載は、日本ランクにすら入っていない若手でした。
言う人に言わせれば、ガスカ攻略の金星すら「日本ランクに入っていない選手が勝てた試合、でしょう」
という厳しい見解があったほどです。
それがガスカに続いて、中部の激闘王大橋弘政を下し、そのすぐ次に、芹江匡晋を破ったわけです。
確かに昨年のガスカ戦観戦記に、小國以載は思った以上の器かも知れないと書きはしましたが、
いくらなんでもここまでは想像していませんでした。またも嬉しい驚きを小國以載から貰いました。

2回に芹江を倒した右の切れ味。逆襲を受けたあとの反発力。
芹江の強引な攻めに対するリターンの厳しさ。左ジャブ、左アッパーによるボディ攻撃の精度。
5回、ロープを背負って芹江に「やらせて」おいて決めた左フックの鮮やかさ。
課題だった終盤の失速、それによる失点を最小限に抑えた、心身のタフネス。
終始堅牢だったガード、ブロッキング。要所で巧みに芹江を空転させたフットワーク。

全てにおいて、小國以載は確実な成長を見せてくれました。
ほどよく重心が降りていて、打てば強く、足を使えば無駄のないそのバランスひとつ取っても、
試合を見るたびに安定感が出てきています。みたび、その成長に目を見張らされました。

もう彼の王者としての存在価値に疑問を持たれることはなくなるでしょう。
そして、ひとつ階段を上った若き王者には、さらなる期待と、それにまつわる試練が待っています。
小國以載の今後に、大いに注目ですね(^^)



敗れた王者、芹江匡晋にとっては、厳しい敗戦となりました。
相手を変則的な構えと、身体ごと叩き付ける強打で威圧し、制圧する彼のスタイルは、
この日、小國以載に真っ向から打ち崩され、破壊されました。その末の敗北でした。


私は過去に何度かこの選手について、否定的見解を述べてきました。
ガードを上下に開けて構え、相手を誘い、同時に威嚇し、身体ごと飛ぶように打ちかかる。
ラビットパンチも厭わぬ、オープンブローの多い攻撃。
ミスをしたら相手に絡みつき、対処に困ったら頭を下げて横を向き、ブレイクを待つ。
相手の身体を振り回したり、上からのしかかって体力を消耗させる。
こうしたルール逸脱行為を重ねる選手と、それを許容するレフェリングへの嫌悪は、
私が抱く日本のボクシング界に対する、数ある苛立ちの中でも、もっとも大きなもののひとつです。

しかし、2回に喫したダウンのあとに見せた、驚異的な反撃、それを支えた闘志には、
彼が積み重ねた日々の鍛錬、戦士としての矜持が感じられました。
他の選手なら、2回にたやすくフィニッシュされていても、何の不思議もなかったはずです。
結果として、小國は芹江の粘り強さのおかげで、序盤ストップ勝ちで終わっていたら獲得出来なかったかもしれない
価値ある試練をフルラウンドに渡って闘い、乗り越えることができた。

この一戦を経て、小國がさらに飛躍するとしたら、それは芹江匡晋が彼の闘いを
最後までまっとうしたから、ということに尽きます。
彼は小國に完敗を喫したが、けっして楽勝は許さなかった。
その一点において、私は芹江匡晋の闘いを、立派だったと称えたいと思います。

すでに芹江が日本王座を返上しているという話は、事実としてそうなのでしょうが、
それはおいといて、また「王者同士」の素晴らしい闘いを見てきました。


播州赤穂は果てなく遠く、でも帰り道はあっという間だったような気がします。
良い試合に当たると、そういうもんなんですよ、ええ(^^)



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生中継三連打

2012-07-08 17:39:06 | 海外ボクシング
今日は朝からボクシング生中継三連発という、とんでもない日曜日でありました。
考えたら、世界中探しても、この三試合を全部生中継で見られる国は無いのかも知れません。
ありがたやありがたや、ということで、ざっと感想を。

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早朝のスイスからの生中継、ウラディミール・クリチコvsトニー・トンプソンの再戦でしたが、
終始ウラディミールが圧力をかけ前進、トンプソンは左を単発で返すも押し込まれ、
6回に右を食って倒され、立ったがテンカウント。またしてもクリチコ兄弟の牙城揺るがず、でした。

試合内容はもう、ここ何年も見てきたとおりのものを踏襲している感じです。
この試合より、カール・フロッチvsルシアン・ビュテを生中継してくれんかなぁ、と思いました。


しかし米国のヘビー級には、もうちょっとなんとかなった選手が出てこないものでしょうかね。
悪いですけど、一昔前だったらこの程度の選手、世界戦には出てこなかったように思うんですが。
身体にも締まりがないし、腕ひとつとってもひ弱な感じ。一目見て怖さがない。動いたらやはりその通り。
いくらクリチコ兄弟が強いといっても、ここ数年、ろくに苦戦する場面もないというのはどうなんでしょう。

ポスト・アリ時代に終止符を打ち、ヘビー級ボクシングに栄光の日々を取り戻したかに見えた
「黒いマルシアノ」マイク・タイソンの転落と、それにまつわるドン・キングを中心とした
悪辣なマネージメントの実情が詳らかにされたのち、米国の若きフィジカル・エリートたちは
ボクシングジムに足を向けなくなった、という話を聞きますが、原因はどうであれ、
はっきりと人材の枯渇を感じます。


そろそろ兄のビタリの方は、引退して政界進出とかいう話も出ているそうですが、
遠からずそういう時がきて、この兄弟がヘビー級シーンから去ったとしたら、
その後にはいったいどういう風景が見えるんでしょうか。
かつて「ヘビー級が動くが如く、ボクシングは動く」と言われた階級は、
いよいよ荒涼の地となってしまいそうですね。

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さて11時からは、総合格闘技UFCの生中継があり、その後にノニト・ドネアの試合がディレイ?で放送。
相手はIBF王者、122ポンドで180センチの長身、ジェフリー・マセブラ。

ここ2試合、結果が判定なもんで、停滞気味と言われるドネアですが、
急速に階級を上げた影響で、今までの感覚で倒せていたものが倒せないというのが実際のところでしょう。
今日もまた、その感じは続いているように見えました。

相手のマセブラがまた、いかにも倒しにくいボクサーで、4回にダウンを奪ったものの、
その後は単発のヒットはあるものの追撃は出来ず、判定勝ち。
やはり、いいの当てたあとに、もっと多彩な追撃がなければ、そうそう倒せるものじゃないですね。
フェザー級転向以降の長谷川穂積にも通底しますが、より多くのヒットを取り、攻めに工夫をして、
下の階級で倒せていたのとは違う感覚のボクシングをする必要があるのでしょう。

さて、試合後、インタビューではドネアの隣に西岡利晃がいて、仲良く肩を組んでおりました。
通訳がいなかったので、西岡には最後に話が振られたのみ。
それでも西岡は「ダイヤモンドベルトを賭けてドネアと闘いたい」とコメントを残しました。
ドネアやボブ・アラムは、西岡戦を明言はしませんでしたが、こうしてアピールしたことが、
今後の展開に良い影響を与えてほしいものです。

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さて、ドネアvsマセブラと時間が少しかぶりましたが、横浜の佐藤洋太vsシルベスター・ロペス戦は
佐藤がスピードとリーチの差を生かし、やはりスローで踏み込みが遅かったロペスをほぼ完封。
3-0で勝利、初防衛なりました。

いくつかの動画で見た限り、やはりロペスは、佐藤の距離を殺す踏み込みの速さがありませんでした。
加えて膝がやや硬く、重心が降りないし、上体が立っているので佐藤からすれば、ジャブや右クロスが打ちやすい。
いい距離や角度がとれれば生きるであろうロペスの強打は、ほとんど生かされる場面がありませんでした。

佐藤は時折見せた、横向いて歩くパフォーマンスが玉に瑕でしたが、
ややスローテンポな展開からクイックな動きで右を決めたり、緩急を生かしたボクシングが見られました。
完全にスピードで勝っていたせいもありますが、ロペスの強打をほとんどもらわず、完勝でした。
相手が世界1位という肩書きほど強くはなかったですが、初防衛としては上出来の部類でしょう。

なんでも、次の相手にあのご兄弟のどれかが、なんて話もあるようですが、
今日見た限り、よほど体調が悪かったりしなければ、どれが来ても...でしょうね。
ということは、結局は誰も来ないでしょうから(笑)、話はスリヤンとの再戦がどうなるか、です。
前回の試合をふまえて、スリヤンが佐藤の距離をどう殺すか、佐藤がそれにどう対するか。
しょうもない連中との試合なんかより、こっちのがよほどあれこれ想像できて楽しいですね(^^)


ロペスの意外なほどの芸の無さと共に、もうひとつ残念だったのが会場の雰囲気でした。
かなり空席が目立ちましたし、盛り上がりもいまひとつでした。
佐藤がやっているボクシング自体は、ダウンシーンの有無を除けば、前回のスリヤン戦と同じく、
ことによってはそれ以上の内容を感じましたが、どうもロケーションが良くない。
TVのスケジュールが絡むと、なかなか難しいかも知れませんが、
次回は後楽園ホールでやれたらいいですね。


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目指すべきは/風見鶏/手の内隠すもほどほどに/赤穂決戦間近/強打者の訃報

2012-07-06 17:05:28 | 話題あれこれ
昨年の全日本選手権で、高校生ながら優勝した井上尚弥が大橋ジムからプロ転向だそうです。

この選手、NHKでやってた全日本選手権の録画を二年連続で見ています。
一昨年は決勝で林田太郎との体格差に苦しみ判定負けを喫するも、
昨年は4連覇を目指した林田に雪辱、高校生ながら全日本王者に輝き、
アマチュアボクシングのジュニアの部と、シニアの部、両方でチャンピオンの座にある、
過去に例を見ない実績の持ち主です。

父親がジムを経営し、兄弟もアマチュアボクシングで活躍しているということで、
すでに専門誌などでも何度か取り上げられいてる注目選手でしたが、
リオ五輪を目指すというのではなく、当初からプロ志向だったのでしょうね。


とにかく楽しみな選手ですし、早く試合を見たいものです。
しかし記事中にもあるように、またも最短記録がどうとか言う話が全面に出て来て、
もうそろそろ、そういうの止めませんか、とげんなりしています。

我々、別に最短奪取王者が見たくてボクシング見てるわけやないですからね。
我々は最強の王者を見たいわけですし、それをまっとうに目指す選手を応援したい、
ただそれだけのことなんです。ただそれだけのニーズを無視して、話題と興行収益を追いかけ、
そのしわ寄せを全部選手とファンにひっかぶせる。いつまでこんなことばっかやるつもりなんでしょう。

それに、単に話題性が欲しいだけやろ、と見過ごすには、記事に出てくるコメントが、
どれも結構本気ぽくてアタマが痛いです。
井岡一翔の成功に刺激を受けた、というか、彼の(商業的な)成功に習いたい、というのが
実際のところなのでしょうが。

本人も含め、そういう本筋から離れたところに夢を見て、それを目指すコメントを出していますが、
「井岡選手の記録を塗り替えていく」なんて目標は、少なくともボクシングファンにとり、
本当にどうでもいいことです。これが「井岡選手を越える王者になる」なら、大歓迎なんですけどね。

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西岡利晃はメキシコにてベルト授与式に出席、という記事。

スライマン会長のコメントは、色んな見方が出来るでしょうが、
まあ昔から風見鶏で有名なプレジデントが、今回は西岡に対し、ちょっといい顔して見せた。
ただそれだけで、他には何の意味もない、ということでしょう。

実際、あちらでは、というか、世界中どこでも、西岡は事実上無冠の選手として見られているでしょうし、
ドネア陣営やトップランクと水面下での合意があるのならともかく、このコメントがドネア戦実現を
後押しするようなものでは全然ないでしょうね。

それより、もしそれが無理なら、アブネル・マレス戦を義務づける、というコメントの方は、
まだWBC内の話ですから、多少は当てに出来る話ではありますね。
ただ、もしそんな意志が西岡本人や帝拳にあるのなら、ここまでのブランクや事実上の王座返上は、
いったい何だったのか、という、釈然としない思いもありますが。

日曜日、WOWOWでも生中継されるドネアの試合後、具体的な話があれば幸いですね。

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佐藤洋太vsシルベスター・ロペス、公開練習で一悶着
手の内を見せたくない、というのはわからんでもないですが、何もそこまで、という気もしますね。

先日も動画紹介しましたが、短い試合ではわかりにくいとはいえ、若干スローな感じはします。
強打はかなりのものでしょうが、佐藤が油断せず、ジャブで叩いて突き放し、足を止めなければ、
ロペスにとっては苦しい試合となりそうです。

しかし早くに来日し、日本のジムでみっちり練習してるそうですし、佐藤vsスリヤン戦を
リングサイドで観戦していたりと、全てにおいて周到で、意気込みを感じるのも確かです。
もしあの強打が、速い踏み込みをもって放たれるなら、佐藤にとっては脅威です。

さて、どちらの場面が日曜のリングで実現するか。楽しみですね。

しかし日曜日は早朝クリチコ戦、昼過ぎからドネア戦とこの試合。
一日中ボクシング漬けの休日ですねー(^^)

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楽しみな週末といえば再来週、土曜日もそうなのですね。
兵庫県赤穂市にて、すでに取り上げた小國以載vs芹江匡晋戦、観戦予定です。
デイリーに記事ありました。

私は遠い遠いとブーたれておりますが、赤穂は小國の地元なのですね。
「負けたら街を歩けない」は大げさでしょうが、地元ならではの重圧はあるのでしょう。

もっとも、直近二試合見た感じでは、この選手、何があってもまったく動じず、
表情も試合のペースも変わらない、見た目と違った変な図太さがあるんですが。

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今日になって飛び込んできた訃報。

名古屋の強打者として知られた石井広三氏が亡くなったとのことです。
詳細は不明なのですが、山中にて発見された、という話だけが伝わっています。
登山をしていての遭難なのか、或いは別の話なのか、まだわかりません。

中部のボクシングが一番盛り上がっていた時期に、その中心にいた、
真のワールドクラスといえる強打のファイターでした。
全盛期においては、日本、東洋では相手がいないレベルの実力者だったと思います。
ネストール・ガルサ戦は、今となっては伝説的に語られる名勝負でした。

私も、彼の全盛期には何度も名古屋に足を運び、観戦した思い出があります。
ジム会長として元気に頑張っていると聞いていたのですが、本当に残念です。
ご冥福をお祈りします。

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無理な受け皿ではないでしょうか/無関心/ゲスト解説/期待する声

2012-07-01 17:23:23 | 話題あれこれ
まだまだ余韻の残る統一戦ですが、その後の動きがあれこれ。

井岡一翔、WBC王座を先に返上。現時点ではWBAミニマム級王座のみ保持。
しかしこれも後日返上の見込みで、井岡ジムは空位の王座決定戦に宮崎亮を出したい、と。

WBCは今、1位でシルバー王者のデンバー・クエリョがえらく強いもので、
それを避けたとかいう風評もあるようですが、そんなの関係なく返上大賛成です。
あの体格で105ポンドという無茶はもうしてもらいたくありません。

で、WBA残しという選択ですが、本当に井岡がローマン・ゴンサレスに挑戦したがっているのなら、
井岡ジムがWBA承認の試合を二つ同時にやる意志がある、というプレゼンテーションであると捉えれば、
対WBAへの交渉上、何かと有利というか、話が通りやすくなる、という目論みなのかもしれません。

さらに、宮崎亮の対戦相手が誰になるかと考えた場合、こちらの方が勝機が高いという見方もありましょう。
WBCを選択した場合、100%の確率で対戦せねばならばいデンバー・クエリョ、
最新試合の動画はこちらとなっております。相手は2位ガニガン・ロペスですけど、まあ桁外れに強いです。
敵地メキシコのお客さんも、終わったあと完全に納得してはります(^^;)
宮崎が良いコンディションを作れると仮定してなお、これ相手だと大変でしょ、という。


今回の件で、ひとつ残念に思ったのは、やはり日本のボクシング業界の形態においては、
無条件での世界王座返上というのは不可能な話なのだな、ということです。

井岡一翔の世界王座獲得は、そもそも従来より一階級下げてのものであり、
彼がミニマム級では考え得る中で最大級の成功を収めてなお、興行権をジムメイトの
宮崎亮が受け皿になって引き継ぐ、という算段がないと、井岡の転級は実現しない。
選手にコンディションの無理を強いて取った王座の権益を、また同じ発想で引き継ぐ。
何か、結局は全てのしわ寄せが選手のところに行くのか、と思えてなりません。

井岡一翔が、井岡弘樹の甥、最短世界奪取記録、二大王座統一という要素をもって勝ち取った
知名度や人気をもってしても、そういう構造は、やはり変わらんのだなぁ、と、ちょっと溜息です。

それにしても、宮崎亮がミニマム級ですかぁ...大丈夫なんですかねぇ。
タイトルマッチなら落ちる、落とせる、それがボクサーというものだ、という物言いもあるらしいですが。
さすがにどうかなぁ、と思いますね。

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防衛戦が近づいてきた佐藤洋太ですが、あの次男さんには無関心と。
まあ、毎度のことですが、目の前の試合そっちのけであの兄弟の名前を出す関係者がいるんですね。
というか、ジムの会長がそうだっていうんですから、呆れた話です。
もう、ほっときゃいいと思うんですが。国内外問わず、他にもっと良い相手いるでしょうに。

それに、今度の相手のこと考えたら、誰であれ、その次がどうなんて話、してる場合じゃないでしょう。
シルベスター・ロペス、最近改めて動画を探してみても、そんなに数がないんですが、
とりあえず08年の試合と、去年の試合
相手が弱くてよくわからんですが、良いタイミングと、打ち抜きの効いたパンチは、並みじゃないです。
ちょっとスローかな、上体立ってるから佐藤がジャブで叩いたら、その後どうなるのかな、とも思いますが。はてさて。

ところでこの選手のキャリアで一番の殊勲である、メキシコでオスカー・イバラに勝った試合を探してるんですが、
計量の様子のみで、肝心の試合の動画がありません。何なんでしょうかこれは...。

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井岡、八重樫戦に刺激を受けたと語る130ポンド級の両王者ですが、こんな記事

これは両陣営もこういう流れで行こうということになっているんでしょうかね。
もしそうなら素晴らしいことです。

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おまけ。

期待する声、って、誰の声やそれ。と、思わず訊きたくなりますね。

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