さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

悲喜の感情、共にあり 小國以載陥落、岩佐亮佑王座奪取

2017-09-14 05:22:07 | 小國以載



ということで昨夜は府立体育館にて観戦してきました。
まずはメインの感想。


試合前、予想はというと、やはり王座奪取の勢いがある小國かな、と漠然と思っていました。
岩佐が昨年の渡米試合をキャンセルされた後の、調整試合が今ひとつ冴えなかった印象もあり。

ただ、ひとつ気になっていたのは、小國の対サウスポー戦略でした。
知る限り、唯一の敗戦である和氣慎吾戦以外、サウスポーとの対戦が記憶になく、
何かと煙幕を張るのが好きな?小國の発言の中で「左が苦手」というのだけは、
嘘偽り無い言葉なのではないか(これが煙幕だと言える確証がない)と思えました。

和氣慎吾戦については、当時、観戦記を書いたことがあります。
サウスポーに対し、正面に位置して左ジャブ中心に突き崩すか、
左側に軸を移して右ストレートでリードし、左を返すか、という
ふたつのセオリー(大まかな分け方ですが)があるとするなら、
あの試合で小國がやったのは、このふたつを混同したような闘い方でした。

正面の位置取りでありながら、ジャブに徹さず、右ストレートを頻繁に出す。
遠回りの右はヒット率が悪く、当てようとすると無理に踏み込み、前に出ざるを得ない。
後ろ側の右肩を前に出して、身体を正対させてしまう回数が多くなる。

そこはサウスポーの左ストレートが、構えた位置から出せるヒットポイントであり、
右をリードに使うなら、そこから遠ざかる、左への移動が必須のはずです。

しかし小國は、立ち位置と、リードパンチの選択にギャップを抱えたまま、
和氣の左ストレートを再三浴びて、完敗を喫した。
あの試合については、そのような印象を持ちました。


そして昨夜の試合でも、小國はそれと同じ敗因で敗れた。
残念なことに、そういう印象を持たざるを得ない試合展開でした。

開始早々は、右から入るときに、左側へ踏み込むパンチが見られました。
しかし岩佐亮佑は、キャンバスの上を摺るような右足の踏み込みで、
小國の「前足」左足の位置取りを封じ、正対させる「セットアップ」を成功させました。

初回に一度、2回に二度、いずれも正面に位置する小國に対し、
岩佐は構えた位置から、最短距離を通る左を決めて、ダウンを奪いました。

小國が左に出ず、回らず、正面から、右から攻めるにせよ、
ファイタースタイルで接近戦が出来るならともかく、ストレートの距離で攻防が続く以上、
あの位置関係では、どうやってもサウスポー、岩佐の良いように試合展開が回る。

雑な言い方をすれば、あの位置関係が続く限り、岩佐は70~80%の力で闘えるが、
小國は120%の力を出しても、まだ互角かそれ以下の展開にしかならない。
その結果があの三度のダウンであり、その後の劣勢、そして敗北でした。



小國以載は試合前から、勝っても引退するかもしれない、と語っていたということです。
ボクサーの言う「引退」など、いちいち真に受けてたらキリが無い、といつもなら笑うところですが、
単に岩佐との相性、サウスポーへの苦手意識のみならず、彼自身のボクサーとしての心身に、
何らかの形で、限界を感じることが本当にあったのだろうな、と、試合後になって思います。

試合運び自体は、初黒星の試合をある程度再現するような部分があった、と感じ、
そこは非常に残念に思うところです。

しかし、劣勢の中、それこそ捨て身の勢いで、果敢に、懸命に、
愚直に打ちかかっていく姿もまた、あの和氣慎吾戦と同じでした。
スタイリッシュなボクサータイプ、口を開けば諧謔の言ばかり、という彼のキャラクターと同時に、
あの姿もまた、間違いなく彼の、もうひとつの真実なのでしょう。

岩佐亮佑という強敵、難敵との力関係は、試合前から彼を苦しめていたことでしょう。
彼はおそらく、そういうことを、何よりも敏感に、正確に読み取れてしまうタイプのボクサーだったろう、と。

しかし彼は、その現実から逃げず、策を捨てたかのように、真っ向から勝負をして、敗れました。
その現実の前に、傍目が何を賢しらに言いつのっても、仕方ないことなのだ、とも思っています。


これを書いている最中、小國以載が引退表明したと知りました。
サンボーホールで初めて彼の試合を見て以来、技巧派としての良さのみならず、
内に秘めた冷静さ、剛胆さに惹かれて、彼の試合を見続けてきました。
遠く赤穂の地に足を運び、移籍後はホールにお邪魔したこともあります。

今回、最後の闘いが、府立体育館の第一競技場となったわけですが、
その悲壮な敗北を見ることになってなお、やれることを全てやりきった小國以載の姿を、
直接見られて良かった、という気持ちです。


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岩佐亮佑については、これからまた、語ることがいくらでもあるでしょう。
彼は勝利により、その未来を手にしました。

小國の敗戦を残念に思うと同時に、彼の戴冠を喜ぶ気持ちもある。それが正直なところです。
臼井欽士郎戦の動画を見て以降、その逸材ぶりに驚嘆し、山中慎介戦の感動で、
彼には完全に魅了されてしまっていました。

しかし、良いときは徹底的に良い反面、減量苦から来る苦闘の数々もあり、
その振幅の激しさは、見ていて非常に心配な気持ちになったのも事実です。

スーパーバンタムへ転じるも、二度に渡るIBFイリミネーションの「お流れ」など、
何とも悲運な、気の毒な、と傍目が思う事態を経て実現した今回の挑戦は、
試合後本人が「長かった」と語るとおり、やっと決まった、という印象が強く、
この希なる逸材の「時」は過ぎ去ってしまっているのではないか、と思ったりもしました。

結果、彼はそうした悲観を吹き飛ばし、思うさまに自らの才を発揮し、勝利しました。
小國以載の闘い方が、彼を利した部分はあったにせよ、的を捉えられる機会を
ほぼ全てモノにして、左を決め続けたその技量と才能は、鮮烈なものでした。


今後は世界の強豪たちを相手に、王者としての闘いが待っています。
しかし今後を云々するより先に、喜びたいことがあります。

若くして、後のV12王者である山中慎介に挑み、敗れるという経験を経て、
その山中が陥落した後に、彼が王者となったわけですが、
国内で強敵相手との闘いから逃げなかった彼が、こうして報われたこと、です。

何かといえば、たらい回し、やり過ごしとしか見えない事例が横行する昨今ですが、
岩佐亮佑はそうしたやり口に手を染めず、遂にこの日に辿り着きました。
王座獲得という結果を受けて、そのことを改めて称え、拍手を送れることが、
ボクシングファンとして、大きな喜びです。そのことを、彼に感謝したいと思います。
新チャンピオン、岩佐亮佑、おめでとう!


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望外の完全勝利を生んだ冷静と胆力 小國以載、強打グスマンを下し戴冠

2017-01-02 16:15:02 | 小國以載



この試合が決まったとき、少しだけ記事も書きましたが、相性自体は悪くはないと思っていました。
ジョナタン・グスマンは和氣慎吾戦で強烈な印象を残しはしたものの、反則込みの勝利でもあり、
突出した強打はあるが、全体的に完成度が高いボクサーというと、まだそうとも言えない。

長身、リーチにまさる小國以載が、距離の差を生かして闘えば、
その上で過去の試合で見せた、序盤からダウンシーンを何度も生んだ長い右で先制し、
遠くからでも打てるボディブローを決められれば勝機はある...と書きかけて、
いくらなんでもこれだけ連ねると、予想じゃなくて願望だなぁ、と思い直したようなことです。
実際の試合が、こんな、何もかも良いように回るわけがない、やはりパワーの差が大きいし、と。


大晦日、大田区総合体育館で、同道した方のスマホにより結果を知りました。

TBSが当日、どういう番組を放送したのか、全てをチェックはしていませんが、
いわゆる例年通りの「スポーツバラエティ」を延々と流したあと、
9時過ぎから井岡一翔の試合を生中継し、その後にこの試合を録画で放送したようです。
えらく遅い時間の放送で、それは如何なものかと思ったものの、そのおかげもあって、
私は会場から戻ったホテルの部屋で、それを見ることが出来ました。
思った以上にクリアな勝ちでした。
もう少しグスマンの追い上げがあったのかと思っていましたが、採点以上の差が見えた試合でした。


序盤から、好調時の足の動きがあり、なおかつほどよく重心が降りた構え。

相手の身体の軸、正中線をインサイドから打てる長いジャブ、右ストレート。
ボディ攻撃は右ストレート、左アッパーを内外に打ち分け、またこれを、遠近両方で打てる。

好機の詰めがやや甘く、派手な連続攻撃はないが、打つべき手は打ち、下がるときは躊躇なく下がれる。
長身、リーチを利して懐深く、防御動作に無駄がない。

序盤に好打で先制、ないしはダウンを奪うなどでリードした試合展開の場合、
その優勢な状況を生かして、その後の試合を巧く運ぶ勝ちパターンを持っている。
総じて機を見るに敏、冷静。


これら、過去の試合で小國以載が見せてきた特徴が、最初から最後まで十全に出た試合でした。

見ていて、この大舞台で、これだけほぼ完全に自分の良さを出し切れるものか、と驚嘆しました。
試合運びは徹底的に冷静で、その闘いぶりは、見た目からは窺い知れない、
彼の「胆力」といったものに支えられているのでしょう。

しかし、思い返せば彼がOPBF王座を獲った時も、大橋弘政を攻略したロリ・ガスカ相手に、
当時ランク15位だった小國が勝つとは、少なくとも私は思っていませんでした。
彼はその時の驚きを、今度はIBFのタイトルマッチで再現してみせたわけです。

序盤から長い距離を構築し、望外のノックダウンを奪い、そのリードを次の展開に生かす。
グスマンの反撃を、ダウン奪取時にダメージを与えたボディ打ちで食い止め、断ち切る。
距離の違いを最大限に生かし、ジャブだけでは止まらなさそうなグスマンを、
時に右ストレートで狙い打ち、突き放し、リードを守って試合終了。
大まかな流れは、こうして振り返ると、丸ごとガスカ戦のそれを踏襲していました。

ガスカ戦との違いは終盤です。かつては終盤、失速する傾向もありました。
ところが今回は、終盤にもしっかりヒットを重ね、打ち込み、その追撃の流れで
またも強烈なボディ打ちを決め、グスマンを再度ダウンさせました。
レフェリーが不自然なほど酷い誤審をしましたが、あれは実質、KO勝ちだったと思います。
このあたりは明確に、成長した部分だと言えるでしょう。

ここに至るともう、改めて脱帽というか、お見それしました、という感じで、
見ていてとても嬉しい気持ちにさせてもらいました。


出来れば実際に、会場で彼の戴冠を見たかったという思いもありますが、
初防衛戦はどうあっても、そうさせていただくことにします。
その初防衛戦は、岩佐亮佑で決まりのはずなので、ちょっと複雑ですが楽しみですね。

小國の唯一の敗戦の相手、和氣慎吾と同じくサウスポーなのが、ちょっと気がかりですが、
自分の良さを確実に伸ばして、予想不利の試合を覆してきた小國ならば、
また我々を、大いに驚かせてくれるのかもしれません。

翌日会見はこんな感じだったそうです。
さっそく飛ばしてますね(笑)


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井岡一翔は、暫定王者スタンプ・キャットニワット18歳を7回TKO。
2回に、ヒットを取ったあとの「移動」を怠るポジショニングミスをしたところを打たれ、
ダウンしたのにはちょっと驚きでしたが、4回くらいから左で立て直し、断続的に連打で攻め、
7回にボディ攻撃でフィニッシュしました。

ついに実現、夢の対決、統一戦...というような試合では全然なかったですが、
それでも闘志に溢れる若い挑戦者を、ダウン以外は問題なく退けた井岡一翔の実力は、
一流王者や上位が次々と転級し、大げさに言えば過疎状態にあるフライ級においては
高く評価されるべきものだと、改めて示した一戦でした。

しかし、まあ「いつもの感じ」ではありましたね、良くも悪くも。
距離が長いとか、抜群に速いとか巧いとかでもない、
井岡一翔のコントロール出来る範囲内に収まる相手を、今回も慎重に選んだのだなぁ、と。
もちろん、その目論見通りに勝つ技量は、一定の水準において、大したものではあるんですけど。

名のある王者がいなくなって、翌日会見では毎度の通り、あれこれ言ってはりますが、
記者の皆さんもええ加減飽きてはるんやないですかね、と思ったりもします。
こういう緩い状況になるまで、耐えて忍んで艱難辛苦...ってな現象は、
何も井岡一翔の周りに限った話でもないですが。

とりあえずはドニー・ニエテスの奮戦によって、伝統階級たるフライ級が、
少しでも従来のレベルに近づくことを、ボクシングファンとしては願うしかないですね。


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「語るべき明日」を勝ち取った 小國以載、移籍後初の戴冠 強敵石本康隆を下す

2014-12-07 11:38:24 | 小國以載


昨夜は後楽園ホールにて「トリプルメイン」とも言うべき興行を見てきました。
言うべき、というかリングアナの方がそう言ってました。
最後の3試合合計で32ラウンズ、しかも全部KOよりは判定、競った内容になるだろうと
見込まれるカードが並び、全試合終了は10時を大きく過ぎていました。

野球のシーズンもとうに終わっているのに、G+は何故この試合を生中継しないのか、
小國や丸木和也の試合を見ようという地方のファンを釣るためか(私もきっちり釣られました)、
とか思ったりもしたんですが、ひょっとしたら10時までに終わりそうにないから、
という理由だったのかも知れませんね。もしそうなら、ある意味見事なプロの見切りですが...。


まあそんな話はどうでもよく、3試合共になかなか見応えのある内容で、
ホールはそれぞれに盛り上がっていました。
場内は原隆二vs田中恒成よりもさらに盛況、空席もほぼ見あたらず。
自由席は南側後方の左右にほんの少しずつだけ、あとは全部指定という割り振りでした。



そういう盛り上がりのホールにおいて、小國以載は移籍以降初のタイトルマッチを闘いました。

相手は世界ランカーとしてマカオのリングで一勝一敗、日本上位の確かな力を持ち、
国際的な試合の経験も持つ技巧派のベテラン、石本康隆。
和氣慎吾に敗れて以降、移籍を経て再起を期した小國にとり、ひとつの決算となる試合です。


試合は昨夜速報したとおりの接戦となりました。
バスケス・ジュニアを破って手にした世界ランクを手に、世界挑戦権を賭けた一戦で
強豪クリス・アバロス(強いです)に敗れて以来の再起戦となる石本は、
捲土重来を期す決意が表情にも出ていて、思った以上に果敢に攻めてきました。

初回から果敢に先手で打っていく。小國が落ち着いて構え、リターンを決めると、
2回からはさらに構えを締め、姿勢を低くして攻め上げる形に。
小國も得意の左ボディアッパーを軸に迎撃。攻勢で石本、正確さと多彩さで小國という流れ。


小國は過去の試合でも見せていた、身体の締めと回転を生かした打ち方で、
相手の身体の軸を最短距離で無理なく打てる良さが生きていました。
その上コンビの組み合わせも多彩で、左ボディと右アッパー(上)をコンビで打ったり、
相手のインサイドを右で打ち抜いたり、良い形の好打が目につきました。

しかし対する石本も、打たれても怯まず、右の好打を重ね、攻勢を取り続けました。
小國は一打で相手をダウンさせる(けどKOはならず判定)試合も多い選手ですが、
この一戦に賭ける石本の闘志の前に、決定打を奪えず、終盤は手数で劣る回もあり。


一進一退の、中身の濃い攻防が続きましたが、多彩なパンチを散らし、
正確にヒットを重ねた小國が、僅差ながら勝利しました。
私の少し辛めの採点はドローになっていましたが、印象としては納得の判定でした。


さて、国内にも強いライバルが多数存在するクラスですが、石本康隆に勝ったことは
まずは大きな星だと言えそうです。

和氣慎吾との再戦については、実現性がどうなのか不明ですが、もし実現したら、
今回以上の好カードであり、大きな試練でもありましょう。
前回の対戦におけるワンサイドの「大敗」について、どう省みて闘うかにも注目です。



しかし何よりも、小國は二度目のタイトルを獲得することによって、闘うべき「次」の試合、
語るべき未来への道筋を手にしたわけです。大橋、芹江に勝ち、和氣に負け、
今また石本を下した小國以載の存在は、充実したこのクラスの国内シーンにおいても
中心のひとりとして認められるべきものでしょう。

相変わらずの巧さ、素養の良さと、僅かながら残る課題をもって、
彼が勝ち取った「今後」をどう闘っていくのか。
その姿をこれからも追い、見ていきたいものです。


まあ、硬いことはおいて、ひとまず移籍後初の戴冠、小國以載、おめでとう!(^^)!


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トリプルメインのあと二試合は、これまた見どころ十分でした。

正直なところを言いますが、関西依怙贔屓で売っている私としては、
小國が移籍後初タイトルを手にし、それが強敵石本に競り勝ったものである時点で、
すっかり満足してしまっていて、そのあとにこんな「濃い」のを二試合も見ると、
いやもうおなかいっぱいです、もう食べられません、という感じでした(^^;)


柴田明雄と淵上誠の一戦は、これも速報したとおりの壮絶な展開でした。
ジャブを出しまくり、ボディを攻める淵上に、単発ながらヒット率の高い右で柴田が対抗。
淵上が攻勢かと見えたら柴田が打ち込み、また淵上が...柴田が...という展開の末、
11回にとうとう帰趨が見え、ラストで柴田がTKO勝ちでした。

荒川仁人と加藤善孝のラバーマッチは、加藤の勝利。
右リードをどんどん当てる加藤に対し、荒川は右サイドへの移動を増やして
その力を削ぐ動きを見せていて、この辺は巧いなと思ったのですがそれが長続きせず。
米国での二戦で、激戦の末評価を高めた荒川ですが、気力、体力は知らず、
技巧の面で少し、退化とまで言わずとも、思うに任せぬ部分があるのかな、という印象。
加藤の右に終始苦しめられていて、終盤反撃もありましたが、敗れました。

加藤は国際的なレベルの試合ではどうかわからないですが、対荒川に関して言えば、
非常に研究していたでしょうし、集中も高いレベルにありました。
中谷正義への雪辱戦や、その先の試合が楽しみです。


ということで、今年の「ホール納め」は楽しく終了でした。
えらい表現もあるものですが...(^^;)

もっとも、年末また観戦予定が立て込んでいて「拳闘納め」はまだ先です(笑)
我ながらようやるわ、という感じです、ハイ。

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「品質」は維持されていた 小國以載、移籍後初勝利

2013-10-06 16:46:44 | 小國以載


昨夜はG+で生中継、無料放送だったこともあり、多くの方が試合を見られたのではないでしょうか。

小國以載、角海老宝石ジムへの移籍後初戦に判定勝ち。
相手は日本4位の岩崎悠輝という、上昇中の上位ランカーでしたが、内容的にはクリアな勝利でした。

身体の軸をしっかり決め、回転力をインサイドからの打ち出しに生かし、
無駄な動きを排したスタイリッシュな小國のボクシングは、
移籍初戦においても、基本的には崩れておらず、以前の良さがそのまま見られました。

正確なジャブ、相手の身体の芯を鋭く叩く右、空いたとこをすぐ打てる左ボディブロー。
基本的にはボクサータイプでありながら、無駄に動かず、時には足を止めての攻防にも応じ、
これらのパンチを要所で決め、防御の堅さでも岩崎を上回っていました。

OPBF王者和氣、日本王者大竹、元王者芹江らの上位グループに迫る位置にいる岩崎に
再起初戦でクリアに勝ったことと、ボクシングの質が維持されているところを見せたこと、
この二点において、上出来の再起戦だったように思います。

ただ、昨夜の試合は終始、相手と正対しての攻防に終始したのも事実です。
ヒット・アンド・カバーの応酬で、日本ランカークラス相手なら
小國はたいていの選手に打ち勝つでしょうが、それだけで収まらない場合は?と
いう疑問も残りました。

かつてOPBF王座を奪取したロリ・ガスカ戦では、適時、サイドに出て、
後ろ足のキックで切り返しての右クロスなどを打っていましたが、
そうした相手の力のベクトルを外すような動きはほとんどなし。

敢えてそういう戦い方を選んだ部分もあるのかもしれませんが、
一度敗れた和氣戦で、左側にバランスを置かずに正面に立って打たれたことや、
今後行われるかもしれない馬力のある大竹への挑戦、または和氣、芹江との再戦、
そういったことを考え合わせると、その一点だけは、やはり気がかりです。

まあ、すぐ次の試合がタイトルマッチということにもならないでしょうが、
次の試合では、そのあたりにも、少しずつ目に見えた改良の跡を見たいな、と思った次第です。

しかし総じて、小國のスタイリッシュなボクシングがしっかり生きていたことに、まずは満足です。
上位陣とのカードはどれをとっても面白くなりそうですね。
もしTVの生中継がないカードだったら、またホールにお邪魔せねばならんか、と
今から楽しみにしておる次第です(^^)


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ついでに、今朝のヘビー級タイトルマッチも生中継...と思ったら、
現地の都合でちょっとずれて、ディレイになったのやそうですね。

で、最近、早起きが習慣になっているので、見るのに苦はなかったんですが、
試合内容は本当にもう...あれを「自らの体格を生かしたクレバーな闘い」と見るほど
私は出来のいいボクシングマニアじゃありませず、ひたすら呆れておりました。

同感してくれる方がどの程度いるのかいないのかわかりませんが、
あんなのが「世界ヘビー級チャンピオン」とは、世も末やな、というところです。

自分が打ったら最後、組み打ち&のしかかりを防御の代用にして、我が身の安全を図る。
自分のほうが図体がでかくて強いのに、常に相手より先にイモ引いてしまう。
細かいことをいう以前に、パッと見て、べたべたしてて見苦しい。絵面が悪過ぎる。

この無様なウクライナ人の「保身ボクシング」を、我々はあと何試合分、やり過ごさねばならんのかね、と
今後についてはそんなことしか思いませんでした。本当に気が重いです。
相手のポベトキンは、なかなか良い選手で、それだけが救いでした。




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右ストレート、空転す 小國以載、まさかの大敗

2013-03-10 21:45:47 | 小國以載

小國以載、まさかの完敗、大敗でした。
その原因は、対サウスポー対策の選択ミス、という印象でした。


王者、小國以載は、立ち上がりから右ストレートをリードに使いましたが、
小國以上の長身、リーチ、懐の深さを持つ挑戦者のサウスポー、和氣慎吾を捉えられず。
正面から右リードで入るが届かず、返しの左フックも角度が甘い。

和氣は初回から、小國を左腕の正面に捉え、低めの構えから出す左をヒット。
2回には攻めてきた小國に左を決めて、ダウンを奪う。

小國は5回に角度の良いボディブローを再三決めて和氣を下がらせた以外は、
和氣が繰り出す左を打たれ続け、8回あたりからは猛攻されて、いつ止められるかという状況。
10回終了後、とうとう陣営が棄権を申し出て、TKOで和氣が新王者となりました。
見ていて、全ラウンド、採点を迷うことのない、和氣の完勝でした。
私は5回以外全部和氣でした。


小國は、これまでの試合ぶりからは信じられないほど、良いところなく敗れました。
相手を止める左ジャブはほとんど出せず、毎試合相手をダウンさせてきた右は悉く届かず。
相手の身体を直角に捉えるボディ攻撃も、5回以外はほとんど奏功せず。
サウスポーの和氣が左をすんなり出せる位置から、届かない右を伸ばしては打たれる、の繰り返しで、
コーナーが棄権の意思表示をしたときは、悔しいよりも安堵した、というのが正直なところでした。


初回、小國を上回る長身、リーチを持つ和氣に、小國が右から入っては空転するのを見たとき
「あの立ち位置から右ストレートをリードに使っても当たらない。あそこから当たるのは左ジャブのリードだ」と
真っ先に思いました。

小國の立ち位置は、和氣のほぼ正面にあり、対する和氣は身体を右半分、外に出していて、
低めに構えた左を最短距離で当てられる位置関係になっていました。
あの位置から小國が右を打っても遠回りになる、もし右から入りたいなら、もう少し左側に位置しないと、
右リードから左の返しという展開には成り得ない。

サウスポー相手に正面から踏み込んで左ジャブを槍衾のように繰り出して行く、
往年のクロンク・ジム勢、ハーンズ、マクローリー、ケンティらのような、
長身のボクサータイプによるサウスポー対策を採るのなら、あの立ち位置でも良かったと思います。
しかし実際には、小國は左ジャブをほとんど出さず、右から入るパターンでした。
このギャップ、選択ミスが非常に大きかった、というのが、今日の試合の印象です。


と、技術的なことを気にかけてばかりいたら、小國自身がブログで引退表明した、とのことです。
確かに完敗でしたが、それでも黙々と相手に迫り、挽回を図って懸命に闘い続ける姿には
率直に言って感銘を受けたところでしたので、驚かされました。

ただ、ボクシングを漫然と見ているだけの我が身と違い、我が事として一試合一試合に
自己実現の全てを賭けて闘うボクサーの心に、いつ、どの試合が、消しようの無い爪痕の残すのかは、
結局のところ、傍目には全くわからないものではあります。
またいずれ、心が変わることだってあるのかも知れません。

苦しい試合展開の中、若き王者は苦境を覆そうと、必死に闘っていました。
とにかく今は休養が必要な時です。それだけは確かです。


新王者の和氣慎吾は、その戦績以上の実力者で、黒星も強敵相手の、濃密な試合の末のものだった、と
あちこちから聞いてはいましたが、その黒星をも糧にした、自身のボクシングの到達点を、
敵地神戸のリングで見せてくれたのではないか。初めて見る者の目には、そのように映りました。
好スタートの序盤を経て、5回は小國のボディ攻撃に劣勢となるも、その次、6回から奮起し、
小國追撃の流れをきっちりと断ったあたりも、この一戦に賭ける気合いの現れだったでしょう。

やや接近戦に持ち込まれる展開に弱いかな、動きが激しい分、ペース配分に課題があるのかな、と
序盤のうちは思っていましたが、中盤以降、アドバンテージをきっちり生かして勝利につなげたわけで、
そういう懸念も、あまり必要ないのかもしれません。
今後が楽しみな新チャンピオンでした。上位に多士済々なクラスですし、要注目ですね。






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まずは見事な返り討ち、と見たのですが...小國以載、V3

2012-11-19 05:38:23 | 小國以載
ということで昨日は神戸サンボーホールにて、立ち見修行観戦。
小國以載vsロリ・ガスカの再戦を見てきました。


前回と完全に立場が入れ替わったわけですが、それは試合内容にも如実に反映されていました。
初回からガスカは前回以上の気合いで、身体ごと叩き付けるような左右のフックで攻めてきましたが、
小國は足使うのかと思いきや、さほど動かず、脇をしっかり絞ったガード、ブロッキングを駆使して、
ガスカの有効打をほとんど許さず、しっかり受けて、防いでは、左のボディブローを中心に、
的確なパンチを要所で決めて、ガスカを撥ね付けるような闘い方を採りました。

基本的にこの構図のまま、試合は最初から最後まで続きました。
そして、小國が少し疲れて手控えたか、手数が落ちた回が僅かにあり、
それをガスカの攻勢として採れば、ガスカに振れた回がいくつかはある、という見方が、
公式採点における116-112、116-114、というスコアになったのでしょう
(フィリピン人ジャッジのガスカ勝利の採点は、もはや異次元の域にあるので、論外とします)。

しかし私は、ガスカに思い切り甘くつけても117-110、小國でした。
以下、簡単にメモから拾い読み。


初回、ガスカ果敢に攻める。最初は柔らかく膝を使って、下から攻め上げてくる形。
小國右アッパー、左ボディ、正確に決まる。

(※今日の報道では、ガスカの左フックが少し効いて、足を止めざるを得なかった、
という小國のコメントが出ていますね。確かに好打はいくつかありましたが、
そこまでのダメージ、弱味を見せずに、小國はすぐに打ち返していたように見えました)

2回、接近戦でガスカ攻める。小國ガードでほとんど防ぐ。
小國左のボディ打ち連発。角度が良いから効く。ガスカ早くも気圧されて後退する場面も。
3回、小國右ボディストレートも交え、ボディ攻撃。ガスカ、思うように前に出られない。
ふと気づけば、早々にガスカの膝の動きから、柔らかさが消えている。

4回、ガスカがまたラッシュ。小國、少し動いた方がと思うがガード、ブロックして反撃。
ガスカはひとしきり攻めては小國に正確な反撃をされて下がる、の繰り返し。

途中採点。パンチの精度に確かな差があると見えたが、ガスカにフルマークの採点をしたアホが一人。
あとは39-38、39-37で小國。これとて辛いな、と思いますが、その辺は後述します。

5回、小國の右ボディストレートが入って、ガスカの足が少しよれる。
小國、ジャブ中心に突き放す。ガスカ、攻め手がなくなり手詰まり状態。
6回、小國の左ボディはほとんどジャブ並の頻度でヒット。ジャブ、ダイレクトライト。
小國がコントロールし続ける。

7回、ガスカが足を使い、その上で果敢に攻める。小國少し手数が減るが、正確さでまさる。
8回、ガスカ懸命の攻撃。手詰まり状態から半ば捨て身で盛り返そうとする。
小國左フック好打するが、全体を見てガスカの攻勢か。

途中採点。フィリピン人ジャッジが77-75でガスカ支持。序盤の勢い、まだ死なず。
後は78-76、79-74で小國。

9回、圧倒的にヒット数でまさる小國、そろそろ山場が欲しいが、ガスカはタフ。
果敢に攻める。しかしオープンブローが目立つ。
小國はボディ、長い右を見せる。
10回、ガスカに減点1。序盤からひどかったオープンブローが原因か、と思ったら、
ラウンド終了後にバッティングによる、とアナウンス。
攻めるガスカに小國はジャブ、ボディ。

11回、ガスカはひたすら手数を出す。小國疲れたか、手数が減る。この回はガスカ。
12回、ガスカ攻めるが小國はジャブ、右、浅いが当てる。



私はガスカに甘くつけて4R、8R、そして11Rを与えて、それ以外全部小國と見ました。
117-110、です。普通につけたら118-109、或いは119-108です。
しかし公式採点は、114-113ガスカ勝利というのはは論外として、
日本と韓国のジャッジが、116-112、116-114と、思った以上に
ガスカの攻勢点を取っていたようです。

このあたり、途中採点のところで触れましたが、リングサイドの近い位置から見ると、
ガスカが前に出る攻勢の迫力が強く印象に残る反面、
少し離れた位置の視点から見える、ガスカの攻勢がほどんど小國の腕の上でバウンドし、
なおかつ小國の反撃で、ガスカが時に気圧され、時に撥ね付けられるように見える後退が、
あまり視認できなかったのではないか、という気がしました。
TV画面で言えば、アップ続きの画面と、引いた画面の違いというか。
小國のボクシングは、必ずしもアップ続きで見て、映えるものではない部分があるように思いました。

前王者との再戦という、カードとしてはやや地味な展開と、
スコアの数字などを見ると、何か小國が冴えない試合をしたような印象かも知れませんが、
私は全然印象が違っていて、小國は前回の試合とは立場を入れ替えた再戦で、
果敢に攻めてきた前王者ガスカをきっちり撥ね付け、一年の間に開いた両者の実力差を
そのまま試合に出した、堂々たる返り討ちに見えました。

一度闘った相手との再戦において、こういうクリアな勝利(と見えた内容でしたが)を
収めた小國以載は、やはりその実力を確かなものにしつつあり、その過程における一試合として
私はこの日もまた、小國のボクシングは良かった、と見ます。


ただ、気になったのは、ガスカとの力量差を感じたのか、終始、ガード、ブロック主体の防御で
闘い続けたのは、競った採点を招いた要因だったかな、ということです。

受けて立てる、防いで見せる、撥ね付けられる、という自信があったからこその選択でしょうし、
私もその選択は間違いではなく、八割方以上は小國の思惑通りに行って、
試合も勝ったわけだから、批判をするにはあたらないのですが、あんな数字が出ると...。

今後、相手のレベルがさらに上がったとき、こういう防御が採点上、不利になる可能性がある、
という一点において、小國にとり貴重な経験としてほしい、そういう部分もあった試合でした。




昨日は、メインはもとより、前座も充実した内容でした。
この日、メインのガスカ含め、3人のフィリピン人ボクサーが出ましたが、
いずれもフィリピンの大富豪アルデゲール氏率いる「ALAジム」所属選手だったそうで、
これが皆、それぞれレベルは違えど、皆が皆、マジ、マジ、大マジの本気さん。
かつて関西のボクシングファンを度々感動させた「HonmamoN」興行の記憶が
チラッと甦ってきたりなんかしました。

森川真一郎は、自分よりやや大柄なジェッカー・ブハウィ(比国SF級12位だそうです)に
苦戦の末、最終8回に右をテンプル付近に決められダウン、立ったがもう無理で、追撃されTKO負け。

福原寛人はOPBFフェザー級6位、20勝1敗というロベルト・ゴンサレスと緊迫の闘い。
じっくり構えて、重いパンチを厳しい狙いで振ってくるゴンサレスに、
さすがの福原もおいそれとは攻め込めない。
これはなかなか厳しい試合やなぁと思った3回、打ち合いになるかと見えた直後、
福原が相打ち気味のタイミングで右のカウンターパンチ一撃。
見事に決まってテンカウント。さすが福原、役者です。
相手が強かった分、さらに価値ある勝利と見えました。

セミセミにはVADYジムの二番手(で、いいのですかね)西谷和宏が、
歴戦の雄、岩下幸右に判定勝ち。新鋭vsベテランの一戦は新鋭が制しました。



と、試合内容はどれも良かったんですけど、やはりこの会場の興行は、
毎度毎度、料金設定が厳しいので、立ち見になってしまい、非常に疲れます。
その上、前座試合がKOで終わっても、すぐ次の試合をやらずに、
合間になんだかだと催し物があって、でもボクシング見に来てるこちらには、
悪いですが何の需要もないものばかり。かなわんなー、の一語です。

例えば、こんな芸人さんを呼んで、それこそ思う存分に持ちネタをやってもらうとかなら、
私なんかはものすごく嬉しいし、疲れも吹き飛ぶんですけどねー。
どないなもんでしょうかね。

まあ、それこそ一般のお客さんからすれば「需要がないわい!」と
お叱りを受けてしまうのやもしれませんが。難しいとこですね(^^;)



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みたび成長を見た 小國以載、完勝

2012-07-14 23:13:26 | 小國以載
ただいま播州赤穂からの帰途、これを書いております。
注目の小國以載vs芹江匡晋戦は、小國の見事な勝利となりました。

はるばる訪れた播州赤穂のハーモニーホール、長袖着てくりゃ良かったな、というくらい
冷房が良く効いた会場でしたが、メインは序盤から火が付きました。燃えました(^^)


日本王座を返上して、敵地赤穂に乗り込んできた芹江匡晋は、ゴングが鳴ると同時に飛び込んで左。
左を下げて右は高く掲げる独特の構えで、小國以載を威圧しにかかります。
初回は芹江の右クロスがクリーンヒット。小國は手数少なく、様子見でした。

今思うに、この初回を自分のペースで終えたことが、芹江の隙を生んだのでしょうか。
2回、ボディを攻める芹江に対し、小國の右がクリーンヒット、芹江がロープ際に倒れます。
ガスカ、大橋に続き、またもタイトルマッチで王者クラスから奪った見事なノックダウン。
場内の小國、芹江両者の応援団が、突然訪れた衝撃のシーンに騒然となるなか、
立ち上がった芹江ですが、見るからにダメージ甚大。小國の追撃はやや正確さに欠けるも、ストップ寸前。

ところが芹江、ここで驚異的な粘り。攻めてくる小國に対し逃げずに踏み込み、右をヒット。
小國が一瞬止まり、また場内騒然、芹江の右がまた決まり、逆転のダウンか!とさらに騒然。
しかし小國、ここで左のアッパーをボディに突き刺し、ピンチ脱出。ゴングが鳴り、この回終了。

ポイントを小國の10-8にするか、10-9にするかはともかくとして、
両者の状態はイーブン、試合がどちらに傾くかはわからないと見えましたが、
ここで小國が踏ん張りました。


3回は芹江がやや押しましたが、4回から目に見えて、小國の左ジャブ上下が頻繁に決まり、
フットワークも冴えるようになります(途中採点は39-36、39-37、40-36)。
芹江は身体ごと飛び込んでラフなパンチを狙いますが大半をガードされ、外され、
5回は小國をロープに押し込んで攻め込んだものの、打ち終わりに左フックを合わされ、
試合の趨勢をほぼ決める二度目のダウンを喫します。

中盤は小國の左アッパーが芹江のボディを完全に捉え、8回終了時点での途中採点は
79-72×2、78-72の3-0で小國大差のリード。


ここから小國の課題である終盤に突入。9回やや小國疲れたか?と見える。
10回芹江が押し込んで揉み合いに持ち込むも、小國押し負けずに左ボディを連発。
芹江は逆に打ち負け、押し負け、離れたあと小國の構えに威圧されたように後退するような場面も。
私はここで完全に「逆転は無い」と確信しました。

ラスト二つは場内の大歓声に乗って両者打ち合い。しかし芹江は単発のヒットを取っても
小國のジャブ、左ボディ、ショートアッパーを浴びて失点を重ね、試合終了。
終わってみれば、小國の完勝でした。

判定は117-110、118-110、118-109の3-0。
ついでに私の採点は117-109でした。


思えば昨年、ロリ・ガスカに勝つまでの小國以載は、日本ランクにすら入っていない若手でした。
言う人に言わせれば、ガスカ攻略の金星すら「日本ランクに入っていない選手が勝てた試合、でしょう」
という厳しい見解があったほどです。
それがガスカに続いて、中部の激闘王大橋弘政を下し、そのすぐ次に、芹江匡晋を破ったわけです。
確かに昨年のガスカ戦観戦記に、小國以載は思った以上の器かも知れないと書きはしましたが、
いくらなんでもここまでは想像していませんでした。またも嬉しい驚きを小國以載から貰いました。

2回に芹江を倒した右の切れ味。逆襲を受けたあとの反発力。
芹江の強引な攻めに対するリターンの厳しさ。左ジャブ、左アッパーによるボディ攻撃の精度。
5回、ロープを背負って芹江に「やらせて」おいて決めた左フックの鮮やかさ。
課題だった終盤の失速、それによる失点を最小限に抑えた、心身のタフネス。
終始堅牢だったガード、ブロッキング。要所で巧みに芹江を空転させたフットワーク。

全てにおいて、小國以載は確実な成長を見せてくれました。
ほどよく重心が降りていて、打てば強く、足を使えば無駄のないそのバランスひとつ取っても、
試合を見るたびに安定感が出てきています。みたび、その成長に目を見張らされました。

もう彼の王者としての存在価値に疑問を持たれることはなくなるでしょう。
そして、ひとつ階段を上った若き王者には、さらなる期待と、それにまつわる試練が待っています。
小國以載の今後に、大いに注目ですね(^^)



敗れた王者、芹江匡晋にとっては、厳しい敗戦となりました。
相手を変則的な構えと、身体ごと叩き付ける強打で威圧し、制圧する彼のスタイルは、
この日、小國以載に真っ向から打ち崩され、破壊されました。その末の敗北でした。


私は過去に何度かこの選手について、否定的見解を述べてきました。
ガードを上下に開けて構え、相手を誘い、同時に威嚇し、身体ごと飛ぶように打ちかかる。
ラビットパンチも厭わぬ、オープンブローの多い攻撃。
ミスをしたら相手に絡みつき、対処に困ったら頭を下げて横を向き、ブレイクを待つ。
相手の身体を振り回したり、上からのしかかって体力を消耗させる。
こうしたルール逸脱行為を重ねる選手と、それを許容するレフェリングへの嫌悪は、
私が抱く日本のボクシング界に対する、数ある苛立ちの中でも、もっとも大きなもののひとつです。

しかし、2回に喫したダウンのあとに見せた、驚異的な反撃、それを支えた闘志には、
彼が積み重ねた日々の鍛錬、戦士としての矜持が感じられました。
他の選手なら、2回にたやすくフィニッシュされていても、何の不思議もなかったはずです。
結果として、小國は芹江の粘り強さのおかげで、序盤ストップ勝ちで終わっていたら獲得出来なかったかもしれない
価値ある試練をフルラウンドに渡って闘い、乗り越えることができた。

この一戦を経て、小國がさらに飛躍するとしたら、それは芹江匡晋が彼の闘いを
最後までまっとうしたから、ということに尽きます。
彼は小國に完敗を喫したが、けっして楽勝は許さなかった。
その一点において、私は芹江匡晋の闘いを、立派だったと称えたいと思います。

すでに芹江が日本王座を返上しているという話は、事実としてそうなのでしょうが、
それはおいといて、また「王者同士」の素晴らしい闘いを見てきました。


播州赤穂は果てなく遠く、でも帰り道はあっという間だったような気がします。
良い試合に当たると、そういうもんなんですよ、ええ(^^)



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「良き素養」を見てきました

2012-03-18 21:36:43 | 小國以載
ただいま愛知県は刈谷からの帰途、この文章を書いております。
今日は中部ボクシングファンの皆様方にとり、同日にふたつのOPBFタイトルマッチが
ほぼ同時刻に別会場で開催されるという、嬉しくも辛い一日でしたが(笑)
関西ボクシング原理主義で売っている私は、当然刈谷の方へお邪魔しました。

OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ、若き王者小國以載(おぐに ゆきのり)が
不屈の闘志で勇名を轟かせる元王者大橋弘政と初防衛戦を闘ったわけですが、
試合内容は誤字脱字ご愛敬で速報しました通り、小國が9回負傷判定勝ちで防衛成功でした。

後日スカイAで放送されますけど、会場で見た印象としては、
こと小國と大橋の間においては、明確に新旧交代となった一戦でありました。


序盤から低い姿勢で出た大橋ですが、小國はほどよく重心が降り、なおかつ無理なくステップを切れる
バランスの良い構えで大橋を迎え撃ち、初回半ばに右一発で大橋をダウンさせます。
立った大橋に小國が右ストレート、左フック、アッパー上下を決め、
これ以上ない好スタート。初防衛戦とは思えない水際だった立ち上がりでした。

2回から大橋も接近戦に持ち込もうとするが、小國は大橋の出鼻にジャブを散らし、
時に探り、叩き、突き放しと自在にコントロール。
時折鋭い右、左ボディーアッパーを正確に決め、中盤までほぼワンサイドの展開。
大橋は序盤悪くても終盤盛り返すから、という次元の期待をすべきではない、と思うほどに、
小國が大橋の攻勢の芽をことごとく摘み取っては打ち込む、という試合内容でした。

7回になり、大橋が文字通り、捨て身の猛攻を仕掛けます。
両者肩をぶつけあって、接近戦でショートパンチの応酬となり、これは大橋にとって
自分の力を一番出せる展開のはずなんですが、ここでも小國の左アッパーを中心にした
正確なショートパンチが優っているように、私には見えました。
8回はやや小國の手数が減りましたが、小國が逆転を許すような展開ではなく、
試合は9回へ。ここで少し打ち合ったあと、7回にバッティングで切った小國に
ドクターチェックが入り試合終了。負傷判定、3-0で小國勝利となりました。


全体的な印象としては、上記の通り新旧交代の一戦というところです。
小國は王座奪取のロリ・ガスカ戦で、負傷を抱えて闘っていたという話が本当だったのだ、と
改めて思わされるほど、パンチが切れて正確で、要所で見せる緩急の切り替えも見事でした。
まだ8戦目の選手とは思えないほどの、落ち着き払った試合ぶりにも驚きでした。

今回は試合が途中で切れたので、大橋のような、不利な展開の終盤において
理屈を越えた強さ、しぶとさを発揮する相手に、終盤のスタミナが試されなかったですが、
今後はそのあたり、より密度の濃い12ラウンズを闘う体力、集中力を証明しなければならないでしょう。
また、序盤にダウンを奪う有利な展開を利用しての冷静な迎え撃ちは見事でしたが、
こういう好機をより早く、確実にフィニッシュへと繋げる攻撃力も求められるでしょう。

しかし繰り返しですが8戦目で、この相手にこの内容での勝利は、充分立派、合格、と見ます。
会場には日本王者芹江の姿も見えましたが(見間違いだったらごめんなさい...)、
現段階で、後楽園ホールにて芹江をクリアにポイントアウト出来るとは思いませんが、
長身と長いリーチを生かし、常に冷静で、急きもせず怯みもせず、
距離の長短によって打つパンチの選択を間違えない、という長所を、
わずか8戦目のリングにおいて、しっかりと発揮して闘った小國は、
いずれそういうレベルに達するだろうと期待できる、良い「素養」を
たくさん持っている期待の若手である、と確認出来ました。
そういう基準において、今日の小國以載が見せてくれたボクシングは、
会場で直に見ておいて良かった、という満足感のあるものでした。


大橋弘政にとり、この試合の終わり方は無念の一語でしょうが、
序盤のダウンと、それ以降も続いた劣勢による大量失点はあまりに大きく、
終盤以降の反撃など、期待していいものかどうか、と迷う内容でした。
残念ながら、新旧交代の時が来た、ということなのでしょう。

試合後、大橋が無念を押し隠して小國を笑顔で祝福する姿は、
多くの声援を集めた戦士ならではの潔さで、見ていて清々しい気持ちになりました。
私も以前、頻繁に名古屋にお邪魔していた頃、彼の試合をいくつか見て、
その中には、直に会場に来ないと見られない、鮮烈な記憶として焼き付いたものがあります。
今日もまた、彼は大橋弘政として十分に良く闘ってくれました。
ひとまず、お疲れ様でした、と言わせてもらいたい気持ちです。

=======================================

ちなみにOPBFバンタム級の方は、ロリー松下が初回KO勝ちで防衛。
ニューヨーク遠征のチャーリー太田は7回TKO勝ちだったそうですね。
今日はボクシングファンにとり、なかなか良い一日でした、ということで取り急ぎ。

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予想外の堅陣、小國以載王座奪取

2011-11-03 20:16:35 | 小國以載
神戸サンボーホールにて観戦してきました。

OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ、
ロリ・ガスカvs小國以載(おぐにゆきのり、と読みます)は、
僅か7戦目の挑戦者小國が二度のダウンを奪ってクリアな3-0判定勝ち。
15位の挑戦者がまさかの王座奪取を成し遂げました。

当ブログでも動画紹介したり、コメント欄でも質問いただいたりと
関西リング注目の若手だった小國ですが、私はスカイA放送の試合を
ひとつかふたつ見ただけで、正直言って、今すぐ何らかのタイトルに挑み、
王座奪取を成し遂げる段階の選手だとは思っていませんでした。

長身、リーチに恵まれ、筋の良いアウトボクシングをしますが、
経験不足、線が細い、という、いかにもな不安を感じましたし、
相手は初防衛戦とは言え、あの大橋弘政とフルラウンド闘って競り勝った王者です。
小國には厳しい試合だけど、これも後々のために良い経験になればなぁ、と
こうして書くと我ながら冷たい心境で試合を見ていました。
結果として、とんでもない見当違いでした。


初回、低い姿勢から伸び上がるように左を突くガスカ。
小國は立ち上がり見ていましたが、徐々に長いジャブ、右のボディストレート。
2回、セコンドのVADYジム高嶋会長から「(立ち位置を)右へ」と指示が飛ぶ。
ガスカの左も来るが、それをガードしてジャブ、右。
3~4回、ガスカの左フック、小國のジャブ、逆ワンツーの応酬。
打ち合いではガスカの叩き付けるようなフックの連打が怖いが、
距離が空くと小國のストレートが時折ヒット、という展開。
ここまでは微妙な感じで、私は38-38、というところで逃げました(^^;)

5回、まったく予想外のビッグラウンド。
低いダッキングをして左を伸ばすガスカの打ち終わりに、
鋭い小國の右がクリーンヒット、当たった!と思うより先にもう一発。
ガスカが背中からダウン。相当効いていて、これでストップかと思うほど。
しかしタイ人レフェリーがえらく長い時間をかけてガスカの目を覗き込み、続行。
小國が打ちまくるがガスカ懸命のクリンチ...さえままならず、
ずるずるとキャンバスに膝をつく。TKOにしても不思議のない状態。
レフェリーはこれを二度、スリップと判定して続行。場内騒然。
小國はやっとガスカを振りほどいて右アッパーで二度目のダウンを奪う。
ガスカ立ち上がり、何故止めないかと場内が?マークに覆われたところでゴング。

6回以降はダメージのあるガスカが足を使って回復を図るが、
小國は焦って攻めず、じっくりと見ては散発的にワンツー、ボディでポイント連取。
8回まで小國が押さえたが、9回あたりからもう一押し出来なかったせいで
ガスカが徐々に甦ってきて、左フックや右アッパーで小國を脅かす。
終盤4ラウンズはややガスカか、という印象でした。


このあたり、あれだけのビッグラウンドがあったのだから、
中盤もっと追撃が欲しかったというのが正直なところでした。
しかし終盤失点はしたものの、同時にやや劣勢の中でも、小國の良さも見えました。
ガスカが必死で打ってくる連打を、かなり堅いガードで封じていましたし、
少しヒットをされても慌てず、長いジャブやストレートを当て返し、
前にのめって叩かれるようなことが全くありませんでした。
攻めにもう少し厚みが欲しい反面、バランスを崩さない確かさも感じました。
この辺の是非論は、今後の試合を見ていく中で、語る機会がありそうですが...。


判定は115-111、116-111、119-109。
5回のビッグラウンドで、小國に不利な?レフェリングをして、
場内から罵声を浴びていたレフェリーが一番大差をつける意外なおまけもあり、
3-0の判定で小國以載が新チャンピオンとなりました。
ついでにさうぽん採点は115-111でありました。


正直言って意外な内容と結果でした。嬉しい驚きをもらった一戦です。
小國は自分の長所である長身、リーチを生かし、じっくり構えてバランスを保ち、
短躯の王者ガスカの打ち終わり、止まる瞬間を良く見て、長いストレート中心に
ヒットを取り、5回の好機には鋭い追撃でダウンまで奪って、終盤のガスカの逆襲にも
慌てることなく、堅陣を崩しませんでした。
上記したとおり、6回以降の攻めにもっと厚みがあれば、とは思うところですが、
そのあたりはまだ7戦目、今後の課題というところでしょう。

この選手の試合を直に見たのは初めてなのですが、見た目以上に、
なんというか「しっかりした選手」だと思いました。
セコンドの高嶋会長の出す、端的ながら的確な指示をよく聞いて闘っていて、
「右に動け」「そこ来るで」「次、右打ってみよう」というような指示を、
特に中盤までは無理なく実行に移し、その通りにヒットを奪っていました。
ぱっと見れば地味な闘い方が基本の選手でしょうが、直に見ると、
あれこれ見所のある面白い選手でありました。
俗な言い方をしますと「これはなかなかのタマかもしれん」というところでしょうか(^^)
もちろん不足もある段階の若手ではありますが、ならば伸びて行くところも
楽しみつつじっくり見ていきたいな、と思っております。


前座では井岡一翔初防衛戦のセミで、土屋修平と激闘を繰り広げた
江見ジムの福原寛人が、グリーンツダの岡島広和を初回ノックアウト。
開始早々ワンツーで倒し、逆襲に出た岡島に右をカウンターで合わせフィニッシュ。
最後はノーカウントでレフェリーが試合を終わらせる痛烈なエンディングでした。

セミは戎岡淳一と有富康人のランカー対決。
フライ級7位(とアナウンスされました)有富がスピードと正確さで上回るも、
ライトフライ級8位の戎岡が打たれつつも強打で対抗。
初回、左ジャブがカウンター気味に入り有富ダウン。
2回以降有富が反撃、戎岡は徐々に打たれだし、3回以降は防御の甘さを露呈。
より正確で打たせない有富が逆転するかと思ったのですが、
そこが普通の理屈では計れないえびじゅんの真骨頂(とか言ってていいのか)、
5回終盤、左フックの強打一発で有富をふらつかせ、追撃で二度目のダウンを奪い、
6回、右から連打で打ち込んでストップ勝ち。強打者ぶりを見せました。

この選手は若いときから何度も見ていて、最初はKOの少ないスピード系の選手でしたが、
その後の起伏の激しいキャリアを経て、危なっかしいけど相手にとっても怖い、という、
ちょっと普通の概念とは違う、ベテランらしからぬ選手になりました。
長いこと見てるせいもありましょうが、どうあっても応援したい選手ですね。
あまり派手な試合ばっかりせん方が...と心配でもありますが(^^;)

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