さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

状況は整理された/グラスゴーの後に/大学で再起/左冴える/究極対決?/今週末のライブ配信(再度追記)

2019-03-29 08:17:58 | 井岡一翔




井岡一翔、国内復帰、と数日前に一社だけ記事が出ましたが、正式に会見あり。
Reason大貴ジムに移籍し、JBCライセンス取得、TBS放送で6月にも東京で世界戦。
状況は着々と整理されていて、この辺の段取りはなるほど...と思う話ばかり、ですね。

昨年大晦日の判定負けから、再度、決定戦出場の流れですから、
本人が言うように、海外での試合を軸に、ということには、当面はならないかもしれません。
パリクテに勝てたとしても、義務づけられる試合があり、TBSが主導する流れの上で、
大晦日に統一戦だの、或いは田中恒成戦?などが持ち上がるとしたら、なおさらでしょうね。

しかし、とりあえず昨年やった二試合で、どこに出ても充分闘えることは証明したのだし、
従来の路線よりは特別な試合が組まれるのであれば、それは良しとすべき、でしょう。
その先にまた、改めて広がりのある話も見えてくる...かどうかは、何とも言えませんが、
経済面最優先、というに留まらず、然るべき試合を全部、蹴手繰りにして突き進む、
傍目には「もう知らんわ」としか言えなかった、かつての姿が再現されはしないでしょうし。


さて、6月開催のパリクテ戦は東京ということですが、集客力はどのくらいあるものなんでしょうかね。
ちょっと読めませんが、大田区あたりでやるのでしょうか。
時期的に、京口紘人とのダブルとかいう可能性もありそうですね。
こちらも良いカードが組まれるならば、ちょっと考えねば(何をや)と思っていたりします(^^)


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日本時間の5月19日といえば、早朝、グラスゴー決戦があるわけですが、
その後に、神戸ポートピアホテルで小西伶弥が世界再挑戦
井岡一翔に挑んだ大柄な強打者、IBF王者フェリックス・アルバラードと対戦します。

井岡が技術面で質の高さを発揮した、その最たる試合の相手として記憶に残る選手ですが、
敵地フィリピンで、ランディ・ペタルコリンを沈めての戴冠を経て、初防衛戦で再来日。
ペタルコリン戦を見ると、相変わらず器用ではないが、粘り強さと強打は健在でした。

ファイタースタイルの小西が、攻めながら機動力でまさり、手数でポイントを奪い、
ボディ攻撃で体力を削る、という展開を作れるかどうか、ですね。
あと、技量力量とは別に、小西の傷は心配ですが...。

この興行はセミに堀川謙一も出て、TI山形ジムの多田雅と日本タイトル防衛戦です。
先の日本王座再獲得試合は、専門誌でも高く評価されていましたし、
大ベテランとなってなお、意気軒昂な模様。多田も好選手ですし、楽しみです。

しかし、ポートピアホテル内の狭い会場となると、観戦は色々と...
TVはどこでやるんでしょうかね。CSフジ?
民放BSなら、さらに有り難いですが...。


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昨年大晦日、ムサラネ戦からの再起となる坂本真宏は、阪下優友と対戦
タイトル云々以前に、けっこう厳しい相手かな、と思います。

阪下は新人王の頃も見たし、王者クラスに挑んだ試合や、近いとこでは粉川戦なども。
引き分けですが好ファイトでした。思い返せば、けっこう数を見ている選手です。
直近の試合では元OPBF王者中山をTKOしたそうですし、
王者クラスへの再挑戦に向け、再浮上してきた、というところです。

出身大学構内の体育館に迎え撃つには、なかなかの強敵だと言えます。
少なくとも、勝って当然、予定調和の試合では、まったくありません。
こういう試合は、見るべき価値のある、本当の勝負だと思います。
両選手の健闘を期待します。


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一昨日はBoxingRaiseにて、三代大訓vs渡邊卓也のライブ配信を見ていました。

三代が、無駄に動かず、最短距離で当てる左ジャブのヒット数で、ペースを握りました。
渡邊は果敢に反撃するものの、ジャブで間を埋められ、追撃の右アッパーを打たれる。
さらに、右フックの「巻き」、時にインサイドへストレート、という具合に、
よく見て適切なパンチを選択し、当てていく三代が、クリアな勝利を収めました。

三代は強打こそありませんが、それでも時に力を入れ、時に飛び込みざまに打つ
アッパーやフックの右を打ち分け、4回、6回、9回、11回などは
渡邊が少し足取りを乱したり、後退したりも。狙いの見える、巧みな攻め口を見せました。

一見地味というか、スピードやパワーなどに、見目鮮やかなものはないのですが、
よく左が出て、それが正確で、小さい防御動作やフェイントの巧さも相まって、
相手のリズムを断ち、ペースを掴む巧さがあり、この辺は見ていて感心。
伊藤雅雪が世界に行ったあとの、国内の130ポンド上位の一員として、十分な実力を持っています。

もう少しパワーアップして、一打の威力を増し、好機の追撃に鋭さが加われば、
ベースとしては、さらに上を期待していい素養がある、と思います。
本人の言のとおり、国内で闘うべき相手との試合で、さらに成長を見せてほしいですね。


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最後に、狼藉者の話題

井上尚弥との対戦が、究極対決、と目されるというのはどんなものかなと、疑問です。
ちょっと過大に見過ぎじゃないでしょうかね。
先の試合も、確かに完勝でしたが、体格、パワーで押し切れる相手だと、
えらく強く見える選手だというのは、以前からそうだったわけですから。

今後、ウーバーリと井上拓真戦の勝者との対戦になるのか、
それとも先にウーバーリに挑むのかは不明ですが、その試合が試金石になるでしょう。
体格で劣らない、純正バンタムの世界上位相手に、普通の計量を経て闘って、
動きで外されて狙われる、という展開に直面したネリーが、どう闘えるものか。
それを見ないと、何とも言えないように思います。
まあ、別にそれを見てみたいとは、全然思っていないわけ、ですが...。


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記事追加。
次の日曜、31日には、BoxingRaiseで小浦翼の試合がライブ配信されます。
第一試合開始は午後4時半の予定です。

そしてDAZNも同日、ライブ配信あり。こちらは午前10時頃からか。
デラホーヤの再来という触れ込みのライアン・ガルシアvsホセ・ロペス。
田中恒成との死闘で知られる、小型ゴメスことアンヘル・アコスタが、
これまた日本でお馴染みガニガン・ロペスを迎え、WBO王座の防衛戦。
けっこう面白そうなカードですね。

日曜は用事もあって、ライブでは見られそうにありませんが、見逃し配信でチェックします。
もう少し早めに予定出してもらえたら良いんですが...。

※さらに追記。今夜、木村翔の試合がライブ配信ありと、こちらの記事に。
見やすいものであってくれたら幸いです。これも何とか見たいものです。


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そんなことで、一曲。
amazarashi「それを言葉という」。






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広く見られぬ「良貨」/思う以上に好機かも?/3分裂/強打に挑む/難敵死す

2019-03-23 07:34:47 | 話題あれこれ



この月末は、世界的大試合というのではないですが、国内のみならず、中国やフィリピンなどで、
日本の選手が色々と、興味深い試合に出るようです
国内における、三代大訓(27日)、小浦翼(31日)の試合はBoxingRaiseにてライブ配信が見られますが、
それ以外はネットで動画を探してみよう、と。
そういうことで、とりあえず、試合以外の話題をあれこれ。


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田中恒成vs田口良一のTV視聴率は、良い数字が出なかったようです。
まあ、地上波TVにおけるスポーツ中継の数字というのは、
昔と違って、あまり良くないものではあります。野球やサッカーなどに顕著なようですが。

ただ、それにしたって、田中恒成ほどの「良貨」が、これほど世間に興味を持たれぬ状況は、
試合内容や選手の実力からすれば、問題だと言わざるを得ません。
ここまでの不遇、ボクシングに対する社会的評価の低下、それ故の興味の減少、
それらのしわ寄せを、この類い希なる逸材がまともに食らった、ということです。

もちろん、この十数年間のボクシング界を見てきて、こういう状況は他でもあったし、
田中恒成もまた、その状況の外に立てるわけではなかろう、とわかってはいました。
しかし、改めて、げんなりする話ではありますね。
単に売り方がどう、という話ではない。「在り方」の問題です。根が深いですね、これは。


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船井龍一のIBF指名挑戦がついに決定、正式発表となりました。
5月4日、と聞いて、え、カネロ、ジェイコブス戦と同日やん、と思ったら、別興行でした。
そうか、会社違うもんな、と。DAZNでは取り扱われないですね。村田諒太ともなれば別なんですが。

まあ、それはおいといて、以前は安定感抜群、堅牢かつ爆発的でもあった王者、
ジェルウィン・アンカハスですが、ここ最近の試合ぶりは、そこまで盤石でもない?
と見えるものもあったようです。

想像でしかないですが、王者としてランカー相手に試合を重ねた疲弊もあって不思議でなし、
加えて減量なども苦しくなりつつあるのかな、と思ったり。

予想しろと言われたら、過去の対戦相手の質、実績の比較で、
王者有利で当たり前でしょうが、船井にとり、良い頃合いの挑戦実現かもしれません。
当日、なんとか見られんものでしょうかね。楽しみです。


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今月号のボクシングマガジン、ヘビー級記事の通り「3分裂」ですね。

まあ、何も今に始まったことじゃないですし、選手や陣営や興行会社が、
それぞれに最大の得べかりし利益を追うのも、当然といえば当然ですが...。
しかし、傍目には「何やっとるんや、こいつら」と思うのも事実です。

誰が一番強いか、それを決めずに、それぞれに王者でござい、と担がれて、
それぞれの枠内であれとやってこれとやって...ほんまに、大丈夫でっか、という。

長いことボクシングファンやってきて、試合を見ること自体は今でも楽しいけど、
それ以外の諸事情については、いい加減、飽きてきました。
世にはボクシングに継続して興味を持てず、見るのを止めてしまう人も多いでしょうが、
その所以はいくらでもあり、大いに理解も出来ます。出来てしまいます。

またしばらくの間、余計な寄り道、遠回りを、重要な階級で平行して見せられるんでしょう。
「事情」は確かにありましょうが、そろそろ「知らんがな」と言い捨てたい心境ですね。


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日本ユース、ウェルター級王者、強打で評判のクドゥラ金子に、
井岡弘樹ジムの安達陸虎が挑むタイトルマッチが決まったとのこと。

クドゥラ金子は、元日本王者の、こちらも強打有川稔男を倒した一戦で、高い評判を呼びました
この試合映像、見たいんですが...YouTubeには、関門ジャパンジム、チェンジ濱島との一戦目、
クドゥラにとりデビュー6戦目の試合しか、映像がありません。





若手同士の、クリーンでプレーン、良くも悪くも正直な者同士の攻防。
相手の濱島の奮闘も目を引く、なかなかの熱戦ですが、
5回にクドゥラがカウンター気味のワンツーを決めてダウンを奪う。
6回も連打で攻勢。濱島が堪えて、6回判定でクドゥラの勝利でした。

もっと強打を過信して、振り回す選手なのかと思っていたら、全然違いました。
相手の身体の軸、中心を力みなく打て、その上で強打を秘める、なかなか魅力ある若手で、
次にこの濱島と8回戦で再戦し、ユース王座を獲得。
その後、有川をKOして、日本3位に浮上しています。


安達陸虎は、新人王決勝で敗れた以外は無敗。日本上位の強敵と闘うのは初めてですね。
いずれは上のクラスが良いのでは、と思う、スマートな体型です。
距離はやや安達の方が長いか。踏み込まれたらクドゥラが有利でしょうから、
しっかり突き放せるかどうかで、勝敗が決まるでしょう。

直近の試合は昨年12月28日。ファーペッチ・シンナマサック戦。
まあ、これはあまり参考にならないですね(笑)





新人王戦や、それ以降の試合で二度ばかり直に見ていますが、
相手が強いときは、もっとしっかり踏み込んで打ってましたし、コンビも鋭いものがありました。
クドゥラ攻略には、さらなる成長が必要でしょうし、試練の一戦でしょうが、楽しみでもありますね。


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ハイメ・リオス死す
最近、この手の訃報を続けて取り上げていますが、またひとり、印象的な元王者が亡くなりました。

具志堅用高の全キャリアの中でも、この人との二戦目が、一番の熱戦というか死闘というか、
今思い出しても、凄まじいものだった、という印象があります。
確か、現役時代から相当視力が悪く、またそれが半ば公然と語られていたとかいないとか?
何かで読んだ記憶があります。記憶違いかも知れませんが...。

小柄な身体をリズミカルに動かし、微妙なバランス調整で翻しつつ、手数を出して攻め、
好機には強振もする、中南米の軽量級屈指の「難敵」であった名ボクサーでした。
ご冥福を。


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ということで、本日の一曲。
安藤秀樹、Foolish Game です。






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巧さと工夫だけでは埋まらない差 スペンス、マイキーの健闘を丁寧に退ける

2019-03-17 15:28:12 | 海外ボクシング



そういうことで今日は午前10時頃から、WOWOWオンデマンドを観賞しました。
当初は正午くらいからという話でしたが、前座もやることになった模様。
この辺はどういうことかいな、と思いましたが、ルイス・ネリーの試合を取り扱うべきかで
意見が割れていたのかな?と...いや、そんなことではないか...。
それはともかくメインイベントから簡単に感想を。


ウェルター級最強をクロフォードと争うエロール・スペンスと、
ライト級最強をロマチェンコと争うマイキー・ガルシアの対戦は、
当然、体格、パワーの差をマイキーがいかに埋めるかが焦点でした。

小さい方のマイキーが、いかに左ジャブを当てられる位置に立つか。
スペンスの左右強打の合間に、身体を滑り込ませて左を当て、
身体を左右に翻し、ダック、スリップを繰り返して芯を外し、
当然ガード、ブロックも頑張って、かなう限り打たせず、ダメージを抑えられるか。

これまでの試合の倍の労力を費やしてでも、そういう展開を作れるものかどうか。
それにはマイキー万全の仕上がりと同時に、当然有利を予想されるであろう
スペンスの側に、多少なりとも隙、慢心、そこから生まれる戸惑いのようなものが
なければ難しい、とも思っていました。


立ち上がりは、若干その想定に近い展開にも見えました。
マイキーは思った以上に上体が大きく見え、スペンスとの体格差が意外に小さいような。
正対した両者、スペンスが意外に圧倒する風でなく、マイキーはガードで防ぎ、当てていく。
序盤のうちは、マイキーが連打で出る場面もあったりで、ポイントは知らず、
流れ自体はマイキーにとり悪くはない。これは、と思ったりもしました。

しかし3回半ば過ぎから、スペンスが少し引いて、しっかり見た上で左右上下に
強打を当てていく流れに。マイキーは徐々にダメージを溜めていく。
5回、僅かに反撃もあったが、スペンスの拳がマイキーのガードを、
少しずつ突破してはヒットする比率が増えていき、その流れは最後まで変わりませんでした。


マイキーはもっと身体を小さく締めて構え、低い姿勢で防御して攻め上げる、
というような形になるかと思っていたら、案外大きな身体を作り、正対していく感じでした。
ウェルター、ミドルに上げて以降のロベルト・デュランの姿をイメージしていたのですが、
単に才能、能力がどうという以前に、マイキーはああいう、天性の勘を前面に押し出すような
スタイルの選手ではない、ということなのでしょうね。

エロール・スペンスは、インターバルの様子などを見ると、けして楽でもなかったのでしょうが、
隙を見せたら色々厄介だったであろうマイキーを、丁寧に当てていく攻撃で痛めつけ、無難に勝ちました。
普段の相手に見せている爆発力を振りかざしたいところ、セコンドの指示もあってか、
やや自重した部分もあったようですが、結果としてそれが吉と出た、と見えました。



しかしこのカード、まずは勝って当然、負けたら問題、というものだったのも事実です。
試合後、パッキャオを呼び寄せて対戦をアピールしていましたが、ここのところ、
それぞれに他の相手と闘っているウェルターの王者達には、さっさと互いに対戦しなはれや、と言いたいです。

スペンスはクロフォード、マイキーもロマチェンコと闘って然るべきところですが、
やれ会社が違う、TVが違う、条件がどうのこうの...。
まあ、マイキーは困難な挑戦という意味合いが言えるにせよ、スペンスについては、
二階級下の相手とですから。余計な寄り道やな、ときつく言えば言えるでしょう。

ついでに言うと、来月のクロフォード、カーン戦も同様ですね。規模の大きな「寄り道試合」です。
もちろん、それはそれで見所もある試合ですが、なかなか「肝心」な試合は
見せてもらえんものやね、という気持ちです。


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アンダーは、話の早い試合が続きました。けっこうなことです。

セミのデビッド・ベナビデスは、早々に強打炸裂。
相手もランカーだったけど、強いとこ見せました。


セミセミのルイス・ネリーは、MJアローヨを4回でストップ。
アローヨの方がはっきり小柄で、一階級分の体格差は、確実にあったかなと。
ネリーはかさにかかって、得意の連打攻撃で仕留めました。

しかし、純正バンタム相手、しかも序盤、動いて外す作戦も取れそうな
ウーバーリや井上拓真相手に、この強さが存分に出せるものかどうか。
その証明は、いよいよ次以降に問われるところでしょう。モラル面の問題は置いといて言えば、ですが。


合間に、リンデルフォ・デルガド、という元オリンピアンが出てKO勝ち、9勝9KOとのこと。
メキシカンでスーパーフェザー級ということですが、がっちりしてて、最初ミドル級くらいに見えました。
荒削りでしたが、パワーは相当ありそうでした。


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追い求めるものはまだ、この先に? 田中恒成、宿敵田口良一に判定勝ち

2019-03-16 18:31:27 | 中部ボクシング



ということで今日は、岐阜の会場には行かず、TV観戦となりました。
いろいろあって自重しましたが、前回までのように、関西でTV中継がなかったら、
無理してでも行かねば後悔していた、と思う、「またしても」な試合でした。
簡単に感想文です。


想像ですが、立ち上がり、田口良一はもっと攻めて、先制をしたかったのだと思います。
右ロングが一発、ヒットしましたが、あのようなパンチで先手を取り、
突き放しつつ押し込む、という、よく考えたら理にかなっているのかどうかわからない、
いつも通りの攻め口で、田中恒成を捉えたかったのだろうと。


しかし、田中恒成は、もっと動いて外せるはずなのに、やや止まり加減の対応。
速い左を突き刺し、上下の連打で打ち合い、正確さでははっきりとまさりました。

この辺の出方は、やはりというか予想通りというか。
前回の木村翔戦と同じく、理よりも情を優先した闘い方の選択、と見えました。
田中恒成はまたしても、単なる勝利以上の何事かを求めて闘うのだな、と。


対する田口は右アッパーを多く出し、連打で攻めていく。
3回早々、そのパンチに目が行っていた?田中の左ガードを、外から巻くように打った
田口の右フックが、田中の耳のあたり?に入り、田中が腰を落とす。
ダウンはしませんでしたが、これをきっかけに田口がさらに攻め込むかと見えました。

しかしここからの回復が、見たとおり早々になされたのか、見た以上に時間がかかったのを
田中が上手くごまかしたのかは不明ですが、田中が立て直し、逆襲。
速く多彩な左を繰り出し、速い連打に左ボディを組み込む。

田口はボディを攻められ、見るからに失速。表情も苦しそうに見え、自分からのクリンチも。
過去の多くの試合で、自分がやっていたことを、逆にやられた格好。
井上尚弥でも、田口相手にここまで攻め、痛めつけることが出来たかどうか、という感じでした。


5回あたりまで、打ち合いの展開ではあるが、正確さと威力で田中が圧倒。
しかし田口が倒れそうな感じもしない。却って心配なパターン。
このあたりで、これは青コーナー陣営に、厳しい決断が求められる試合になるか、とさえ思ったが、
終わってみれば、そういう局面に至る前に、ことごとく田口が粘って打ち返す、という繰り返しでした。

中盤も田中の右ストレートで田口の顔が跳ね上がり、左フック、右ストレートのボディブローが入り、
上下に速いコンビを打ち分け、という具合で、田中が優勢に進める。
田口は耐えて粘り打ち返すが、打ったあとに身体の軸を左右にずらしては、また打ってくる田中を
芯で捉えることは出来ず、ブレイクの後に下がり、足下が少し乱れ、足が揃いかけ、と
今までの試合ではあまり見た覚えのない、苦しい様子も。

しかし「その先」への展開、田中が倒しきる展開だけは、断じて許さない。
今までの試合のように、打たれても耐えて反撃するというのでなく、
明らかにボディを効かされた上で打ち負けているのに、それでもなお粘り抜く。
ほんまかいな、という感じ。その姿は、こちらの想像を超えた部分がありました。

9回は田口も右を二発ヒット。11回は田中が右クロス、左ボディを再三決める。
最終回は田中がさらに攻め込むが、田口が応じて打ち合い。粘り抜いて試合が終わりました。


採点は117-111×2、119-109の3-0。
私も似たようなものでした。3回、田口の右ヒットはあったが、振れるかどうか。
それ以外に田口に振れる回は、あったとしてもふたつまで、という印象でした。



双方、持てる力を出し切っての闘いだったと思います。
その点は、試合前からの想像、期待どおりの試合でしたし、
田中恒成と田口良一、それぞれの闘い方、試合展開、振る舞い、局面毎の選択肢もまた、
見ていて意外な感じはほとんどありませんでした。

そして、両者の実力差が、はっきり内容と結果で示されたのも事実だと思います。
心情的にはともかく、田中恒成の完勝としか言えない試合でした。
にもかかわらず、試合後、インタビュー前に打ち切られたTV中継の最後に映った、
田中恒成の表情は、喜びに満ちたものとは、とても言えない、険しいものに見えました。


試合後、彼が何を語ったかは、これを書いている時点では不明ですが、
出てくる言葉は、田口良一に敬意を表し、礼を尽くしたものであろう一方、
あの闘いぶり、敢えて効率性を半ば捨て、打ち勝って、その先の打倒を求めたであろう姿からして、
この試合、この勝利は、彼の心を完全に満足させるものではなかったのでしょう。

ジェイク・ラモッタや六車卓也もかくや、というべき闘志、タフネス、粘り強さを示した
田口良一を倒せなかったとて、明確な差をつけて打ち勝ったのだから、これは堂々たる勝利です。
誰にも異論なきことだと思います。

しかし、試合を見終えて思うのは、田中恒成の心が今、どのようなものなのだろうか、ということです。
運命、宿命、という言葉で語られ、飾られた一戦を終えて、彼は、自らの心が求めるものを、
今後の、どのような闘いにおいて掴み取るのだろうか。それがかなう日は来るのだろうか。
その闘いはまたしても、このような熱いものになるのか、なりうるのだろうか、と。



とにかく、またしても、見ている者の心を揺さぶり、熱くさせる試合でした。
それを闘ったふたりの戦士に、感謝と拍手を送りたいと思います。

うーん、やっぱり会場で見たかったなぁ...。



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フライ級での対戦は、誰にとっても幸いかもしれない 田中恒成、田口良一ついに激突!

2019-03-14 15:52:08 | 中部ボクシング



ということで、なんやかやと言うてる間に明後日です。
岐阜メモリアルセンターにおいて、田中恒成が田口良一と対戦します。

一度、ライトフライ級時代に、実際に組まれるはずだった試合が流れ、
田中が田口に謝罪した、という話は広く知られるところです。こちらの記事にも詳しいです
しかし田中がフライ級に転じ、ライトフライでWBA、IBFの二冠を失った田口も、
フライ級に上げて、今回の試合が実現する運びとなりました。

指名挑戦者としてWBO王座を獲得した田中ですから、初防衛は自由選択試合となり、
それこそランク10何位、安上がりかつ弱い相手を選んで、地元岐阜で凱旋試合、
というような流れになっていても、何の不思議もないところです。

ところが国内に、一階級下でダブルタイトルを持っていた元王者、
しかも「闘わざるライバル」としてのストーリーまである相手がいる。
当然、対戦せんでどうする、とファンが思う通りに、実際に対戦する。
珍しく、というか、田中恒成ならではの話の流れとも言えましょうか。
とにかく、田中恒成、田口良一、及び両陣営に、まずは感謝と拍手ですね。


以前からちょこちょこ書いていますが、フライ級転向初戦で、田中に挑むというのは、
田口良一にとってあまりに厳しい条件ではなかろうか、という見方もあります。
しかし、田口は格下相手の調整試合より、強い相手との闘いで光るタイプですし、
そもそもブドラー戦でも、序盤の立ち後れから追い上げ、最後はダウンも奪っています。
特に「勢い」が失われているかというと、そうでもないと見ていいでしょうし、
余計な試合を挟む必要もなかろう、とも。


勝敗については、予想しろと言われれば、田中有利かとは思います。
別個に「品評」すれば、スピード、テクニックの冴えで、
きっと多くが田中の方に、天性の輝きを見出すことでしょう。
その上、巧さや速さで相手を翻弄しつつ、時に理(利)を捨てて、
より明白に打ち勝ち、相手を打倒しようとする姿には、蠱惑的な魅力があります。

しかし、一見すると不器用に見える田口良一も、並の元タイトルホルダーの枠に
収まらない強み、怖さを秘めた選手です。
抜群の体格、強靱な心身、スロースターター気味ながら、追い上げの流れで見せる
並外れた執拗さ、長距離のジャブや、ボディ攻撃などは、過去に巧さや速さで
田口を上回る対戦相手を疲弊させ、打ち崩してきました。

そして、田口良一が、フライ級に転じて減量苦から解放され、
より良いコンディションでリングに上がってきたら、
明後日の試合において、普通に予想する以上に、こうした彼の強みが、怖さが
十全に発揮されるのではないか、と期待してしまいます。

かつては田中恒成も同様の状況にあり、そのセンスを生かせず苦闘していましたが、
フライ級に転じる過程において、見違えるような好調ぶりを見せたものです。
同様のことが、形を変えて田口良一に起こるとしたら、
両者の対戦が下の階級でなく、伝統階級たるフライ級で闘われることになって、
結果的に「良かった」と言えるように思います。

単に勝ち負け、有利不利の話ではありません。
メジャータイトルを複数、または階級をまたいで獲得する選手が
同時代にいて、せっかく対戦することになったのだから、
双方が持てる力を、かなう限り発揮する試合になってほしい。
その一点においては、誰の思いも同じだろう、というだけのことです。

そして、明後日の試合は、そうなる条件が十分に整った一戦ではないだろうか、と思います。
その上で出る内容と結果が、いかなるものになろうとも、
それ以前の話として、そういう試合の存在自体が、まずは喜びなのだ、と。


今回は、会場に足を運びはしませんが、ありがたいことに関西でも生中継があります。
やっと、こういう当たり前の話になってくれたこともまた、大いに喜びであります(^^)


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日曜日にはWOWOWが、エロール・スペンスvsマイキー・ガルシア戦を
オンデマンドでライブ配信します。こちらも楽しみですね(^^)

先日、DAZNでも会見の様子が配信されていましたが、ゴロフキンも「獲得」して、
カネロもゴロフキンも、他のあれこれも、けっこうな数の試合がDAZNにて、
日本時間の早朝や午前、正午頃にライブ配信されるようになって、
WOWOWエキサイトマッチの行く末や如何に、と思ったりもしましたが、
今のところ、負けじと?生中継やオンデマンドライブ配信を増やして対抗、という流れのようです。
我々視聴者にとっては、有り難い限りです。色々大変そうやなあ、と想像もしますが。


今月はスペンス、マイキー戦。
4月は13日(土曜ですね)、ロマチェンコvsクロラ。
21日(日曜)クロフォードvsアミール・カーン。
28日はWBSS準決勝、あちらの山のテテvsドネア。
これはDAZNかと思っていたらWOWOWです。この辺は色々複雑そう...。

そして5月は、なんと井上尚弥vsロドリゲスと、伊藤雅雪V2戦。こちらの記事にて。

今月はBoxingRaiseでも、27日に三代大訓、31日に小浦翼の試合がライブ配信されます。

4月6日の細川バレンタインvs井上浩樹も、G+で生中継されますし
(巨人はこの日、ビジター試合の模様)、春に向けて、色々楽しみが増えてきましたね。
もっとも、この試合は会場で見る予定ですので、TVはまあ、関係ないのですが...(^^;)


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ということで、一曲。
Hound Dog の ROCKS です。

曲自体はこちら。




ドキュメンタリー?風のビデオクリップ。
懐かしいなあ...。






コメント (4)
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フィラデルフィアで挑む/週末毎に濃密な記事/何故かイタリアの方を配信

2019-03-09 11:03:58 | 海外ボクシング




以前、日本でやるか、相手の本拠地マレーシアでやるか、という話だった
IBFウェルター級の挑戦者決定戦が、フィラデルフィアでの開催に決まり、
小原佳太が月末、30日にクドラディロ・アブドカハロフと闘うとのことです。

日本人のウェルター級が、フィラデルフィアで世界上位と闘うとは、
これだけでもなかなかに胸躍る話ではありますね。
相手がアメリカ人ではなく、東欧系、中央アジアの選手である点は、
いかにも最近の傾向ではありますが。

昨年のまさか負けを、即再戦でとりあえず「なかったこと」にして(笑)
こういう話にもってこれたのは、本人のみならず、陣営の労多し、というところでしょう。
興行権益のない話でも、熱意を持って取り組んでいると見えますし、
小原は結果を出すことで、それに応えるしかありませんね。

相手のアブドカハロフは、WBCのシルバータイトルを昨年3月17日に獲得していて、
とりあえずその試合をざっと見てみました。
相手はハンガリーのラザロ・トシュ(と読むのでしょうか)。





ぱっと見て、風采が上がらないというと悪いですが、威圧感に乏しい風貌。
見目鮮やかな技巧や速さ、強打はない。

小柄で、怒り肩だがガードは無理には上げない風。
アマ歴180戦(170勝10敗)とのことで、
アマ歴が長い選手ならではの、こなれた感じ。良し悪しありますが。

リーチはさほどなく、長いジャブは出ない。中間距離で右クロス、フックを多用。
最初のうちは、オープン気味だったり、拳の握りや返しが甘い、と見えるが、
要所ではしっかり拳が返るし、インサイドにショートが入ったり、アッパーが来たり。
これを相手の「空いたとこ」に、割と際どいカウンターのタイミングで、普通に打てる。
世界の水準で言えば強打者ではないが、攻め口が多く、手数も出せる。この辺が強みか。
少なくとも、打たれ強くない小原にとっては、要注意でしょう。

あと、時々スイッチして、左のレバーパンチから上へのダブルとかもある。
左右どちらに構えても、あまり違和感がない。
右が本来の構えとしても、そもそも迫力に欠けるので、左構えでも大差ない、とも言えるが。


この試合では、4回に打たれてもいないのにマウスピースを出してしまい、
それを相手の眼前で「おっとっと」という感じで、腕で止めようとしたりして、
この辺の感じは、まだアマチュアぽいなあ、と見える。
時折打たれた際の反応も、けっこう露骨にバランスを乱すので、印象は悪い。

仮にも世界ウェルター級、とつく王座の次期挑戦者決定戦の相手としては、
率直に言わせてもらいますが、この程度か、という印象。
ただ、執拗に手が出るし、打てるパンチの種類、品揃えが多いので、
小原が先手を許し、強打しても単発、という感じの展開になったら、
ペースを取り返すのは簡単じゃなさそう、とも見えます。

とはいえ、小原がしっかり足を使い、動いて外し、強打で突き放す流れを作れれば、
充分攻略出来る相手だとも思います。
威圧感がさほどない相手に、何となく引き込まれて打ち合ってしまうと、
そのままずるずると、という感じもありそうなので、しっかり動き、
しっかり打って、また動き、というメリハリを大事にしてほしい、と思います。
さすれば、勝機はありと見えますが。

スーパーライトでの「挑戦」に続き、またも挑戦者決定戦を経ての世界挑戦を目指す、
小原佳太の勝利に、大いに期待です。なんとかライブで見られんものか...。


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専門誌のネット上での情報展開では、ボクシングビートが先行していましたが、
ボクシングマガジンも記事をアップするようになって、しばらく経ちます。
両誌の特色の違いもけっこう見えて、興味深いところですが。

ビートが情報、速報を端的にアップしていく感じなのに対して、
マガジンは「コラム寄り」な感じでしょうか。
それに加えて、ベテラン宮崎正博記者が、週末毎に世界各地の注目試合について、
詳細なプレビューをアップしています。
その内容たるや、恐ろしいほど濃密というか、よくそんなとこまでカバー出来るものやなあ、と
感心するやら呆れるやら、です。
今週末は、ポーターvsウガスはもとより、当然の如く、アグジャバvsマンスール戦にも言及。
これ読んどけば、週末毎の世界ボクシング情報は事足りる、という勢いです。
老舗のベテランが、遂にネット上で本気出してきたか、と。読者としては、嬉しい限りですね。


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で、ポーターvsウガスに次いで注目なのが、DAZN USAが中継配信するこの試合
強打ビボルはもとより、ポスト・クロフォードの有力候補フッカーも出る興行です。

しかし、日本のDAZNはこちらではなく、何故か今朝から、イタリアの試合を配信しています。
なんじゃそりゃー、と、私でなくともツッコミたくなろうというものです。

細かいことなどわかりませんが、この辺が、WOWOWとの微妙な「兼ね合い」
だったりするんでしょうかね。
だとしたら、外資のくせに(笑)頼りないなあ、もっと傍若無人に暴れてくれんかな、と
勝手なことを思ったりもするのですが...。
実際、視聴者の要望とは、かけ離れているとしか言えません。どうにかならんものですかね。


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そんなことで、本日の一曲。
宮原学がボクシングをモチーフにした名曲、FOUR-ROUND BOY です。





好きなんですよねー、こういうの(笑)
ていうか、今でも充分、入場曲に使えると思うんですが...ダメですかね?



コメント
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早々に再挑戦?/当然、としか/路線継続?/老害、ではなく/黒帯王者死す

2019-03-02 13:18:26 | 井岡一翔



大晦日に井岡一翔を下し、4冠制覇のドニー・ニエテスですが、
防衛戦はせずに王座返上とのことです。

記事に詳しいですが、当然空位決定戦となれば、1位パリクテが出て、対するは
2位、3位が「他に行く」ため、順番からいけば、4位の井岡になるはずだが、
情勢はその通りに行くか否か、今のところ不明なようです。

大晦日の敗戦以降、米国のマーケットで、いきなり大きな試合、ともいかないだろうし、
日本国内で活動が出来ないとなると、今後の活動にはどういう展望がありえるのか、
想像もつきませんでしたが、思わぬ形で、早々にタイトルマッチの可能性は見えてきました。
問題は「どこに持っていく」のか、なのでしょうが。

パリクテはニエテスと引き分けたあと、挑戦者決定戦はKOで勝っていて、
形式上、何の瑕疵もない形で1位の座にある、正真正銘のIBFトップコンテンダーです。
とはいえ、井岡ともども、米大陸のマーケットでスターと目されるわけでもなく、
好条件でのマッチメイクがあり得るのか、となると、正直よくわかりません。

パリクテの地元、フィリピンで試合が開催され、相手に三冠王者の井岡が乗り込むとなれば、
彼の地では当然、大試合となりましょうが、それもフィリピンの枠内に収まる規模で、
という話でしかないでしょう。もし井岡が、アウェイの条件で、こういう試合に臨むなら、
それはあらゆる面で大変なことですが、そういう決断は、おそらくあり得ないでしょうし。

さて、どうなるものやら...ひょっとしたら、ニエテス戦のような形での開催(中継放送)が
再現されるのでしょうか?それはそれでまた...。


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ラウンド4分、インターバル2分などの計時ミスで、タイムキーパーをはじめ、
関係者の処分が決まった、昨年末のOPBFバンタム級タイトルマッチですが、
さらに今回、試合を有効とし、公式試合として成立する、と発表があったとのことです。
一部には試合を無効とするべき、という意見もあったが、そうはならなかった、と。

しかし、試合を無効とした上で、勝者たる栗原を救済する意見があった、といいますが、
この試合を無効にして、どうしたら栗原が「救済」されるというのでしょう。
栗原にタイトルマッチ再出場の権利を確約する、とでも?そんな馬鹿な、としか言えませんね。

そりゃ、計時ミスや、その原因となった抗議行動に端を発する混乱などは問題ですが、
それもこれも、選手以外の人間が引き起こしたことに過ぎません。
それを、選手が闘った試合の結果に手を入れようという発想が存在したこと自体、驚きです。

いったい誰が、どういう立場の人間が、こういうケッタイなことを言うものか、
是非とも開かれた場で議論して、我々にも見せて、知らせてもらいたいものですね。
ことの是非以前に、誰も見てへんと思うて、勝手なことばっか言うな、と
まずはそれを声高に言い募りたい気持ちです。


勝者たる、OPBF王者栗原のために、変なことにならずに済んだことには、ひとまず安堵します。
バンタム級は井上拓真が国内シーンから巣立った形で、群雄割拠状態(←凄く良い表現)にありますが、
その中でも魅力的なタレントですので、好カードにどんどん出ての活躍を期待します。

関西在住のボクシングファンとしては、また大阪来てね、とはなかなか言いにくい現状が、
心底、残念無念ではありますが...(--;)


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東日本協会の会長が、元世界フライ級チャンピオン、花形進氏に決まったとのこと。

選挙は行われなかったのでしょうか、記事には記述がありません。
まあ、どこぞの地域みたいに、毎度毎度、判で押したように真っ二つ、というのも、
それはそれで、色々アレでコレでナニなんですが(汗)
さりとて無風というのも、いまいちよろしくはないのかもしれません。

花形氏といえば、ジム会長としては興行権益に拘泥せず、
選手を然るべきリングへ送り出す、という方針で知られています。
もちろん、物事なんでも良し悪しあるのでしょうが、そういう人物が協会長になったことは、
昨今のボクシング界が置かれた状況故、なのか、それとも単に「路線継続」に過ぎないのか。

まあ、我々ファンの目に見える形では、なかなか物事が動いたり、変わったりはしないものでしょうが、
プロモーターとしての「私心」をほぼ切り捨てるように存在した「会長」として、
注目すべき方だとは思っていました。ちょっとだけ、今後に注目、です。


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ボブ・アラムがしゃしゃり出てくると、ろくなことにならん、とは
長年ボクシングファンをやっていれば、いくらでも目にし、耳にするものですが、
またしてもこういう、余計なこと(ファンの立場からすれば)をしてくれたようです。
せっかく、半年かそこら待てば、再戦が見られそうな情勢だったのですが。

こういうのを「老害」というのか...と思いましたが、
よう考えたらこのお方、若い頃からあれやこれやと、ボクシングに、
ボクサーに害をなしてきたなぁ、と思い直しました。
労も若もない、単なる「害」やと。だから何だ、という話ではありますが。


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記事追加します。訃報。
パナマの黒帯王者、エウゼビオ・ペドロサが亡くなったとのことです。

世界王座の希少価値が生きていた時代の、WBAフェザー級王座19度防衛は、まさしく偉業です。
その防御勘、硬軟自在な巧さと強さ、そして今改めてしげしげ見ると
「汚い手も、ちゃんと知ってはるなぁ」と思ったりもする闘いぶり...
レベルが高くて奥の深い、まさしく、高く険しい城壁を築いた、名王者でした。

この人の場合、どの試合が強烈だった、というのは選びにくいので、
とりあえずハイライト動画を貼っておきます
(個人的には、エクトル・カラスキリャとの一戦が、一番好きですが)。

距離で外すよりも、先に目で外す、勘で外す、そして再現性の高い防御動作で外す、
そして、その防御から、シームレスに繋がる攻撃は、今見ても目に鮮やかです。
まあ、クリンチとか肘打ちとかするところを、全部切り捨ててあるせいもありますが...(笑)

それはさておき、ご冥福を。


まず、割と普通のハイライト。





こちらは、防御特集?のハイライトです。
まあしかし、これだけ集めて繋いで、いっぺんに見せられると、
凄いなぁ、というのを通り越して、呆れてしまいますね。






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ということで、本日の一曲。
PANTA「ステファンの6つ子」。






「四角い小さな 部屋の中にも
 でっかい世界が 転がって
 きみに蹴られるのを 待ってるはずだよ」


励ましの言葉、という括りで、これ以上、心に刺さる言葉を、他に知りません。


コメント (8)
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