さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

打たれず、外せる位置を見つけてからは早かった 田中恒成、橋詰将義に圧勝TKO勝ち

2022-06-30 05:30:58 | 関東ボクシング



ということで昨夜はひかりTVで、フェニックスバトルのライブ配信。
田中恒成が橋詰将義を5回TKO。WBO3位の田中が、有力コンテンダーとしての地位を守った一戦でした。



昨日、ちょこっとプレビューぽいこと書いたんですが、序盤は想像以上に、橋詰将義のリーチが生きていて、田中恒成はなかなか接近出来ない。
初回早々に、しっかり打ったワンツーストレートの「先手」によって、橋詰はリーチの差を最大限に生かす好スタートに成功。
ワンツーのみならず、前に伸ばす右アッパーも決めていました。

2回も基本的には同じ流れ。田中は右リードから入ろうとするが届かず、外される。
右ボディから行くと右フック引っかけが来る。橋詰の右ジャブが邪魔。
途中から、田中が単発でヒットを取るようになるが、橋詰が乱れるほどかというと、そこまででもなし。


上京し、移籍して三戦目の橋詰にすれば、まさに人生賭けた大一番で、かなり気が入っているようにも見え、考え得る中で最高の立ち上がりに見えました。
対する田中にとっては、長身のサウスポーに対し、小柄な方が右リードで入ろうとして届かず...相当悪い回り、流れの典型に見えた、のですが。


3回、スタートから田中が膝を深く曲げ、低い姿勢でダックしてから打ちに行く。
橋詰が長いリーチを生かして打つパンチが、田中の頭上をスカスカと通って「あれ?」と違和感を持った瞬間、田中の右がヒット。
先ほどまで長いリーチに苦しんでいたはずの田中が打ったのは、意外なほど大振りにならず、振りの小さいショート気味の一撃でした。


傍目にはよく分からなかったですが、田中はダッキングを低めに設定しなおして、なおかつ、橋詰のパンチの軌道を外せる位置取りに成功していました。
ここから、展開は文字通り一変。田中が橋詰のジャブ、ワンツーを外しては右。橋詰左ストレートに田中、左ボディ。
橋詰また左外されて右ショート食う。田中のヒットが相次いで、圧倒的な攻勢。


4回、この流れならすぐにでも仕留めにかかるか、と見えたが、田中はまた上体を少し立て気味の姿勢。
橋詰少し息をつけた?ワンツー繰り出す。

しかし途中から、また田中が低い姿勢を取り始める。そこから、ダックして外しては打っていく。
左フック好打、右ショート、左右連打の締めに左ボディ。右ショート決めてゴング。

橋詰、悪い回りになっても、同じように自分から手を出し、外されては打たれる。
一旦手を止め、離れて見る、という選択を、結果として出来なかった。

それはこの回、立ち上がりに誘った田中の巧さでもある。
この辺、やはり経験の差というか、田中は余裕ある試合運び。きつく言えば、力量の差、でもあるか。


5回、橋詰は気合いは感じるが、ワンサイドに打たれ続ける。
田中の左アッパー、ワンツー、左ボディを断続的に打たれ、ヒットによるカットで右瞼から出血。
それでも懸命に抵抗していたが、田中が「止める」と決めて猛攻を仕掛け、レフェリーがストップ。TKOとなりました。



2回が終わった時点では、橋詰の良さばかりが出ていて、ワンサイドに見えた試合でした。
普通ならこのまま行くわけがない、田中が巻き返してきて、橋詰がそれに耐えきれるか、という先を想像するところですが、あまりにも一方的に橋詰の良さだけが出ていて、ひょっとするとこのまま行くのか...まさかなあ、いや、でも...と思っていたほどです。

しかし3回、試合の流れががらりと変わりました。
田中恒成の姿勢、位置取りが、その要因だったと思います。
上体の位置を低く設定し、位置取りとしては、軸をやや左斜め前にずらした感じ、だったでしょうか?映像を見返してみたいところですが。

何しろ、橋詰のパンチの軌道が、そこをあまり通らない、という「発見」をして以降の田中は、十全にその攻撃力を発揮して、橋詰を厳しく打ち込んで行きました。
やはり田中強し、世界三冠は違う、という「絵」でしたが、本当に凄いと唸らされるのは、その前に、その強さを、違いを生み出せる要因となった「位置取り」が出来ること、です。

打たれず、外せる。そこから攻撃をスタートできる。その優位性を得てから、勝負がつくまでは早かった。
橋詰がそれに対して、何らかの修正をしてくる前に、試合を終わらせようという意図もあってのこと、でしょうが。



終わってみれば、さすがは田中恒成、という試合でした。
単に速い、強いだけではない、それ以外の部分で良さが見えた。それは大きな収穫だったと思います。
また、115ポンド級三試合目にして、徐々に体格面でも、このクラスにフィットしてきたかなあ、とも見えました。

やはり、中谷潤人の転級という話を抜きにすれば、井岡一翔に次ぐ実力者、それが田中恒成でしょう。
とはいえ、井岡一翔への再挑戦は、すぐにとはいかなさそうです。
井岡がニエテスに勝ち、年末に他団体王者(IBF?)との対戦を目指しているとしたら、順番的には、あってもその先、ということになります。

もっとも、井岡がニエテスに敗れたりしたら、一気に情勢が変わることでしょう。
米大陸のリングでもビッグファイトが行われている階級だし、そちらへの絡みもあってほしいですが、田中恒成がその実力を示したことで、こちらはこちらで、色々と盛り上がっていけそうです。




敗れた橋詰将義、試合後は口惜しそうな表情でした。
上京して移籍して、その才能を証明するための一戦は、それこそ人生を賭けた大一番だったことでしょう。
しかし、中部のボクシング史上、最高の逸材である田中恒成の存在は、彼にとって険しい壁となりました。

私の目には、どう見ても彼の勝ちに見えた、日本タイトル初挑戦のドローを経て、攻撃面に比重をかけた、と見える移籍後の闘いぶりでしたが、今回はその辺を抜きにしても、考え得る中で最高の、突き放すアウトボクシングが出来ていたように見えたのですが。
これが、ブランクや移籍などの試練を乗り越え、彼が築き上げようとしていたボクシング、その到達点なのだろうか...とさえ思っていました。
しかし、田中恒成の手によって、それは打ち崩されてしまいました。

勝負の世界の厳しさ、酷薄無情の掟により、若手の頃から色々な試合を見てきた選手の闘いに、ひとつの区切りがついた。
その厳しい現実を見てなお、闘う者への畏敬の念を抱く自分がいます。橋詰将義に対しても、当然のこととして。



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「新生」目指す天才か、遠回りの俊才か 本日、田中恒成vs橋詰将義激突

2022-06-29 05:53:47 | 関東ボクシング




ということで、楽しみな試合があれやこれやとライブで見られた6月の締め括り、本日はひかりTVのライブ配信で、橋詰将義vs田中恒成の一戦です。


最短記録での三冠達成、しかし四冠めは完敗、己の未来をどう見定めるか、試行錯誤のさなかにある未完の天才、田中恒成。
その実力は日本上位にも充分、しかしブランクや移籍と、遠回りの末に、遂に真価を問われる大舞台に辿り着いた俊才、橋詰将義。


予想をすれば田中恒成有利、だとは思っています。
これまでの対戦相手のグレードが全然違うし、色々と試行錯誤のさなかにありながら、石田匠に僅差ながら勝つ。
田中恒成の地力は相当なものだと、多くが納得していると思います。

ただ、過去の戦績という部分を、スーパーフライ級だけ切り取ると、井岡一翔にTKO負け、石田匠に僅差勝利、この二試合だけ、であるのも事実です。
これをどう見るかですが...大一番に賭けてくるはずの橋詰将義にとり、それでも高い壁なのか。それとも。



公式には逆ですが、橋詰将義の立場は挑戦者です。
少なくとも、今回の試合で初めて、日本中のボクシングファンの眼前で、その存在価値を問われる試合に出ることになる...言ってみれば初の「タイトルマッチ」出場です。
だからこそ、体力や耐久力のベース、或いはその配分の仕方など含め、強敵相手との試合経験が少ない不安は大きいですが、この一戦に賭ける思いは相当なものがあるはずです。

そうした、未知数な部分は当然のこと、リーチを生かしたサウスポースタイルからの右リード、ワンツーからの組み立てと、柔軟な攻防の妙を、存分に見せて欲しい。
勝ち負け以前に、まずはそこに期待したいと思います。

移籍後の二試合では、リーチを生かして突き放し、間が詰められる前にアッパーを決める巧さが出ているものの、積極性が増した反面、足捌きに出る頻度が低めで、相手に踏み込まれて打たれる場面もけっこうあります。
そのあたりが、スーパーフライ級三戦目となる田中恒成と対して、どう出るかですね。


あと、あまり「本筋」に関係ない話としては、田中恒成が、興国高校→井岡ジム、という経歴の選手と三連戦、という試合でもありますが...それはさておき、それぞれに、これまでの闘いぶりをつぶさに見てきた選手です。
それがこういう形で、互いの未来を切り拓くために、互いの夢を賭けて闘う。
ボクシングという企まざるドラマ、その典型のひとつを、今夜、震えるような思いで見つめることになります。


もし、ひかりTVの配信なくば、馬鹿をやって、今日は遠足、とか書いていたことでしょうが(笑)
とりあえず自宅に居ながらにして、試合を見られるのですから、有り難いことです。
アンダーも色々、注目の選手が出ますし、大いに楽しみたいものですね。





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4団体統一王者同士となれば話は早いが アフダマリエフ、フルトン共に勝利

2022-06-28 12:49:04 | 井上尚弥



井上尚弥が外国特派員記者協会で会見、とのこと。
英国ガーディアンの記者が熱心に質問していた、というのは、井上への注目が広まっている証と言ってよさそうです。
反面、一部にはどうでもええ話もけっこう出てたようですが。
肝心なのはやっぱり今後で、ポール・バトラーとのバンタム級4団体統一戦のみならず、その先、スーパーバンタム級転向について、色々と語っています。


この日曜、DAZNでムロジョン・アフダマリエフvsロニー・リオス、昨日はWOWOWでスティーブン・フルトンvsダニエル・ローマンが相次いで見られました。
井上は会見の時点ではまだ、両者の試合を詳しくは見ていない、とのことですが、たぶんこれからじっくり見るんでしょうね。
スーパーバンタムに上げることについては「ベストな階級」になる、と表現しています。
やはりバンタム級での調整は苦しいのだなあ、と、ちょっと心配にもなりますが。


あと、アフダマリエフとフルトンが闘って、自分がバトラーに勝ち、4団体統一王者同士の試合になれば理想的、であると。
まあ、本当にそうなったら話が早くて、大変結構ですが、果たして、そうなるためのコストなども考えると、どうなるものか...井上の試合は、日本でやればビッグイベントになりますが、アフダマリエフvsフルトンを、その「前段」としてやろう、と(しかも、会社の違いを乗り越えて)いう意志が、誰かにあるものかどうか。微妙な気もします。そりゃ、やってほしいですけど。


しかし日、月と二日連続で、アフダマリエフとフルトンの試合をしげしげと見ると、そういう細かい話は置いて、井上との対戦はもとより、この両者が闘ったら面白いだろうなあ、と思います。見てみたい、と。
予想となると、やっぱりフルトン有利だろうなあ、と。多分、多数派だと思いますが。
アフダマリエフの右フックリードや、ボディ攻撃でもって、フルトン相手に12ラウンズ中、7つ取れるか、という単純な見方ひとつでも、やっぱり難しいんではないか、と思います。

今回、執拗なアタックを止めなかったダニエル・ローマン相手に、攻防ともに抜群のスピードとスキルを見せつけ、最初から最後まで、ほとんど危うさを感じさせなかったフルトンの才能...基本性能、技術水準、質の高さ、表現は色々ありますが、やはり並外れたものです。
当然、結果知って見てたわけですが、全然退屈しませんでした。
偉いもの見とるなー、ホンマに巧い、こら凄い...世界チャンピオンって、こういうこっちゃなー、と。
ただただ感心するのみ、でした。

とはいえ、地味ながら戦力の土台がしっかりあって、無理、無駄のない堅実派、アフダマリエフの底力も相当なものがあります。
今回のローマン以上に、フルトンを苦しめる展開も、充分想像出来ますね。


そういうことで、この両者が本当に対戦するとなれば、何とかしてライブで放送なり配信なり、お願いしたいものです。
まあ、おそらく井上尚弥の対戦相手としてのクローズアップ、という側面があるので、大々的に...とまではいかずとも、何とかしていただけるものと思いますが。



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今後はフライ級も視野に? ジェシー・ロドリゲス、タイの豪腕王者をTKO

2022-06-27 08:16:15 | 海外ボクシング



昨日は、タイトルマッチの数がひとつ減ってしまったものの、DAZNのライブ配信を楽しく見ておりました。
やっぱり白眉は、メインのジェシー・ロドリゲス。
ロマゴンやエストラーダ、佐藤洋太との試合などでお馴染み、タイの豪腕シーサケット・ソールンビサイを相手に、質の高い攻撃的な技巧のボクシングを完遂し、8回TKO勝ちでした。



ロドリゲス、序盤から右リード、ワンツー、スリーパンチの三発目はサイドへの切り返しで強打する。
シーサケットは見るからに威力十分の左を打ってくる。
ガード、ブロックの上からでも脅威となりそうなシーサケットの強打を、かなう限り動いて外し、空振りを取りたいところでは、と傍目には思うが、ロドリゲスは足捌きを見せつつ、それのみに偏らず、打つときはしっかり正対して打っていく。そして回り込む。

3回、ロドリゲスワンツーから三発目、回り込んで右フック。
4回、切り返しから左右をヒットされたシーサケット、バランス崩す。プレスかけて出ているが、打たれる一方。

5回もロドリゲス、左ヒット、ワンツー連ねる。右のダブル、左。シーサケット、打たれて徐々に「怯み」が見え始める。
6回、それでも大振りにならず、小さい振りの強打を狙うシーサケットだが、ロドリゲスの攻撃が多彩になってくる。
アッパー気味の左、切るようなワンツーの狙いに、少しずつ余裕が見える。

7回、ロドリゲス右フックから攻め、切り返してアッパー気味の左ヒット。シーサケット、両手つくダウン。
タイミングの良いヒットだったが、それのみならず、ダメージの蓄積も感じる。
ロドリゲスも高い集中を求められる展開、楽ではないが、好機に強打狙いも見せて追撃。

8回、ロドリゲスのコンビ、死角から右フック。ワンツーでシーサケットのけぞる。
タフなシーサケットが左右フック浴びてロープへ下がり、ロドリゲス猛攻。
シーサケット反撃出来ず、レフェリーがストップ。ロドリゲス、キャンパスに転がって歓喜の勝利となりました。


強打を大振りせず、打たれても外されても防がれても倦むことなく迫ってくるシーサケットの圧力はさすがでしたが、ロドリゲスは攻防ともに高い集中を保ち続け、心身の構えを緩めることなく対峙し続けました。
そのボクシングは非常に質の高いもので、去年までライトフライ級で闘っていた体格面、パンチ力の不利を補って余りある、見事なものだったと思います。

多士済々な面々が、もう何年もの間、激しい闘いを繰り広げているスーパーフライ級戦線ですが、その中でもタフネスと強打においては、異様な迫力を示し続けてきたシーサケットが、下の階級から一段飛ばしで上げて来た選手にストップされて負けた。
その事実は、見ていて驚愕すべきものに映りました。
正直、こんな試合になったら凄いなあ、とロドリゲスに期待する気持ちではありましたが、本当にそうなるとは。お見事、脱帽もの、でした。


これまで、階級の頂点を争い、直近の対決では僅差で勝敗を分けたファン・エストラーダとローマン・ゴンサレスにとり、この若き新鋭の存在は、ますます脅威となったことでしょう。
というか、今日のシーサケット戦、その内容と結果、そして間接的な比較を無理矢理すれば、もう階級最強の座は、ジェシー・ロドリゲスの手に渡ったのでは、とさえ思います。


もっとも、現地に渡って試合を観戦した中谷潤人の記事を見ると、ロドリゲスや陣営は、兄ジョシュア・フランコの存在もあってか、スーパーフライ級ではなく、フライ級での活動も含めて、今後を考えているらしいです。
この辺、傍目には一刻も早く階級を上げるべきでは、と見える中谷潤人との「邂逅」があるとしたら、どういう形になるものか、いろいろと気になるところです。

何しろ改めて、攻防一体、果敢で技巧的な、見事なボクシングを存分に見せてもらいました。
ジェシー・ロドリゲス、今後が本当に楽しみです。日本で直に見られることも、いずれある...かもしれませんね。





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すぐに統一戦とはいかず? ジョナサン・ゴンサレス初防衛

2022-06-26 05:42:02 | 海外ボクシング




メキシコでWBA団体内統一戦に勝利した京口紘人との統一戦が、カネロ、ゴロフキン戦のアンダーに入るのではという話を否定していたWBOライトフライ級王者、ジョナサン・ゴンサレスが初防衛に成功。
8位マーク・アンソニー・バリガに判定勝ちとのこと。


本人や陣営のコメントが詳しく記事に出ていますが、これ読むと、DAZN=マッチルーム側に対して、日本=帝拳方面との話もあり得て、自分はそれを選べる立場なのだ、と主張しているわけですね。
日本における軽量級マーケット、その「実際」も理解しているようで、この辺は来日経験もあるからなのでしょう。

ゴンサレスや陣営にしてみれば、自身の技量力量に限界があることもわかっていて、その範囲内で稼げるだけ稼ぎたい。
だとしたら、それこそ日本で、対立王者ではなく、その下に位置するコンテンダー(岩田翔吉、或いは堀川謙一)と闘った上で、京口や寺地拳四朗との試合をする、というのがベストだと考えたとして、何の不思議もありません。

もっとも、これら複数の試合で得られるものを、一試合で上回るようなオファーが、DAZN、マッチルームから出るなら、話は違ってくるかもしれません。
可能性としては低いでしょうが、その辺も踏まえた条件闘争でもあるんでしょうね。


まあ、統一戦より先に、と簡単に思っているんだとしたら、岩田(或いは堀川)が、ゴンサレスの思惑に収まるような、生易しい相手かどうか、いっぺんやってみたらええわ...という感情も湧き上がってきますが、何しろ言えることは、すぐにビッグカードのアンダーで統一戦、という、一方の目論見通りには、簡単にはならないようだ、ということです。
物事何でも、相手あるものですし、なかなかすんなりいかなくて当然なんでしょう。残念ではありますが...。



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関西の夏はこれで決まり 8月7日枚方、グリーンツダ興行開催

2022-06-25 07:08:27 | 関西ボクシング




最近は関東でビッグイベントがあり、好カードも続き、海外の試合も週末毎にライブで見なければならず、ということで、なかなか関西の興行に足を運べていません。
久高寛之引退の試合が最後となっています。

しかしこの夏、これは外せんな、という興行がひとつ発表されました。
8月7日、枚方市総合体育館にて、グリーンツダジムの「CRASH BOXING26 in 枚方」が行われます







グリーンツダのサウスポーコンビ揃い踏みですが、日本拳法出身の前田稔輝は、日本人キラーのジュンリエル・ラモナルと対戦。
武居由樹と対戦するピート...じゃなくて、ペテ・アポリナルに敗れていなければ、タイトルを引っさげての来日となっていたのでしょうが、それでもなお、簡単に見ていい相手ではなさそうです。
和氣慎吾(二戦目)、久我勇作をKOした強打は、やはり怖いでしょう。
もっとも、58キロ契約とのことですから、体格で前田にアドバンテージがあるのでしょうが。


もうひとり、長身技巧派サウスポー、遠目には故・亀田昭雄にぼんやり似ていなくもない、でお馴染み下町俊貴は、新人王トーナメント出場時にはちょっとしたセンセーションを起こした、必殺ボディブローの水野拓哉と対戦。
水野は森武蔵、松本亮に連敗後、ほぼ二年ぶりの試合で、ブランクが心配ですが、ウェイトもフェザー級のようですので、その辺の無理はなさそう。
下町もその長身からして、そろそろ一階級上げる頃合いでしょうね。遅いくらいでしょうか。


これ以外にも、この4日後、名古屋で矢吹正道と対戦するタノンサック・シムシーの実弟シットヒサクとか、他にもツダジムが見込んだタイ人ホープが出るとか、けっこう興味深いラインナップです。
そして、あの矢田良太、ホンマのホンマに引退ということで、引退記念興行と銘打たれています。これは安心しました(笑)。


コロナの時は入場制限のあった会場ですが、制限がなければ最大4千人入るとかで、コロナ前の興行では非常に盛況でした。
二階席が良い傾斜ついてて見やすくて、良い会場ですし、これは観戦しに行きたいものです。
暑いさなかですが、そこはなんとか頑張って...もちろん、選手の皆さんの方が大変なわけですしね。



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若く見えるがすっかり下り坂 JCマルチネス「病欠」で欠場

2022-06-24 11:02:03 | 海外ボクシング




メキシカンボクサーによるトラブル、疑惑その他諸々が目に余る昨今ですが、またしても。
フリオ・セサール・マルチネスが、日曜DAZNでライブ配信される複数世界戦興行での、マックウィリアムス・アローヨとの再戦を欠場するとのこと。

理由は「病欠」。またざっくりした発表です。
実際に、どないなことが起こっているのやら...どえらいことか、それともしょうもないことか、まあどっちだっていいですが(よくない?)。


何しろこの人ひとりだけ取っても、お薬疑惑(疑惑っていうか、検査で結果出とるんですが)に体重超過に「病欠」と...昔のメキシカンボクサー諸氏は、リング外、プライベートでは色々あったと思いますが、試合に直結するというか、関係あるところでは、それなりにちゃんとやってたんやないかなあ、と思います。
もっとも、昔と今では情報の量が違っていて、その辺はうまいこと伏せられていただけかもしれませんが。

ただ、この人ひとりだけじゃないですからね。
先日久方ぶりに黒星を喫したスーパースター(ということになっています)にせよ、その他諸々にせよ...かつては「王国」として仰ぎ見ていたメキシコですが、今の時代のスタンダード、というのを抜きにしても、なんかもう、すっかり有り難みが失せてしまいましたね。
若いファンの方なんかは、そういう古い感覚を持たず、最初から、「入り」の時点から、見下げた感じだったりするのかもしれません。
仕方ないと思う反面、なんか寂しい気もします。


フリオ・セサール・マルティネス、初めて見たときはもう、溌剌としていて...まあ反則行為でタイトル取れず、というのはいただけなかったにせよ、両ガード高く掲げて距離を詰め、打つとなったら左右ともにダブル、トリプルと打ちまくる、独特の型と異様な迫力のボクシングに、すぐに目を引かれたものです。
いつの間にか、格下ぽい相手に、一見して「あまりよろしくない」コンディションで試合して、勝ったはいいがこれではなあ、と見え始め、その後はあっという間に色々あって...幼い風貌で若く見えるのに、すっかり下り坂の印象です。


一時は本当に、これは階級最強やなあ、中谷潤人が挑むとしたら大変そう、なんて本気で思ってたんですが。
今後はまあ、記事に書いてあることとは裏腹に、WBCもまだ当分甘い顔するんでしょうけど、もう本人が駄目なら、周りがどうであろうと駄目でしょうね。残念なことです。



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技巧派対決、最強挑戦者が戴冠 堤聖也、澤田京介をTKO

2022-06-23 21:46:43 | 関東ボクシング




ということで、入ってて良かった、でお馴染みBoxingRaiseのライブ配信、日本バンタム級タイトルマッチは、無敗ながら不運の影もほの見える最強挑戦者、堤聖也が、日本バンタム級の「呪い」をひとまず断ち切った王者、澤田京介を2回にダウンさせ、8回にラッシュしてストップ。
技巧派同士の対決を制し、新チャンピオンとなりました。


初回は「どちらも巧いなあ」と感心する、リズミカルな動きで探り、外し合うスタート。
しかし2回、互いに攻撃のテンポが徐々に上がり、ヒットも出始めたところ、澤田が右瞼をカット。
前の試合でも切っていたところか。バッティングとの裁定。

澤田多少動揺した?ところへ、堤が左フックを決めてダウンを奪う。
この後、猛攻をかけた堤だが仕留めきれず。好機にやや単調、緩急がない。これが今後の課題か。

4、5回は、試合成立をも考慮した、という余裕があったわけではなさそうな堤に、澤田が懸命の立て直しを見せる。
しかし6回、堤の左アッパーが決まって澤田、ダメージを受ける。
7回、早々から堤が左ボディ複数に右クロスのコンビ、また猛攻。
8回、粘る澤田の攻めをひとしきり凌いだあと、右ボディから上にフックが飛び、澤田がぐらつき、レフェリーストップとなりました。


両者ともにアマチュア歴があり、アマプロ通じて、長きに渡りよく練られたボクシングを見せる者同士の闘いでした。
しかし、今日の勝利で8戦6勝5KO2分となった戦績以上に強い、堤聖也の実力が存分に見られた試合でした。

2分というのも、比嘉大吾戦、そして中嶋一輝戦と、内容的には堤の勝利で納得、というものでした。
本人が試合後のインタビューで語った「もう3年ほど、自分が勝つところを(応援してくれる人たちに)見せられていない」というのは、不運そのものだったとしか言えません。

最強の挑戦者にして不運の影、と書いたのは、そういうところです。
中嶋戦はホールで直に見て、これでドロー(しかも、ゴッドレフトトーナメント大会、決勝戦での敗者扱い=優勝ならず)か、と他人事ながら気の毒に思ったこともありました。


基本、パンチ力で七難隠す、というタイプでなく、技巧で試合を回していくタイプが、判定に恵まれない試合を重ねるうちに、その心身が疲弊していき、バランスを乱していく、という転落は、いかにもありそうな話です。

しかし今日の堤聖也の闘いぶりは、一部「詰め」の段に課題を残しつつ、試合運びに技巧派としての良さが存分に出たもので、彼が「3年未勝利」の苦難をしっかり乗り越えたのだ、と明らかに見えるものでした。
BoxingRaiseの解説を、内藤律樹と共に務めたOPBFチャンピオン、栗原慶太との対戦や、その他の日本上位とのカードなどで、これからも質の高い試合ぶりを見せてくれることでしょう。



敗れた澤田京介は、またも序盤の出血でペースを乱した面があったかもしれません。
終始果敢に闘って、右の好打もありましたが、出るしかない選択を堤に見透かされてもいて、まさしく苦闘の末に、という敗戦でした。
残念でしたが、充分な敢闘を見せてくれたと思います。



BoxingRaiseのおかげで、また良いカード、熱戦を自宅に居ながらにして、ライブで楽しく見ることが出来ました。
画質もホールのライブ配信の際は、かなり改善されましたし、やっぱりお得、お値打ちです。
実況解説もかなり良かったと思います。
これでスローリプレイと、ラウンド中のタイム表示があれば完璧ですが、まあそこは妥協するとして(笑)。



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強敵が強敵となる前に 鉄拳ベテルビエフ、闘魂ジョー・スミスを撃退

2022-06-20 13:52:56 | 海外ボクシング



昨日は世界ライトヘビー級、三団体統一戦がWOWOWでライブ配信されまして、毎度の通り楽しく見ておりました。
WBC、IBF王者、チェチェンの鉄拳アルツール・ベテルビエフが、アメリカの闘魂ファイター、ジョー・スミスを2回KO。
三団体の王座を手にし、カネロ・アルバレスを破ったWBA王者ディミトリー・ビボル戦へ一歩前進...かどうかはともかくとして、レコードも18戦18勝18KOに伸ばし、その強打者ぶりを見せました。


ジョー・スミスは初回スタートから、長いリーチを伸ばしてワンツーを繰り出し、ベテルビエフの顎に強打を決めようと、仕掛けて出ました。
試合が始まってすぐに見せた、スミスの意志...ベテルビエフの強打を怖れたところで勝機はない、先に仕掛けて「勝負」するのだ、という意志がはっきり見え、試合は早々から緊迫したものになりました。


また、ベテルビエフは強打者の反面、髭で隠した細い顎が弱点で、過去の試合でも打たれ脆さを見せたことがあります。
たいがい、そういう場面の前に相手を叩き伏せてしまうし、長引いた試合でも、慎重に距離で外し、ガードも堅く、強打で威圧、牽制して、リスクを回避していますが。

今回も、スミスの先制攻撃を見て、即座に足で外しにかかったあたり、単に強打を振りかざすだけではない、適切な対応が出来るところを見せていました。
その上で、右強打で迎え撃って、3度(実質4度でしたが)ダウンを奪って2回に仕留めたわけですが、もし対応を誤って、一度でも好打され、スミスに好機を与えたら、その体力と闘志で相手を圧倒するスミスの強さを、ある程度まで引き出してしまっていたかもしれません。

しかし、強敵が強敵たる力を出す前に、適切に対応し、その上で強打の威力と精度で上回ったベテルビエフは、やはり王者たるに相応しい力の持ち主だった、ということでしょう。
再三決めた、振りの小さい右のクロスのみならず、フィニッシュ前など典型ですが、左右アッパーを「詰め」の攻撃に織り込んで、その上でまた右、というあたりは、好機になればなるほど、凶悪な意図を冷静に実行出来る、真の倒し屋ならではの凄みでした。


ボクシングには、早い回で終わったからといって、ワンサイドマッチとか、楽勝だったと簡単に言えない試合がありますが、昨日の試合もそのひとつだったと思います。
この辺は、大きく括れば、先の井上、ドネア再戦と同じだったかなあ、とも。
強者同士の試合でも、早く終わるときは終わるもの、ですね。





セミのロベイシー・ラミレスは、これまた強敵...普通ならそのはずなんですが、エイブラハム・ノバを5回KO。
相手のパワーショットではなく、リードパンチをアタマひとつ分のヘッドスリップで外し、それを端緒に攻めていく天才ぶりを、まざまざと見せつけました。
フィニッシュの左一発も、凄いタイミングで決めましたが、怖いことにフルショットではない。
後ろ足にけっこう重心が残っていて、仮に外されてお返し来ても、躱す準備が出来ていたはずです。
にもかかわらず、あの強烈なフィニッシュを実現するんですから...。

ただ、物凄い才能を持っていますが、まだ情緒面では子供やなあ、と思ったりもします。
この辺がこなれてしまったあとでは、フェザー級では誰も太刀打ちできないんでは、と思うくらいですが。

何しろ今後、目を離せない選手であることは確かです。
そのうち、WOWOWオンデマンドや放送の生中継に、メインイベンターとして出てくる人なのかもしれませんね。



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もう一本ライブ配信追加 澤田vs堤戦、23日にBoxingRaiseで

2022-06-19 07:53:20 | 関東ボクシング




国内外のいろんな試合がライブ配信で見られて、ここまでくると全部見るのだけで大変、という嬉しい6月ですが、もう一本ライブ配信が追加されました。
23日の日本バンタム級タイトルマッチ、澤田京介vs堤聖也戦です。







写真をクリックすると詳細ページへ飛びます。
毎度お馴染み、入ってて良かったBoxingRaise、ということで、月額料金だけで視聴出来るとのこと。
やっぱりお得ですね。未加入の方は是非。









今日はお昼からWOWOWオンデマンドで、世界ライトヘビー級選手権準決勝戦がライブ配信されます。
これまた楽しみですね。

もっとも世間はキックのビッグカードで盛り上がっているようですが。
昨日、大阪は心斎橋で、ビルの大型画面にて、配信のCMが流れてました。
えらいことですな。びっくりしました。

ボクシングも、東京ドームとは言わんでも、日本タイトルマッチのビッグカードを、せめて大田区総合体育館や代々木第二のような、中規模会場で開催出来るようにならんといかんなあ、負けてられへんぞ、と改めて思った次第です、ハイ。


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