さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

まさかの結果でした

2009-11-29 22:31:32 | 関東ボクシング
まさかこういう試合になるとは思っていませんでした。

亀田興毅は懐を深くして構え、内藤が右からリードしてくるところをうまく狙い、
左ストレートのカウンターを決め、その後はうまくサイドに回り、内藤の力を出させませんでした。
計量後、かなり体重を戻しているように見え、体格、パワーの差で内藤を抑えていた感じでしたが、
現状の内藤大助相手には、有効な闘い方でした。
また、単発のクリーンヒットを食っても崩れず、心身共に以前よりタフになっていました。
過去の試合から抱いた印象からすると、色んな面で成長していて、驚かされました。


対する内藤大助は、亀田の懐の深さに苦しみ、また、体格面でもやや小さく見えました。
故に、かどうかわかりませんが、右で入っても踏み込みきれず、フェイントも読まれていた感じです。
攻めたら狙われ、見たら突き放されという感じで、全て悪く回りました。
序盤見ていて「これは向こうにツイてるな、今日は大変やで、これは」と思いました。
また、右フックのヒットも、左ボディブローも、亀田に強烈なダメージを与えられませんでした。
総じてパンチにも動きにもうひとつ切れがなく、思うように攻撃を重ねられませんでした。

とはいえ「内藤が衰えていたから」という言い方で、亀田の勝利を貶めることは出来ません。
そもそも王座交代など、王者がある程度衰えないと起こらないものですから。

判定は115-113、というところでした。
三者とも、ちょっと中盤が亀田に寄りすぎかなー、とは思いますが、亀田の勝利で納得です。


個人的感情を言えば、こういう試合と結果は、望んではいませんでした。
しかし、どうやら自分なりに勝算を見い出し、その戦略を実現するための鍛錬を重ねて、
宿敵内藤大助に挑み、勝利したこの日の亀田興毅には、脱帽せざるを得ません。

試合内容としては、世界タイトルマッチとしては今ひとつ、低調な部類だったかも知れませんが、
王者となった今後は、かなうならば従来の亀田流のやり方とは違うものを見せて、
ファンが納得するような王者像を見せてもらいたいものです。

そのためには、今回、チーフセコンドから外れた父親との距離をしっかり取ることも肝要でしょう。
父や弟達が側にいない時の亀田興毅は、クレバーなボクシング眼を持つボクサーであり、
また、周囲に気配りが出来るナイスガイである、という話です。
かなうなら、周囲の商業的都合ばかりに縛られず、自身の理想のボクサー像を追って、闘ってもらいたいですね。
あまり希望の持てない話ではあるんですが。


敗れた内藤大助、本人にとってもまさかまさかの試合だったと思います。
本人がどう思うか以前に、おそらくリターンマッチの機会があることでしょうが、
この日「まさか」と思ったであろう展開を、どう克服出来るか、その確信を持てるかどうか。
厳しい闘いになるでしょうが、もう一度、頑張ってもらいたいと思います。


試合前の雑感には「スッキリした気持ちになれる試合になってほしい」と書きましたが、
特に変なことも起こらず、そういう意味では良かったと思います。
そりゃ、内藤大助が負けたことは、残念至極ではあるんですが...(^^;)

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とりとめもなく試合前の雑感です

2009-11-26 23:11:01 | 関東ボクシング
さすがに、ここまで来て中止もないでしょうから、予想...というか、
直前に思うところを、ちょろっと書かせていただくとします。


予想しろ、と言われれば、それは内藤大助が勝つと予想します。
亀田興毅は、例えば立ち上がりに内藤が先に仕掛けてビジーファイトに持ち込めば、
それこそパニック状態に陥るような段階の選手と見えます。
何しろ、今までやってきた試合、相手のレベルを比較すると、両者の間には確かな差があります。

とはいえ、内藤の前の試合の不出来、年齢、そして古傷などを考えると、
万が一の間違いが起こらないとも限りません。
そういう不確定要素もまた、確かに存在します。

特に最近の世界戦のレフェリーって、どう見てもバッティングで切っているのを
「パンチによる」と判定することが再々あるように感じます。
我ながら嫌になるほどの邪推ですが、亀田の過去の「所業」を思い返すと、
そういう不安も感じてしまいますね。


しかし、亀田興毅が、これまで誰に何を言われても避けてきた内藤戦をやると決断した所以は、
そんなところにはあるまい、と信じたい気持ちもあります。

何せ、現実に、彼は内藤大助と闘うわけです。
私は、到底勝ち目は無い、と思うのですが、彼が闘うと決断したことは事実です。
言うだけ言うて無視、という過去とは、全く違う決断をした。
その一点においてだけは、彼のことを見直さねばならない、と、今のところ思っています。


対する、内藤大助について。

TVによく出てる人、という「地位」を得て、試合の度に高視聴率を叩き出す。
今、日本ボクシング界最大のスターボクサーであることは、彼が命がけの闘いを経て掴んだ、
かけがえのない財産であり、境地です。

しかし一連の挑戦者選びに対する批判、先の試合における苦戦による衰えの指摘など、
ボクサー内藤大助には、今、改めて払拭せねばならない不安があります。
そこで組まれたこの一戦において、内藤大助はどんな闘いを見せてくれるんでしょうか。
多くのファンが期待するように、積極的で厳しいボクシングをもって亀田興毅を撥ね付け、
惑わせ、捉え、打ち倒してくれるんでしょうか。それとも...。



このカード、なんだか「盛り上がりがもうひとつ」という声もあるようですが、
なるほど、言われてみれば私もそんなに「盛り上がって」いるわけではありません。

しかし、なんだかんだいって、双方のこれまでの、そしてこれからのボクサー人生を
取り返しの付かない形で決めてしまう一戦であることは確かです。
私なんぞがどんな繰り言を言ってみても、そういう舞台になってしまっています。

何にせよ、見終わったあとにモヤモヤした気持ちになるような試合にはなってほしくない。
見終えたあとで、結果がどちらに幸いしたとて、スッキリした気持ちでそれを受け入れられるような、
そういう試合になってもらいたい。今はそれだけを願っています。

亀田が絡む試合にそれを望むのは、これまでの例でいくと実に難しいことだったりするんですが...。
 
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世界への意欲

2009-11-24 22:29:08 | 大場浩平
中部方面在住の友人のご厚意により、なんとHD画質で(^^)
大場浩平vs池原信遂戦の映像を見ることが出来ました。

世界挑戦経験もある元王者、池原を迎えた大場、
最近は停滞気味と言われる中、やはり逸材ぶりを証明した試合でした。

ロープ際で止まる場面が数回あり、余計な被弾はところどころに見られるものの、
それ以外は丁寧に距離を取って動き、シャープなジャブ、強烈なボディブローに加え、
いつも「乱発」するアッパーカットを控え、その代わりにインサイドに抉るような
右ストレートを時折打っていました。攻防共にバランスが良く、安定していた大場ですが、
ことに攻撃面で、より多彩で幅のある闘い方が出て来たように思います。

序盤から速いフットワーク、ジャブ、ボディブローでリードした大場、
池原の懸命の反撃をほとんど外しては、有効打を決めていきました。
バッティングで切り、ボディブローで体力を削がれ、それでも粘った池原でしたが、
9R終盤にロープ際で左フックを食って、ロープにもたれてバランスを崩したところで
レフェリーストップがかかりました。ナイス・ストップだったと思います。

試合後のインタビューでは「来年こそは...頑張ります」と、大場らしく一度外したあと、
「来年は必ず世界のベルトを巻きたいと思っています」と、世界奪取宣言が出ました。
具体的に世界戦の話があるのかどうかはわかりませんが、本人が意欲を示したことは
良いことだと思いますし、この日の大場の闘いぶりを見れば、もう大場浩平は
日本タイトルマッチをやっている選手じゃないと、周囲も納得したことでしょう。


日本王者として、国内の強敵を悉く退けてきた大場ですが、
世界となるとやはり不安もあり...という感じでしたが、この日のように、
自分の良さ...速い足、動きながら打てるジャブ、一撃で相手を弱らせるボディブローをしっかり出し、
その上で右ストレート、左フック、お得意のアッパーを要所にちりばめるようなボクシングが出来れば、
世界戦での勝利は、より現実的になると思います。
唯一の不安は、目の良さを過信している面が、未だ散見されるところでしょうが...。

試合後のインタビューも(大場なりに)力強く抱負を語っていましたし、
天才ボクサー大場にも、本当の意味で勝負の時がやってくることでしょう。
来年、いよいよ大場浩平に注目ですね(^^)


セミには元エディジムの、小松則幸の後輩である松元雄大が、小松の形見のトランクスを履いて
岐阜の破壊王こと、児玉卓郎相手に善戦のドロー。
勝利ならず落涙していましたが、持ち前のスピード、フットワークを駆使して健闘でした。
あのトランクス、確か直に見ましたね。ロリー・ルナスを倒したときのやつでしたっけか...。

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パッキャオvsコット戦感想文(結果あり)

2009-11-15 23:04:22 | マニー・パッキャオ
どこまでも、常識の通じないお方であります。

デラホーヤを速い連打で打ちまくり、ハットンを小さく鋭い右で倒してきた様を見て、
もはやアジアの英雄というより、デュランやアームストロングと比較するに足る
「非常識」な怪物ボクサーである、と頭ではわかっていても、それでもやはり、またしても驚きました。


試合前の私の予想はコット勝利でした。
マルガリート戦は、あまりの相性の悪さ(体格面での不利、コットの短所とマルガリートの長所が合致した)が
大きく作用したものと見ていて、やはりウェルター級屈指の強豪であるコットのパワーが
今度という今度は、マニー・パッキャオを打ち破る可能性の方が、普通に考えて高いだろうと思っていました。

しかしパッキャオの試合だけは、普通の頭で考える予想が通じません。
それは今までもそうでしたし、今度もそうでした。


ただしコットにも懸念があったことは確かです。
過去、ザブ・ジュダー戦、そしてマルガリート戦で露呈したふたつの弱点。
ボディが比較的弱いこと。八の字ガードのまま、距離を取ってサイドに回ることをせず打ち合うため、
相手のアッパーカットを食う頻度が高いこと。
ことにマルガリートは、自らのスタイルを貫くことで、イコールこのふたつの弱点を突けた、希有な選手でした。

では、このコットの弱点を、パッキャオがどう突くのか。
パッキャオのスピードは、果たしてコットの懐の深さを克服しうるのか。
打ち合いの際に、八の字ガードの中央をどんなパンチで打てるのか。
そこに興味を持って試合を見ました。

なお、コットの側から見れば...というか、私がもしコット陣営の人間だったらば、
長いジャブを基本に、徹底的にパッキャオを突き放し、打ち合わない作戦を採っていたと思います。
上記のような弱点があるから、という以前に、パッキャオと打ち合うリスクは避けないといけないはずでした。


立ち上がり、コットはそういう意識で闘うつもりなのかな、と見えたのですが...。
3R、4R、いずれも打ち合いの中で、パッキャオは驚異的なほど速く的確なパンチを当てて
コットをダウンさせ、試合の帰趨をほぼ決定づけてしまいます。
とくに4Rの、コットの、ガードの形態と距離の取り方の辻褄があっていないという弱点を突いた
パッキャオのアッパー気味の左フックは、見事、お見事、参りましたというところでした。
その後は余裕を持ったパッキャオが、波状攻撃を繰り返してコットを痛めつけ、
最終回早々、左をヒットしたところでレフェリーストップ。

かくして私の愚かしい、常識に縛られた頭の古い予想はまたも打ち砕かれ、
これ以上ありせんな、金箔突きの完勝ですな、参りましたm(_ _)mというところに落ち着きました。


試合後、パッキャオの元には、いっぺんに4つくらいベルトが送られていました。
WBOウェルター級ベルトに、WBOスーパーチャンピオンベルトに、
WBCダイヤモンド、他にももういっこグリーンベルトが来てまして、もうこうなると
かえって値打ちおまへんね、というなんだか冗談みたいな光景が繰り広げられていました。
あと、公式には5階級制覇か7階級制覇か知りませんけど、まあ、とにかくこのお方は偉大です。

ジョー小泉さんが「ヘンリー・アームストロングがバーニー・ロスを破った試合に匹敵する
歴史的価値のある試合」と語っていましたが、まあそういう例えの意味を本当にわかっていない私にも、
とにかく大変な試合を見たのだな、ということはわかります(^^;)
ていうか、このお方の試合はここのところ、ずーっとそんな感じじゃないですかね。

歴史を越え、常識を越え、階級の壁を越え、全てを超えて、マニー・パッキャオはどこまで征くのでしょう。
またしても、驚嘆と感動の試合を見ることが出来ました(^^)



追記:えーと、これって、ひょっとして、東洋人ボクサー初の、
世界ウェルター級タイトル獲得だったりするんでしたっけか?
どこ見てもそうは書いてないんですけど、これも快挙ですよね。
145ポンドですけど、いいですよね。ね(^^;)

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栄光はまだ先に

2009-11-09 23:52:59 | 海外ボクシング
デビッド・ヘイ、大変きつい試合でしたが勝ちました。
ニコライ・ワルーエフとの身長差、体重差はもう、相当なもので、
ワルーエフが背中向けたその向こう側に、ヘイがすっかり隠れてしまった時には、
思わず笑ってしまいました。

もっともヘイ当人にしたら、笑い事じゃないわけで、
スピード大事、一度のアクションで打つパンチは三発限度、という
極めて制約の多い闘い方を選んだことを、責めようとは思いません。
やっぱきついわな、これは。という感じで見ておりました。

しかし、この試合が、彼のいう「ヘビー級に栄光の時代を取り戻す」試合になったか、
というと、残念ながら明白に「否」だったと思います。
かなりの期待を込めて、そのための第一歩であった、と言えるかも知れませんが...。

ただ、今日の試合には厳しい評価もされるかもしれませんし、私もその内のひとりですが、
彼が次にジョン・ルイス戦を良い形でクリアして、ヘビー級での試合経験を重ねれば、
その後に持ち上がるであろうクリチコ兄弟との対戦は、これはけっこう面白いかも、とも思います。

クリチコのジャブ中心のボクシングは、ワルーエフのそれとは比較にならない厳しいものでしょうが、
体格面での差が縮まることで、ヘイの攻撃力が発揮される局面も増えることでしょう。
少なくとも今日のような安全策、縛りの多い闘い方では、クリチコ兄弟には勝てないでしょう。
ワルーエフとはまた違った脅威と相対せねばならないヘイが、どういう闘いを見せるのか。

そこにヘイの信じる、そして私を含め多くのボクシングファンが求めて止まない
「ヘビー級の栄光」があるのかも知れません...勝ち負け以前に、それを期待しています。

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