さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

「英国シリーズ」終了、ここからが大勝負 リナレス、クロラを返り討ち

2017-03-26 16:02:35 | 海外ボクシング



ということで今日は、早朝からWOWOWオンデマンドを見ておりました。


そもそも前回の試合内容にしてからが、何もどうでも再戦せな済まん、とは思えませんでした。

クリアに中差で勝ちか、という内容で、けっこう競った採点が出る。
レフェリングの細かいとこ含め、やっぱり英国の「いかがなもんか」な部分が見えた印象で、
即再戦というのも、ボクシング業界の好景気から来る、英国ならではの力業、無理押しやなと。
もっとも、日本のボクシングファンに、それを言う資格があるかどうかは別ですが。


そういうことで組まれたホルヘ・リナレスとアンソニー・クロラ再戦ですが、
前回以上に大きな差を付けて勝ったリナレス、その好調ぶりは見事なものでした。

初回、のそのそ前に出るのかと思ったクロラが、足からリズムを取って動く。
両者ジャブの応酬、探り合い。クロラも良いが、リナレスはジャブが速い。

しかし、2回からリナレスが走り始める。ジャブ上下、スリーパンチ、右クロスも。
いずれも速く鋭く、ヒットしなくても「脅かし」効果あり。

4回、クロラが左ボディを決め、リナレス一瞬止まるがジャブ返す。
左右アッパーをボディに、または上に。
6回、クロラは右振ってロープ際に追うが、リナレスはダックしてサイドへ、簡単に脱出。
リナレスのヒットが続き、クロラの左目尻から出血。

7回、ロープを背負った位置からリナレスの左アッパー。クロラの顔面をかすめるようにヒット。
角度やタイミングが、リカルド・ロペスがビラモアを倒したアッパーにそっくり。
クロラにとり、想定外の距離から来た、見えなかった一撃だったか。
さすがに堪えられず、ダウン。立ったが、リナレスの狙い撃ちに遭う。

8回、クロラが出るが、リナレス右アッパー3発、左も。
9回、クロラの右クロスが入るが、リナレスが返した右がテンプルに。クロラの足が見るからにぎくしゃく。
これで試合の形勢は「逆転不可能」なものになった、と見えました。

ラストみっつ、クロラの粘りは驚異的ながら、リナレスが問題なく捌いて終了。
前回以上の差がついて、公式採点も大差。私もラウンド数で言えば10対2、ないしは11対1と見ました。


試合前は、冒頭に書いたとおり、前回があの内容であの数字ということは、
もう少し内容が接近しただけで、悪い結果が出る可能性もあるのかな、と嫌な予感もあったんですが、
終わってみれば最初から最後まで、リナレスは文字通りクロラを寄せ付けない快調さでした。
余計な心配をほぼ完全に吹き飛ばし、英国リングで三連勝を決めました。


次は強敵マイキー・ガルシアとの対戦が噂になっていますが、リナレスにとっては、
米大陸のリングで、スター選手となれるか否かの大勝負です。

昔ほどの格差はないにせよ、英国、ないしは欧州の相手に勝つことは、
米大陸の強豪と闘う前段階での「試金石」に過ぎない場合も多い。
それが未だに、多くの場合の現実だと思います。

ライト級は現状、ロバート・イースターとマイキー・ガルシアが強く、
リナレスはリングマガジンベルト保持者としての価値を、彼らとの闘いで証さねばならない立場でしょう。

その意味からしても、クロラ相手にもつれるような試合をしていては、
仮に勝って返り討ちにしても、まだ不安あり、不足ありだったでしょうが、
今回の試合内容は、考え得る限り、これ以上ない、という線引きにかなり迫ったといえるものでした。

何しろ終始速く、鋭く、正確で、隙らしいものがほとんど見えなかった。
速いもの鋭いのも、過去の良いときはそうだったに過ぎない、と言えば言えますが、
それに加えて、あらゆる局面において、強度が高く、試合運びも冷静で、判断に迷いが見えませんでした。

この日の出来なら、マイキー相手でも充分やれる、と見ます。
徹底的に速さを打ち出し、好機における攻撃の威力を上乗せ出来れば、勝機もあるでしょう。

試合後の顔も綺麗で、表情も充実感に溢れていました。
「英国シリーズ」はこれで終了。
次はおそらく、かつて痛烈な敗北を喫した米国リングで、頂点の座を賭けての「再挑戦」となります。
南米生まれ、日本デビューの天才、ホルヘ・リナレスにとり、大勝負のときがやってきます。
その時を楽しみに待ちたいと思います。


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今日の配信については、WOWOWのHPでは午前4時からとありましたが、前座がどのくらいあるのかどうか、
過去の英国からの生中継だと、メインは早くても6時か、普通なら7時か、というところ。

ただ、一度だけ、想定以上に早くメインが始まり、ライブ配信ではなくなってしまった事例があり、
そのために早い時間からの配信になっている。
それはわかっていて、まあ4時に起きることもないかと思ってはいても、
一応早寝して、4時頃に起きてはみました。

結果、前座は二試合目のミドル級がけっこう面白かったですが、他はまあ普通か。
もっとも、英国の国内レベルを日本のそれと比較したら、なかなかのレベルやなー、とは思いましたが。

たまにはこういう、普段見ることのない他国のナショナルタイトルや、地域タイトルの試合も面白くはあります。
ただ、やっぱり眠くなってしまい、セミの試合はほとんど実況解説の声だけを聴いているような有様でした。
上手いことメインの前くらいに目が覚めましたが...。

朝早くから実況解説の方々も、お疲れだったことでありましょう。
高柳さんは途中、しきりに我々視聴者への気遣いがにじむコメントをしてはりました。
と同時に、前座長ぇなー、判定ばっかかよ、という思いも言葉の端々に...(^^;)


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勝負は無情、されど思いも情けもあり 船井龍一、中川健太をKO

2017-03-22 22:38:16 | 関東ボクシング


今日はBoxingRaiseのライブ配信で、日本スーパーフライ級タイトルマッチを観戦しました。

試合前からあれこれと話題になっていた「親友対決」は、
酷薄無情に優勝劣敗が切り分けられるボクシングならではの、強烈な結末を迎えました。


試合は初回、2回と探り合い。
サウスポー中川が左に動いて(動かされて?)いる分、船井が右リードで入れる。
船井は左回りが基本、中川の左が遠い。

3回終盤、中川が右フックヒット、連打。
4回早々、左二発。最初まっすぐ、次スイングと打ち分け。

距離やテンポに少しでも間が生まれると、鋭い強打が出る中川。
高いKO率もなるほど、と納得。

しかしキャリアの中身で上回る船井は、即座に右から当て返し、徐々にペース掌握。
距離を詰めてボディから攻める。中川も返すが、距離が詰まると船井が優勢。

6回、船井が出て、ロープに押し込んで攻める。右をボディに決め、上に返す。
中川後退、よろめく。
7回、今度は中川が出て左。船井、少し右に追われるのが気になったが、反撃。
右ショート、左ボディ、接近して押す。ラウンド終盤、右連発、最後右ストレート。
中川倒れ、カウント中にタオル投入。TKOで船井の勝利でした。



強打のサウスポー中川健太の試合は、これまで見たことがなかったのですが、
長身、痩身、白面の左強打者、ブランクを経て再起、連続KOで駆け上がり王座へ、
という概略だけでも、充分に魅力的、興味津々でした。どんな凄い選手なんだろうと。

対する船井龍一は、無冠ながら充分に有名選手で、ロリー松下に完敗、石田匠に惜敗の後、
3度目のタイトル挑戦。その実力は充分知っていて、無冠の帝王、というと大仰かもですが、
タイトルのひとつくらい持っていて、何の不思議も無い。

ただ、三度目の正直で迎える相手が高校時代からの友人で、互いのボクサー人生にも
大きな影響を与え合った者同士の試合。
単に「話題」として軽く扱うには、あまりにも劇的でした。

もっとも、それを言えばこの世にある全てのボクシングの試合とて、
縁もゆかりも無い者同士が切り結ぶ「運命の劇」なのでしょうが...。



試合後、両者は健闘を称え合い、船井は中川に、ジムの指導者に、後援者に対し、
できる限りの名前を列挙し、丁寧に感謝の意を述べ、今後への豊富を語っていました。


「試合が決まるまでは(中川とは)本当にやりたくなかった」
「これまで指導してくださった指導者の方々に感謝します」
「自分がここまで来れたのは、期待して応援してくださる皆様のおかげで...」


ボクシングとは酷薄無情の闘いなれど、
当然ながら人の成すこと、そこにはやはり、尽くせぬ思いも情けもある。

船井は「試合の30分だけは、思い切り殴ります」と言ってリングに上がったそうですが、
試合が終われば、様々な思いを、情けを身にまとって生きる、人の姿が、そこにありました。


その実力からすれば、遅かった戴冠かも知れませんが、ボクシングファンとして、
多大な祝福に値する、新チャンピオン誕生を見ることが出来た喜びがあります。
良いものを見ました。今後の健闘にも期待したいですね。


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王者の衰えか、挑戦者の質ゆえか ゴロフキン僅差で勝つ

2017-03-21 17:06:34 | 海外ボクシング



「セミ」の衝撃で霞みかねないメインイベントでしたが、こちらも普通なら
なかなか想像しない試合内容が見られました。

いつも圧勝するのが常のゲンナディ・ゴロフキン、ついにカリブの天才ウィルフレッド・ゴメスの
17連続KO防衛記録を破るか、という試合でしたが、純正ミドル級、タイトルホルダークラスの
アメリカ黒人ボクサーであり、ゴロフキンのキャリア中最高の相手か、と見えた
ダニエル・ジェイコブスの前に、世界戦では初の判定防衛でした。


初回、ゴロフキンが出て、ジェイコブスは時に下がり、回り、出る。
距離が詰まったら、ゴロフキンが振りの小さい、力を込めた右。外れる。
すると間もなく、今度はジェイコブスが同様の右を振り切る。これも外れる。

共にミスブローでしたが、このふたつのパンチに、それぞれの意志が見えたように思いました。
闘う型、展開は違えど、共にここぞという時には、力を込めて急所を狙う意志が。

ゴロフキンはいうに及ばず、ジェイコブスとて、ピーター・クイリンとの
ブルックリンダービーにおける、右一発からの超高速ラッシュでのストップ勝ちを見れば、
たった一瞬の隙を、瞬きする暇もないうちに、自らの勝利への決め手に変えてしまう力があります。

両者はその力を、意志を互いに秘めたまま、緊迫の攻防。
がっちりした、という表現を越えた「異形」の厚みを持つ肉体のゴロフキンが、
じりじり出てジャブから右。
しかし、いつものような、思うさま打ちまくるという展開には持ち込めず。

フレームでは上回るジェイコブスは、派手では無いが丁寧に打ち、こまめに動く。
キャンバスに幾何学模様を描く、とまではいかずとも、適切な位置取りの繰り返し。

ただ、サウスポーへのスイッチは「止めた方が良い」と断じるようなものでなく、
一定の効果はあったにせよ、良し悪しもまたあり。
4回、ダウンを喫した、飛び込みざまの右ダブルは「そのせい」で食った?とも見えました。

中盤以降、ゴロフキンの「いつもと違う」感じは変わらず。
ジェイコブスはダウンが軽ダメージだったことを証すように、懸命に動いて当てる。
9回、右アッパーを決めたゴロフキンが、「いつも」の展開に持ち込むかと思ったら、
ジェイコブスもシャープな連打を返す。

終盤みっつ、ゴロフキンは未知のラウンドに突入、もちろん威力ある攻撃を見せるが、
ジェイコブスも果敢に反撃、左フックやボディのヒットなどが印象的。
結局倒せず、判定でした。


正直言って、採点に迷いまくった試合でした。

ゴロフキンは体つきこそ、衰えどころかさらに分厚くなっているようにさえ見えましたが、
肝心の動きに切れや思い切りの良さが見えなかった。さすがに若干衰えてきたのかな?と。

しかし、こちらが普段、ゴロフキンの圧倒的な強さを見慣れているせいなのか、
ジェイコブスのまとまりの良い攻防が、実際以上に印象的に見えてしまっているのかな、とも。
残念ながら、印象的なヒットはあれど、威力は足りず、ダウン奪取やKOの予感などは皆無だったわけですし。


結果はゴロフキン勝利でしたが、自分の採点は、と見ると、6対6。
ダウンの分だけ勝ったかな、という感じでした。

しかし、最初から最後まで迷い、保留、どっちもあり、と記した回が全体の半数以上(汗)
こんなもの、もはや「採点」の体を成していない。
まあ、所詮素人の仕業、こんなものですが、それでもこれはいかん、と反省した次第です、ハイ。


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さて、今後は母国でサンダース戦、その次がカネロ戦という計画というか方針というか
はたまた観測気球なのか、そんな話も早速出ているゴロフキンですが、
その圧倒的な実力と、着実に上昇中とはいえ、人気や知名度ではカネロに劣る現状故に、
これまではなかなか、ビッグマッチが決まらなかった状況が、少し変わり始めるかな、とも思います。

今回の試合内容は、彼の衰えなのか、挑戦者の質が高かったゆえなのか。
カネロ側がどう見るのか、そして試合が組まれるとして、それが条件面や状況をどう決めるのか。

私は、ゴロフキンの状態に対する不安を感じるクチですが、
それが、これまで恵まれなかったビッグマッチ決定を後押しするなら、
その先はもう、彼の奮起、ひと頑張りを期待したい、という気持ちでもあります。
矛盾もいいところですが、ファンというのは、常に勝手なことばかりですので...。


何かとごちゃごちゃ、余計な話ばかりのボクシング界において、
ゲンナディ・ゴロフキンの圧倒的な強さは、細かいことを吹き飛ばす爽快感に満ちていました。
これぞ最強、わかりやすく強い。
誰が何を言うたって、この先生が、出るとこ出て、白黒つけてくれはるわ、と。

しかし、そういう彼のキャリアも、これからそう長いわけではないでしょう。
その最後が、カネロ・アルバレス戦を含めた、大きな試合で締め括られることを願っていましたが、
今回の試合を見ると、期待と不安、共にあり、という感じになってきたのも事実ですね。



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「情勢」が変化した ローマン・ゴンサレス僅差で初黒星

2017-03-20 11:55:28 | 海外ボクシング



昨日は一応、結果知らずで録画したWOWOWを見ることが出来ました。

全体として、誰もが思い描いていたような内容や結果が揃わなかった、というに尽きます。
毎度のことではあるのですが、ボクシングというのは、こちらの勝手な思い通りにはならないものです。


ローマン・ゴンサレスはシーサケット・ソールンビサイに判定負けでした。

昨年9月のカルソス・クアドラス戦で、少なくともTVの映像で見た限りでは、
フライ級までのようにパンチの威力が通じない、好打しても強打たり得ず、
さすがに4階級目にして、体格差の壁にぶつかったように見えたロマゴンが、
115ポンド級二試合目で、いかなる変化、適応を見せられるのか。
誰もがその点を注目していたと思います。

リングに上がったロマゴンは、筋量の配分がバランスよくなされた体つき。
ただ、目に見えて、極端に肉体改造をしてきた、という風でもない?微妙な印象。

技術面では、これまでどおりに、やや前傾して、7~8割のパンチで入り、
同じくらいのパンチを繋ぎ目なしに連打して攻めていく、という型。
長年指導を受けたトレーナー、アルヌルフォ・オバンド氏と死別したものの、
このあたりは基本的に変わりませんでした。

初回のダウンは、クリーンヒットではなく胸のあたりを打たれ?押され?
スローで見ると頭も当たっていたようで、不運なものでした。
その後の出血も含め、これ、今日は全部悪く回ってる、まずいなあ、という展開。

ただ、初回からそうでしたが、ロマゴンの立ち位置が、時々まともに
シーサケットの手が出る角度になっていて、どうも不安でした。
うまく外している時も当然あるが、シーサケットの左から右の返しという
基本的な攻撃のコンビを出させてしまう、そして時に、まともに受ける。

そういえばロマゴンの対サウスポー戦って、過去にあったかな、見たことあったっけ...
と記憶を探るよりも先に、バッティングに出血が重なり、試合はどんどん荒れていく。
そして、動いて外し当てるより、正面から打ち合う、消耗戦の様相。
体格面で不安がある試合なのに、その不利をまともに被る展開は、見ていて重いものでした。

結論として、スーパーフライ級への適応、対応はならなかった試合でした。
連打の繋ぎはいつも通りスムースなれど、好打のあと緩急の「急」の追撃がなかった。
これまで通りの、パンチの効果がある前提での連打でしかなかった。
体格面のみならず、闘い方自体にも、ほぼ変化がなかったことは、残念に思いました。

それでも判定はロマゴン僅差勝利かな、と見たんですが、ダウンの失点は大きかったか。
バッティングのWBCルールによる減点も、二度ではなく一度だけでした。
出血はロマゴンの右目尻と、あとはそのほぼ真上の頭部からあり、
こちらの出血の量が上乗せされたような形で、相当闘いにくかったことでしょう。


対するシーサケット・ソールンビサイは、良くも悪くもいつもどおりに、
持てる「手管」を繰り出し、力を出し切って闘いました。

上体を立て、正面から左、右を返し、追撃なればアタマも添えて。
揉み合えば負けず、打たれても耐えて怯まず、必ず返す。数でも負けない。
ボディが堪えれば逃げ、また絡み合い。
攻めてパワフル、受けてタフ。どの局面でも相手に楽をさせない。

ロマゴンの「好打が強打にならず」が、また繰り返されたことが前提にあるとしても、
こうしたシーサケットの闘いぶりには、感嘆させられました。

また、序盤にダウンを奪い、アタマであれなんであれ、出血もさせ、
誰もが思い描いていたものとは違う「絵」を作ってみせたことも大きかったでしょう。
試合の序盤からの、このような展開が、後々の競った回の採点に、少なからず影響したはずです。

セミセミの試合では、ジャッジはカルロス・クアドラスの顔だけを見て、
ダビ・カルモナのヒットを真面目に見ていないのか、と思うような採点が出ましたが、
シーサケットは、こうした有名選手ならではのアドバンテージをロマゴンから奪った。
それ故に競り勝てたのだ、とも見えました。



タイ国内の試合ではなく、天下の殿堂MSGのリングにおける、
ロマゴン相手の大試合で、ほぼ完全に、普段通りか、それ以上の力を出し切った。
カルロス・クアドラス戦の経験があるとはいえ、元々日本で噛ませ仕事をやっていた選手が...
などと今更言うのは無意味かつ失礼でしかありません。

こんなタイ人ボクサー、過去にいたかなぁ、と思います。
ぱっと思いつく限りでは、ロスでパスカル・ペレスを破ったキングピッチ、
メキシコで強打アラクラン・トーレスと二度闘い、一勝一敗のチャチャイ、
オランダ領キュラソーでイスラエル・コントレラスを一蹴したカオサイ・ギャラクシー。
あとはチキータを倒したサマン・ソーチャトロンもそうかもしれません。
ほとんどが、タイの歴史上「超」がつく一流のチャンピオンです。

シーサケットが佐藤洋太と闘う前には、これらの名前を彼の比較対象として挙げることなど、
想像もつかなかったことです。
彼の闘いぶりや、その実力をあまり過大に見るのはどうか、と思う反面、
この日の勝利が、相当な「大仕事」であったことは、認めざるを得ませんね。


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で、以前から拙ブログでグチグチと書き、心中怖れていた「情勢の変化」が
ついに現実となってしまったわけですが...。

まあ、いざこうなってしまったもの、どうしようもありませんね。
何だそれは、というツッコミが聞こえてきますが、実際、どうしようもありゃしません。

井上尚弥の落胆たるや、相当なものがありそうで、WOWOWのスタジオでは、
一瞬、目が死んでいるようにも見えましたが、優勝劣敗の掟は、軽量級史上屈指の王者とて、
例外たり得ないという、それだけのことです。

かくなる上は、井上尚弥が同級最強の証を立てられるような試合の実現を期待するのみ、ですね。
ロマゴンやシーサケットのみならず、他にもそれに相応しい相手はいるわけですし。


ただ、若干嫌らしい物言いになりますが、破ったことから得られる付加価値のようなものが
これほど大きかった相手を「逃がして」しまったことは、やはり惜しまれますね。
仮に安い報酬でも、それこそ「B面」扱いであったとしても、
さっさと、そっち向きの「勝負」に踏み切っていれば...と思ったりもします。

まあ、どこまでも呑気なのか、怖がりなのか、そもそもやる気がないのか、実際のところは不明なれど、
ファンとしての傍目で言えば、シーサケットあたりに先を越されたマネジメントの鈍重さは、
目を覆いたくなるものがあります。どないもこないも、です。


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香港の熱闘/タイでKO勝ち/本場に出ねば/強い東洋王者?/名伯楽死す

2017-03-13 12:27:36 | 話題あれこれ



4月から5月にかけて、世界戦年末集中開催からの間隔ゆえに、
またもあれこれと折り重なるように、大きな試合の話が出てきています。
5月20日有明の話は、いろんな意味で「ホンマですか...」と思わされますが、
まあそれはまた後日、発表後に何か書くとして、試合の話題などを。


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土曜日、香港で熱闘あり。レックス・ツォvs向井寛史の一戦は、
地元の大歓声を受けたツォが、打ち合いを制して8回KO勝ち。
向井は激しい打ち合いを繰り広げましたが、敗れました。

動画ありましたので貼ります。




2回、6回にダウンされ、8回はツォの左レバーパンチを食ってKOを喫する。
しかしそこまでの展開は一進一退、好打で敵地の観客をどよめかせる場面も。

序盤から、スピードを生かすより、正対しての打ち合いに巻き込まれてしまい、
本来の良さを出し切れたかというと、そこがちょっと残念な部分ではあります。
しかし、厳しい展開になってしまった、敵地故の難しさもあったにせよ、
その中で、果敢に打ち合った、健闘だったと思います。

ツォは井上尚弥に挑戦して勝てるような選手ではないにせよ、
体力、耐久力で向井を上回り、地元の声援を受けて、好打されても怯まず攻めきりました。
過去にも日本の選手に何度か勝っていますが、向井はおそらく過去最強の相手だったでしょう。
試合後の本人、周囲の喜びようからも、それが見て取れました。


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少し前ですが、WBCフライ級王座決定戦はタイで開催。
ファン・エルナンデスがナワポーン・ソールンビサイを3回にTKO、新王者に

これまた有り難いことに動画がありましたので貼ります。




1、2回はエルナンデスが動いて、ナワポンが馬力のあるところを見せるシーンも。
しかし3回、エルナンデスの左アッパーがナワポンのガードを貫く。
効いたナワポンに連打で追撃、左フックでダウン。

エルナンデス、左上下を踏み込みひとつで打ち分け、右ストレートを上に、という詰め方。
ナワポン連打にさらされる時間が長くなり、レフェリーストップとなりました。

序盤はナワポンも力のあるところを見せたが、防御の甘さを突かれた感じ。
エルナンデスはフライ級では若干小柄ながら、井岡一翔戦でも見せた左の連打は健在。
好機の迫力は、階級を上げた効果か、かなり増している印象でした。

比嘉大吾のターゲット決定、という目でこの試合を見ると、
比嘉が出て攻め落とせるかどうか...少なくとも、比嘉が過去に闘った誰よりも
機動力があり、左が多彩で、攻防のバランスに優れた選手であることは間違いないでしょう。

厳しい試合展開が待っているでしょうが、そこでどれだけ踏ん張れるか...
いずれにせよ、見応えのある試合になりそうです。
夏か秋頃、ひょっとすると山中の次とダブルだったりするのでしょうか?


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井上尚弥、ロマゴン戦解説決定、インタビュー
結構興味深い内容です。

しかし、一方ではWBCシルバーベルトを、かのファン・エストラーダが獲得、ということで、
米大陸のマーケットにおいて、Sフライ級はWBCタイトル中心に話が回り始めていますね。

5月予定の井上の防衛戦は、当然国内で、おそらく有明で、しかも他に大きな目玉もあるとか?で
著名選手招聘という話も出ませんし、そんなこっていいんですかね、と毎度の通り思います。

ロマゴン戦実現の見込みは、ないことはないのかもしれませんが、情勢の変化があれば
当然消えて無くなるのが、ボクシングの試合というものですし、そうなった場合のことも含め、
それまでの、普通の試合でも、評価上昇に繋がる何事かを、追い求めるべきじゃないかと思うんですが。

結局、過去のいつくかの事例のとおり、井上尚弥が、せっかく世界的に盛り上がっている
115ポンド級のシーンを、外から眺めているだけで終わるというのは、いかにも惜しい話です。
ほんまに、どないかならんものですかね。
どないかしようと意志の存在を、形として見せて欲しい、と思うのですが、今のところは...。


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と、井上についてはあれこれと、やきもきしながら見ている反面、
こちらのお方については、まったく思うところがなくなって久しいところです。

12年間無敗!ハグラーみたいやなー(笑)とか、61連勝とか、
まあ何せ大層で、思わず笑いが漏れますが、せいぜい頑張っていただきたいものです。
しかし、こうなると昔の東洋王座みたいな感じになってきましたね。
まあ、強い部類の東洋王者であることは、多くが認めるところではありましょうが...。

当日は名古屋で観戦予定で、早く終わればハシゴかけたるー、と意気込んでいます。
しかしお目当てはあくまで大森将平ですが。
TBSのダブル世界戦なので、あまり遅くなるようなら、メインは見ずに帰ります。
意外に終電がシビアだったりしますので(←いや、本当なんですよ)。


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名伯楽死す

ロス五輪組を中心に、一時は大勢のチャンピオンを指導していて、
海外の試合見ていると、しょっちゅうお顔を拝見しました。

なんか、昔気質の、怖そうなおっちゃんやなー、という感じで、
ジムではけっこうアナクロな指導してるんちゃうかなー、なんて勝手に思っていましたが、
見ている選手たちは皆、オーソドックスな基本と、先進的なテクニックを兼ね備えていて、
ああこれはそういう思い込みとは違う指導者なんやろうな、と思い直したりもしました。

94歳、大往生ですね。ご冥福をお祈りします。


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スイッチヒットで大逆転 西谷和宏、ホールでKO戴冠!

2017-03-05 10:06:51 | 関東ボクシング



昨夜はG+の生中継を見ておりました。
前座から、特に期待度の高いカードもないなぁ、とぼんやり見ていたら、
内容がこちらの思っていたのと違う、こら大変な、という試合の連続でした。


メインイベントは、強打とセンスの土屋修平に、長身と粘りの西谷和宏が挑んだ一戦でした。

土屋が荒川仁人と対戦しないまま、日本王座を獲得した経緯には、
いかにもな「人事異動」「たらい回し」の印象がぬぐえず、
内心鼻白む思いではありましたが、さりとて西谷が土屋を攻略しえるかというと、
それは難しいだろう、とも思っていました。


土屋はいつもどおり、序盤から探り、測りの過程を省略し、強打で攻め落とす闘い方。
西谷は長身を折って、変則的な左右を打ち返す。
ボディの好打を受けても、逆にヒットの数で上回り、この一戦に賭ける気合いが見える。

4回、右を打ったあとスタンスが乱れる、と見ていた西谷が、そのまま右足を前に出しスイッチ。
パワーを溜めた左フック、アッパー好打。これまでの試合で、こんなことやってたかな、
中南米の選手みたいな...と、ちょっとびっくり。

しかし5回、土屋はテンポで上回り、連打の最後に右をクリーンヒット、西谷のミスを捉えてダウンを奪う。
やはりパンチ力、決定力でまさる方が勝つのか、と思ったら、西谷が逆に打ち返す。
7回は一進一退、8回土屋の速い左ダブルが出たが、西谷がまたスイッチして左アッパー。
土屋、まともに打たれダウン。追撃もスイッチしての左連発、二度目のダウンで即座にTKOとなりました。


西谷の試合は、京都での徳永幸大戦はもちろん、小國以載が移籍する前、
彼の試合のアンダーカードに出ているのを、何度か見たことがあります。

長身、リーチに恵まれるも、それを生かし切れない試合ぶりは、どうにももどかしく見える。
バランスも良いように見えず、スタンスも乱れることが多く、粘り強さはあるが...という印象でした。
新王者に対し誠に失礼ながら、あの選手がホールでKO勝ちして日本チャンピオンになる、とは
想像してみたこともありませんでした。

チャンスとピンチが交錯する、一進一退の激戦でしたが、この一戦に賭ける気合いが
ひしひしと伝わってくる闘いぶりは、勝敗以前に、見ていて惹き付けられるものがありました。
今はただただ、脱帽です。お見事でした。


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セミファイナルは岡田博喜が調整試合に登場...と思っていたら、相手の体格が意外に大きく、
パワーも闘志も思った以上のものがあり、緊張感のある一戦でした。

ロデル・ウェンセスラオの上体は、ひとつくらい上の階級のそれに見え、岡田の好打があっても、
なかなか止まらず、打ち返してくる。
岡田は丁寧に見て外し、防いでいるが、ときにヒットも喫し、危ないかなと見えましたが、
そこはさすがで、ちょっと長引いても仕方ない、という感じで、時にカウンターを狙い、
時に手を出させて疲れさせ、という具合で徐々に崩していき、7回に仕留めました。

この辺は岡田博喜の巧さ、さらにいうなら確かさが見えました。
よくある「日本は卒業」なんて類いの話には、首をかしげることも多かったりしますが、
このくらいになればそれも納得です。
今後は、出来れば新設のなんやらいうやつじゃなく、OPBFのアル・リベラに行ってもらいたいですね。
世界をいうなら、最低限このくらいは、という気がします。
さらにいうなら、岡田博喜ともあろう者が、という気持ちでもありますしね。


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そのほか、前座もあれこれ賑やかでした。
斉藤一貴の逆転KO、小池信五の不運な切られ方によるTKO負け、
大橋健典の強打、武田航の再起戦勝利などなど。

大橋以外はタイ、フィリピン相手だったので、ああ、いつもの感じなんやろうなー、と
ぼんやり見ていたら、おいおい、ちょっと待て、という感じの試合ばかりで(笑)
俗にいう「噛ませさん」にも、一分の魂ありなんやな、という印象で、
終わってみれば最初から最後まで、期待を超えた「見応えあり」な興行でした。


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記録達成に不安も 山中慎介「危なげのある」V12

2017-03-02 21:48:10 | 関東ボクシング



山中慎介、カルロス・カールソンを5度倒しV12達成。
具志堅用高の記録にあと1と迫る、神の左炸裂、と華やかに報じられることでしょう。

しかし、実際のところ、いろいろと不安に思うこともある試合でした。


初回、ぱっと見てカールソンの体格が異様に大きく見える。
計量から試合まで、どのくらい体重を戻したかわかりませんが、
スーパーフェザーくらいにはなっていたんじゃないでしょうか。

その大柄なカールソンが、身体を沈めながら、右を飛ばして出てくる。
それに対し、山中は右回りよりも、正対して、左を打ち込んで行く流れ。

外す自信がある、または左を当てれば倒せる自信があるからでしょう。
実際、左を当てれば即座にダメージを与えていました。
しかし、外す方の自信は、その通りにはいかない場面も目について、
ちょっと怖いな、という序盤でした。

2回、左目尻を切り裂く左が決まり、3回は左ボディストレート。
一発でダメージを与える攻撃が続き、5回は右を外して左カウンター、ダウン奪取。
山中にしてみれば、セーフティーな判断よりも左を決めればこうなる、という
自信通りの展開だったでしょう。

しかしこの時点では、カールソンの身体の芯にまでダメージがある状態でもないと見えました。
連打で追撃し、2度目のダウンを奪ったあと、カールソンの左を食って、逆に少し効いたか。
後退とクリンチで凌ぐ展開に。まずまず冷静に対処していたのは良いですが...。

6回、また打たれた後、前にのめったカールソンに左を打ち下ろし、ダウン3度目。
ここもまた粘られたが、7回に左をまともに決め、追撃で4度目。さらに5度目でストップでした。


以前プレビューめいたことを書いたときにも思いましたが、実力差は歴然のカードでした。
それは実際に試合を見終えても同じでした。
しかし、やはり世界戦のリングで、実際に闘えば「楽」な試合などそうそうありはしないし、
その現実の上で、格下とされる相手と闘うことには、色々難しさもあるのでしょう。

加えて、本人は「意識しない」と言い続けているそうですが、防衛記録云々の話もまた、
山中慎介にとっては、重い宿命というか、足枷になっているようにも見えました。

もしこれが、防衛回数の少ない時期に闘われた試合だったら、それこそ序盤で倒していたのでは、
という気がするほど、技量力量の差は明らかでした。
しかし、鮮やかな勝利への、そして防衛回数更新への期待感というものは、
やはりそこかしこに、山中慎介の動きの中に見える慎重さとして現れていたように思います。

そしてその隙間に、単調だが果敢なカールソンの攻撃が割り込んできました。
ダウン5度奪取の7回TKO、12度目防衛、という結果以上に、内容としては
「危なげある」ものだったようにも思います。
もっともその試合を、良い結果で終わらせる山中慎介の左の威力は、まさに神がかりですが。

あくまで内向きの話、と思うのも事実なれど、同時に、そう無下に切り捨てるには惜しい、
「具志堅越え」の防衛記録更新を、ここまで来たら達成して欲しい、という気持ちにもなろうというものです。
しかし、この日の内容だと、相手次第とはいえ、そう簡単にはいかないかもしれない、とも思います。

次は指名試合か、統一戦か、他団体の元王者クラスの招聘か、或いは...
山中慎介のキャリアは、いよいよ真のクライマックスを迎えようとしています。
不安もあり、しかしそれを帳消しにし続けてきた左の強打から、やはり目を離すことは出来ませんね。


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熊本に新王者(ニュース映像追加)/選手主導で試合が決まる?/ニエテス進出/後継王者/長谷川「引退」を語る

2017-02-27 19:34:33 | 長谷川穂積




今年最初の国内世界戦で、新王者誕生となりました。
WBOミニマム級暫定王座決定戦、福原辰弥がモイセス・カジェロスに判定勝ちとのことです。

どうやら試合ギリギリになって、ネットでライブ配信があったようですが、
後の祭りで気づかず、試合の様子を見ることは出来ませんでした。
地元のローカル局の放送もなく、今日見た関西のスポーツ新聞では、写真も載らない、
短信のような小さい記事があっただけ。

仮にも世界とつく試合がこれか、と思いますが、様々に「評」することは出来ても、
それとは別に、選手の健闘自体は称えられて然るべきでしょう。
どこかで映像が見られんものか、とりあえず思うことはそれだけですね。

次は高山勝成との対戦となるはずですから、その際は何らかの形で見られることでしょう。
また、そうであってくれんと、色んな意味で困った話になってしまいますが。


※熊本県民テレビ、という局による公式の動画です。
ニュース放送された映像のようです。
余計な奴が世界王者面で出てきますが(笑)それはまあ見過ごすとして、
試合映像も短いながら見られます。





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4月23日、パッキャオvsカーン戦合意、と選手同士がツイッターで「発表」
プロモーターそっちのけ?で話が進んでいるような報じられ方ですね。

実際のところは、契約の細部などを選手や陣営同士だけで決められるわけもないでしょうが、
プロモーターの都合で、やって然るべき試合がなかなか決まらないようなことも多い中、
通信手段の変革により、こういう方向の話って、これからも増えてくるかもしれませんね。

もっともこのカードが、どの程度魅力あるものかどうかは、異見も多々あることでしょうが。
サーマンとガルシアが対戦し、ブルックもスペンス戦の可能性があり、その先には...という
「ウェルター級最強」を決める闘いとは交わることのない「路線」をゆく、それがパッキャオの現状である。
その現実を、改めて炙り出したような話やな、と思ったりもします。

まあ、今更言わずとも、わかってた話やないか、と言われれば言葉もないですが。


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ドニー・ニエテス、IBFフライ級王座決定戦が決まったとのこと。

対戦相手のエクタワンは、日本で一勝一敗の戦績。
石田匠との試合は見ていませんが、奥本貴之に勝った試合は観戦しました。
機動力があり、身体を左右に翻して動き、どちらの手でもリードが打てて、
カウンターも取れる、なかなかの好選手でした。
ニエテス相手にどうかは何とも言えませんが、けっこう面白い相手だなと思います。

しかし、ニエテスには、めぼしい選手がすっかりいなくなってしまって、
ゾウ・シミンや井岡あたりが最上位、というお寂しい状況のフライ級全体の
レベルアップを実現するような王者になってもらいたい、という期待があります。
その第一歩として、この試合は要注目ですね。


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長谷川穂積返上の、WBCスーパーバンタム級王座は、無敗のレイ・バルガスが獲得
敵地英国で2-0、内容は順当な勝ちだったようです。

痩身で、強打を秘め、堅調なボクサーファイターという印象でしたが、
この選手と長谷川が「もう一試合」を闘っていたらどうだったのかな、と考えたりもします。
まあ、かなうことのない想像でしかないのですが。


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その長谷川穂積が、ノンフィクション「211」の著者、水野光博氏のインタビューに答えています。
その1その2


引退という選択に対する、あまりにも正直な述懐。
頂点に立った栄光と、その影にあったであろう苦悩を経て生まれた、他者への暖かいまなざし。
今後の自分のありようについて語る、心の揺れと、その果ての決意。

引退した現在の心境を、率直に語った言葉の数々は、実に興味深いものです。
是非、ご一読を。



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雪辱の好機/ところでTVは?/タイの良いように/また地域王座/シュガー引退

2017-02-23 08:04:45 | 話題あれこれ



大森将平の世界戦は、京都ではなく大阪府立で、4月23日、日曜日
相手は一度敗れたWBO王者、マーロン・タパレスです。

前回の試合は会場で見ましたが、とにかく最初から打たれる位置に立ってしまっていて、
あかん、危ない、と思うと同時に打たれて倒れてしまった、という試合でした。

内容も結果も完敗でしたが、正直あれでは、彼我の力量差がどう以前の話や、とも思っていて、
再起3連勝で復調の流れにある大森が、今度こそしっかりやってくれれば勝機あり、と見ます。

下半身を柔らかく使い、程よく重心を降ろしつつ前進し、長いリーチで突き放し、
上下に強打を散らして攻め込むスタイルは、小柄な相手を攻略するには有効なはずで、
益田戦やヒメネス戦では実際に、そのとおりの展開で圧勝してもいます。

タパレスの実力がさらに一段上のものだとしても、大森が自分の良さを出し切れば、
大いに期待していい挑戦だと思います。
これは観戦せねばと思っているのですが、当日名古屋で観戦予定が先に入ってしまい、
ハシゴかけたろかー、と目論んでいるのですが、実際どうなるか、難しい面もありそうです。

ところで船上トレーニングとかいうお話
まあスポーツ新聞向けの話題作りなんでしょうけど、
ホントにこんなことやって、調整段階で体調崩したら元も子もないですから、
常識的な判断をお願いしたいところではありますね。


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今年、国内初の世界戦は山中vsカールソンではなく、福原vsカジェロスです。
言うてる間にもう、次の日曜日なんですね。

国内上位との対戦が多く、タイ遠征でも健闘、日本王座獲得と、上位相手の連続防衛。
世界挑戦者として充分か否かは意見もありましょうが、充実期にあることは間違いない福原辰弥ですから、
暫定戦とはいえ、どんな試合ぶりかを見てみたいと思うところです。

ところが、試合のTV中継については、まったく情報がありません。
地元のローカル局では放送されるのでしょうが、ポスターなどを見ても、TV局の後援などの記載は無し。
余計な来場者の写真にげんなりさせられるのみ。

後日、TBSかその系列で流れたりするのでしょうかね。
先日の田中恒成の試合と同じ扱いなのやもしれません。
CS含め、チャンネルの数はあるのだから、どこかで生中継くらいしてもらいたいものですけどね。


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ミニマム級といえば、大平剛が3度目の世界挑戦のため、タイへ出発
WBC王者ワンヘンに敗れたあと、タイで再起戦を勝利して、その次がWBA挑戦なんですね。

まあ、元々はタイの関係者が希望して設立されたクラスですから、こうなるのも当然なのでしょうが、
他国に有望選手が減ってきたこともあり、何から何まで、あちらの良いように回されとるな、という印象です。
そこに日本の何番手か、という選手が、挑戦者として選ばれると。
正直、良い話だとはとても思えません。

そもそも現状、それこそクラスの存在意義そのものが疑わしいという気がします。
これでタイ勢が盤石の強さを見せ、往年のロペスやロマゴン並の一流王者がいるのならまだしも、
最強と目されるワンヘンの最新試合も、非常に怪しい感じだったと聞きますし。

以前は誰なりと、凄いのがひとりくらいはいたもので(一番最近は、王者ではないがデンバー・クエジョとか)、
そういう選手の活躍を見たいから、という思いもあったものなんですが。


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WBA会長メンドサ・ジュニア来日
何しに来たんや、と思ったら、アジアの地域王座新設という、新手の商売のためらしいです。

世界王者を一本化する、という、あほらしいて屁も出ない話もそうですが、
本当に、どこまですっぽ抜けたら気が済むんですかな。
まさしくボクシング・マフィアというか、ボクシングから生まれるお金にしがみつくこと以外、
頭の中に何もないんでしょうね。

これと同様の団体があと三つもあることも含めて考えるに、
ボクシングというスポーツの将来は、どうにも明るいものとは思えませんね。
頭痛いなー、と、まあ思うことはだいたい、いつもと同じです。


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下田昭文、引退
ここ二年連続、年末に日本フェザー級王座に挑むも、際どいところで王座奪取ならず。
その先への展望がいよいよ難しくなった、とは傍目にも明らかでしたが、
本人は岐阜での敗戦直後に、決断を下していたのだそうです。

なんだかんだいって、若手の頃から、直に会場で試合を見ることが多かったですね。
出始めの頃は、異様なまでの切れ味とスピードで、何処のアマエリートさんかと思ったら
ジム入門からの叩き上げと知り、意外に思ったのを覚えています。

日本王者時代は、ちょっと精神的に未熟なところもあり、不安定な試合ぶりでしたが、
後に世界へ駆け上がる過程で、日本、東洋、そして中南米の選手と闘っていくうちに、
その果敢さを存分に発揮し、真の実力者へと成長していきました。

世界王座奪取と転落を経てなお、その果敢さはやや過剰な面もあり、
それ故に手痛い星を落としたりもしました。
しかし、どこか稚気の残る佇まい、駆け引きよりも真っ向勝負に挑んでいく姿は、
見ていて心配な反面、それ故に光り輝いてもいて、目に眩しくさえありました。

数多くの強敵相手に挑み続けたそのキャリアは、まさに堂々たるものでした。
フェザー級でもう一度、世界に挑むところを見たかったですが、こればかりは仕方ありませんね。
数々の健闘に拍手と感謝を送りたいと思います。

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選択肢あり/意外なれど狙い目か/顔合わせ/堀川復活/今頃何を

2017-02-15 04:47:17 | 話題あれこれ



内山高志の進退について、本人が言及
もし再起するなら、他団体のタイトルマッチ出場の可能性も排除せず、ということですね。

これが例えば、海外から挑戦者としてオファーが来たら受けてお出かけ、という話を
含むのかというと、多分違うんでしょうけども。
でも、再起するのに「コラレス以外眼中に無し」という硬直した発想よりは、余程良いと思います。
本人が自分の現状について、冷静に語っていることも含め、
内山高志とはなんと「出来た人」か、と改めて感心もしますね。

遠からず進退が明らかになることでしょうが、結論がどうあれ、何か安心感があります。
こういう立場にいるボクサーの佇まいとしては、極めて貴重なものですね。


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真正ジムの久保隼、次戦で世界挑戦決定。これはびっくりしました。
今すぐ、世界どうという段階にあるとは、全く思っておらず、意外でした。

相手は世界上位にもう長い、WBAレギュラー王者、ネオマル・セルメーニョ。
だいぶ前にWOWOWで何試合か見た記憶があります。
アンセルモ・モレノに苦戦を強いるなど、世界上位として確かな技量を持つ技巧派といえるでしょう。

しかし、マカオか香港かで闘ったここ三試合の様子を動画で見ると、
昔見たおぼろげな記憶とは違い、随分スローになったなぁという印象です。
もちろん巧さは健在で、中国人挑戦者に連勝し、レギュラーとはいえ王座にあるわけですが。


この世界戦に対する評価は様々にありましょうが、単に勝機の有無について言えば、
案外、目がないこともない、狙い目ではあるかな、と思います。
距離は長いが技巧派で、スピードは落ちてきていて、距離を詰めて強引に攻めてくるタイプではない。
要するに、久保の苦手なことを意識的にやってはこない選手、と見ていいでしょう。

もちろん、離れた距離で闘って、巧さと経験の差が露骨に出てしまう可能性もあるでしょうが、
久保から見れば、得意な距離で左カウンターやアッパーの威力を存分に生かせる相手かも知れません。

久保隼が「長谷川二世」になれるか否か、それがこの試合一つで決まりはしないにせよ、
大エースが去った真正ジムにとり、早速訪れたひとつの大勝負でもありましょう。

当然、関西ローカルなんでしょうが、関西テレビでは当日夕方4時から放送があるということです。
これはありがたいことですね。


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さて、中部のヒーロー田中恒成の次期挑戦者決定戦は、話題の強打アンヘル・アコスタが勝利。
驚いたことに、田中自ら現地で観戦し、試合後には顔合わせまで。

これ、本当にすぐ、次の初防衛戦で実現するのでしょうかね。
最近は、決定戦で決まった王者なんだから、初防衛は最上位と、という常識が通じない事例多々ありですが。
もし、決まれば、名古屋でも岐阜でも行かないかんですね。


フルラウンドの動画は見られず、ハイライトのみ。





これだけでは、打ち込む前の、相手との対峙する様子が見られず、判断しかねる部分も多いですが、
コンパクトながらフォローの深いパンチを連打できる強打者ですね。
ひとたび、好機を与えてしまったら、なかなか怖いことになりそうです。
反面、試合運びはまだ雑かな、防御はちょっと甘いとこもあるな、と思ったりもしますが。


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堀川謙一、広島で復活
板垣幸司に判定勝ち、WBOアジアパシフィック王座獲得。

一昨年末、拳四朗との名勝負に敗れ、王座を喪った堀川でしたが、1年以上のブランクを経て、
見事に復活なったようです。
今後どのような展開があるのかはわかりませんが、世界王者を含め、
人材豊富なクラスで、もう一暴れしてほしいものですね。


対する板垣幸司は、広島から初の国際タイトル獲得ならず、とのこと。
この選手、デビュー戦を偶然見てまして、当時4戦目の滝沢卓に惜敗でしたが、
敵地名古屋の会場を大いに盛り上げる健闘ぶりに、驚かされた記憶があります。
強敵、上位相手のマッチメイクもあり、果敢に挑戦を重ねて来たキャリアの持ち主ですが、
思い返せばデビュー戦からそうだったんですね。


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現役時代、お隣の国の選手ながら、実際に闘ったらどうなるのかな、と
あれこれ想像を膨らませたのが、この対決でした。
それがまあ、今頃になって何を...と、呆れるやら情けないやら。

他の報道によれば、韓国の人気歌手だが芸能人だかが2人に呼びかけ、
揃ってそれに応じたって話らしいですが、おそらくそれを断ってしまうと、
あちこちから叩かれてしまうのだろうな、と想像します。

政治の話には触れるつもりはないですが、こういう話に、
かつて国民的ヒーローとして光り輝いていたチャンピオンを引っ張り出し、
良いように動かしてどうのこうの、と企図するような奴は、碌なものじゃありません。
それは国籍がどうであれ同じです。
しょうもない真似せんといてくれ、と思います。
このお二人共、本当に素晴らしいチャンピオンだったんですからね。


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