Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

歴史に学び、戦争の悲惨さを伝える。映画「クワイ河に虹をかけた男」、いよいよ今週末、東京公開

2016-08-25 | Weblog
現代の人たちが、歴史に学び、戦争の悲惨さを伝えようとしないのは、おかしい。

写真は、ヘルファイアー・パス。第二次世界大戦の当時、海を封じられた日本軍が、連合国に邪魔されない補給路を求めて、各国の捕虜に鉄道を作らせた。タイのバンポンからビルマのタンビュザ間を結ぶ415Kmに建設された“死の鉄道”こと泰麺鉄道(現在は国境は越えられないで、不通)。カンチャナブリから北西約80Km、クルマで2時間、「地獄の炎」と呼ばれるエリア。切り立った崖が続き、そこを通過出来るように鉄道を敷くためには、まさに「地獄の切り落とし」だったのだ。過酷なジャングルの中、岩山を砕く苦行で、多くの死者を出した。当初5年は掛ると言われた鉄道は15か月という驚異の期間で完成したという。映画「戦場にかける橋」の舞台にもなったクウェー川鉄橋に並ぶ有名な場所。
旧日本軍の元で働かされたのは、連合国軍捕虜だけではない。多くの現地労務者も犠牲になったのだ。
線路の幅だけ切り開かれた岩肌や、地面に打ち付けられた枕木なども、写真のように部分的に、当時のままに残されている。
タイを訪れた日本人の観光客がもっと見るべき場所である。

満田康弘監督、渾身のドキュメンタリー映画「クワイ河に虹をかけた男」で、永瀬隆さんが元連合軍捕虜たちと再会し、火花が散る場面があるが、まさにその場所だ。

 ※ ※ ※

「クワイ河に虹をかけた男」、いよいよ今週末に東京公開。
公開に合わせてトークイベントが開催。私も登場します。

もう、ちょっと前になるが、完成版を試写で見た。一人でも多くの人に見ていただきたい。
今朝までタイにいたのだが、取材で行く旅の途中だったので、カンチャナブリに寄り、この映画にも出てくるところに幾つか立ち寄った。

第二次世界大戦中、日本軍がタイとミャンマー(ビルマ)間を往来する泰緬鉄道の建設を強行しようとして、多くの捕虜を強制労働させ、また、当地の住民を徴用し、数万人の死者を出した。
そのときの日本人通訳・永瀬隆さんを追った映画だ。彼は工事拠点に派遣されて捕虜への拷問にも立ち会った。
戦後、永瀬さんは犠牲者を慰霊する旅を開始、生涯をかけてタイを135回訪問し、1976年にはクワイ川鉄橋で元捕虜と旧日本兵の再会を実現させた。
本作では94年のタイ訪問を手始めに彼の旅を追い、つぐないにかける思いや関係者たちとの絆を見つめる。
事実に基づいているがフィクションの多い映画『レイルウェイ 運命の旅路』では、真田広之さんが演じた。
永瀬隆さんの「戦争のせいにしてはいけない。人間が人間を大切にしないことこそが問題なのだ」というメッセージは、今こそ重要だ。
日本兵からの虐待を受けた連合軍捕虜たちをして「彼は自分が握手することのできるただ一人の日本人だ」と言わしめた、元陸軍通訳である永瀬さんが辿った人生を、見届けてほしい。


詳細情報は以下の通り。

8/27(土)公開
ポレポレ東中野
開映 12:30(上映時間119分)

料金 当日 : 一般 1700円 / 大学専門 1400円 / シニア 1100円 / 高中 1100円 / 小学生以下 無料
前売 : 1300円

イベント情報
☆トークイベント決定!
 ※すべて12:30の回上映後

8/27(土) 初日舞台挨拶 
 満田康弘(本作監督)

8/28(日) トークイベント 
 大久保真紀(朝日新聞編集委員)
 坂手洋二(劇作家)
 満田康弘(本作監督)

9/3(土)  トークイベント
 中川洋吉(映画評論家) × 満田康弘(本作監督)

9/4(日)  トークイベント
 小菅信子(山梨学院大学教授) × 満田康弘(本作監督)

9/10(土) トークイベント
 熊谷博子(映画監督) × 満田康弘(本作監督)

9/11(日) トークイベント
 山本宗輔×(写真家) × 満田康弘(本作監督)


公式サイト
https://www.ksb.co.jp/kuwaigawa_movie/index.php

ポレポレ東中野
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
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