Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

サミット期間中「リスクを減らしたい」福島第一原発作業休止。ではオリンピックのときは?

2016-05-24 | Weblog
半月のあいだ日本にいなかったのだが、その間に違和感のあったニュースの一つが、東京電力が「なるべくリスクを減らしたいので、伊勢志摩サミット中、福島第一原発の作業を休止する」というニュースだった。
汚染水処理やパトロールなどは継続するが、原子炉建屋付近での大型クレーンを使った作業や汚染水保管タンクの建設など大部分の作業は停止。東京電力は「要人が集まるサミットの期間中、なるべくリスクを減らしたいと当社の判断で決めた」とし、「テロ対策」として、不審者の侵入やトラブルを念頭に「作業が少なければ異変に気付きやすい」と休止の理由を説明したという。
東電は「余計なニュースが起きないようにということで、国からの要請はない」と説明しているが、「汚染水漏えいなどで政府に恥をかかせるわけにはいかない」という配慮があるのではとの見方も出ているそうだ。そもそもそうした判断に、国からの圧力がないはずがないとも推測されるが、逆にいえば、安倍首相がオリンピック誘致の演説で言った「アンダーコントロール」を、東電が否定したとも言えるわけだから、理屈としては、日本政府こそが「アンダーコントロールできているんだから稼動しなさい」と言うべきなのかもしれない。
まあ、矛盾だらけの、ぐじゃぐじゃである。
私は東京五輪・パラリンピック開催自体に反対する者だが、もしも強行された場合、その期間中も、作業自粛にならなければおかしいことになる。かなり長い期間になる。作業休止期間中は休業補償は出ないケースが多いらしい。働く人たちの生活にも影響する。
そして、今現在、そもそもサミットの期間中でない「ふだん」は、リスクがあっていいというのだろうか。
オバマ政権で科学技術政策を担当するホルドレン大統領補佐官が、五年前の東京電力福島第1原発事故の直後、放出された放射性物質の影響で、最悪の場合、東京での被ばく放射線量が「数週間で100ミリシーベルトかそれを超える」恐れがあるとの予測値を他の米高官らに示していたことが最近わかったという。海外からの日本への「不信」は、原発事故のはじめから存在しており、「日本へ行く」ことのリスクは海外の人間の方が強く意識している。
先月の熊本地震の際、余震が長く続く間も川内原発を停止させなかったのに、サミットではあっさり「なるべくリスクを減らしたいから止めます」と言ってしまうのである。免震重要棟が未だ設置されておらず直下に活断層が存在する疑いがある川内原発が地震に晒されることに、リスクはないのか。
稼動している原発そのものも危険であるが、休止していたところで、地震があれば燃料の存在自体が危険である。核燃料は冷やし続けなくてはならない。日本中が「危機」の温床なのである。
今後、東京五輪・パラリンピックについて、原発・放射能リスクが強く指摘されていくことは想像できるが、それ以前に、
2020年夏のオリンピックの東京への招致に関連して、日本側が国際オリンピック委員会(IOC)委員側・国際陸上競技連盟に協賛金を支払ったことが、露見している。
フランスの検察当局は、誘致に関わる会社の口座に2013年、2回にわたって、東京オリンピック招致の名目で日本の銀行の口座から合わせておよそ2億2000万円が送金されたことを把握しているという。オリンピック開催地の選定を巡っても、贈収賄などの疑いで捜査中だというのだ。東京五輪・パラリンピック招致委員会の理事長だった日本オリンピック委員会(JOC)竹田恒和会長は「当時の事務局で招致を勝ち取るには必要な額」として送金したことを明らかにしている。イギリスのガーディアン紙は「東京が選出された過程に深刻な疑義がわき上がった」としている。悪質と認められれば、オリンピック開催地の権利を剥奪される可能性もあるということだ。しかし代替地はあるのか。
報道だけ見ていると、まして海外にいて考えると、日本でオリンピックを行うという計画に、リアリティをほとんど感じられない。そもそもオリンピックというものが自分が子供の頃に感じたような夢や広がりのあるものでなくなっているということだろう。
そして日本に帰るということは、他国から見れば、わざわざ「リスクのある場所」に戻るということだ。しかし私たちは基本的にそこに生きている。
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“最悪のタイミング”という言い方の非道さ

2016-05-21 | Weblog
行方不明だった沖縄県うるま市の20歳の女性が遺体で発見された件は、元米軍海兵隊で現在米軍属の容疑者が逮捕されているわけだが、これはどう考えても沖縄への米軍駐留そのものが原因である。怒りと哀しみが抑えられない。被害者が生まれたのがかつての小学生の少女への暴行事件が起きたあの1995年であるという事実に、悔しさが倍増する。普天間基地はとうに返還されているはずではなかったのか。
在日米軍の兵士や軍属の法的地位を定めた日米地位協定で、米軍関係者による「強姦(ごうかん)」が起訴前の身柄引き渡しの対象とされているにもかかわらず、1996年以降に摘発された米兵たちの8割以上が逮捕されず、不拘束で事件処理されている現実。「殺人」「強姦(女性暴行)」に限って起訴前の身柄引き渡しが可能となった95年の運用改善は徹底されていない。そして凶悪事件の一部を公表せず、不拘束で事件処理してきたことの蓄積が、こうした犯罪の再発を招いていることは否定できないはずだ。

普天間基地移設問題や参院選・オバマ広島訪問を控えていることから与党・政府関係者が“最悪のタイミング”と言ったことの非道さに説明がいるだろうか。報道のタイミングを政府の顔色をうかがって判断しようとしていたらしいヤマトのマスコミも、信じがたいひどさである。
とはいえ、米軍普天間飛行場の移設先については昨秋モンデール氏が「われわれは沖縄とは言っていない」「基地をどこに配置するのかを決めるのは日本政府」と明言していたように、もはや日本の「国内問題」の要素が重い。アメリカを悪者にするだけで与党・政府関係者が責任回避的に振る舞うことも許してはならない。

日本に二週間強いなかっただけだから、いちいち、ああ、日本だ、とまでは思わないが、やはり、涼しさには助かるのと、ハノイ同様に信号無視しそうな自分においおいと突っ込みながら歩かなきゃならないくらいではある。
やることが多くてにっちもさっちもである。思いがけない面倒なこともあったりして、うんざりもしている。

写真は、ハイフォン・オペラハウスのスタッフルームにて。ノートパソコンがある限りどこでも仕事机になってしまう現実。
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帰国。

2016-05-20 | Weblog
というわけで、先ほど夜の羽田空港から帰国。
ノイバイ国際空港での出発前の集合写真。レ・カインさんとグエンさんが見送りに来てくれた。
演出助手の山田真実だけが卒業式に出られなかった子みたいに別枠になっているのは、前夜の打ち上げではしゃぎすぎたことと関係があるが、無事に一緒に帰国していることはお伝えしておく。写真内別枠に編集したのは音響・勝見くんのあっという間のワザであった。
日本・バンコク間は五時間、機内で映画を一本くらいは観たって許されるだろう。行きは『白鯨とのたたかい』、帰路は『JOY』。
日本は涼しい。静かだ。バイクを気にせず歩ける。というか、信号など関係なく走るバイクたちの浪を潜って道を横断する妙技を極めつつあったのだが、それは日本に帰ってきてしまうとまったく無駄な能力なのだった。
帰国するまでは曖昧にしていたこととか、やることが山積。
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『野鴨中毒』2016年ベトナム終了

2016-05-19 | Weblog
ベトナムでの十五日間、最終日は帰還の日。
写真は初日を前にして、舞台前での、記者会見。

今回、マスコミ等の取材もおびただしかった。
最後の夜はベトナム青年劇場さん主催のお疲れ会だったが、途中で抜けて、レ・カインさんと通訳のグエンさんと、テレビショーに出演。マスコミ攻勢はベトナム青年劇場史上最大数だったといい、テレビは既に数え切れない数に出ているが、このテレビショーも半ばいいかげんにしろよという勘違いくんのしろもので、テレビが過剰に盛んになっている当地で、マスコミ問題がいろいろ起きていることはよくわかった。さいきん蓮実重彦さんが何かの受賞インタビューでとんちんかんな記者に文句を言ったのが日本では話題になっていたようだが、その気持ちがわかった気がする。終えて、グエンさんも憤慨していたので、近くのカフェでクールダウン。
お疲れ会は一気飲みを繰り返したりの大盛り上がりだったが、私らが抜けた後に泥酔者続出だった模様。まあ、最後の夜だからいいのだ。

お別れといっても、6名のベトナムメンバーとは、来月またヨーロッパツアーで会える。そういう別れは、さみしくなくていい。
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ハイフォン公演終了

2016-05-18 | Weblog
江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場 日越国際協働制作『野鴨中毒』上演のハイフォン・オペラハウス劇場は、ほんとうに街の中心にあり、非常に大きな広場が前にある。
この町は道の幅も広い。ごみごみしていて散歩もままならぬハノイとはずいぶん違う。道の幅が広いから名古屋なのか。
この国では選挙が迫っている。社会主義の国であるということはどういうことなのか、いろいろ考える。

公演は無事終了。劇場撤収後、レ・カインさん、ビンさん、グエンさんと露店で夜食。本当に気持ちが打ち解けたかんじで話せるなあと思ったら、ベトナム滞在はあと一日なのだ。

通訳のトンさんが世界自然遺産であるハロン湾を見ることを薦めてくれる。ハイフォンからの方が近いのだ。奇岩といっていい、二千近い島が乱立する海だという。しかし帰路の行程の中には組み込めず。必ずまたこの地に来る、という気持ちにはなった。



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『野鴨中毒』ハイフォン・オペラハウス公演まもなく開幕

2016-05-17 | Weblog
江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場 日越国際協働制作『野鴨中毒』ハイフォン・オペラハウス公演、まもなく開幕である。

ハイフォンは、ハノイから百キロの港町。ベトナム北部第二の都市、日本で言えば横浜か神戸か。名古屋っぽいと言う人もいる。
フランスの植民地だった時代にはヨーロッパとの窓口であり、今も港町として、造船業でも流通でも栄えている。市場界隈は延々と続く露店も凄い。店というか、見える場所には笊や籠に物を載せて並べているだけだったりするのが、ほとんど。
今朝は明かりづくりの朝9時の小屋入り以前に、五時台に早起きして(目が醒めてしまうのだ)、ドックや船着き場、水上生活者のエリア、市場に至る水辺を回ってみた。物書きの端くれとしては、半月の演劇漬けの日々の中に、そういう時間も一度くらいはあっていいだろう。と言いつつ、まだ書けぬ次回作の構想ばかりが頭の中をぐるぐる巡るのだが!!
水辺の風景は、やはり川を辿って海に至るルートをよく走った少年時代を思い出してしまう。

ハイフォン・オペラハウス劇場は、街のど真ん中。
100年以上前に建てられた、歴史的建造物。フランスから持ち込まれた内装で、パリ・オペラ座の一回り小さい版のようである。客席天井には、シャガールじゃないが、絵画とシャンデリア。
そうした空間との馴染みに、時間をかけすぎず、場当たり終了。いろいろ思いがけぬことも起きるが、しっかりしたチーム。ちゃくちゃくと課題を片付ける。
ただいま開場。後は開演を待つのみ。

物心ついたときに「ベトナム」という場所については、「ベトナム戦争」という概念を通して知ることばかりだった。
今こうして、その、アメリカと闘った「北ベトナム」の地で、演劇人たちと協働している。こういう日が来ることを十代の私は想像していなかったはずである。
過去からものを考えることもできるが、今からまた新たに別な枠組みで考えればいいとという自由もある。当たり前のことだが、そんなことを思う。

…………

原作:イプセン
脚本・演出:坂手洋二
人形美術・衣裳:寺門孝之
音楽・生演奏:太田惠資
出演:十二代目結城孫三郎、レ・カイン、グエン・タイン・ビン(ベトナム青年劇場) ほか

舞台美術:島次郎
照明:齋藤茂男
音響:島猛
舞台監督:森下紀彦

<ベトナム青年劇場スタッフ>
Dang Minh Tuan(舞台美術・舞台監督)
Nguyen Anh Tuan(音響)
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ベトナムのガジュマル ハノイ公演終了 ハイフォンへ

2016-05-16 | Weblog
『野鴨中毒』ハノイ公演、終了。十七日のハイフォン・オペラハウスでの公演に向けて。移動。

ハノイ・ベトナム青年劇場での公演は、タッパもある劇場の闇の深さを味方につけることもできて、万が一、人形と人間の混在に最初は茫然として見守っていた観客がいたとしても、途中からぐいぐい惹きつけられ、良い集中で終えられたはずだと思う。とにかく、ベトナムでは過去に見たことのない上演であったということだ。国民女優と呼ばれているだけのことはあるレ・カインさんのパワーも全開で、リアルな内容が明確に伝わる一方、劇全体の美しさが一種の陶酔の状態を生んでいた。

合間に、レ・カインさんの案内で、歴史博物館へ。いろいろ考えさせられる。こういうときには同時に別な創作の構想もむくむく湧いてきたりする。
その表で、沖縄のガジュマルにくらべると曲がりくねっていないようだが、この細かい枝の密集はガジュマルなのだろう、大樹。レ・カインさんと共に照明の斎藤さん、演出助手山田そん、舞監助手神永さんと、その下で、記念写真。

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『野鴨中毒』ハノイ公演開幕と、ベトナム戦争地下司令室で「Phutoma」と記された普天間

2016-05-14 | Weblog
むやみやたらな数の取材攻勢の中、『野鴨中毒』ベトナム初日の公演が始まった。600席、全ステージ関係者も全員ぶんの席が確保できない盛況。高校生百人くらいの団体が騒がしかったが、やがて静まった。観客の集中力は終盤に向けて高かったし、それが次第に増していった。出演者・人形使い諸氏も見事に走りきった。レ・カインさんの、ホームグラウンド・ベトナムでの、水を得たようないきいきとした演技が、全体を牽引してくれた。ベトナムを代表する女優と言われているのは伊達ではない。孫三郎・千恵・レ・カイン三つ巴の見せ場への集中は高かった。、
もともと重いイプセン。すーっと浸透していかなければ、ある意味、難解な劇と受け取られても仕方がないかもしれない作品だが、その危惧が払拭された。非常にクリアな空気の中で上演を終えた。幸い各界関係者の評判も上々のようである。ベトナムのヴァイオリン界の第一人者が太田恵資さんの演奏を絶賛してくれていたというのも、嬉しい。
6月のシビウ演劇祭まで続く過程の途中なので、たいへんなことはいろいろあるが、よかった。まずは安堵。

この一週間、宿と劇場の間の五ブロックほどを往復するだけで、ほとんど観光らしいことをしていなかった私たちを、通訳のトンさんが、短い時間だが、ハノイ唯一の世界遺産・タンロン皇城に連れて行ってくれる。1010年から1804年までベトナム王朝の本拠地だったこともあってのユネスコ世界遺産登録だが、史跡としては整備途中。敷地内にはベトナム戦争時には北ベトナム軍の司令室として使用されたD-67という地下シェルターが残されている。この辺りはいろいろな国の大使館が密集していて、ベトナム戦争時代も空爆を免れており、そこに司令室を作るのはまあ頭がいいというか判断としては当然のことなのかもしれない。
その地下作戦会議室の、メインの机のそばに、全世界の米軍基地の位置が記された大きな一覧地図が貼られてある。闘う相手の居場所を認識するためだから、当然だろう。
その日本列島の部分にも幾つもマーキングがあり、そして沖縄本島のところに「Naha」(軍港)と、「Phutoma」と記された、つまり米海兵隊普天間基地の表記が、ひときわ目立っている。
私の大叔父がかつて在沖米軍基地の労働者で、ベトナム戦争時に普天間基地で働いていたことは、まだこちらに来て話していない。私が『普天間』という戯曲(未来社)を書いているのを知っている人はいるかもしれないが。
私が二週間前に三日だけ滞在していた高江のある沖縄本島北部は、ベトナム戦争に送り出される海兵隊員の訓練場だった。ベトナムに模した村を映画のセットのように仕立てて、米兵たちは攻撃の訓練を繰り返した。その谷間の村こそが、映画「標的の村」でそのタイトル通りの存在として今も扱われていることが描かれた、高江なのだ。
沖縄は、ベトナムを攻撃する米軍を送り出した場所として、ベトナムで認識されていることは知っていた。その北ベトナム軍総本山で本物の「敵」の居場所として扱われていた存在であったことの証拠である「Phutoma」の文字を見て、あらためて、これが現実の世界であることを、強く認識した。

写真は、ベトナム青年劇場入口。(撮影・太田恵資)
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蜷川さんの訃報、日本から

2016-05-13 | Weblog
蜷川さんの訃報、日本から「第一報です」と、届く。ハノイ青年劇場『野鴨中毒』ゲネプロ開始直前のことだった。
ご病気のことはわかっていたが、やはり、残念である、という思いが強く迫ってきた。もう一度お会いできるような気がしていたのに。
1984年だと思う。自分が劇団を旗揚げした直後に、花園神社の野外劇版『王女メディア』を観た。力強く、華やかだった。シンプルな方向の蜷川さんのいい面が一番出ていた。劇団を旗揚げしたばかりで貧乏な私は花園神社の樹に登って遠くから『王女メディア』を観た。訃報を聞いてその時の印象が一瞬熱く甦った。私が蜷川さんと仕事したのは『エレンディラ』だが、私の潜在意識にあの体験があったのだと思う。『エレンディラ』のメイン・コンセプトを思いついたのも、十一年前燐光群のアメリカツアー唯一の空き日にニューヨークのセントラルパークを一日中歩き回っていたとき、ハドソン河の水面の照り返しが目に入ったときだった。『エレンディラ』は設定がそうである通り、野外劇であるべきだったのだ。一日そんなことを考えていた。
新しい世代の人にはわかってもらえないことと思うが、花園神社の『王女メディア』は、ある意味、「新劇」「アングラ」「商業演劇」の垣根が明確に壊れたことを示した事件でもあった。『王女メディア』を「ただ観」したことは後に中根公夫プロデューサーに謝罪した。

昨日は朝9時からマスコミ対応で小屋入りしていたが、一夜明けて初日の今日は俳優・人形遣い諸氏に休んでいただく意味もあって(もちろんスタッフにも!)、遅い入りとなった。昨夜は宿舎に戻ってなりゆきで日本側ほぼ全スタッフが缶ビール等片手に屋上に集まった。ハノイの夜景を背に、風がよく抜けた。スタッフの皆さんは、音楽の太田さんが蜷川さん監督の映画『嗤う伊右衛門』の音楽に加わっていたくらいで、私以外は蜷川さんと接点がなく、その話題は出なかったが、個人的には演劇の仲間たちと過ごすのが相応しい夜だった。
蜷川さんのご冥福をお祈りいたします。

『野鴨中毒』、まもなくベトナム初日の幕が開く。

………………

江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場
日越国際協働制作『野鴨中毒』

原作:イプセン
脚本・演出:坂手洋二
人形美術・衣裳:寺門孝之
音楽・生演奏:太田惠資
出演:十二代目結城孫三郎、レ・カイン、グエン・タイン・ビン(ベトナム青年劇場) ほか

舞台美術:島次郎
照明:齋藤茂男
音響:島猛
舞台監督:森下紀彦

<ベトナム青年劇場スタッフ>
Dang Minh Tuan(舞台美術・舞台監督)
Nguyen Anh Tuan(音響)

国境や文化の境界を越えて、結城座+坂手洋二がイプセン最高傑作『野鴨』に挑む!

日本の古典文化のひとつ「江戸糸あやつり人形」を継承する結城座と、ベトナム青年劇場との国際協働制作による人形芝居。12代目結城孫三郎はじめ人形遣いたちが寺門孝之デザインの人形をあやつり、ベトナムの国民的大女優であるレ・カインと競演します。演出に現代演劇の旗手・燐光群主宰の坂手洋二を迎え、アジアの芸術力を結集し、イプセンの戯曲『野鴨』を再構築していきます。様々な要素が融合した今まで見たこともない舞台にご期待ください。


○ハノイ公演 

於 : ベトナム青年劇場

5月13日(金)20:00開演
5月14日(土)20:00開演
5月15日(日)15:00開演


http://www.youkiza.jp/sp/vietnam/
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「武器、爆弾を劇場に持ち込まないでください」

2016-05-11 | Weblog
『野鴨中毒』ハノイ公演は明後日から。
ベトナム青年劇場の公演なので、「いつもの場内アナウンス」を流していいかと聞かれる。
聞いても意味はわからないから、一応日本語訳を見せてくれと頼む。

「こんばんは。ベトナム青年劇場の規則を守るために、以下のことをお願いします。
 武器、爆弾などの危険なものを劇場に持ち込まないでください。
 服装は丁寧に着て、飲食は禁止される。
 ビデオ・カメラの撮影は禁止される。
 チケットに書いてあるお席にお座りください。
 十二歳以下の方は入場をご遠慮ください。」

ということである。

のっけの「武器、爆弾などの危険なものを劇場に持ち込まないでください。」というのは、さすがにベトナムの人にも違和感があるらしいが、劇場が開場した37年前以来の決まり事で、必ず流しているのだという。
「芝居がつまらなかったらそういうものを投げられるということだね」というジョークに通訳のグエンさんは大笑いだが、国際的緊張というか、世界の動きに敏感なこの街の人たちにとっては、「残しておいていいフレーズ」なのである。
私は『上演されなかった「三人姉妹」』という劇場が兵士たちに占拠される劇を作ったことがあるが、劇場という公共の場所は、脆いものではある。

昨夕から照明づくり。本日午前に終えて、場当たり。合間にベトナムメンバーのワークショップ。
写真は、明かり造り中。演出助手の山田真実が明かりに当たる係で、照明用の人形と共に立っている。

『野鴨中毒』ハノイ公演詳細は以下の通り。続く、ハイフォン・オペラハウスでの公演は17日。
………………

江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場
日越国際協働制作『野鴨中毒』

原作:イプセン
脚本・演出:坂手洋二
人形美術・衣裳:寺門孝之
音楽・生演奏:太田惠資
出演:十二代目結城孫三郎、レ・カイン、グエン・タイン・ビン(ベトナム青年劇場) ほか

舞台美術:島次郎
照明:齋藤茂男
音響:島猛
舞台監督:森下紀彦

<ベトナム青年劇場スタッフ>
Dang Minh Tuan(舞台美術・舞台監督)
Nguyen Anh Tuan(音響)

国境や文化の境界を越えて、結城座+坂手洋二がイプセン最高傑作『野鴨』に挑む!

日本の古典文化のひとつ「江戸糸あやつり人形」を継承する結城座と、ベトナム青年劇場との国際協働制作による人形芝居。12代目結城孫三郎はじめ人形遣いたちが寺門孝之デザインの人形をあやつり、ベトナムの国民的大女優であるレ・カインと競演します。演出に現代演劇の旗手・燐光群主宰の坂手洋二を迎え、アジアの芸術力を結集し、イプセンの戯曲『野鴨』を再構築していきます。様々な要素が融合した今まで見たこともない舞台にご期待ください。


○ハノイ公演 

於 : ベトナム青年劇場

5月13日(金)20:00開演
5月14日(土)20:00開演
5月15日(日)15:00開演


http://www.youkiza.jp/sp/vietnam/
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『野鴨中毒』 ベトナム作業の日々

2016-05-10 | Weblog
ハノイに来て、五日。
昨日は稽古はなく仕込みのみ。ベトナムメンバーのワークショップはしている。
美術のトゥアン氏が島次郎氏デザインの円形の床を地がすりに描いた。見事である。日本側スタッフと共に色調を微調整。照明が決まったところで最終的な仕上げとなるはず。
今日は照明作業中心の日。

『野鴨中毒』は、江戸糸あやつり人形結城座 × ベトナム青年劇場 日越国際協働制作なのだが、この「国際協働」は、具体的にはベトナム・日本のスタッフ・キャストが「協働作業」をするということである。ベトナム青年劇場のスタッフは日本に来て一ヶ月一緒に作業したが、今度は私たちがベトナム青年劇場の懐に入って、共にいろいろなことをしているのである。
「ベトナム青年劇場流」は、いろいろある。それらは公共劇団=公共劇場の長い歴史の中で築いてきたものである。「ベトナム青年劇場流」と日本の交流は、私たちの後に、劇団四季、神奈川芸術劇場(KAAT)との共同作業へと続いていく企画である。
劇場の表の、縦4メートル超の、大看板、もう1種類。よく見るといろいろ工夫がしてある。他にも横型の別なデザインの大看板もある。美術のトゥアン氏は凝り性なのである。



『野鴨中毒』ハノイ公演詳細は以下の通り
………………

江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場
日越国際協働制作『野鴨中毒』

原作:イプセン
脚本・演出:坂手洋二
人形美術・衣裳:寺門孝之
音楽・生演奏:太田惠資
出演:十二代目結城孫三郎、レ・カイン、グエン・タイン・ビン(ベトナム青年劇場) ほか

舞台美術:島次郎
照明:齋藤茂男
音響:島猛
舞台監督:森下紀彦

<ベトナム青年劇場スタッフ>
Dang Minh Tuan(舞台美術・舞台監督)
Nguyen Anh Tuan(音響)

国境や文化の境界を越えて、結城座+坂手洋二がイプセン最高傑作『野鴨』に挑む!

日本の古典文化のひとつ「江戸糸あやつり人形」を継承する結城座と、ベトナム青年劇場との国際協働制作による人形芝居。12代目結城孫三郎はじめ人形遣いたちが寺門孝之デザインの人形をあやつり、ベトナムの国民的大女優であるレ・カインと競演します。演出に現代演劇の旗手・燐光群主宰の坂手洋二を迎え、アジアの芸術力を結集し、イプセンの戯曲『野鴨』を再構築していきます。様々な要素が融合した今まで見たこともない舞台にご期待ください。


○ハノイ公演 

於 : ベトナム青年劇場

5月13日(金)20:00開演
5月14日(土)20:00開演
5月15日(日)15:00開演


http://www.youkiza.jp/sp/vietnam/
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〈『楽屋』フェスティバル〉あす10日 千秋楽

2016-05-09 | Weblog
御陰様で好評開催中の〈『楽屋』フェスティバル〉も、いよいよ明日、千秋楽。

18時から〈獣神〉さん、
20時から〈燐光群アトリエの会〉による上演。
その後、このフェスティバルの総合コーディネーー・南谷朝子らによる特別ライブがあります!

★ライブ
出演:南谷朝子(Vo,Ag)
   きたぞのまゆみ(key)
   ながはら元(パーカッション)
入場料 : 1,000円

これまで誰も見たことのない『楽屋』という作品に特化した〈フェスティバル〉のフィナーレ、ぜひぜひお見逃しなく!

写真は、今回のフェスティバルを中心的に回した、樋尾麻衣子。
ホラーではありません。お化けの役ですが。
特殊メイクの腕前はプロ級となっています。仕事あったらください、とのことです。

http://rinkogun.com/index.html

…………

燐光群アトリエの会
『楽屋』フェスティバル
楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜
木冬社上演台本より
作○清水邦夫
2016年4月27日(水)〜5月10日(火) 梅ヶ丘BOX
18団体による『楽屋』の競演!

清水邦夫作『楽屋 〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』
1977年に初演されて以来、日本で最も多く上演されてきたこの名作を、愛し寿ぐフェスティバルを開催します!
木冬社出身の南谷朝子さんの協力のもと、18団体が入れ替わり立ち替わり、次々と登場。
音響・照明・セット、ほぼ共通のステージング。
今回この企画に賛同し、数多くの魅力的な顔ぶれが集まりました。
14日間、計61ステージ。2時間おきの連続上演。
こんな演劇祭は、史上初です!
まさに百花繚乱。花咲き乱れるあまたの『楽屋』をお楽しみ下さい。
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ハノイにいます

2016-05-08 | Weblog
ベトナムに来ている。三度目のハノイ。
江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場 日越国際協働制作公演『野鴨中毒』上演のためだ。
レ・カインさん、グエン・タイン・ビンさんとは、東京公演千秋楽から四十五日ぶりに顔を合わせて、稽古。今日で三日め。
いろいろ打ち合わせ、多々。ホームグラウンドにいて本領発揮の、ベトナム・スタッフたち。継続して一緒にできるのは素晴らしい。
舞台仕込みは明日から。
葬列シーンにはベトナムからの出演者もいるため、並行して、結城座の皆さんがその方々にまず人形の指導をしている。

劇場の表には、縦4メートル超の、大看板。他にも別なデザインの大看板あり。美術のトゥアン氏の仕事。

もちろん、暑い。凄い湿度。はるか北にあるハノイの方が南のホーチミンより夏期は暑いという、衝撃の事実。早く言ってよ。
なんとか乗りきっていきます。


『野鴨中毒』ハノイ公演詳細は以下の通り
………………

江戸糸あやつり人形結城座×ベトナム青年劇場
日越国際協働制作『野鴨中毒』

原作:イプセン
脚本・演出:坂手洋二
人形美術・衣裳:寺門孝之
音楽・生演奏:太田惠資
出演:十二代目結城孫三郎、レ・カイン、グエン・タイン・ビン(ベトナム青年劇場) ほか

舞台美術:島次郎
照明:齋藤茂男
音響:島猛
舞台監督:森下紀彦

<ベトナム青年劇場スタッフ>
Dang Minh Tuan(舞台美術・舞台監督)
Nguyen Anh Tuan(音響)

国境や文化の境界を越えて、結城座+坂手洋二がイプセン最高傑作『野鴨』に挑む!

日本の古典文化のひとつ「江戸糸あやつり人形」を継承する結城座と、ベトナム青年劇場との国際協働制作による人形芝居。12代目結城孫三郎はじめ人形遣いたちが寺門孝之デザインの人形をあやつり、ベトナムの国民的大女優であるレ・カインと競演します。演出に現代演劇の旗手・燐光群主宰の坂手洋二を迎え、アジアの芸術力を結集し、イプセンの戯曲『野鴨』を再構築していきます。様々な要素が融合した今まで見たこともない舞台にご期待ください。


○ハノイ公演 

於 : ベトナム青年劇場

5月13日(金)20:00開演
5月14日(土)20:00開演
5月15日(日)15:00開演


http://www.youkiza.jp/sp/vietnam/
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『楽屋』フェスティバル 「ヒノカサの虜」上演 取りやめのお知らせ

2016-05-07 | Weblog
〈『楽屋』フェスティバル〉は、本日、以下の文章を発表しました。残念ですがご理解下さい。
「ヒノカサの虜」さん以外の公演は予定通り行われます。

燐光群アトリエの会『楽屋』フェスティバル参加の「ヒノカサの虜」さんの公演が中止となりましたので、お知らせいたします。経緯につきましては、以下をご参照いただけますと幸いです。
通し券を購入された方々、チケットを予約されていた方々、楽しみにしていてくださった皆様、誠に申し訳ございません(通し券につきましては、払戻等の予定はございません)。どうかご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

・・・

来週の5月9(月)10日(火)に予定しておりました『燐光群アトリエの会主催·楽屋フェスティバル「楽屋〜流れゆくものはやがてなつかしき〜」』の公演を、苦渋の判断ではございますが、取り止めることとなりました。
 
 実は今回、女優A役で出演を予定していた丸山夏未さんが、4月30日に交通事故にあってしまいました。元々腰を患っていたところへ、事故の衝撃で更に腰を痛めてしまうこととなり、今回は舞台に立つことが不可能となりました。
ヒノカサの虜としましては、本人並びにメンバーと相談し、燐光群さんと様々な可能性を慎重に協議した上で、やむを得ず本公演を中止することにいたしました。
既にご予約をいただいているお客様方には大変なご迷惑をお掛けしてしまい、また、ギリギリまで上演のための検討を重ねたために、この決定が間際となりましたことも、ヒノカサの虜一同また役者一同、心からお詫び申し上げます。

本公演を楽しみにお待ち戴いておりました多くのお客様、また楽屋フェスティバルの関係者の皆さま方には、多大なるご迷惑並びにご心配をお掛けし誠に申し訳ありません。

今後ともヒノカサの虜をよろしくご愛顧のほどお願いいたします。

ヒノカサの虜代表 本城雪那
hinokasanotoriko@yahoo.co.jp
08069635353

…………

写真は〈燐光群アトリエの会〉による上演より。
http://rinkogun.com
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『楽屋』フェスティバル あと五日!

2016-05-06 | Weblog
御陰様で好評開催中の〈『楽屋』フェスティバル〉も、あと五日となった。
今からでも観ることができるのは「おででこ」「Womb 45」「さんらん」「ママーズ」「ピクニックの恋人」「とろんぷ・るいゆ」「獣神」「燐光群アトリエの会(三バージョンあり)」です。このうち四本以上観れば確実に安あがりな〈通し券〉(1万円)も、まだ発売しています。

これまで誰も見たことのない作品に特化した〈フェスティバル〉、ぜひぜひお見逃しなく!

http://rinkogun.com/index.html

…………

燐光群アトリエの会
『楽屋』フェスティバル
楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜
木冬社上演台本より
作○清水邦夫
2016年4月27日(水)〜5月10日(火) 梅ヶ丘BOX
18団体による『楽屋』の競演!

清水邦夫作『楽屋 〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』
1977年に初演されて以来、日本で最も多く上演されてきたこの名作を、愛し寿ぐフェスティバルを開催します!
木冬社出身の南谷朝子さんの協力のもと、18団体が入れ替わり立ち替わり、次々と登場。
音響・照明・セット、ほぼ共通のステージング。
今回この企画に賛同し、数多くの魅力的な顔ぶれが集まりました。
14日間、計61ステージ。2時間おきの連続上演。
こんな演劇祭は、史上初です!
まさに百花繚乱。花咲き乱れるあまたの『楽屋』をお楽しみ下さい。
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