Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

井の頭線「テロ警戒態勢強化中」

2017-04-27 | Weblog
これは、京王井の頭線の車内掲示モニターパネルである。
「テロ警戒態勢強化中」「爆破テロ事件の未然防止と事件発生への備えを強化しています」
ごくごく当たり前のように表示されている。
ここしばらくずっとこの表示は出ている。

われらが京王電鉄に文句をつけようというつもりはない。
しかし……。
違和感がないのだろうか。

この日本で「テロ」が起きるとしたら、どういう理由で、誰が起こすのか。
「警戒態勢」を「強化」しなければならなくなったとしたら、どういう状況下なのか。
「爆破テロ事件」と特定しているということは、世界中でいま起きている多くの「爆破テロ事件」と同種なのか、違うのか。

「未然防止」、「事件発生への備え」を「強化」する前に、「なぜそうなってしまったか」を考えなくていいのか。


昨日、アメリカのトランプ大統領は上院議員をホワイトハウスに集めて「北朝鮮の脅威」を確認したという。

9日午前、アメリカ軍が行ったシリアへの攻撃の報を受けて、安倍総理大臣はトランプ大統領と電話で会談した。約45分にわたってシリアについて、また北朝鮮について率直な意見交換を行ったという。安倍首相曰く「私からは、トランプ大統領がまさに同盟国、そしてあるいは世界の平和と安全のために強いコミットメントをしていくことに対して高く評価を致しました」「そしてまた、北朝鮮については、(中略)日米が協力して対応していくことが重要であるということ。緊密に連携をしていくことが大変重要であるということ。また、日米韓の結束が重要であるということについて完全に一致を致しました」という。

その前に、日本維新の会の橋下徹前大阪市長は首都ワシントンの米戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、日米同盟強化に向けて日本国民の意識を変えるため「米国に強力な外圧をかけてもらいたい」と述べている。「いまの日本の自衛力、軍事力は非常におそまつ。その原因は憲法9条による平和教育だ」「外圧がなければ防衛費拡大や日本の軍事的貢献の拡大は難しい」として、トランプ大統領に「『在日米軍の撤退』を言えば日本人は大慌てだ」と呼びかけたという。

安倍首相は一昨年、安全保障法制の関連11法案が閣議決定されたことを受けて、「一定の条件を満たせば、集団的自衛権の行使が可能になると規定されているが、アメリカの戦争に巻き込まれることは、絶対にあり得ない」「“戦争法案”は無責任なレッテル張り」と否定した過去があるにも関わらず、橋下元市長が言うように、巻き込まれるどころか、今や露骨に、自分からアメリカに寄り添っている。当時は「日米同盟が完全に機能することを世界に発信することによって、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく」と説明していたはずなのだが。


「テロ」「爆破テロ事件」は、人間がすることだ。その動機は何か。
なぜそれを考えようとしないのか。
わが国の「外交政策放棄」の病が、国民にも浸透している。

諸外国同様の理由で、わが国でもそういうことが起きるなら、理由は何か。「米国の強力な外圧」のせいかどうかは知らない。「結束」がかたいのかどうかも関係ない。少なくともアメリカが行う「世界の平和と安全のために行う強いコミットメント」への「擦り寄り」「応援」「関与」が招いたことだ。

「テロ」「爆破テロ事件」は、自然災害ではない。
「警戒態勢強化」や「未然防止」「事件発生への備え」で、防止しきれるはずのものではない。
しかし、錯覚を与えるための「工作」は、こうして私たちの日常の中で、堂々と行われている。
「ひどいことが起きなければいいのにね」「そう簡単には起きないよ」という浅い認識だけに届くよう、仕向けられている。
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