非国民通信

ノーモア・コイズミ

どうして日本の夫婦なのに

2016-01-20 23:03:45 | 社会

育休宣言の宮崎議員 妻・金子議員切迫早産で緊急入院明かす(スポニチアネックス)

 2月に出産を控える自民党の金子恵美衆院議員(37)の夫で、今国会中に育児休暇を取りたいとの意向を表明している同党の宮崎謙介衆院議員(34)が15日、自身のブログを更新。金子氏が切迫早産と診断され緊急入院したことを明かした。

 宮崎氏は「2月15日が出産予定日なのですが、無事に子供が生まれるまでは穏やかに過ごしてもらいたいと心から願うばかりです。こういうときに何もできないことが歯がゆいものですね」と思いを吐露。「妻は新潟に戻る予定をしたいたのですが、急遽戻ることができなくなり皆様にご迷惑をお掛けしていることを気にかけています。どうぞご理解の程、宜しくお願い申し上げます」と結んだ。

 宮崎氏は昨年2月に金子氏と結婚。昨年12月には自身のブログで育休を取得する予定であることを宣言し、賛否両論となっていた。

 

 さて昨年末にも取り上げたことですが(参考:モデルケースとしては有意義だ)、育児休暇を取得すると宣言した男性議員がいたわけです。民主党から強い否定論が出るなど議論を呼んだりもしましたけれど、育休を取得するのが女性側だったなら大した問題にはならなかったであろうことを思うと、まぁ色々と考えさせられる事態ではあったのではないでしょうか。少なくとも現行制度の在り方、及び運用に波紋を投げかける意義は大きかったと評価できます。

 なお先日の報道によれば、自民党内部でも党国会対策委員会幹部(誰?)が「国会議員全体の評判を落としている」と宮崎議員を注意したそうです。しかし本当に、評判を落としているのでしょうか。確かに民主党などは、強く反対を表明していました。でも有権者からの評価はどうなのやら。ネガティブな見方もありますが、理解を示す声もある、少なくとも「国会議員全体の評判を落としている」ほどには見えない、自民党の得票率よりは高い賛意を得ていそうなものです。それでも「国対幹部」が否定的な見解なのは、本人の思想信条によるものなのか、それとも野党に攻撃材料を与えることを厭うからなのか……

 それはさておき、もう一つ注目してほしいと思えるのは、「金子恵美衆院議員の夫で、~宮崎謙介衆院議員」みたいな報道の形式です。似たようなもので、昨年末に現役引退を表明したサッカー代表の澤穂希氏と「夫の辻上裕章さん」辺りが挙げられるでしょうか。これまた昨年末には現行の夫婦同姓を合憲とする判決が下されたりもしたものですが(夫婦別姓に制度変更するのが違憲か合憲かを問うのであれば、それもまた合憲と判断されそうなのはさておき)、どうも上述の夫妻の例を見るに、当たり前のように夫婦別姓で報じられています。不思議ですね。

 現与党の衆議院議員であろうと五輪のメダリストであろうと日本の法律の適用から逃れられるわけではない、「金子恵美・宮崎謙介夫妻」も「澤穂希・辻上裕章夫妻」も日本で結婚する以上は否応なしに夫婦で同姓となっているはずですが、どのマスコミも別姓で各氏を伝えているわけです。衆目に触れるメディアで「宮崎恵美議員」とか、「辻上穂希」選手などと報道されているケースは見たことがありません。日本で結婚したんですから、選択の余地なく夫婦は同姓のはずなのに。

 まぁ元日本代表監督のコインブラ氏ですとか、在特会の高田誠氏ですとか、もっぱら通名で活動し、戸籍上の名前では報道されないケースは今になって始まったことではありません。でも田村亮子選手はいつの間にか谷亮子(議員!)で定着しました。金子恵美議員がいつまで金子姓でいられるのか、澤穂希氏がいつまで澤姓でいられるのか――もし旧姓のままで世間に定着し、それで何の問題もないのなら、これもまたモデルケースとして世間に問いかけるものが出てくるように思います。

 

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