参院比例区 自民28%、民主21% 本社世論調査(朝日新聞)
7月の参院選に向けて朝日新聞社は12、13の両日、第1回の連続世論調査(電話)を実施した。現時点で投票先を決めている人は選挙区37%、比例区30%で、6割以上は決めていないと答えた。「仮にいま投票するとしたら」と改めて全員に聞くと、比例区の投票先は自民が28%で、民主の21%を上回った。公明は4%、共産は3%、社民は2%。連続世論調査は参院選の投票直前まで毎週続け、有権者の意識の変化をさぐっていく。
比例区の投票先は、男性では自民29%、民主27%と拮抗(きっこう)、女性は自民27%、民主16%と差が出た。選挙区は対決の構図がそれぞれ異なり、比例区のように一様ではないが、「いま投票するとしたら」の回答は自民31%、民主22%など。
相変わらずのよくわからない世論調査です。支持政党を問う世論調査では自民党が民主党に圧倒的大差を付けるのに、投票先を問う世論調査ではそれなりに差をつめる結果が出ています。この辺は自民党には積極的な支持者がいるのに対して民主党は浮動票頼みなのかな、と以前に書いたことがありますが、果たしてどんなものでしょうか。
そして男性の支持傾向は自民29:民主27と拮抗しているのに対して、女性は27:16です。こういう調査を男女に分けて集計する意味があるのかと疑問を呈したいところですが、このように大きな差が出ているのであれば、今なお男女の間の溝は果てしなく深い、男女別の統計はまだまだ有意義なのかもしれません。
この発表では男性で44%、女性で57%の人が集計結果から漏れており、この内訳を明らかにしていただかないと、はっきりしたことを言いにくいところでもあります。自民党支持者を保守層と位置づけることも出来ますが、民主党だって本来は保守政党、民主党支持層だって保守層に組み込んで考えることも出来ますから、重要なのは自民党と民主党に対象を絞った支持傾向ではなく、この二大保守政党以外の政党に投票する割合と考えることも出来るわけで、そうなると話は変わってきます。
とはいえ、与党を支持する人の比率が野党第一党を支持する人の比率を大きく上回っている辺りは問題です。男性の支持は与党と野党が拮抗しているのに、女性の支持が大きく与党に靡いているお陰で与党に力を持たせる結果ともなっているわけです。先の東京都知事選でも、石原慎太郎の圧勝の陰には女性からの圧倒的な支持がありました。世の女性の多くは男根主義者、父権的な考え方が好きなんでしょうか。
バカに選挙権を与えていいのか、という極論もあります。それから18歳の少年に国民投票権を与えて良いのか、という話もあります。重要なことを決めるのに、しようもないデマを信じ切ったお馬鹿さんに左右されたくないという意見もありますし、あるいは周囲の宣伝に流されやすい未熟な子供に命運を託したくないという意見もあるわけです。そしてこういう意見が成り立つのは、その選挙権、投票権を与える範囲が変われば結果も変わると予測されるからでもあります。誰に選挙権を与えても結果が変わらないのであれば、選挙権を与える対象を選ぶ必要もないですから。
さてそこで男女の話「女性に選挙権を与えていいのか」と。酷い言葉ですが、困ったことに女性に参政権があるかどうかで選挙の結果は変わる可能性が高いわけです。理論上、選挙権を持つのが男性だけであった方が野党有利、与野党逆転の可能性は高まるわけで、それは結果的に女性の権利拡大にすら繋がりそうなのですが・・・ 統計上、男性の支持傾向は与野党が拮抗しているのに、女性の支持傾向が大きく与党に傾いている、おかげで父権主義的な考え方を持った政党が、あるいは男根政治家が幅を利かせているのもまた実情です。今の支持傾向が続く限り、男女共同参画社会実現のためには女性の参政権の剥奪が必要になりそうですが、う~ん、我ながら無茶苦茶だ。
見せたくない番組1位、4年連続で「ロンドンハーツ」(朝日新聞)
日本PTA全国協議会は16日、小学5年生と中学2年生の保護者らを対象にした「子どもとメディアに関する意識調査」の結果を公表した。子どもに「見せたくないテレビ番組」の1位は、4年連続で「ロンドンハーツ」、見せたい番組の1位は「世界一受けたい授業」だった。
見たことのない番組ばかりが並んでいるので私にとってはあまり意味のないランキングですが、どうでしょうか、私が選ぶとしたら「見せたくないテレビ番組」の1位は文句なしに「プロジェクトX」ですね。もう終わったとは言えアレは最悪です。
言うまでもなく「プロジェクトX」は「男達」を主人公とした勤労賛美と懐古趣味の反吐が出る美談仕立てのドラマ、おそらくはアメリカ人にとっての西部開拓物語と同次元の「古き良き」と信じられている時代を振り返る後ろ向きの番組でした。そこで描かれるのは過去の「男達」の勤労と勝利、すなわち現代のように女性に「侵略」される前の男達の聖域を舞台として、現代の汚らわしい怠惰な若者の存在しない、勤勉な労働者が疑問を持たずに邁進する夢の国です。
仕事を目的ではなく手段と位置づける私からすれば、盲目的に仕事に人生を捧げる男達の姿はとうてい共感できるものではありませんでしたし、そんな彼らが称揚される過程は靖国神社すら思わせる―――すなわち戦死した兵卒を褒め称える施設と仕事に人生を捧げた産業兵卒を褒め称える番組に同じ臭いを感じたわけです。そしてもちろん、その強烈な男性中心主義の世界観にも嫌悪感を感じたものです。
そんなわけで、私にとって「見せたくないテレビ番組」の1位は文句なしに「プロジェクトX」なのですが、この番組は非常に人気がありました。あんな番組が受け容れられるようでは世も末だとすら感じるのですが、主婦層からも大変な人気があったわけです。やっぱり女性は男根主義の方が好きなのでしょうか? このブログの読者は男女問わず例外的な方の方が多いとは思いますが、とりあえず女性からのコメントをお待ちしております。
途中で接した事のある案件もあったものの直接の担当者が出ることなくガッカリ、馬鹿らしくて見る気にならず、最終的にどれくらい腐敗し詰まらない番組になったか知るところではありません。(そもそもテレビは見ないほうです)
大半が商品開発につながる技術立国日本を基調に企画されたと思うが、必ず有能な担当者が日夜を問わず業務に取り組む荒唐無稽さ(知らない人は信じる)です。現実にはさまざまな人がいて開発の最先端にいても転職する、人によっては遅刻常習、上司と折り合いが悪いのは当たり前、成功しても冷遇されるどこでもある人間関係です。
対企業でなく戦前の軍隊やカルト宗教、カルト政党労働組合などであれば狂気&凶器番組が明確だったと思う。
勝手ながら、こちらの記事を、
沢山、参照させて頂きました。
ありがとうございました^^
ちなみにお玉の嫌いな番組は橋本弁護士のでている番組全部・・・
捨てるべき時期にさしかかってきているのではないでしょうか。
以前、某所にて(掲示板かブログかは失念致しました)で同じような議論がなされていましたが、
曰く「命を犠牲にしてまで働くなんて馬鹿げている、これからは無職やニートこそが勝ち組」である、と。
私には無職やニートが「勝ち組」と呼ばれる時代が来るとは到底思えませんが、とにかく労働以外で収入を得る道筋を立ち上げることが、当面の課題といえそうです。
結局の所プロジェクトXで描かれる世界は、会社側、政府側、支配する側にとって理想的な世界であるような気がします。それを非雇用側、支配される側が歓呼を持って受け容れている状況がまた不満なわけで・・・ と言っても私も決して熱心な視聴者ではありませんでしたので、本当は大したことを言えた義理ではないのですけれどね。
>unaさん
unaさんのブログも読ませていただきました。現実的な女性が民主党に期待しない心情はわかるのですが、その割りに自民支持層が少なくないのが永遠の謎です。希望を持って未来志向で新しい在り方を模索する人もいれば、逆に現実的であるが故に希望を持てず、古き良き昔のオトーサンの幻影を追い求める人もいるのでしょうかねぇ。
>お玉さん
一部で批判を受けたために、「男たち」以外を主人公にした回もあったそうですね。でもやっぱり耳に残っているのは番組終了付近でのナレーションで繰り返される「男たち」というフレーズです。一度嫌いになると何でも否定的に見えてしまうといいますか、中島みゆきの暗めの歌もなおさら後ろ向きの懐古趣味、安倍一派が追い求める過去への郷愁を煽るような印象を受けたものです。私が見なかった中には内容が良いのもあったでしょうか・・・
>Tsukasa_Hiiragiさん
無職やニートを勝ち組とするのは難しいですが、だからといって会社員が勝ち組かといえばそれも違いますよね。ある意味ではどこにも勝者がいません。
結局のところ、労働が手段と見なされていない、目的と見なされているところが大きいと思うのです。労働が手段に過ぎないのであれば、その手間を減らす方向に力が働きますが、労働が目的であるならば、そこにより人生をつぎ込ませる方向に力が働くような気もします。手段ならば楽をしても結果を出せば上等ですが、これが目的となると全力を尽くさねばならない、そんなところもあるでしょうか。労働以外の道を模索できないものか、その辺りは何かの機会にもう少し掘り下げて書いてみたいと思います。
個人的にはあんなもん興味の対象外だったからね。好き嫌いもありません(つーか、夜勤や夜勤明けでのうのうとテレビ見てるぐらいなら、寝てるわな。隣に女の子・・すまん)。
嫌いな番組?元ネタバレバレの韓流ドラマと、'渡る世間は鬼ばかり'かな?
や、どうもどうも、こちらも音楽の守備範囲を広げるべく、ジャーマンメタル以外にもメロスピやシンフォニックメタル、デスメタルやスラッシュメタル、ゴシックメタルにNWOBHMなど手広く聴いております。
プロジェクトXですが、なるほど「NHK歌謡コンサート」からの流れもありますか。気になって調べてみましたら、プロX終了後に10時から放送された番組は「プロフェッショナル 仕事の流儀」なんですね。プロXには世評の高さもあって反発を感じたものでしたが、こっちには何の印象もない・・・というか全然見ていません。でもまぁ、番組紹介を見る限りでは、かなり狙った組み合わせのような気もしますね。
「男性だけが頑張ったのでなく、それを陰で支えた女性もいたのだ」という趣旨だったと記憶しています。
あの番組自体は家族も見ていましたが…
やはり、番組の作り自体が斬新で、造りも上手いものであったという面が大きいようにも思えます。
ちなみに、地方では民主党が勢力を強める中で、東京では石原氏が支持を集めるという状況についてですが、
自民党の方針の変化による影響とは別に、確実に左派より右派の方が大衆の心を掴むのがうまい、ということもあるように思えます。
(イメージ戦略やサブカルチャーの利用もそうですし)
昨今は従来の左翼(ただし、某所とかだとどうも盲信的平和主義者と一緒くたにして使われているような…)への反感がうまく利用されているように見えます。
地方とは違い男女同権がある程度進んでいる都市部ではなおさらでしょうか。
それにしても、男女共同参画の流れの中で進出してきた女性がその現状を否定したり、ネット上の右翼は自分達が嫌う戦後民主主義の「反日」教育世代や日教組に洗脳された世代が築き上げた豊かな社会や技術力をまさに使いながら、それらを猛烈に批判していたりと、矛盾にも見える言動が多いです。
逆に地方での民主党の支持拡大には、国の方針の変化の他に強引な原発政策や相次ぐ不祥事により、国への不信感が募り、
東京だと「プロ市民」と誹謗される市民運動でも、それなりに現実性を持っているとも考えられます。
特に、まさに北朝鮮に近い、攻撃されやすいはずの日本海側(私も日本海側出身ですが)に原発が密集させられていて、その管理への信頼性も低下しているとなると、「いざとなったら切り捨てられるかもしれない」という恐怖感があります。
尤もそうなればダメージは地元だけに留まらないのはもちろんのことですが。
私がプロジェクトXの最大の問題点だと思っているのは、どのエピソードでも内容が単独の「プロジェクト」として物語化されていること、つまり始まりがあって起承転結があってエンドマークという「英雄物語」仕立てになっていることです。番組を盛り上げるためには避けられない構成上の制約なのかもしれませんが、この制約が高度成長を「英雄物語」として過剰に美しく飾り立てる効果をもたらしているんじゃないかと思います。
実際に社会が動いていく時に、人々の労働の中でもっとも大きな比重を占めているのは特別な「プロジェクト」ではなくて、むしろ日常的で地味な行為の持続・メンテナンスです。ほとんどの国民は特別な技術開発などの「物語」の中に生きているわけではなく、変わり映えのしないライン作業、毎日靴をすり減らしての営業、目を赤くしながら毎晩遅くまでディスプレイに向かうサービス残業といった、ヒロイックな「プロジェクト」に比べたら千篇一律の平凡な業務にしか見えない、地味な市井の働きの積み重ねこそが社会を支えているのですが、そういうのは話題として取り上げられません。こっちのほうが「風の中のすばる」「砂の中の銀河」には相応しそうなんですけどね。(まあ「メンテナンスX」では番組になりませんが)
ところが、このようなプロジェクト的描写を「これがかつての日本だ」として前景化すると、まるで特別なハードワークを物ともしない使命感に満ち溢れた英雄たちの物語が、高度成長期の日本には普遍的に存在したかのような錯覚を呼び起こしてしまいます。
こういう時にはアンチテーゼとして、先頃なくなられた植木等の「無責任」シリーズの映画あたりを対置してみたくなるのですが、現代においてプロジェクトXのアンチテーゼ的なものとしてイメージされている無業者・ニートが端的に「忌まわしい者」「排除されるべき者」と認識されている風潮を見ると、現代では“植木等”が生まれる余裕は無いのかな……などとも考えてしまいます。
そうですねぇ、特に「左翼」への反感が上手いこと増幅されている辺りは大きいでしょうか。平和を訴えるにしても、ただ平和を訴えるだけでは「妄信的」とされて余計に反感を買うところもあるわけで、それを恐れるあまりタカ派の見解を真っ向から否定できない、腰の引けた論説も増えているような気がします。しかし、そんな涙ぐましいハト派の妥協した言説を以てしても共感より反感が上回り続けているのが実情かも知れませんね。
>無学化歩兵さん
Q.大坂城を造ったのは誰か?
A.大工さん
・・・なんてくだらない謎謎があったのを思い出しました。くだらない引っかけではありますが、ある意味では間違っていないのですよね。プロジェクトX的な盛り上げ方をするのならば主人公は秀吉になるのでしょうか。そうして、その陰で現場で黙々と作業に当たる人が忘れられていくのかもしれません。産業兵卒や兵卒ではなく、その司令官がつとめる特別な「プロジェクト」を主題とすることで美化が計られているところもあるのでしょう。そう言えば、無責任男だけではなくフーテンの寅さんみたいなタイプの主人公も最近では見ませんね・・・