非国民通信

ノーモア・コイズミ

たちあがれw

2010-12-25 22:53:54 | ニュース

たちあがれ日本に連立打診 首相、内閣改造も視野(朝日新聞)

 菅直人首相がたちあがれ日本に対し、連立政権への参加を打診したことが明らかになった。来年の通常国会に向け政権基盤を強化するための内閣改造を視野に入れ、平沼赳夫代表を拉致担当相で入閣させることを要請した。ただ、たちあがれ日本内では連立に反対する声が強い。

(中略)

 首相はこれまで公明党や自民党との連携で、ねじれ国会を乗り切ることを検討してきた。だが両党は対決姿勢を強めており、参院での過半数確保に少しでも近づくことをめざし、小政党との連携を模索。新党改革の舛添要一代表とも9日に会談し、舛添氏の入閣も検討している。

 首相は11月18日にたちあがれ日本の与謝野馨共同代表と会談して「連立を組む用意がある」と打診。今月4日にも極秘会談し、平沼氏の入閣を求めた。与謝野氏は6日に平沼氏に報告。連立入りへ本格検討に入っていた。

 迷走する民主党政権ですが、勃ちあがれ日本や舛添に秋波を送っていることが伝えられています。そりゃ国民新党や社民党なんかと比べれば政策上の距離は格段に近いのでしょうけれど、もうちょっと議席の多いところと組まないと意味がないように思えます。でもまぁ民主党からすれば比較的、組みやすい相手ではあるのかも知れませんね。まず社民、国民新、そして共産党では政策があまりにも違いすぎますから。では政策的に似通った党である自民党やみんなの党はどうなのか、あるいは自党の政策よりも連立の維持を優先することでは実績抜群の公明党はどうなのでしょうか。特に自民党と公明党は国政上では争っている風を装いつつも、地方議会では共に手を携えて首長を支えてきた長年の盟友です(例えば東京都議会など)。地方自治体の政治に少しでも理解がある人にとっては、むしろ自民と民主が組む方が自然に見えるような気がします。

 

公明は政府、自民との距離感に腐心(読売新聞)

 公明党は、支持率低迷に悩む菅政権からの秋波を警戒している。

 「政権に取り込まれた」と見られれば、来春の統一地方選に不利になると考えるからだ。一方で、政権との対決姿勢を強める自民党との距離の置き方にも苦心している。

 公明党の山口代表は22日の中央幹事会で、今後の党運営について、「戦う野党として、主張を明確にしていく」と明言。記者会見では、参院が問責決議を可決した仙谷官房長官と馬淵国土交通相が辞任しなければ、来年の通常国会で両氏が関連する審議を拒否する方針を改めて示した。両氏には「辞めてもらうのが原則」とも強調した。

 背景には、失態続きの菅政権を批判する方が統一選を戦いやすいとの判断がある。公明党は過去2回の統一選で候補者を全員当選させており、党執行部にとって、「全員当選」は今回も至上命令だ。

 これは公明党に言及した記事ですけれど、他の野党も考えていることは同じようなものでしょう。ジリ貧の民主党と組めば、政権批判の余波を食って自党の評価も落とすであろうことは火を見るより明らかです。引用元で述べられているように「失態続きの菅政権を批判する方が統一選を戦いやすい」わけで、世論を気にするタイプの政治家であるほど「今は与党批判に回っていた方が得」と判断するのが自然です。そういった意味ではポピュリズム色の強い自民党の若手やみんなの党は、いかに政策面で一致するところが多かろうとも与党入りは絶対に避けようとするはずです。では、ポピュリズム色の薄いところはどうなのでしょうか?

 たちあがれ日本が結成されたときに書いたのがこちらのエントリになりますが、政策的なものはともかくポピュリズムからは縁が遠そうなところに、ちょっとだけ肯定的なイメージを持ったりしました。とかく政治の世界では若いというだけで評価されがちな中、あえて70前後の爺ばかりで結党したのは見上げたものです。で、顔役の平沼はと言えばポピュリズムの権化たる小泉から離反し、その小泉が差し向けた「資格」を退けて当選を果たした筋金入りの地盤型政治家だったりします。浮動票頼みの政治家にとって今の与党に加わることは火中の栗を拾うがごとしですが、世論を敵に回しても地盤の強さで勝てる政治家であるならばどうでしょう。そうした意味で、たちあがれ日本は民主党と組む可能性が他党に比して高い部類に入るのかも知れません。

 菅内閣もさることながら、先の鳩山内閣も含めて民主党というものが、しばしば実態からかけ離れたイメージによって支持されたり嫌われたりする党であるところに、こうした迷走の原因があるような気がします。例えば石原慎太郎が差別発言を繰り返しても取り立てて支持率が落ちたりはしないですけれど、これは正しい理解に沿って支持/不支持がなされているからと言えるでしょう。差別発言を何とも思わない人が石原を支持し、差別発言に反発する人は元から石原を支持しないのあれば、そこで差別発言が出てきたとしても元から「支持しない」人が憤るだけで、支持層は全く気に留めない、支持率には影響が出ないわけです。では逆に差別に否定的な人々が支持し、差別の正当化を図る人々が嫌ってきた政治家が差別発言を繰り返したらどうなるでしょうか? 当然のように支持者は離反する一方、元々の反対派は相変わらず反対派であり続ける――そうやって支持率が落ちていくことも考えられます。そして民主党政権とはそういうものであるように思われるのです。

 地方行政と国政は違いますし、全ての自治体がそうであるわけではないにせよ、私の地元における民主党とは自民党と相乗りで首長候補を立てて自民党と共に与党であり続ける党でしかないわけで、その民主党があたかも自民党の対抗馬であるように語られると「何のギャグだよ!」という気分になります。まぁ実際に国政で民主党政権がやってきたことにしたところで、自民党政権でも普通にやったであろうことばかりではないでしょうか。元より目指しているところは変わらない、小泉と同様、敵視するものは官僚であったり古い自民党であったりする党なのですから。

 しかるに政策の根本では自民党と変わらない民主党でありながら、自民党への批判票で躍進してしまったところに現政権の欠陥があるのかも知れません。支持層は自民党とは「違う」結果を求めるのに、実際にやることは自民党と同じことばかり、これでは支持層が離反するのは当たり前ですし、逆に自民党の政治に肯定的だった層が民主党を見直すようになるかと言えば、そんなことは決してなく相変わらず自民党支持のままだったりするわけです。だから民主党の支持率は下がることはあっても上がることはない、内閣改造というカンフル剤を打つことしかできないと言えます。

 そして「なんとなく左っぽい」イメージを持たれがちな菅直人です。イメージとは裏腹にその実態は「ええかっこしい」と言ったところで、とかく理はなくとも猛々しい多数派の論調に流されやすいように見えます。そうなると必然的に政策は財界寄り、右寄りに傾斜するばかりで、こうなると左派が支持するはずもありませんし、右派は相変わらず「左っぽい」イメージを抱いて菅を嫌い続けるわけです。正直、今の民主党にはもう有効な手立てを打つことはできないように思えますが――民主党を選挙で勝たせてしまった以上は、もうしばらくこの政権に付き合うしかないのでしょう。

 

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2 コメント

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Unknown (ノエルザブレイヴ)
2010-12-27 17:45:33
今日偶然Googleにおいて「菅直人 在日」なる検索キーワードが多く使われていることを知りました。その…気に食わない相手が外国人だとか外国と密接に関わっているとかと考えるのはやめたほうがいいと思うのですがね…。
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-12-27 23:53:32
>ノエルザブレイヴさん

 むしろ菅はネット世論的なものに流されやすいだけに、その手の連中との政治的距離は近いと思うのですけれどね。気に入らない政治家はは何をやっても売国云々ということになる、それこそ現実と妄想の区別が付いていないと言えそうです。
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