非国民通信

ノーモア・コイズミ

変わり映えのしない世論調査結果

2010-07-21 22:59:37 | ニュース

民主政策、企業の評価は ×高速無料化 ○無駄洗い出し(朝日新聞)

 民主党政権の政策に対する企業の評価が二分していることが、帝国データバンクの調査で分かった。業種によって差が出たが、全体では支持と不支持の割合がほぼ同程度だった。

 参院選前の6月21日から30日にかけて全国1万1257社から回答を得た。民主党政権が参院選後に取るべき政策の方向性を聞いたところ、「抜本的に転換すべきだ」と答えたのは全体の44.9%だった。「修正を加えながら推進していくべきだ」が35.6%、「現状維持」が8.1%で、計43.7%が肯定的にとらえた。

 抜本見直しを求めた政策(複数回答)は、「高速道路料金の無料化」が約57%でトップ。「出産・子育て支援(子ども手当など)」「教育支援(高校授業料の実質無償化など)」が続いた。進めてほしい政策は「行政改革による無駄の洗い出し」「法人税率の引き下げ」「雇用支援」が上位を占めた。

 さて、企業を対象とした世論調査が出てきたわけですが、普通に住民を対象にした場合とほとんど変わらない結果に見えます。少なくとも日本の場合は、企業の政治観=有権者の政治観と言って差し支えなさそうです。生活者目線の政党より、経営者目線で政策を訴えてきた政党の方が票を伸ばしているのも、それだけ企業の価値観と国民の価値観が一致しているからと言えるでしょう。そして高速無料化への反対意見が強いのもさることながら、反対に肯定意見のトップは「行政改革による無駄の洗い出し」です。この辺も住民を対象にした世論調査と同じですが、う~ん、企業だったら景気対策とかは望まないのでしょうか?

 まさか景気対策が回答項目にないとも思えませんし、そうでなくとも行政のムダが減ったところで企業の利益とは関わりがないことのはずです。営利企業にして、利益拡大よりもムダ削減の方が大事というのが日本の経営感覚なのでしょうか。まぁ、景気対策よりもムダ削減が優先というのが企業の判断とするなら、それはそれで業績拡大よりも経費削減で利益を上げることを好む日本的経営とは釣り合いがとれているのかも知れません。ムダ削減に続く回答は「法人税率の引き下げ」「雇用支援」ですから、この辺も払うべき税額の削減、雇用にかかる企業側負担の削減ということで、どちらもコストカット路線に沿った、一貫性のある回答ですし。

【世論調査】消費税に拒否反応…20代女性の民主離れ進む(産経新聞)

 世論調査で、菅直人首相の消費税率引き上げ発言に対し、男性よりも女性の方が強い拒否反応を示していたことが分かった。

 消費税率を「今の5%から上げた方がよいか」と聞いたところ、男性の「引き上げ反対」は33.5%だが、女性は10ポイント以上高い44.1%。逆に「税率引き上げ容認」は、男性では61.1%と過半数を占めたが、女性は49.3%だった。

 女性の中でも反対が多かったのは、20代、30代、50代。20代は52.9%、30代は50.0%が税率引き上げに反対した。

 この数字はそのまま「菅内閣不支持」につながった。20代女性の内閣不支持率は57.4%、50代では57.8%と6割近くが菅首相に「ノー」を突きつけた。この層では、民主党の政党支持率もそれぞれ13.2%、19.3%と2割を切る不人気ぶりだった。

 参院選で20代女性で民主党に投票したのは、選挙区で24.5%、比例代表で26.4%で他の世代に比べて10ポイント前後低かった。民主党大敗は「女性票の反乱」が原因だったとみることもできる。

 元より民主党の支持は女性より男性、若年層よりも中年層に大きく偏っていたわけですが、党勢が衰えるほどその傾向は顕著になるのでしょうか。先の衆院選時点では幅広い層の支持を得たけれど、いざ浮動票が剥がれ落ちた結果として残ったのは、女性より男性、若年層よりも中年層ということになりそうです。支持率を見ても概ね「おっさんは民主」「子どもは自民」「都市部はみんな」辺りが安定した基盤になっているようですが、逆に言えばそこに当てはまらない人々が浮動票として選挙結果を大きく動かすものでもあるはずです。女性票を制するものが選挙を制する、ぐらいに女性票を重視するのも選挙戦略としては正しいのかも知れません。そういう点では家計を預かる主婦の反感を買いそうな政策(=消費税増税)はあらゆる点で愚策でしたね。では主婦の共感を呼びそうな政策は何かと考えると、やはり節約≒ムダ削減(無駄遣いする人にはお小遣いはあげません!とか)になってしまいそうなだけに、その辺は気に入らないものを何でもムダ呼ばわりする政党を利してしまいそうですが……

 

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
高速道路無料化のためには (GO@あるみさん)
2010-07-22 00:01:08
税金を「公の」高速道路に投入しないといけませんから、「無駄」の最たるものなんでしょうね。キチンと税金を出してそれなりの「安い」料金設定にすれば、経済にもいい影響を与えるとおもうのですが…
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-07-22 12:04:22
>GO@あるみさん

 あるいは、直接 高速を利用しない人が、「何で(自分は)使わないものに税金を……」見たいに思っているところもあるでしょうか。事業者ならトラック物流の世話になっているところはない、間接的には影響のあるところのはずなのですけれど。
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Unknown (HANAKO)
2010-07-22 14:36:12
女性を始めとする社会的弱者は元々社会的地位が低く貧しい為平等を低く設定してしまうのかもしれません(それをまたネオリベが中間層を落とす方に使う)今は少し楽な貧困者が声を上げるとより下の貧困者がいる(だから文句を言うな)とか言う言説が好まれますから…
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Unknown (紅葉修)
2010-07-22 17:51:58
エコカー減税やエコポイント、ETCによる割引などは賛成。
高速道全体の無料・低料金化、子ども手当、高校無償化などは反対。
本当に無駄云々なら全て反対すべきと思うんですが、そうならない。
日本人のマゾっぷりを利用する悪意を感じます。
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Unknown (ルーピー)
2010-07-22 19:58:59
 みんなの党がまさにその点の賛否では自民党と全く同様でした。ムダをいうなら、政党助成金を廃止すれば良いだけだと思いますが。
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-07-22 21:49:03
>HANAKOさん

 そんな感じで足を引っ張り合う、足を引っ張り合わせるような風潮が強いですよね。結局、立場の弱い人が弱者に易しい政策を強く指示するかと言えば、そうならないどころかむしろ反対の傾向さえ示してしまったり……

>紅葉修さん

 まぁそのうち、エコポイント関係もバラマキだの何だのと非難を浴びるようになるのかも知れません。サービスを拡充するよりも、骨身を削って節約に励む姿勢を見せた方が共感も得られそうですし。

>ルーピーさん

 民主も自民もみんなの党も、我こそは真の改革派なりという面をしていますけれど、どこも根本的な考え方は一緒ですから。ライバル政党のやることだから反対しているだけで……というのも少なくないでしょうし。
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Unknown (TK)
2010-07-24 00:09:20
民主党の事業仕分けを見ればわかるように、一概に「ムダ使い」と言えるのかどうかはわからないわけですが、この国の国民は何を期待しているのでしょう?
やはり公務員の人件費ですか?
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-07-24 13:34:17
>TKさん

 公務員の人件費など恵まれている(要に見える)ところを削っていくことでしょうかね。とにかく企業経営者も庶民も、ムダ削減が大好きなようです。
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法人税減税 (元大阪府民からの伝言)
2010-07-24 23:14:27
法人税減税、企業側は強く要望しているようですね。
そこまで言われているのであれば、法人税減税を行う代わりに企業側の免税特典を全て剥奪するという提案はアリかなと思います。
研究開発に関する減税とか輸出に関する「戻し税」とか諸々全て廃止。
給付と引き替えに控除を廃止する「こども手当」と同じように。
国が損をしないようにうまく税率を設定して案を出してみれば面白いかと。
企業全部が反対するわけではなく、意外にも賛否両論が出て、大喧嘩になりそうな気がします。
いっそのことそういう事態になったほうが、企業や業界の思惑が世間の目にさらされて、すっきりするかもしれません。
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-07-25 14:09:11
>元大阪府民からの伝言さん

 法人税が高いと言われる割には、決して法人税収が多いわけではないですからね。実効税率という名の名目上の税率を下げる代わりに、実際に払う税額を増やしてしまうのも手でしょうか。政財界は何かと反発しそうですが……
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