非国民通信

ノーモア・コイズミ

河野太郎と小池百合子のカイカク観

2009-11-30 22:53:33 | ニュース

自民・河野太郎氏「正直うらやましい」 事業仕分け視察(朝日新聞)

 「正直うらやましい。もっと厳しくやって」。自民党の河野太郎衆院議員が27日、行政刷新会議の事業仕分けを視察し、民主党政権の仕分け人にエールを送った。河野氏は自公政権時代に事業仕分けを導入した“元祖・仕分け人”だ。「オレにやらせろという気持ち」と複雑な心境をのぞかせた。

 河野氏は08年に自民党の「無駄撲滅プロジェクトチーム」を率い、事業仕分けの手法で通称「アニメの殿堂」の予算凍結などを求めた。だが、当時の麻生政権では09年度補正予算に盛り込まれた経緯がある。河野氏は「僕らがやったときは反乱軍だったが、今度は正規軍」。報道陣や傍聴人でごった返す事業仕分け会場を「うらやましい」と繰り返した。

 「小泉構造改革路線を忠実にやっているのは民主党だ」と小泉純一郎が語ったのは記憶に新しいところですが(参考)、その小泉路線を最も強く盲信している一人である河野太郎も似たようなことを口にしているようです。まさしくカイカク路線の継続という色合いの強い民主党の事業仕分けを指して「正直うらやましい。もっと厳しくやって」だとか。たしかに今「民主党がやっていること」と「自民党がやりたかったこと」は重なる部分ばっかりで、そうした同質性を理解できている河野氏であるなら、この反応は至って自然なものかも知れません。小泉発言の方は皮肉半分でしょうけれど、河野発言の方は真情の吐露と言えそうです。

 中共の「日本解放工作要綱」にならえば、事業仕分けは日本弱体化の強力な手段。カタルシスを発散させながら、日本沈没を加速させる…。
http://twitter.com/ecoyuri/status/6083239039
(魚拓)http://s04.megalodon.jp/2009-1127-1841-37/twitter.com/ecoyuri/status/6083239039

 一方こちらは小池百合子氏の書き込みですが(ご丁寧なことに、氏の公式サイトからリンクが張ってあります)、いかがなものでしょうか。「日本解放工作要綱」云々は「白いクスリでも決めてるのか?」と突っ込みたくなるところですが(これくらいの妄想癖がないと防衛相なんて務まらないのかも知れません)、後半部分は的を射ている部分もあると思います。事業仕分けそのものはとうてい評価できない部分ばかりで、構造改革同様に日本社会の貧困化を推し進めるものであり、しかもそれが「ムダを排除=悪者退治」のような図式で歓迎されている有様は、まさしく「カタルシスを発散させながら~」と呼ばれるべきものでしょう。妄言の中にも指摘として真っ当な部分もあるような気がします。

 しかし、事業仕分けを「正直うらやましい」と語る河野太郎と、「日本沈没を加速させる」と語る小池百合子の間に、そこまで政治的な隔たりがあるのでしょうか。極右層に媚びるかどうかでは立場が異なるかも知れませんが、社会や経済の在り方を巡っては同じカイカク路線を信奉、称揚してきた「同志」のはずです。外交面で河野太郎と小池百合子の見解が分かれるのなら何も不思議はありませんけれど、こうした内政面で正反対の評価になるのはおかしなことですよね。

 要するに河野太郎の場合、その担い手が自民党であろうと民主党であろうとカイカク路線であればプラス評価な訳です。ある意味、一貫していますね。かつては小泉カイカクを熱烈に歓迎し、今は事業仕分けに喝采を送っている無党派層に近い感性の持ち主なのかも知れません。逆に小池百合子の場合は、自民党の構造改革は良いカイカク、民主党の事業仕分けは悪いカイカク、要するに「どの党が」というのが重要のようです。これはネット上の自民党支持層に近いタイプですね。一方で小泉改革は批判しつつも事業仕分けは擁護する、例えば上杉隆みたいな民主党の太鼓持ちは小池百合子の正反対で自民党がやるなら悪いカイカク、民主党がやるなら良いカイカクみたいに語るわけで(ネット上の民主党支持層はこのタイプが多い)、まぁ両者は鏡のようなものでしょうか。

 一方で私は自民党であろうと民主党であろうとカイカク路線には否定的、河野太郎とは対極にいるわけですが、政権交代後は自民党支持層とおぼしき人から好意的なコメントをもらったり、逆に民主党支持層であろう人から支離滅裂な捨て台詞を吐かれたりと、そういうことも増えました。「今の」カイカク路線に否定的、と言う点では小池百合子や(ネット上の)自民党支持層と意見が「結果的に」一致してしまうことも出てきたのでしょうか(反対する理由は違うと思いますが)。逆に民主党応援団みたいな人からすれば、自公政権を批判したのと同じ理由で民主党を批判されるのは受け入れがたいようです。これまた政権交代が起こって自民党が再びカイカクの担い手になったなら、その辺の評価も再び入れ替わると思いますけれど……

 

 ←応援よろしくお願いします


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もっと先立つものがあるはず | トップ | 自由律俳句4 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (源内山人)
2009-12-01 00:31:52
>>・・逆に民主党応援団みたいな人からすれば・・・・民主党を批判されるのは受け入れがたいようです。これまた政権交代が起こって自民党が再びカイカクの担い手になったなら、その辺の評価も再び入れ替わると思いますけれど……

結局、政党及びマスコミにより「勧善懲悪」という単純化された構図などで政治がワイドショー化されため、民主党やら自民党やらを支持する無党派層(大衆)の心理は、プロ野球のタイガースやらジャイアンツを応援するような感覚と同じなのだと思います。
同じ事でも相手チームがやれば卑怯とかいって非難しても自分の贔屓チームがやればgood job!といったところでしょうか。
まあ、事の本質については全く理解していないということでしょうけども・・・。
返信する
「中共」 (Bill McCreary)
2009-12-01 23:00:30
なんて時代錯誤の言葉(自慢じゃないですが、このパソコンで変換するのにそれなりに苦労しました)を使っている頭の悪さに笑っちゃいますが(それでも「シナ事変」なんて言っている稲田朋美よりましか)、河野太郎もねえ。親父のほうは私はそれなりには評価しているつもりですけど、彼のほうは「もう少し視野を広くしてほしいな」というところです。

それにしてもこの記事を読んで、管理人さんと私は考えが似ているなとあらためて思いました。
返信する
Unknown (非国民通信管理人)
2009-12-01 23:15:55
>源内山人さん

 そうですね、まさに好きな球団を応援するのと一緒で、自分が贔屓の球団なら あばたもえくぼ状態でしょうか、何かと詳しいはずの熱心なファンほど自チームへの評価が曇りがちな辺りも…… 一方で比較的 関心の薄い無党派層はテレビで取り上げられているところを応援するくらいのノリなのかも知れません。

>Bill McCrearyさん

 極右に媚びても票が伸びないことを、直近の選挙から学ばなきゃいけないと思うんですけれど、小池百合子は相変わらずですね。一方で河野太郎、自民党が右寄りに舵を切っていた頃は「相対的に」分別がある方に見えましたが、カイカク路線への傾倒ぶりはどうなんでしょう。自民か民主かにこだわっていない辺りは、と言う評価もできますが……
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ニュース」カテゴリの最新記事