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非国民通信

ノーモア・コイズミ

「特権」の誕生

2013-01-10 23:03:06 | 社会

朝鮮学校補助金 神奈川県知事「国の制度と県は別」(産経新聞)

 民主党政権下で判断が先送りされてきた朝鮮学校への高校無償化適用問題で、安倍晋三政権が適用を見送る方針を決めたことに関連して、神奈川県の黒岩祐治知事は7日の定例会見で「国の制度と県独自の補助金とは基本的に別もの」と述べ、朝鮮学校に対する県の補助金支出の可否を今後も県独自に判断する考えを示した。

 国の適用見送りについて「民主党政権も無償化しなかった。結果的に変わっていない」と前置きした上で、「県として、今まで拉致問題に関する教育が行われているかに目を向けてきた。今後は教科書に拉致問題の明確な記述がされるかを含め、状況をみていきたい」と述べた。

 県は支出の条件としていた拉致に関する授業実施を昨年11月に視察した上で、今年度分約6300万円の支出を決定。平成25年度の教科書改訂時に拉致問題を記述するよう求めている。

 

 まぁ引用記事でも伝えられているように、民主党政権下では朝鮮学校が高校無償化の適用範囲から外されたままになっていたわけです。しかるに神奈川県は県独自の審査で補助金の支出を決定、今後も県独自に判断する方針とのことです。珍しく地方自治の精神が、良い方向に働いているような気がします。国がろくでもないなら、自治体が独自の判断基準を持つのは悪いことではありません。とはいえ、世間の受け止め方はどうなのでしょうね。

 日本が経済成長を追ってきたみたいな幻想をいつまでも抱き続ける人と同じように、民主党が左寄りである、韓国・朝鮮籍などの在日外国人寄りであるみたいな事実無根の妄想と現実との区別が付けられなくなっている人もまた目立つように思います。ところが実際には、先送りという形で朝鮮学校を無償化適用外のまま放置してきたのが民主党政権でした。果たして民主党政権が継続していれば朝鮮学校を無償化の対象に含めると国が判断することはあり得たのでしょうか。結局、無償化「しない」という結果だけを見れば民主党政権も自民党政権も着地点は対して変わらないような気がします。

 参院選に向けて民主党執行部は維新やみんなとの連携を模索していると伝えられています。維新と組むような党であるなら、なおさら自民よりマシとは断じて言えないと思えてしまうのですが、ともあれ民主党だって自民に負けず劣らぬ「右」の党であること、尖閣購入に象徴されるように「右」に良い顔をしたがる党であったことは、ちゃんと理解されるべきでしょう。どうにも偏見に基づく嫌悪と、逆に(右から)左と呼ばれる層の不可解な支持を受けていたのが民主党ですが、もうちょっと党の性格を等身大に理解した上で批判なり支持なりが決められるべきだろうと常々思うわけです。

 「民主党政権も無償化しなかった。結果的に変わっていない」と神奈川県の担当者は語っているそうです。ニュートラルな目で見ると、そういうものなのでしょう。ともあれ神奈川県は既に今年度分の支出を決定済とのことで、国の決定からは独立した形で朝鮮学校を支援することになります。まぁ、こういうケースは初めてではないのかも知れません。「日本人」に与えられている諸々の権利や社会保障の対象から「日本で経済活動に従事し、納税している人」「日本に永住している人」が除外されてることは多々あるわけです。そこで自治体が独自の判断で日本国籍を持たない人向けの代替的な補償措置を取っているケースも散見されるところ、これが一般に「在日特権」などと呼ばれています。この「特権」が何の「代わり」として作られたものなのかは遠からず忘れられるもので、近いうちに神奈川県の朝鮮学校への補助金支出もまた「在日特権」云々と勘違いされる日が来るのではないでしょうかね。

 

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コメント (2)
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