DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

太宰治(1909-48)『薄明』(1946):空襲で死なずにすんで良かった!そして今後、良いことのありそうな予感!つまり『薄明』!

2019-03-11 20:02:56 | 日記
(1)
私の三鷹の家が空襲で焼け、S21.4月上旬、甲府市の妻の実家に疎開した。妻の妹(26or27歳)が独りで住む家に、私37歳、妻34歳、長女5歳、長男2歳が移り住んだ。
(2)
妻の里とは言え、私たちは「疎開人」として気を使う生活だ。それは相手も同じ。
(3)
その甲府市も7月に空襲を受け、疎開先の妻の実家も焼けた。知人を頼りに新しい住まいを探した。
(4)
よいこともあった。(※これが表題の『薄明』だ。)①空襲で死なずにすんだ。②空襲前に家の庭に多くの食糧などを埋めておいたので家が焼けた後、大変役立った。③空襲後、新しい住まいを私たちに貸してくれる人が見つかった。④失明するかと思った長女のひどい結膜炎が完治した。
《感想1》
確かに「薄明」だ。空襲で死なずにすんで良かった。そして今後、良いことのありそうな予感。(つまり『薄明』!)(上記①②③④)
《感想2》
この甲府市の空襲と比べると、東京大空襲が大量殺戮(死者10万人)であることが明らかだ。そして原爆はさらに巨大な大量殺戮(死者30万人)だった。アメリカ兵の死者を減らす為、40万人も殺戮する恐るべき意思決定があった。
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「からすの赤ちゃん」(1941年):①「からすの赤ちゃん」、②「(子)山羊さん」、③「迷子の鳩さん」、④「狐の赤ちゃん」各々をめぐる意味群を、「鳴き声」・「頼む相手」・「欲しいもの」を軸に対比させる!

2019-03-11 13:17:34 | 日記
 「からすの赤ちゃん」 海沼實(カイヌマ ミノル、1909-1971)作詞作曲(1941年)

からすの赤ちゃん なぜなくの Why does a baby crow cry?
こけこっこの おばさんに To a lady hen,
あかいお帽子 ほしいよ “I want a red hat,
あかいお靴も ほしいよと and I also want red shoes,”
かあかあ なくのね it says crying with “Caw caw.”

めえめえ山羊(ヤギ)さん なぜなくの Why does a baby lamb cry?
お里の 母さんに To a mother at home,
おねむに なったよ “I become sleepy,
あまいおっぱい 頂戴(チョウダイ)ねと and I want your sweet milk,”
めえめえ なくのね it says crying with “Baa baa.”

迷子の鳩さん なぜなくの Why does a lost little dove cry?
みみずく おじさんに To a gentleman owl,
夜路(ヨミチ)は こわいよ “As I am scared of a night road,
ほおずき提灯 かしとくれと lend me a lantern of Chines lantern plant,”
ほろほろ なくのね it says crying with “Coo Coo.”

狐の赤ちゃん なぜなくの Why does a baby fox cry?
三日月 おばさんに To a lady crescent moon,
木の葉でかんざし 買っとくれ “Buy me an ornamental hairpin for a leaf,
小石で花ぐし 買っとくれと and buy me a flowered comb for a small stone,”
こんこん なくのね it says crying with “Yelp yelp.”

《感想1》登場するのは①「からすの赤ちゃん」、②「(子)山羊さん」、③「迷子の鳩さん」、④「狐の赤ちゃん」。
《感想2》鳴き声は①「かあかあ」、②「めえめえ」、③「ほろほろ」、④「こんこん」。
《感想3》頼む相手は①「こけこっこのおばさん」(同じ鳥類)、②「お里の母さん」(母子関係)、③「みみずくおじさん」(迷子が頼みにするのは賢いみみずく;知恵の女神アテナの使い)、④「三日月おばさん」(狐は夜行性)。
《感想4》欲しいものは①「あかいお帽子」と「あかいお靴」、②「おねむになった」ので「あまいおっぱい」、③夜路がこわいので「ほおずき提灯」、④「かんざし」(売り手を化かして木の葉で買う)と「花ぐし」(化かして小石で買う)。
《感想5》①「からすの赤ちゃん」、②「(子)山羊さん」、③「迷子の鳩さん」、④「狐の赤ちゃん」各々をめぐる意味群を、「鳴き声」・「頼む相手」・「欲しいもの」を軸に対比させる。
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映画『グリーンブック』Green Book(2018年):ドクターとトニーの友情物語は、公民権運動の歴史の中で輝く宝石のような出来事だ!

2019-03-11 09:11:45 | 日記
(1)
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップ(本名トニー・バレロンガ、1930-2013)。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまう。
(2)
トニーは、黒人(アフリカ系米国人)嫌いだったが、黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリー(本名ドン・シャーリー、1927-2013)に運転手兼用心棒として雇われる。ドクターは黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとする。トニーは、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りにその旅に同行する。
(3)
出自(黒人とイタリア系白人)も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すが、次第に友情を築いていく。学があって洗練されたドクターと粗野で無教養のトニーという正反対の二人。
(4)
トニーの実の息子のニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドン・シャーリーの友情の物語を映画化した。ニックは将来的な映画化を意図し、家族ぐるみの友人だったドン・シャーリーや父をインタヴューした録音テープ、メモ、トニーから妻への何通もの手紙など、膨大な参考資料を用意した。
(5)
ドクター・シャーリー役のマハーシャラ・アリが言う。「最も惹かれたのは、とても複雑な人物だったところだ。高学歴で教養があり、ロシアとロンドンでクラシックを勉強したが、レコード会社の『黒人のクラシックはウケない』という方針で、気の進まないブラックミュージックやジャズのような音楽を演奏せざるをえなかった。」
(6)
公民権運動①(1960年代前半)
平等を求める黒人(アフリカ系米国人)の闘争は、1960年代半ばにピークに達する。1960年、黒人学生がノースカロライナ州で白人専用ランチ・カウンターに座り居坐る事件を起こす。1961年、公民権運動の活動家たちが「フリーダム・ライド」を組織。黒人と白人が共にバスに乗り南部各地の人種隔離されたバス・ターミナルを回った。1962年、ミシシッピ大学への入学を黒人学生が拒否されると、ケネディ大統領が連邦軍を派遣。1963年「ワシントン大行進」では20万人以上が平等を求めデモ行進した。(キング牧師の「私には夢がある」演説。)ジョンソン大統領が1964年、公共施設における差別を違法とする公民権法を成立させる。翌1965年の投票権法は地方政府職員が黒人の選挙登録を妨げた場合、連邦政府が登録を行う権限を認めた。
(7)
公民権運動②(1960年代後半)
しかしこうした公民権改革が始まると、変化のペースに対し、また黒人を白人社会に合流させる目標に対し、不満を持つ指導者が出てきた。ムスリムだったマルコムXは、黒人の白人種からの分離を主張。(後に分離主義から離れ1965年、暗殺される。)学生の黒人指導者ストークリー・カーマイケルは、非暴力と人種間の協調という考え方に幻滅し、「ブラック・パワー」のスローガンを普及させる。こうした戦闘的改革の要求には暴力が伴い1966年と1967年、いくつかの大都市で暴動が発生した。1968年春、キング牧師暗殺。その数カ月後、ベトナム戦争に反対したロバート・ケネディ上院議員暗殺。黒人運動左派の過激化と保守派の反動により、米国の精神に亀裂が生まれた。
(8)
公民権運動③(1970年代以降)
しかし裁判所の判決、議会の法律制定、また連邦政府の規則に支えられ、やがて公民権運動は米国の暮らしの構造に深く浸透し、後戻りはできなくなった。1970年代以降、「アファーマティブ・アクション(差別是正措置)」が実行される。この政策・制度は、機会均等を確保する積極的な措置とされる一方で、これらを逆差別と見なす者たちも現れた。とは言え米国全体で、中流階級に仲間入りするアフリカ系米国人(黒人)は着実に増大していった。
(9)
『グリーンブック』の友情物語は、公民権運動の歴史の中で、輝く宝石のような出来事だ。

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「哲学」「歯医者」「不条理」「平和」:A. ビアス(1842-1913?)『悪魔の辞典』(1911)所収

2019-03-11 08:37:39 | 日記
(1)
PHILOSOPHY, n.  A route of many roads from nowhere to nothing.
哲学:ありえない所からありえない物へ至る多くの道からなるルート。
《感想1》哲学は出発点が理解不能、そして結論が空虚だが、多くの道があり多くの者がたどるルートだ。
《感想2》哲学は何を問うているか(出発点)の理解が重要。結論は日常生活にすぐには役立たないので空虚だ。
(2)
DENTIST, n.  A prestidigitator who, putting metal into your mouth, pulls coins out of your pocket.
歯医者:手品師で、君の口に金属を入れ、君のポケットから硬貨を数枚出す。
《感想》世の中には手品師が多い。Ex. 君の口にラーメンを入れ、君のポケットから硬貨を数枚出す。
(3)
ABSURDITY, n.  A statement or belief manifestly inconsistant with one's own opinion.
不条理:言明や信念で、自分の見解と明白に矛盾するもの
《感想》自分の見解と一致すれば、それは真理で合理的だ。矛盾すれば、ばかげている(不条理だ)。
(4)
PEACE, n.  In international affairs, a period of cheating between two periods of fighting.
平和:国際情勢において、2つの戦争の時期の間にある騙(ダマ)し合いの時期。
《感想》「平和」は騙し合いで成立する。騙し合わず、本心をそのまま言えば「戦争」になる。
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