DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

「語られぬ湯殿にぬらす袂(タモト)かな」芭蕉(『奥の細道』)(27):湯殿山は恋にゆかりの地で、お山について他言禁止だ!

2018-09-30 19:29:05 | 日記
「語られぬ湯殿にぬらす袂(タモト)かな」
You must not tell someone about Yudono-san Temple's secret worship.When you visit there, your sleeves often becomes wet because of hot water flowing from the crack of sacred gigantic stone.

《感想1》「此(コノ)山中の微細(ミサイ)、行者(ギョウジャ)の法式として他言する事を禁ず」と湯殿山について芭蕉が書く。ご神体は熱湯の湧き出る茶褐色の巨大な霊岩。
《感想2》つまりご神体は女陰を象徴する。男根が縄文時代から信仰の対象だったように、女陰も信仰の対象となった。豊穣への祈りだ。
《感想3》湯殿山のことは他言禁止だ。裸足になってご神体に登拝する。お湯が流れており、袂(タモト)も濡れる。恋にゆかりの地だ。
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ノディエ(1780ー1844)『スマラ(夜の霊)』1821年: 諸現実の層が重なる!①①-2日常の現実、②②-2②-3夢=《夢の現実》、③《夢の現実に登場した亡霊》が経験した現実、④夢の夢!

2018-09-30 09:31:46 | 日記
(1)プロローグ(序曲)
「偽りの夢は夜の幻にまぎれ、亡霊をあやつって、愚かな者を脅かす。」(カトゥルス)ロレンンツォは新婚1週間。そばに新妻リシディスが眠る。ロレンンツォは眠りにおち、その眠りの中に無数の精霊・亡霊たちが出現する。
(2)レシ(物語歌)
ロレンンツォの眠りの中での物語。おれ(ルキウス)はアテナイの哲学堂で学業を終え、テッサリアの邸に行く。おれ(ルキウス)が眠りにおち、夢を見る。テッサリアの歓楽の娘たち(魔女たち)の幻が出現する。不幸な者たち、すなわち生ける亡霊たちの幻も出現する。《おれ(ルキウス)を戦場でかばい死んだポレモン》の亡霊が現れる。そこは陰気な世界。金髪のミュルテのハープがおれ(ルキウス)を救う。黒髪のテイス(金髪のミュルテの妹)。キラキラ光る長いまつげのテライラ。実は、彼らは魔女で、亡霊のポレモンを苦しめた。ポレモンがそれについておれ(ルキウス)に語った。
(3)エピソード(挿歌)
ポレモンは、テッサリアの美女の中の美女、メロエに心を奪われた。だがメロエは魔女の女王!ポレモンはメロエの宮殿にいき、恍惚と恐怖の最後の夜を迎える。メロエは、おれ(ポレモン)の心臓が止まっているのを確かめると、怪しげな無数の夜の霊たち(スマラ)を呼び集めた。彼らはメロエの魔法の指輪から現れた。周囲には魔女たちの儀式がもたらした罪のない生贄の遺骸の山。魔女たちは真紅の屍衣をまとって人を殺す。死者が蘇り、それら汚鬼たちの饗宴。おれ(ポレモン)は取り乱し,わなわなと震える。ミュルテのハープが、おれを落ち着かせ安らかに眠らせた。
(4)エポード(第三歌)
「そこで彼らは罰に服し、過去の罪を贖う。」(ウェルギリウス)さて以下はルキウスの夢!ポレモンと金髪のミュルテが、呪いをおれ(ルキウス)に投げかけ、おれの知らない人殺しの罪で、おれを責める。おれ(ルキウス)は槍を持った兵士たちに護送され処刑場に向かう。おれ(ルキウス)は処刑され、おれの首が落ちる。「ミュルテ!」とおれは叫ぶ!金髪のミュルテが「ルキウス!ルキウス!」と叫ぶ。夕闇のこうもりが、おれに羽根をくれる。私は処刑台の周りを、輪を描いて飛ぶ。おれ(ルキウス)は、ポレモンが処刑されるのを、飛びながら見る。魔女の女王メロエ、3人の魔女テイス、テライラ、金髪のミュルテが踊る。無数の夜の霊たち(スマラ)が魔女の女王メロエに報酬を求める。おれ(ルキウス)は、白髪で皺だらけの子供たちに、蜘蛛の糸でベッドに縛りつけられる。女王メロエが、死んだポレモンの胸から心臓を引きむしる。
(4)-2 エポード(第三歌)(続)
おれ(ルキウス)は目を覚ます。ありとあらゆる悪霊と、魔女たちと、夜の幻は消えた。そこは戦場で死んだポレモンの死の儀式の場、コリントスの城壁の下だった。おれは震える手でポレモンの胸を探った。だが彼の胸はカラッポで心臓がなかった。(これはまだロレンツォの夢の中だ!)
(5)エピローグ(終曲)
ロレンンツォが目覚める。ルキウス、その戦友ポレモン、テッサリアの魔女の女王メロエ、3人の魔女テイス、テライラ、ミュルテ、無数の夜の霊たち(スマラ)の夢は終わる。かたわらに新妻リシディスがいた。

《感想》
日常の現実(①①-2)、夢=《夢の現実》(②②-2②-3)、《夢の現実に登場した亡霊》が経験した現実(③)、夢の夢(④)が、諸現実の層として重なる。
①ロレンツォの現実、つまり日常の現実。(新妻リシディスと共有された現実。)
②ロレンンツォの夢の中に、ルキウス、その戦友ポレモンが登場する。夢=《夢の現実》であり、ルキウスの現実だ。
②-2 ルキウスの現実の中に現れたポレモンの亡霊。
③ポレモンの亡霊が経験した現実。
④ルキウスの夢の中に、テッサリアの魔女の女王メロエ、3人の魔女テイス、テライラ、ミュルテ、無数の夜の霊たち(スマラ)が現れる。
②-3 ルキウスの現実として、戦友ポレモンの死の儀式の場が描かれる。
①-2 ロレンツォが目覚め、《ロレンツォの夢》=《ルキウスの現実》から、ロレンツォの日常の現実(新妻リシディスと共有された現実)に戻る。そこに新妻リシディスがいて、ロレンツォに話しかける。
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いろはかるた「知らぬが仏」:本人(仏)が馬鹿にされているor同情されているor部外者のふりをする!

2018-09-29 16:45:09 | 日記
「知らぬが仏」
If you don't know that you fall in even an important and crutial situation, you can calmly live like Buddha.

《感想1》重要で危急な状況も知らなければ、君はブッダのように平和(平穏)に生きていける。
《感想2》「知らぬが仏」の仏のような者は、状況認識が甘く、この後、ひどい目にあうだろうと、本人(「仏」)が見くびられ馬鹿にされている。
《感想3》あるいは、危急な状況を下手に知るよりは、知らないままの方が、本人のためだと、本人(「仏」)が同情されている。
《感想4》状況を知っているのに、関係者になると面倒なので、部外者のふりをする「仏」もいる。
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『享保毒婦伝 霞のお千代』(駒塚由衣口演、藤浦敦作)吉原中江別館金村:《人殺しが法で裁かれ、かつ安全な社会》では、好き放題に人を殺せる虚構世界が痛快だ!

2018-09-29 12:00:58 | 日記
(1)
霞のお千代は、次々と人を殺す。悪人も善人も見境がない。平然と人を殺す。邪魔になると分かれば、手っ取り早く殺す。究極の自己中心主義。殺しの手口もプロだ。彼女は殺人技術を習わないから、生まれつきの殺人マシーンだ。またお千代は筋力も抜群。3人で5000両を盗み、やすやすと運ぶ。(1両約18g、5000両90kg!)さらに、お千代の周囲の人物たちも平気で次々人を殺す。
(2)
かくてこの作品が設定するのは、仏教の畜生道の世界だ。
(3)
だが実のところ、今の人間界も法的規制がなければ畜生道だ。嫌な時代だ。嫌な人間たちだ。人間は滅びた方がいい。存在理由がない。人間に守るべき価値があるのか?そして、この作品の世界観はニヒリズムだ。
(3)
現実の社会では、殺人が刑法で裁かれる。また日本は安全な社会と言われる。安全な社会では、好き放題に人を殺せる虚構世界が痛快だ。

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「悪人は・・・・」『サキャ(1182-1251)格言集』(175):「悪人」を矯正できると思ってはならない!危険だ!

2018-09-29 08:57:04 | 日記
悪人はどんなに矯正したところで Even though you eagerly try to straighten an evil man,
本性は善くならない。 you cannot make him good-natured in essence.
木炭はどんなに洗っても Even though you severly wash coal,
色は白くならない。 you cannot change its colour from black to white.

《感想》これは子供の教育の話でない。相手はすでに成人した大人だ。「悪人」を矯正できると思ってはならない。危険だ。「悪人」には最大の警戒が必要だ。悪人は、いくら洗っても白くならない。芯まで真っ黒な炭だ。
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