経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2023-09-25 06:54:25 | 株価
◇ ‟利下げ”は来年夏以降? = ダウ平均は先週654ドルの値下がり。終り値は3万4000ドルを割り込んだ。FRBの金融政策発表をきっかけに、市場は黒雲に覆われた。利上げの見送りは予想通りだったが、年内あと2回の利上げ観測が有力に。さらに利下げの時期も遠のいて、来年夏以降になるという見方が広まってしまった。つれて長期金利も4.37%にまで上昇、株価はほぼ一本調子で下落している。

日経平均は1131円の大幅な値下がり。終り値は3万3000円を割り込んだ。半導体の供給過剰説が流れて、IT関連株が売られた。そこへニューヨーク株価の軟調が伝わって、4日間の続落。岸田首相が新経済対策の作成を発表したが、市場は反応せず。また日銀が週末にゼロ金利政策の継続を決めたが、株価は反騰しなかった。

ニューヨーク株式が、大幅に続落する可能性は小さい。株価が3万3000ドル台になれば、安値を狙った買い物が入るからだ。しかし金融緩和政策の終結が遠のいたため、上値は重いだろう。東京市場は新経済対策の発表待ち。円安がどこまで進行するかにも、注目が集まる。ただニューヨーク市場の軟調は続きそうだから、こちらの足取りも重くなる。

今週は26日に、8月の企業向けサービス価格。29日に、8月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数、9月の消費動向調査。アメリカでは26日に、7月のFHFA住宅価格指数、8月の新築住宅販売、9月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、4-6月期のGDP確定値、8月の中古住宅販売。また中国が30日に、9月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
 
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円安は どこまで進むのか?

2023-09-23 07:55:43 | 円相場
◇ アメリカの高金利は長引く見通し = FRBは20日、政策金利を5.25%のまま据え置くことを決定した。これまでの引き締め政策が、景気や物価に及ぼす影響を見極めるためだという。ただ声明では、年内にもう1度の利上げを示唆。パウエル議長も会見で「適切であれば、さらに利上げする用意がある」と強調した。ここまでは市場の予想通りだったが、市場では「年内2回の利上げ」観測が急激に広まっている。というのも、物価高の再燃が警戒され始めたからだ。

消費者物価は8月に前年比3.7%の上昇とまだ高い。そうしたところへ、新たな上昇要因が2つも現れた。1つは原油価格の高騰。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、1バレル=80ドル近辺から90ドル前後に上昇した。もう1つはUAW(全米自動車労組)や映画俳優組合など、ストライキの多発。賃金水準を全体的に押し上げる可能性が高まった。

このため「高金利は予想より長引く」という見方が一気に強まり、債券市場では長期金利が4.37%と15年10か月ぶりの水準まで上昇した。アメリカの金利が上昇すれば、円が売られドルが買われる。円の対ドル相場は、148円台にまで下落した。財務官が「断固たる措置を講ずる」と口先介入したので、なんとか相場が落ち着いているというのが現状である。

日本の大手銀行が、5-8%という高金利のドル建て預金を売り出した。もちろん円高になれば元本が目減りするが、いまの情勢だと円高にはなりにくい。こんな商品が発売されるほど、日米の金利差は拡大しているわけだ。一方で日銀がゼロ金利に固執し、円安を助長している。そんな状態で、介入など出来そうにない。そう遠くないうちに、円相場は150円台にまで下落するのではないか。

        ≪22日の日経平均 = 下げ -168.62円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】    
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100歳以上が 9万2000人に (下)

2023-09-22 07:44:28 | 人口
◇ 健常者の統計をなぜ出さない? = 厚生労働省の統計によると、老人福祉法が制定された1963年の100歳以上人口はわずか153人だった。だから当時はお祝いの意味で、100歳以上の人口を発表したのだろう。だが、いまや文字通り“人生100年時代”。高齢者が多いかどうかよりも、介護に頼らない高齢者、あるいは健康で働ける高齢者が多いかどうかが問われる時代となっている。この意味で高齢者の人口統計には、健常者の人口や比率をぜひ加えるべきである。

新しく厚生労働相に就任した武見敬三氏はテレビ番組で「元気な高齢者をたくさん増やし、働く意欲のある方は生産性の高い仕事を積極的にやってもらう」と述べ、労働力の確保に向けて高齢者支援に乗り出す考えを表明した。こうした政策を遂行するためにも、その土台となる健常高齢者、あるいは健康寿命などの人口統計は欠かせない。だが厚労省も総務省も、現状ではこの面を疎かにしている。

100歳以上の超高齢者が増えるのは、いいことだ。しかし、その大半が寝た切りや医療・介護保険の高額利用者になったら大変だ。逆に健康な高齢者が増加すれば、人手不足の解消に役立つだけでなく、社会保障費の節約にもつながる。武見厚労相は「元気な高齢者をたくさん増やす」と述べたが、「どうすれば元気な高齢者がたくさん増えるか」に全力を投入してもらいたい。

その第1歩として始めてほしいのは、現在は3年に1度しか集計しない“健康寿命”の統計を毎年公表すること。また人口統計に健康な高齢者の人数を示すこと。総務省と厚労省が似たような人口統計を作成するムダは止めて、こういう改革をしてほしい。武見さん、どうですか。

        ≪21日の日経平均 = 下げ -452.75円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 
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100歳以上が 9万2000人に (上)

2023-09-21 07:07:39 | 人口
◇ 島根と埼玉で大差がついた理由は? = 毎年のことだが‟敬老の日”が近づくと、厚生労働省と総務省が競うように人口統計を発表する。まず厚労省が15日、100歳以上の高齢者人口を発表した。それによると、9月15日時点で100歳以上の人口は9万2139人。前年を1613人上回った。このうち女性は8万1589人、男性は1万0550人で、圧倒的に女性が多い。また地域的に大きな差があることも特徴だ。

たとえば10万人当たりの100歳以上人口をみると、全国平均は73.74人。しかし都道府県別では、島根県が155.17人で11年連続のトップ。次いで高知県、鳥取県、鹿児島県の順となっている。逆に低い方は埼玉県が44.79人で、なんと34年連続の最下位。次いで愛知県、千葉県、大阪府の順となっている。島根と埼玉では、どうしてこんなに違うのか。厚労省は説明していない。

総務省も17日、同じ9月15日時点の推計人口を発表した。それによると、65歳以上の高齢人口は3623万人で前年より1万人減少した。コロナの影響かと思ったが、ベビーブーム世代が70歳代後半に入って死亡率が高まったためだと説明している。このうち女性は2051万人、男性は1572万人だった。また80歳以上は1259万人で、総人口に占める割合は10.1%に。10人に1人が80歳以上ということになる。

仕事についている高齢者は、19年連続で増加した。22年は912万人で、前年より3万人増えている。就業者全体に占める比率は13.6%で、7人に1人が高齢者ということになる。定年延長や継続雇用が広がったせいで、人手不足の緩和に役立っている。今後も高齢者の労働力に対する需要は強まるだろうが、問題は健康で働ける高齢者がどこまで増えるかという点。そういう観点からの人口統計が必要になってくる。

                     (続きは明日)

        ≪20日の日経平均 = 下げ -218.81円≫

        ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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バイデン大統領の困惑 : 自動車スト

2023-09-20 07:05:19 | アメリカ
◇ 政策非難への発展が怖い = アメリカのUAW(全米自動車労組)が15日から、ビッグ3の工場でストライキに入った。GM、クライスラー、フォードから1工場ずつを選んでストに突入。今後は対象を拡大する戦術だという。かつては毎年のようにストを展開していたUAWだが、近年の大規模ストは珍しい。もしストが長引けば、アメリカ経済に大きな悪影響が及ぶことは確実。労使交渉の行く方に注目が集まっている。

UAWは4年間に36%の賃上げを要求。会社側は20%の賃上げを回答したが、折り合わなかった。またUAWは「EV(電気自動車)の製造が進んでも雇用を維持すること」を強く要求している。会社側にとっては36%の賃上げも呑みにくいが、それ以上に雇用の維持は難しい。というのもEVの製造に要する人員は、ガソリン車の7割以下にとどまるからだ。

バイデン大統領はストが始まるとすぐ「記録的な利益が労働者に公平に分配されていない」と発言、会社側に圧力をかけた。UAWの組合員は15万人、民主党の支持者が多い。来年の大統領選挙を考えると、ここで組合側を支援しておく必要があった。ところがバイデン氏の心配は尽きない。というのもバイデン政権は多額の補助金を使って、EV化の促進を図っているからだ。

労使の交渉がもつれた挙句、UAWの矛先がこのEV促進政策に向けられたら大変だ。さらにストが長期化して景気が悪化すると、大統領選挙では苦戦を強いられる。だからバイデン大統領としてはEV化を進めながら、UAWを支援する姿勢をとりつつ、ストを早急に終結させなければいけない。かなり苦しい道のりになるだろう。

        ≪19日の日経平均 = 下げ -290.50円≫

        ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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