あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

鳥になりたかったカエル 

2009-09-26 23:19:02 | 創作
カエルはいつも思っていた…おたまじゃくしの頃から空を飛んでみたいと。
青い空、暁の空、雲の浮かんだ空、そんな空を自由に飛んでみたら
どんなにか気持ちの良いものだろうか…。


どこまでも 鳥に様に自由に遠くへ…遠くへと。

カエルは一生懸命にご飯を食べて運動もして
いつか生えるかもしれない翼へと期待を募らせ
毎日毎日あちらこちらへと、空を仰ぎながら…いつか飛ぶ日の為に!



カエルの妄想は膨らむ…空にはどんな虫が飛んでるのだろう?
空が青いのは空に海があるからなのだろうか?
鳥はいつ飛べるようになったのだろうか?
鳥は鳥になる前は何だったのだろう…。



空にはいろんな虫が飛んでいるけど、地上の方が数多く虫はいるって事。
珍しい虫も飛んでいるかもしれないが、地上よりはずっと少なく
それも、いろんな鳥が食べてしまうから、たいし事はないのだと…。

空が青いのは太陽の光が地球にある大気を通るからで
そのとき光の中の青色だけ大気中に散らばって空全体が青く見えるだけなんだよ。
鳥は最初っから鳥で、体の仕組みも空中を飛べるように出来てるんだ。
なんてたって、今自分の住んでいる所が一番良いのだと安住の地なのだと…
長老カエルが教えるのだけど、好奇心の強いカエルは聞く耳をもたなかった。


そんな事はない! 夢は見続ける事によって実現するって聞いた事あったもの。
そんな事を思いながら、今日もススキの穂先で空を眺めている。


いつしか日は短く…涼しげな風も吹く様になり、だんだん青空は高く遠ざかって
やっぱり 空を飛ぶ事は出来ないのだろうか。
カエルはカエルで、一生地べたの生活で終わってしまうのだろうか。
少しずつ日が傾き始めて、諦めにも似たため息がホッと…透き通った空へとポツンとひとつ。


その時だった! 一羽の鳥がカエルを咥えて飛び去った!

カエルは何が起こったのか分からずに
ただ あんなに憧れていた空が目の前に広がっている!
そう思った途端にカエルの意識は途絶えてしまった…次の瞬間!
カエルの魂は鳥と一緒になって大空を自由に飛んでいた。


空が青い~~! 太陽がまぶしい~~♪

そうか、カエルは思った。
カエルが虫を食べて生き長らえるように、鳥もカエルを食べて命を繋いでいく。
食物連鎖ってヤツなのか…分かったような分からないような
面倒くさい事は考えなくてもいいや、こうして今魂だけとなったカエルは
あんなに憧れていた空の真っただ中にいる…もっと、もっと飛んで!
そうして いろんなところへ連れて行って、見た事もない景色を見せて!

魂だけになったカエルは思わず叫んだ…キャッホ~~ィ!!



という事で、ススキの先っちょに、空を望むカエルをUP♪



ヒメ様との散歩で、見かけたカエルに思いついたお話でした(^-^)





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30 コメント

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何となく・・・ (Micchii)
2009-09-27 07:57:41
昔没頭していた小川未明さんの童話の世界を
思い出させてくれるような物語でした。
決してハッピーエンドではないのですが、
ファンタジーと安らぎを感じますよ。
そして写真もこの物語の内容にすごくマッチ
している物ばかりですね。
いや、写真からこの物語を思いつかれた・・・
これが何よりもすごいことだと思います!
pochikoさん、これからもこんな素敵な童話
期待しています。
子供から大人まで楽しめるような。。。
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詩的・・・素敵 (ヒキノ)
2009-09-27 08:40:07
ニホンアマガエル・・・木登りが好き・・・というよりは木の上の蜘蛛や小昆虫が好きらしい。
夏になると我が家の網戸にくっついています。
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カエルちゃんの後姿 (azami)
2009-09-27 20:14:55
一連の写真を見ているとちゃんの空への憧れ、いつか自分も飛べる日が来るって夢みる気持ちが本当のことみたいに思えてきちゃうよ!
想像力と文章力とどちらもちっとも無理がなくてとても自然で、スーっと心に届いて来ました~。
お話の中にpochikoさんの小さなカエルくんに寄せるあたたかな眼差しを感じます。

願っていればいつか叶う夢・・・魂だけになったけど、今はずっと夢みた大空をどこまでも鳥さんと一緒に飛んでいる~~キャッホーって!結末が最高!良いわ~。

ススキに登って空を見てるちゃん、なんとも言えない可愛らしさ
後姿が語ってるね~。
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Unknown (あきばば)
2009-09-27 20:37:39
アマガエルが大好きなので楽しく読ませていただきました
pochikoさんは、家事に介護に子守りに野菜作りに大忙しなはずなのに、小さなものにも目が行くのがすごいな~と思います
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かわいい! (Mayumi)
2009-09-27 21:14:50
おっと、8時だ。
ごはん食べながら天地人見なきゃ。
コメント続き後でね。

とってもいとおしくなってしまいました。
そんな時三女からメールが入ってることに気付きました。
天地人が終わって、ご飯も終わって、一人の時間がほしかったのに主人も飲み会から帰って来て(近所なんで早い!)二階に上がったら忘れてた携帯にメールは行ってたんです。

「とっても感動して、絵本にしたらいいのに。」って言ってました。
お母さんと合作したらって。(笑)
いやいやこれはpochikoさん独占の創作にした方がいいですよ。イラストだって素敵だもの。
前に見たことあるもん!

悲しい結末がなんとなくほのぼのして悲しい出来事なのに幸せな気分になりました。

また、次回作期待しちゃいますよ。
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上手い! (tona)
2009-09-27 21:23:46
パチパチパチ!
pochikoさん、すごく童話が上手い!
孫太郎くんにはまだわからないかなあ。
関係ないのに『カモメのジョナサン』を思い出してしまいました。
画像ともあっていて絵本を見ているようですよ。
Mayumiさんではないですが、私も次回を期待します。
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こんばんは (陽だまり)
2009-09-27 22:25:53
エッ!pochikoさんの創作童話なんですか?
驚き

作家さんの童話に合わせて上手に写真を貼り付けてるなァと思っていましたら、最後に驚かされました。

上手いなァ

ススキのカエル背中がなんとも言えず空への思いを語っています。

孫太郎に読んであげてください。
いいと思いますよ
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ステキ☆☆☆ (くらら)
2009-09-27 22:39:54
写真から和がれる童話観て読んで
心が和みます。 
かえるさん鳥の様に青空いっぱい飛べたら良いのにと・・・
ススキの穂先でじっと空を眺めている様子に
思いを感じます

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Unknown (いっこんま)
2009-09-27 22:44:49
孫太郎君の守をしながら、おばあちゃんの介護をしたり、畑へ行ったり姫様の散歩もしなければならないし、主婦としての仕事もあるし、それからブログは定期的に更新されるし、そうそうコメントも・・・こんなに忙しいのによくまあこんなお話を考える余裕があるものだと感心するばかりです。pochikoさん、すごいですね。
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メルヘン (ひろし)
2009-09-27 22:54:51
良い話しですね カエルになった気分で読んでいました 希望を持って生きる
大事な事かもしれませんね
カエルのように、空を見上げ 何時かは
あの空に羽ばたきたい そんな気で生きたいですね。

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