Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

知的批判無くては何も無し

2010-07-02 | マスメディア批評
ゲルハルト・リヒターを気取って暈けた写真を撮った。天気が良くてシャッター速度が早すぎた。リヒターが怒っているのは、嘗てはボイスや自らが連邦共和国を代表する芸術家として選ばれたように、シュリンゲンジーフがヴェネチアにおける万博の芸術家に選ばれたことである。全ての責任は、フランクフルトの現代芸術美術館の館長ゲンツハイマー女史にあるのだが、「パフォーマーなら五萬といる」としたのは笑わせる。

ミュンヘンの歌劇場主催で、ルイージ・ノーノのオペラ「イントレランツァ」を素材にした演出は無事に終わったようだが、「決して理解出来ないアフリカ文明」との接触がテーマとなっている ― 要するにハーバーマス的な思考展開である。シュリンゲンジーフが行なっているアフリカのオペラ村建設と平行した催しである。一方のリヒターのアフリカを題材とした作品は先日サザービーにて五百万ポンド近くで競売に掛けられているが、これをみただけでどちらの方が市場構造を突き破る破壊力を持っているかは自明である。これは、戦後の連邦共和国とか六十年代とか言うイデオロギーのお話では全くなくて、事実なのである。一体、札束でお行儀良く交換されるものに、その市場を破壊する力などはもはやない。

なるほどアフリカにオペラセンターを建設するためには金がいる。国の財政赤字を解消することが最も効率の良い社会投資を行うことの前提であるように、経済の効率的な運営は最重要課題である。そしてこうした芸術批判は、何よりも社会的な知的な作業の中心にある。それは、連邦共和国大統領選挙にFAZなどがガウク氏を推したことが大きく影響を与えた事にも言えて、知的批判は社会発展の基礎にあることを忘れてはいけない。少なくとも、芸術とかなんとか宣う前に、批判精神を身に付けるべきである。



参照:
Hilfe! Afrika ist nicht zu helfen, Provinzschwarz:Schlingensiefs Münchener Operndorf, Gerhard Rohde,
Hallo, Bürger, macht mal Staat!, Edo Reents, FAZ vom 28.06.10
Im Provokationsdorf, Warum kriegt Schlingensief den Pavillon in Venedig?, Swantja Karich, FAZ vom 30.06.10
Mit den Klassikern der Gegenwart als Trümpfe, Anne Reimers,
Die Spitzentitel der Kandidaten, FAZ vom 26.06.10
INTOLLERANZA II (SCHLINFENSIEF)
希望という自己選択の自由 2009-06-19 | 文化一般
出もの腫れもの処嫌わず 2009-06-13 | 文学・思想
居心地の悪い癌闘病記 2009-08-20 | マスメディア批評
循環する裏返しの感興 2009-04-27 | 雑感
ゴーストバスター請負 2007-12-18 | 文化一般
御奉仕が座右の銘の女 2005-07-26 | 女
デューラーの兎とボイスの兎 2004-12-03 | 文化一般

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 頭を使った洗練さを求めて | トップ | 進化という自然環境の神秘 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿