Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

北京からの公報の数々

2024-05-15 | 文化一般
北京での音楽祭初日の最終公演の報告が各紙から出ている。共産党紙も四川に迄伝えているところ見れば如何に重要な音楽芸術の意味を其処に見出しているかが分かる。ベルリナーフィルハーモニカーによる上海での興行はここまで扱われるだけの根拠はないだろう。

殆どコピーアンドペーストのような類似紙面であるが、やはりその意味を深読みする。この楽団が中共との関係を持つきっかけになったのは2015年以来の上海での楽員の公演にあって、昨年のハース作「1100のピアノ」北京とヴィーンの音楽祭での公演によって、そして今回の楽団ムジークフォールムの中共初公演となったとある。

上の企画がどのように進んだのかは分からないのだが、大変大掛かりな催し物で、中共向きだったのは間違いない。今回の三曲に一曲アペルギース作曲24の演奏家の為の「音楽的友好の状況」という作品は演奏家が歩き回りながら聴衆とコンタクトを取るというもののようで今回の中共の聴衆た為の作品だとも書いている。

一曲目のフュラーの1986年作「君のところに」ピアノトリオで始まり、ご当地の叶小網による「中華ストローフィ」という曲では何時も知っているその風ではなかったが高度な演奏と書かれている。よほどの中華風の節回しなのだろうか、指揮者エンゲルは世界中の作曲家の新曲を初演していて十分にその独自性に留意している筈なのだが、余程のものなのだろうか。

公式の写真素材を見ると、叶らしき作曲家が練習で指示してのエンゲル指揮の様子が窺える。指揮棒を持っていないのは結構珍しいのでよほどニュアンス付けに工夫をしているのだろうかと感じた。

中共はやはり共産党がしっかりしていて、そのイデオロギーは文化芸術面をもしっかり支配している。それゆえに経済やその他のエンタテーメントの良いことは皆取り入れようとするそれとはまた別に、科学技術などとと同様にこうした新しい波を受け入れて消化しようとする努力もなされている。

選ばれた聴衆にも好評のようで、この楽団にどんどんと紹介して貰いたいという書き込みもある。一番の問題は広い聴衆とその社会が欠損しているのだろうが、音楽芸術的な企画は寧ろ日本などよりも中共などでの方が受け入れられる素地があるのではなかろうか。

エンゲル指揮のムジークフォルムヴィーンの演奏が、そうした様式などを但しく弾き別けていて、より深い理解が為されて演奏されたとある。ピアノトリオを含む僅か三曲の公演であったようだが、シアターピースのような作品も含めて紹介できたのはそれなりの価値があったのは間違いないであろう。

そうした明らかな芸術的な成果がこうした公報によって、証明されていると思われる。



参照:
维也纳现代声音乐团登台,2024北京现代音乐节闭幕, 澎湃新闻记者 高丹 2024-05-14 澎湃新闻
维也纳现代声音乐团全团成员首次集体亮相中国舞台为2024北京现代音乐节闭幕  北京青年报官网 13.5.2024
震撼させる浪漫歌劇指揮 2024-05-04 | 文化一般
時代の耳への観想 2024-04-20 | 音
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする