京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のお化け時間」

2018-02-03 09:38:43 | 時計修理

2且3日土曜日。節分・大安
「恵方は南南東」
今日は京都の神様の人事異動の日なのだ。
京の神様が一斉に恵方に移るた混乱します。そこで化けて難を逃れる風習があります。
いつもと違う化粧をして時間空間を変える日なのです。
女が男になったり、貧乏時計師がお金持ちに化けたりできる日。翌日目が覚めたら空しいだけか?
祇園界隈から嵐山電車までお化けだらけになるので本物も出やすくなります。気を付けましょう。

夢か現か幻の時計もやって来る。この覚悟と気合の一日になります。各々方気を強く持っていかれよ!
写真は実に京都らしい時計。
ホワイトゴールドの金無垢とダイヤの取り巻き。
大阪はイエローゴールド、神戸はピンクゴールド、京都はホワイトゴールドが人気。
一見派出には見えないけど実はゴージャスと言ったところが京都に似合います。
修理技術1級レベルで対応しましょう。初級技術者は敬遠したほうがいいモデルです。
 この時計を着けている女性と一緒にマーテル・コルドンブルーでも飲んでいたいものです。

私にとって不幸なのは子供の頃新鮮な獲れたて魚介類を食べて育った。D2以降の刺身はまずくて食べられないと思う。
不幸は大人になっても続く。
ヨーロッパ貴族のお客様対応だったことからブランデーは最高級なもので接客された。
結果マーテル、アルマニャックなどに慣れてしまいます。
一般のサントリー・ブランデーを飲んだ時に日本人はこんなものを飲んでいるのか!と驚いた。当然悪酔いした。
時計もパテ・バセ・APから始まり帰国後はセイコー、シチズンに変わる。
今でも日本人の多くはセイコー、シチズンが世界で一番いい時計だと信じている人が多い。このギャップに驚きました。
世界のトップクラスで通用するのはクレドールかアシェンダくらいであとは普及品、実用品の扱いになる。

先日NHKでイタリア蚤の市特集の番組がありました。わざわざイタリアの観光案内をやってあげる無駄使い番組でした。
「こんなポケットウオッチを買ってはいけない!」
時計師なら当たり前のこと。止っている時計は買うな!が鉄則の世界です。
番組では日本に帰国して修理をすればいいと安易に買ってしまいました。いまや国内ではポケットウオッチの修理部品は入手困難です。
まして中身を確認しないで買ってしまうのでぼったくり騙される。
卵だって割れたもの、野菜でも腐っているものを平気で売るイタリヤ人なのだ。騙されたほうが悪いお国柄です。
夕方暗くなったころに時計を買うなんてわざわざお化けに会いに行くようなものなのだ。
蚤の市で時計を探すなら朝一番にルーペを持って行きましょう。文字盤が割れているもの、時計が動いていないものは触らないことです。
売られているものの90%が修理は不可能と思ってちょうどいい。
まして1900年代初頭の最高級モデルはイギリス、アメリカ製の時代でした。当時のスイス製は安物の時代なのです。
ナポレオンが活躍した時代のブレゲ、京都で仁清、乾山はお化けしかいないので騙されないようにしましょう。

今日は節分!
大阪のお寿司屋業者さん発「恵方巻」の風習にしっかりと馴染みました。
これに騙されて今では美味しい海苔巻きが町中に出回ります。
養殖海苔では有明海の海苔がいい。
マーテル・コルドンブルーは飲めない貧乏時計師ですが海苔は世界最高級のものが味わえる幸せがある。
 能登の手摘みの岩海苔の味を知っていて故郷有明の海苔を食べる。
パティック・フィリップを持っていてハレの日にはセイコー・クレドールを使う。
分相応の生き方でよいではないか?と恵方を向いて節分です。

今日は6時半まで受け付け、7時閉店なのでお早目にお越しくだされ~。






コメント
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