京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京おんなの手首」

2016-12-03 09:28:48 | 時計修理

12月3日土曜日。右京区の三宝寺では京都名物「厄落とし大根焚き」の幕が切って落とされます。大宮通りクリスマスのイエナリエの飾り付けもぼちぼち始まる季節になりました。

時計業界では待ちにまった12月初めの週末です。
「12月は平均売上高の200%超の販売が見込める月」ということは今日は在庫も1年で一番多い日。今年も今日明日でおおよそ今月の見込みがわかるでしょう。
1週目の週末は高額時計が売れる。ベテランの販売員が力を発揮出来る日なのだ。

お店にいる時計修理のオヤジは売れた時計のサイズ調整くらいの仕事になるので賑わいの中ポツンと座っているだけの1日。これはちょっと辛い。
時計を購入する場合パーソナル用とギフト用があります。男性客の場合ギフト需要が圧倒的に多い。つまりオヤジ客が多いので販売員は気楽に声をかけられるおばちゃんが大活躍します。

工房もサイズ調整のお客さんがふらっと立ち寄るくらいなので暇な12月になります。
プレゼントで困るのがその後のサイズ調整でしょう。そのまま使えないのでこれを依頼する場合、事前に腕周りを把握することです。腕周りプラス2センチで調整するとほぼ完ぺきな長さになります。
日本人のメンズなら駒を3個、レディースなら4駒を取るのが標準です。
腕周りぼサイズも地域の差があります。
東北北海道は腕が太い。ふくよかな女性が多いので外人並みの調整ゴマを足すような依頼は当たり前なのだ。その際は別料金になる。革のベルトも寸長サイズは常備されています。日ハムの大谷君が女性だったらとご想像ください。

厄介なのが京都。シャネル・プルミエールSサイズがぴったりと合うような女性が多い。ビックリする。だいたいこのモデルはサイズ調整が利かないのでそれぞれのサイズが用意されています。Sサイズは小学生なみの細さで注文を受けて仕入れるのに度胸がいる。「本当にSでええにゃね~!」と確認する。キャンセルされると必ず売れ残るのだ。
シンデレラのガラスの靴と同じでぴったり入る人はまずいません。

また写真のブルガリ。京おんなには面倒な駒を全部抜いてもまだ大きいグラグラの状態でお渡しすることになる。
ブルガリでその程度なので調整駒の少ないロレックスは希望されても勧められません。時計が重いので手の甲を痛めてしまう。
京都や九州に生息するバイヤー泣かせのガリガリさんたちには苦労した。

おおよそ腕周りは親子の場合は似てきます。母親からもらったサイズが大きくてもそのうちぴったりと合うようになる。
カルティエなど抜いたコマは絶対に捨ててはいけません。また高級時計は一コマ1万円が相場です。もったいないので大事に保管してください。

また海外旅行での購入は危険!サイズ調整に1時間待たされることも普通にある。
日本では10分くらいの仕事がなぜ?ということになるので帰国した後に時計師に任せたほうがいいと思います。
工房では国産・中国品は500円。舶来高級時計は1000円より~。意外とアバウトな価格設定になっていますがご利用くだされ~。







コメント
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