パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

家康 江戸を建てる

2016-09-11 | book
徳川家康が北条征伐の際に豊臣秀吉から言われた関東異封。伝来の三河を捨て,未開地に移り住む苦悩と決断。

その江戸のまちづくりを5つの視点から描いた「家康,江戸を建てる」を読んだ。平成28年2月刊行。著者は門井慶喜。1971年生まれ。「東京帝大叡古教授」で昨年,直木賞候補。

何もない未開地を人が住み,生活する地にするために家康は,まず,地の安定を図り,そして,経済の基礎を大阪から江戸に移す仕掛けをつくり,人が住むのに不可欠な水の確保を実現し,政治のシンボル,城の建設と,長きにわたる戦乱の世の終焉のシンボルたる天守の造営を図ったという筋書きだ。

第1話 流れを変える。利根川の流れを変え,治水を図る。3代の歴史。
第2話 金貨をの延べる。大判ではなく小判を作る。京都の職人を江戸へ。
第3話 飲み水を引く。三河から江戸へ。
第4話 石垣を積む。伊豆の石切り職人の夢
第5話 天守を起こす。漆喰の技術。家康と秀忠。

5話とも単独で構成され,職人たちの技と思い,生き様が心地よい。町は人が作り,人が住む。当たり前のことだが,温かいまちは人が主人公なのだとつくづく思う。

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