名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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『劇団名芸』創立50周年記念公演を観る

2012-04-02 08:20:31 | Weblog
2012.4.2(月)
 天白区平針に本拠を置く『劇団名芸』が、創立50周年を迎えて「佐山家の惜春」なる創作一幕劇を上演するに際し、“ある関わり”からその招待状をいただいた。
 ドラマは、教師とその二人の娘の戦争末期から終戦後にかけての生き様を巡る人間模様を描いたものである。
 去る1月、このドラマを演ずるに当たり劇団員の皆さんが、戦争末期から終戦直後の教育状況の体験談を聞いて、演出・演技の参考にしたいとピースあいちに申し出があり、そのための勉強会を開催した。これが招待状をいただいた“ある関わり”である。
 【あらすじ】
 隣県の農家から名古屋の方向を眺めながら、老夫婦が敗戦直後のありし日々に思いを馳せる……。
 昭和21年の春、学校を休職している佐山は生徒を戦地へ送り出した自分を責めていた。長女の文子は和裁を続けながら、そんな父を気遣い、次女の絵美は反撥してダンスホールへ出入りし、アメリカ兵と付き合っている。
 佐山家の屋根を修理している山本は復員兵で、戦地での苦い経験に悶々としているが、そんなところへ、文子の旧友石黒や、佐山の同僚野村と教え子の太田洋子、そして近所の主婦加藤らが訪れて、徐々に波紋が広がっていく……。
 佐山は国語の教師で、教え子を戦場に送り出したことを恥じ、教職を休んでいる。同僚や教え子が慕って職場への復帰を働きかけているが、頑なに固辞する。
 山本は佐山家の長女文子に好意を寄せているが言い出せず出征したが、戦地の中国での加害経験がトラウマとなり悶々としている。
 次女の絵美は恋人が予科練に応募し、特攻隊として戦死したことで傷ついている。予科練の応募に父が反対しなかったことに反発し、今ではアメリカ兵と付き合っている。
 終戦後、新憲法に代表する新しい動きの中、それぞれがその伊吹を感じて歩きはじめる。
 佐山は教職に復帰し、絵美は歌手を目指す。長女文子は山本と結婚する。冒頭の老夫婦とは文子と山本の後の姿である。
 ドラマの流れは分かり易く、さわやかである。このドラマの登場人物は皆善意に満ち、清新で心が洗われた。

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