名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

「あいちトリエンナーレ2019」のその後 ―『不自由展』の再開へ

2019-09-30 22:09:56 | Weblog
2019.9.30(月)
愛知で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展『表現の不自由展・その後』が開催三日目にして中止になっていたことは、既にこのブログでも書いた。
しかし今日になってこの流れが大きく変わった。企画展「表現の不自由展・その後」の実行委員会と愛知県などでつくるトリエンナーレ実行委員会の双方が、10月6~8日のいずれかで展示再開を前提に協議することで合意し、和解が成立したというのだ。
中止の要因の一つとなった脅迫行為の実行がまったく無くなった訳ではないが、筆者としては、万全の態勢をとるという知事の言葉を信じた上で再開を支持したい。
こうした経緯の中で、国が信じられない決定を下してきた。即ち、「表現の不自由展・その後」が中止になった問題で、国は愛知県に補助金を交付しないというのである。
報道によると、あいちトリエンナーレの運営費は総額12億円で、愛知県が6億円、名古屋市が2億円を負担し、その上で国は約7,800万円を補助することは既に事業採択されていたものである。このうち、中止となった不自由展の費用は約420万円であった。にも拘らず国は「トリエンナーレ2019」の全経費に対する補助を9月26日付で打ち切ってしまったのである。
こうした国の決定は早くも他の自治体に影響を与え始めているという。いちいち国の考えを忖度しなければならなくなるというのだ。大村知事はこの国の決定に裁判で争う意向という。立憲民主党の枝野幸男代表は「『(展示の)中身が気に食わないから金を出さない』となれば、表現の自由への委縮効果が働く。お上の都合の悪い行事は行われなくなる」と批判した。
あいちトリエンナーレは10月14日で終わる。10月6日に再開してもあと一週間しかない。しかし再開する以上はやってよかったといえるものでなければならない。

認知症1300万人時代の到来

2019-09-20 16:38:22 | Weblog
2019.9.20(金)
日本の人口の最近の推移を見ると、
 2010年 → 128,057,052人
 2015年 → 127,094,745人(△0.76%)
 2019年8月1日の人口推計 → 126,230,000人(△0.68%)に
 2025年の人口推計     → 121,140,000人(△4.04%)
 2050年の人口推計     → 100,590,000人(△17.0%)
という推移をたどっている(いく)。
 一方で65歳以上の高齢者は2025年には、約3,500万人(人口比約30%)に達すると推計されている。
 こうした高齢者の増加から大きな問題となっているのが『認知症の急増』である。厚生労働省は2015年1月に全国で認知症の患者数が2025年には700万人を超えると発表した。これは65才高齢者のうち、5人にひとりが認知症に該当する計算である。これに「認知症予備軍」といわれる軽度認知障害を加えると約1300万人となる計算である。
 こうしたことから、2025年問題という言葉さえ生まれているという。これは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念されるという問題である。
 2019年度の当初予算が初の100兆円超えで話題となったが、この8月に公表された2017年度の社会保障費の総額が120兆円を超えたことも驚きである。
 現行の税・保険制度だけではいずれ破たんすることは明らかである。国も国民も共に痛みを背負いながらどう乗り切るのか厳しい選択を迫られる。

欧州連合離脱でイングランド王国瓦解の危機

2019-09-15 13:32:36 | Weblog
2019.9.15(日)
 今朝の中日新聞の「視座」欄で、同志社大学教授の浜矩子教授がイギリスの欧州連合(EU)離脱問題を分かりやすく解説している。
 まず、イギリスという国は、スコットランド、イングランド、ウェールズ及び北アイルランドの四つの地方から成り立っている。そこで国としての正式名称は「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」という。この名称の中のグレート・ブリテンの部分を構成するのがスコットランド、イングランド、ウェールズの三地方であり、これに北アイルランドが加わって「連合王国」(UK)が出来上がっている、と浜先生は解説される。
 いま話題のイギリスの欧州連合離脱を「ブレグジット」という。このブレグジットの急先鋒となってきたのはもっぱらイングランド地方の人々であり、その筆頭格がボリス・ジョンソン新首相である。
 2016年に行われたブレグジットへの賛否を問う国民投票において、スコットランドと北アイルランドは反対票が多かったが、イングランドとウェールズでは賛成票が反対票を上回った。しかし地理的、歴史的に密着度が強く、経済的融合度も高いウェールズ人たちの思いは複雑である。本音はイングランドからの自立願望に疼き、高鳴っている。「連合王国」の歴史は、イングランドによる他の三地方の征服の歴史であり、そのことを巡る恨みつらみは今なお消えていない。
 従って、征服者としてのイングランドへの抵抗感が、他の三地方の親EU感につながっている、と浜先生はいう。
 こうした背景を考えると、ジョンソン首相がブレグジットを強行すると連合王国が瓦解するのも現実味を帯びてくる。「ブレグジット」はまさに「連合王国」が存続するか否かの岐路に立っているといって過言でない。
 国を分断する動きは今や世界にはびこってきている。欧州の人々も二度の世界大戦の苦い経験を知る人は減少の一途である。日本でもあの15年戦争で悲惨な目に遭ったことを知る人は少なくなってきた。日韓の政治の争いから、国民同士を巻き込んだ大きな争いにならないことを願うばかりである。

安倍改憲内閣発足

2019-09-12 09:59:51 | Weblog
2019.9.12(木)
 第四次安倍改造内閣が11日午後、皇居での認証式を終えて発足した。
 安倍首相は記者会見で、改憲について「困難な挑戦だが、必ずや成し遂げる決意だ」と語った。
 首相以下20人の閣僚のうち、留任は安倍総理は当然として、麻生副総理、菅官房長官の3名のみ。閣僚経験者は高市早苗総務相、茂木敏充外務相、加藤勝信厚労相、河野太郎防衛相の4名。残りの13名は初入閣で、衆院当選五回以上、参院当選三回以上の入閣待機組を起用し、「在庫一掃」の色彩となったという。初入閣のうち特に話題となっているのが、小泉純一郎元首相の息子の小泉進次郎氏が環境大臣に就いたことである。つい最近、キャスター、タレントの滝川クリステルさんとの結婚を明かして世間を驚かしていただけに話題性も高い。改造内閣の目玉であり、国民への親近感を狙ったものでもある(こんなことで喜ぶ国民が多いことが問題だが)。
 ところで改造内閣の12閣僚が、改憲を強く主張している右翼団体「日本会議」を支持している「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)のメンバーという。安倍首相と麻生副首相は同議連の特別顧問の肩書がある。これを見ると第四次安倍内閣はまさに改憲内閣と言って間違いない。
 なお党の四役には、幹事長に二階俊博氏、政調会長に岸田文雄氏が再任され、総務会長に鈴木俊一氏、選対委員長に下村博文氏が就任した。また女性閣僚は、高市総務相と橋本聖子五輪・女性活躍担当相の二氏のみである。
 強固な改憲内閣の誕生である。安倍氏の総裁の任期は2021年9月なので、改憲の発議をするにはあと2年しかない。だからこそ強固な改憲シフトを組んだとも言える。
 最近の世論調査(共同通信)では、改憲反対が52.2%、賛成が35.2%と反対が多数である。国民は世界に冠たる平和憲法の改悪など決して望んではいない。
 しかし、政治を政治家任せにしておくと、いつの間にか戦争をする国になってしまう。戦争はいやだ!! 平和がいい!!という想いを持ち続ける賢い国民が常に多数を占めることを祈りたい。

あいちトリエンナーレ2019のドタバタ

2019-09-06 09:46:05 | Weblog
2019.9.6(金)
 あいちトリエンナーレは愛知県で3年に一度開催される国内最大級の現代アートの祭典とされている。今年も8月1日から10月14日まで、現代アートの国際展やダンス、演劇、音楽などの舞台芸術など広い分野にわたって、愛知県内各所で展示やイベントが繰り広げられている。
 この催しの中で、「表現の不自由展・その後」の展示会場が開催3日で中止に追い込まれたことが話題となり、日本国憲法が保障する「表現の自由」問題にエスカレートして物議をかもしている。特に「平和の少女像」の展示について、一部の国民から脅迫をまじえた批判が来るに及んで、日本政府もこの少女の展示に反対を表明したことが事を大きくしている。
 また徴用工問題も絡んで、日本の朝鮮に対する植民地支配の実態が虚実をまじえて浮き彫りになっているが、日中戦争が泥沼化し外地の朝鮮人労働者が強制動員された事実も明らかになってきたことは副次的な効果として結構なことである。
 韓国の最高裁での「徴用工判決」を、日本政府は「日韓請求協定に反する」として否定しているが、個人の請求権まで消滅していないことは日本政府自体も認めているほどである。
 戦争体験者の一人が、豊川海軍工廠へ学徒動員された体験の中で、日本人の食べ残した残飯を、朝鮮から強制動員された労働者たちがむさぼって食べる光景を涙ながらに語る姿からは、決して嘘でも誇張された話でもないことと思わざるを得ない。 他国へ押しかけて満州国をでっちあげ、また中国国内にまで進出して長期の日中戦争におよんだ事実は、誰が見ても日本の「侵略」であった。にもかかわらずそれを否定する日本人もとみに増加しつつある。事実を伝えない政府の言及に韓国や中国が悪いと信じてしまう善良な国民を政権自体が利用しているとしか言いようがない。
 ヨーロッパ諸国によるアフリカ諸国への植民地支配の圧政がどれほどアフリカ国民を苦しめたか、日本人もある程度は知っているはずである。日本の軍国時代には朝鮮は日本の植民地であったのである。
 時の権力者である政府は、国に対しては一片の協定で片が付いたかもしれないが、個々の国民に対してはいくら謝っても謝りすぎることはない。それは、ただ「ごめんなさい」ということではなく、国民同士は対等に親しく交流を行い、お互いにやさしく、敬意をもって接することである。
 敵意をもってかたる最近の風潮は、戦争への道につながることを歴史から学ばなければならない。