名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

METライブビューイング「ロメオとジュリエット」鑑賞

2017-02-25 21:16:32 | Weblog
2017.2.25(土)
 METライブビューイング2016~17の第5作目はグノーの「ロメオとジュリエット」である。今日から全国の主要都市で1週間にわたって上映される。名古屋では駅前のミッドランドスクエアシネマと決まっている。
 原作は言うまでもなくシェイクスピアの名作の一つ。メトロポリタンオペラとして新しい演出での上演という。
 ジュリエット役にディアナ・ダムラウ(ソプラノ)、ロメオ役にヴィットーリオ・グリゴーロ(テノール)、神父役はミハイル・ペトレンコ(バス)等が演じ、指揮はジャナンドレア・ノセダである。
 14世紀のルネサンスが興隆した時代で舞台はイタリアのヴェローナ。この地のモンタギュー家とキュピレット家は犬猿の仲だったが、キュピレット家の仮面舞踏会に忍び込んだロメオはジュリエットと出会い、一目で恋に落ちたところから始まる。
 ジュリエットの部屋に向かって歌うロメオとバルコニー越しに結婚を約束するところはあまりにも有名な場面である。二人はローラン神父のもとで結婚するが、旧敵同士の両家の間で殺人事件が起きてしまい、ロメオはヴェローナの町から追放される。 最後は二人とも死を選ぶという悲劇で終わるが、ダムラウとグリゴーロの熱唱と熱演はまさに感動ものである。
 出会いの場面、バルコニーでの愛の語らい、結婚の夜、最後の死の4場面での二人の情熱的な二重唱は圧巻であった。




国有財産を不当な安値で学校法人「森友学園」へ払い下げ

2017-02-24 22:27:29 | Weblog
2017.2.24(金)
 大阪市淀川区に本部を置き、幼稚園や保育園を運営する「森友学園」という学校法人がある。この学校法人が大阪府豊中市に、この4月に開校予定の小学校用地として、8770㎡の国有地の払い下げを受けたことが大問題となっている。問題はその値段である。
 財務省近畿財務局が依頼した不動産鑑定士による評価額は956百万円だったが、「地下に埋設物がある」との学園側からの連絡があったため、管理していた国土交通省大阪航空局がごみの撤去費用を約8億円と算定し、その分を差し引いた134百万円で払い下げたというのである。
そこで、本当にごみの撤去費用として8億円を要したというなら問題はないが、同学園の籠池泰典理事長は、撤去工事は校舎部分でのみ行い運動場部分では行っていないと述べて、いくらかかったのか具体的金額を明らかにしていない。 
 さらにごみの撤去とは別に、汚染土壌の除去費用として国は学園側に132百万円弱を支払ったという。8770㎡もの国有地を手放して国が得た金額は僅かに約2百万円だったというから驚く。 このことについて麻生副総理兼財務相は「適正な売却でありごみの撤去は相手方の問題で関知しない」などと答弁している。このことについては、大阪府の松井一郎知事ですら記者会見で「ごみがなければ、土地を安くするための森友学園の詐欺行為となる」と指摘している。
 筆者の経験からすれば、国有地をこれほどまで安く叩き売るなどという事はあり得ない。何らかの政治的圧力があったとか、安倍晋三首相夫人の昭惠さんが当該小学校の名誉校長であることへの配慮が働いたと勘ぐられても仕方がない。
 次にこの学園の「立ち位置」である。こ学園の籠池泰典理事長は、あの悪名高き日本最大の右派組織である「日本会議」の大阪支部役員という。配下の幼稚園では、国に尽くすことなどを定めた「教育勅語」を幼い園児に暗唱させることで知られるだけでなく、昨年には「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記した文書を保護者に配布し、差別表現に当たる恐れがあるとして大阪府から事情聴取されている。教育機関としての適格性が問われる学校法人である。
 なお、安倍昭惠首相夫人は、学校を紹介するインターネットのホームページで「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました」と同学園を宣伝していたが、なぜか2月23日にはこのメッセージは削除されていた。
 さらに一時、学園は「安倍晋三記念小学校」名目で寄付金を集めていたと伝えられていたことが国会で追及されたが、首相はそのことに遺憾の意を表明し、学園側も謝罪した。しかしながら、この名目で寄付金を集めていたことは事実だったという。国有地が安く払い下げられた<からくり>がこのあたりに隠れてはいないか

 問題のあるこの学校法人に、ほとんど「ただ同然」で売却した土地問題については、ごみと汚染土壌の処分費など事実関係をきちんと調査する必要がある。河戸光彦会計検査院長は23日の衆院予算委員会で「一連の事実関係を確認し、国会の議論も踏まえて正確性、経済性等の多角的な観点から検査を実施したい」と述べた。このことには大いに期待したい。

TPPが消えて厳しい日米二国間交渉が始まる

2017-02-23 15:36:08 | Weblog
2017.2.23(木)
 トランプ米大統領はアメリカファーストを掲げて、米国の経済政策を極端な保護主義へと舵を切ろうとしている。
 米国は1776年の建国から1945年の第二次世界大戦までは保護主義をとってきたが、その後はいわゆる自由貿易を基調としてきた。それは自国の産業保護のために関税の引き上げ競争が国際貿易額を縮小させ、景気を低迷に導いてひいては世界大戦に至ってしまった反省からであった。もちろん1970年代のニクソンショックに伴う保護貿易主義によって、日米貿易摩擦を引き起こした事例もあるから、一概に自由貿易一辺倒とは言えない。
 トランプ大統領の経済政策は、大幅減税、インフラへの投資そして自国の産業を優先する保護主義であるという事が見えてきた。自由貿易を前提とするTPPは相いれないことから、今後の日米貿易はFTAなど日米の二国間交渉となる。そこでは米から日本への輸出品については関税の撤廃を主張し、日本から米へ輸入される特に自動車については高い関税を要求してくるし、トランプ氏はすでに高い関税を主張している。
 食料自給率40%を割っている日本は、要するにこれらを輸入に頼らざるを得ない。TPPでは、根強い農家や酪農業者の反対を押さえて協定締結寸前まで来たのに土壇場で帳消しになってしまった。しかし、農家らはこれで安心とは決して言えない。これからは米国と指しでの交渉が始まる。米国の要求は間違いなくTPPより厳しくなるであろう。また日本から米への輸出品については、自動車をトップに高い関税を主張するに違いない。それがアメリカファーストだからだ。
 安倍首相は先のトランプ氏との日米首脳会談で、ゆるぎない日米同盟を確認できたと喜んでいたが、それは安全保障政策で日本の米への従属を決定的にしたに過ぎない。しかし、産業政策についてはトランプ氏もそうそう妥協できない。コメ農家や牛肉の団体は日本への輸出を求めてトランプ大統領を揺さぶることは目に見えている。

作曲家船村徹氏死去

2017-02-19 11:10:40 | Weblog
2017.2.19(日)
 王将、矢切の渡し、みだれ髪などのヒット曲で知られた作曲家の船村徹さんが16日午後、心不全のため死去した。享年84歳。告別式は23日、東京都文京区の護国寺で行われる。
 船村さんは東洋音楽学校(現東京音大)に進学し、ピアノと作曲を学び、ギターの流しをしながら曲作りに励んだという。1955年に出して春日八郎さんが歌った「別れの一本杉」が大ヒットして歌謡界にデビューした。
 その後、村田英雄「王将」、島倉千代子「東京だョおっ母さん」、美空ひばり「哀愁波止場・みだれ髪」、北島三郎「風雪ながれ旅・北の大地」、鳥羽一郎「兄弟船」など、日本人なら誰でも知っている演歌歌謡の代表曲を世に送り出した。このうち「矢切の渡し」「北の大地」は日本レコード大賞に輝いた。
 半世紀に及ぶ作曲家生活を経て、実に5000以上にものぼる曲を手がけた。日本人の情緒にぴったり訴えるメロディで魅了し、まさに国民的作曲家であった。作詞家・星野哲郎さんとのコンビを組んだこともヒット曲を多発した原動力であったという。
 日本作曲家協会会長、日本音楽著作権協会会長などを歴任し、1995年紫綬褒章、2008年文化功労者、2016年文化勲章受章という華々しい受賞歴にも輝いた。
 演歌歌謡の作曲家と言えば、古賀政男、服部良一、市川昭介、吉田正、三木たかし、古関裕而、浜口庫之助、万城目正、上原げんと、米山正夫、筒美京平などなどきら星のごとくいるが、船村徹さんについては「別れの一本杉」に出会ったのが、高校生になったばかりのころで、ラジオから流れてくるこの曲についつい口ずさんでいた記憶があって、親しみが特に深い。
 昭和の大作曲家の逝去の報にまたさびしい思いがつのる。

東芝 原発損失7125億円で倒産の危機

2017-02-15 18:24:57 | Weblog
2017.2.15(水)
 不祥事続きで経営再建中の東芝は昨日(14日)、2016年4月~12月期の連結決算の発表を延期すると発表した。米原発の子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の会計で不正があるとの内部通報を受け、監査法人が決算を承認しなかったためという。
 東芝の発表によると、原発関連の損失が7125億円に膨らみ、昨年12月末時点で1912億円の債務超過に転落していることを明らかにした。志賀重範会長は責任を取り15日付けで辞任する。
 2015年4月に発覚した東芝本体の不正会計問題からの再建途上、2006年に買収したWHによって再び大きな経営危機に陥った。
 原発は、安全規制が年々強まりコストが増加したが、コスト増を誰が負担するかを巡り、建設工事を担当する会社とも係争になった。その解決のために15年12月にはその相手を買収したが、損失は減るどころか7千億円を超える巨額損失を計上することになってしまった。
 東芝は、この3月末時点で負債が資産を上回る債務超過を回避できるかが最大の問題になってきた。債務超過になれば、東芝は上場廃止に追い込まれたり金融機関による融資も困難になる。
 東芝はこれまで医療機器や白物家電など収益が上がる事業や工場をすでに売却しており、「虎の子」の半導体事業まで売却すれば収益の上がる事業はほとんどなくなる。

 そもそも大企業の東芝がこんな事態を招いたのは、綱川智社長が言うように「WHを買収したことだといえないこともない」のであろう。
 あの東日本大震災による原発事故を体験しても、イケイケどんどんで原発にのめり込んでいった姿勢、体質がこの結果を招いたことは明らかである。このことは東芝に限ったことではない。原発を抱える日本の電力会社は一つとして反省するどころか、原発にしがみついている。要するに安倍政権の原発推進姿勢にもたれかかって、自立しようとしない情けない姿の象徴が東芝の現在の姿である。

METライブビューイング「ナブッコ」鑑賞

2017-02-08 11:49:21 | Weblog
2017.2.8(水)
 昨年秋から始まったMETライブビューイング2016~17の第4作、ヴェルディの「ナブッコ」を昨日、鑑賞した。
 ストーリーは旧約聖書にそった歴史物で、ユダ王国を征服したネバビロニアの王・ネブガドネザル2世(オペラではナブッコ)が、約5万人をバビロンに強制移住させた「バビロンの捕囚」を題材としたものである。
 1842年にミラノ・スカラ座で初演された。ヴェルディにとって3作目のオペラだが、初めて大成功を得た出世作として知られ、特にその第3部で強制労働を強いられるユダヤの人々が故郷を想って歌う合唱曲「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」は今日のイタリアにおいて国歌並みに、あるいはそれ以上に有名な旋律となっているという。
 この壮大な古代絵巻を、プラシド・ドミンゴがナブッコ役を演じ、ジェイムズ・レヴァインが指揮した。出演者へのインタビュー、休憩を含めて上映時間は約3時間余の長丁場である。
 アリアの数々、迫力ある合唱で圧倒され、興奮冷めやらぬ3時間余であった。ほかの出演者は、ナブッコが奴隷の女に産ませたアビガイッレにリュドミラ・モナスティルスカ(ソプラノ)、次女のフェネーナにジェイミー・バートン(メゾソプラノ)の他、演出はエライジャ・モシンスキー等である。


米国防長官来日

2017-02-06 10:09:11 | Weblog
2017.2.6(月)
 去る3日、マティス米国防長官が来日した。トランプ政権が発足して初の大臣訪日となった。マティス氏は早速官邸で安倍首相と会談し、対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条を、沖縄県の尖閣諸島に適用することを確認した。
 また、米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古沖での新基地建設を進める方針でも一致した。さらに、日米同盟の強化も確認した。特にマティス氏は普天間飛行場の移設先について「二つの案がある。一に辺野古、二に辺野古だ」と、辺野古の新基地建設しか選択肢がないと述べたと報道されている。
 翌4日には、マティス氏は稲田朋美防衛相と会談したが、稲田氏は「防衛力の質も量も強化し、同盟での日本の役割を拡大していく」と盟主アメリカに対して精一杯おもねった。こうした状況を評論家の寺島実郎氏は「幕府に本領安堵してもらった御家人」のようなものだと評した。言い得て妙である。
 政権を発足させたトランプ米大統領は、次々と新大統領令を発して世界を騒がせている。とりわけ、イスラム圏7か国からの入国を禁止した大統領令に署名したことに対する批判と混乱が外だけでなく政府内部にも広がっている。司法省トップを解任したり、おひざ元のワシントン州の司法長官からこの大統領令は憲法違反だと提訴されたりして、ドタバタが続いている。
 今や世界はトランプ派の勢いと、それを批判する勢力のせめぎ合いが日々拡大している。いつか決定的な衝突が起こらないことを祈るばかりである。